第二話 ご飯を買うことになりまして。

(学校から歩いて三分くらいのドラックストア付きスーパーへ到着)

(スーパーの店内の音)

「いぇーい到っ着!さーいっぱい買うぞー!!」


「『そんなに食べれるのか』って?(自慢気に)ふふーん余った分は家の冷蔵庫に入れるから大丈夫!

ねぇ、それよりキミは打ち上げのご飯何食べたいとかある?明日休みだしちょっと作るくらいなら全然いいよ?」



(不思議そうに)

「……わたしの作った味噌汁?いいけど…?なんで?」



(照れながら)

「『大好きな人が作った味噌汁は実家のおふくろの味とは違う温かみがあるらしいから』………。

何それ初耳なんだけど?!

ふーん?じゃあ頑張って作っちゃおっかなぁ♪」


「じゃあ早く味噌汁の具買いに行くよ、なんの具がいいの?キミは?」


「小松菜と油揚げのヤツ?へー、君も好きなんだ、私もあれ好き!

よし、じゃあそれで決まりね〜。」


「えっと、油揚げはいえに確かあったからいいとして、小松菜は……、どーれーがーいーいーのーかーなぁー?」


「あれ、キミなんで笑ってるのさ?


…私がお母さんみたい?あー、まぁ高校から学校に近いところで一人暮らしになったからご飯とか自分でずっとやってたからなぁ。

そういうところとか考えたらたしかにお母さんぽいのはあるかも」


「ちょ、ねぇお母さんって呼ばないでよ!

私は君のお母さんだった記憶なんてミドリムシほどもございません〜」



「分かればよろしいっ!

ほら、味噌汁だけで打ち上げとか物足りないにもほどがあるでしょ。冷凍食品でもなんでもいいからなんか美味しいもの買いに行こ」




「ねぇキミ、突然だが私の好きなお惣菜は何か知ってる?」


「唐揚げって、即答?いや、まあ唐揚げも好きだし買おうとは思ってるけどね?

私にはもう一個好きなのがあるんだよな〜」



「分かんない?じゃあヒントをあげる。

ヒントは【この冷凍食品エリアにある】だよ」



「えーまだわかんない??仕方ないなぁ。じゃあ特別に第二ヒントね!

第二ヒントは【あま~いお芋のお惣菜】!」



「ぴんぽーん!!大正解!答えは【大学芋】でした〜!

ま、あそこまでヒント出したらさすがに分かるよねー」


(カゴに惣菜の袋を入れる音)

「『好きなの?』って、うん、好きだよ大学芋。

それがどうかしたの?」



「(驚きながら)は、はぁ?キミと大学芋、どっちのほうが好きなのか?」


「ば、ばっばば馬鹿じゃないの?!何大学芋に嫉妬してんのよ!」


「どっちが好きって、そりゃあ……」



「(ものすごい小声で)キ、キミのほうが、だ、断然好きに決まってんじゃんかぁ……」



「『聞こえないからもう一回』?

〜〜〜っっ!もう!キミのほうが好きに決まってんでしょ!!

バカ、バーーーカ!!もう!奢ってもらうものにのど飴追加ね!」



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