第三話 お菓子を買うことになりまして。

(スーパーの店内、お菓子売り場にて子供の声もちらほら聞こえる)


「えーーっと、ハッカのやつと〜生姜しょうがのやつと〜あとは〜、あ、あったあった。

このアソートパックの飴美味しいんだよね〜!」


「『そんなに買うの?』って?そりゃあ買うよキミの奢りだもん。こういうのは買ってもらえるときに多めに買わなきゃね〜」



「『何でのど飴ばっかりなの』って…、あー、実はさ、私小学校の時から演劇やってるんだよね、ほら、演劇の中でもいっぱい歌ったりするでしょ?今年の文化祭でも演劇部の方の出し物で歌ったし。それでのどケアのためによく食べてたから好きなんだ〜」



「そう言えば演劇部の劇見に来てくれたでしょ?

途中で見つけて声かけちゃいそうだったんだから。ねぇねぇどうだった?」



「『綺麗だった』?〜っやったぁ〜!!

まあ、長年培ってきたものがあるからねー!」



「え?キミ演劇見たの初めてなの!?

ふふ、そっかぁ〜じゃあ尚更嬉しいな〜!」



「『なんで?』って、…舞台とか演劇ってさ、見てくれた人がすっごい感動したとか綺麗だった、って言ってもらえるのが演者としては一番いいんだよね、それが初めてみた人なら尚更。

私の演技がきっかけになって、これからもぉ~ーっと演劇が好きになってくれたらいいなって思ってるんだ!」




「…私だから綺麗に感じた?

(動揺しながら)そ、そそそそっかぁ〜〜!

キミは私だから綺麗って思ったんだ〜!

へぇ~そっかぁ〜〜!」



「(動転しながら小声で)

もぉー!なんでキミは人はーーー!!って恥ずかしくなっちゃうようなこと普通にゆうのかなぁーー!

キミは何なの?天然人たらしかなんかなの?!」



「ど、どど、どうもしないし何も言ってない!

ほら、気を取り直してお菓子いっぱい買うぞぉーーっ(汗)!!」




◆◇◆




「さーて、奢りシリーズ第一弾ののど飴は終わったから、ここからは、お菓子爆買いだー!!

あ、ちなみにお菓子は私の奢りだからじゃんじゃん買おーぜー!」



「何言ってるの?お菓子とさっきのご飯の食材は私の奢りだよ!」


「…それならもっと食べたいの言ってればよかった?キミ、さっきもしかして遠慮した?

ん〜まぁ、後でアイス買ってもらうからその時また買いに行こ」



「ほら、それよりもお菓子お菓子!一緒に探そー♪」


「あ!ねえねえ見て〜!、高級チョコクッキーが特売されてたの!

いつもこれ高いからあんまり買えないんだよね〜ラッキー!」



「そうだ、ちょっとポテチ買い足しておこっかな。

そんなに食べんの?って?

えっとね〜、一つは普通に食べる用、もう一個はね……なんと、今日のご飯に使います!


え?『ポテチってごはんに使えるの?』って?

あ〜正確にはサラダに使うんだよ、まあ美味しく作るから楽しみにしてて!」



「う〜ぅん…、『パキッとあーもんどチョコ』にしよっかな、いや、今日は『おっきなましゅまろ』にする?これさえ決まれば安泰なんだけどな…。ねぇキミはどっちがいいと思う?

マシュマロ?それともアーモンド?

マシュマロ?キミが言うなら…よし!今日は『おっきなましゅまろ』で決まり!!」



◆◇◆



(買い物カートを押す音)

「ぃや〜、けっこう選んだね〜。まあ、選んでたの私ばっかだけど…。

でも、たまにはこういうのもいいよね〜!だって君といるの楽しいし」



「キミも楽しかったの?ふふ、そっかぁ〜、って、あ!ごめん、ちょっとカート持ってて!

サラダに使うレタス取ってくるの忘れてた!

取ってくるから待ってて!」






「ごめん待たせちゃって。

鮮度良さげなの探してたら遅くなった!

取り敢えずこれで、ご飯系とお菓子はだいたいオーケーだから、あとは飲み物と、アイスと…、あ、あとキミがもう少し冷食とか買いたい物があるなら買う、でいいかな?

いい?じゃあさっそく参ろ〜う!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る