ロリ巨乳美少女にＴＳしたら、Vtuberなお姉ちゃんにVtuber界に引きずり込まれました

＃６９ 抵抗する椎菜、どうしてこうなった

　どうしてこうなった？

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　栞お姉ちゃんとゲリラコラボすることが決まってからお部屋に戻っての～んびりと過ごして、夜ご飯に。

　夜ご飯は大広間に集まってみんなで食べる形で、僕もお腹いっぱい食べました。

　ただ……。

「あむっ、んむんむ……」

「椎菜ちゃん、はい、あーん！」

「あむっ」

「こっちもこっちも！」

「はむっ！」

「椎菜ちゃんこっちもー！」

「はむっ！」

　と、なぜか近くの女の子からあーんをされ続けていました。

　あの、すごく美味しいけど……それ、みんなの分、だよね？

　僕に食べさせちゃっていいの……？

（（（もきゅもきゅ食べる姿、超可愛い……）））

　と、思われていたことを、僕は知りません。

　そんなこんなで美味しい夜ご飯を食べたら次は楽しみにしていた温泉……だったんだけど……。

「い、行きたくないっ……！」

　僕はひしっ！　とあの謎の間の縁に手をかけて、僕を連れて行こうとする麗奈ちゃんに抵抗していました。

「もー、ダメだよ？　椎菜ちゃん。女の子なんだから、ちゃんと綺麗にしないと。あと、旅館の温泉、楽しみにしてたよね？」

「で、でもっ、でもっ……バスタオルがダメだなんて、恥ずかしくて無理だよぉ～～～～っ！」

　僕自身、周囲が女の子しかいない状況で、裸を見ることだって、僕自身が裸になることだって嫌ですっ！　絶対嫌です！

　恥ずかしいもん！　恥ずかしいもんっ！

「そうは言っても、マナー違反だしねー」

「そうね。テレビでは着けてるけど、あれは許可を貰っているからなわけで」

「うぅ～～～～っ！」

　やだよぉ……恥ずかしいよぉ……！

　行きたくないよぉ……！

「もー！　椎菜ちゃん、駄々っ子はダメだよっ！」

「で、でも、僕男だもんっ！　心は男だもんっ！」

「でも今は女の子です！　こうなったらこっちにも考えがあるからね！」

「いくら麗奈ちゃんでもっ、僕はていこひゃうん！？」

　僕が必死に抵抗している最中、麗奈ちゃんが僕の耳に息を吹きかけて来て、思わず手をパッ！　と離してしまいました。

「美咲ちゃん、瑠璃ちゃん、今だよ！」

「「合点！」」

「あっ、は、離してぇ～～～！」

　麗奈ちゃんに指示されるままに、僕は二人に確保されてしまいました……。

　その後、麗奈ちゃんに引き渡されて、抱っこされるような形で僕は連行。

「あぅぅ～～！　は～な～し～て～～っ！」

　じたばた、じたばた、と僕は子供のように暴れながら抜け出そうとします。

　でも、本気で体は動かせないし、仮にそうしちゃったらけがをさせちゃうから、全然力が出せなくて……うぅ、このままだとすごく恥ずかしくて死んじゃうよぉ～！

　な、なんとかして、何とかして逃げないとっ……！

「でよーって、ん？　あれ、桜木？」

「あ、ほんとだ。って、なんで抱っこされてんだ？」

「というか、桜木めっちゃ暴れてんだけど」

「なあ、高宮、アレどういう状況かわかるか？」

「ん？　……あー、理解」

「「「すげぇなお前」」」

　と、目の前に柊君と柊君の同室の人たちが！

「あ、高宮君やっほー」

「あぁ。椎菜が抱っこされて暴れてるところを察するに……風呂に入りたくなくて暴れてるな。あー、いや、それだと正確じゃないな。おそらく……自分の心は男だから、周りに申し訳がない。あとは、心が男だから周囲が女子の中で裸になりたくない。それでひたすら抵抗してたところで、何らかの策を弄されて、結果捕獲。そのまま抱っこで連行されてる……ってところか？」

「「「高宮君エスパー！？」」」

「「「当たってんのかよ！？」」」

　高宮（君）すげー、みたいな感想と表情が柊君に向けられました。

　柊君、本当に僕に対する理解度、高いよね……。

「その様子を見るに、本当に当たってるのか……まあ、気持ちはわかるがな。いくら体が女子になったとはいえ、椎菜もちゃんと男子高校生だからな。そりゃ恥ずかしがるし、罪悪感も出るだろう」

「柊君っ……！」

　やっぱり僕の味方は柊君だけだよっ……！

　だ、だから、この調子で僕を助けていただけるとっ……！

「とはいえ、椎菜はもう男には戻れないんだろうし、これを機に慣れた方がいいぞ」

「（ガーンっ！）」

「うわっ、桜木が見たことねぇくらいショックを受けた顔してんだけど！」

「高宮お前、結構鬼畜なのな」

「ドＳか……」

「そうか、高宮はドＳか……クソッ！　普通にモテそうじゃねぇかッ……！」

「なんでだよ！？　あと、椎菜は絶対慣れた方がいいからな！？」

「うぅっ、うぅ～～～～～っ……！　しゅ、柊君のばかぁぁっ！」

「ぐはぁっ！」

　助けてくれない柊君なんてっ、僕の味方じゃないもんっ……！

　うぅ……。

「あ、高宮君が膝から崩れ落ちた」

「大丈夫か高宮！？（にやにや）」

「無事か！？（ニマニマ）

「しっかりしろ！　傷は浅いぞ！（満面の笑み）」

「あー、椎菜ちゃんからの『ばかぁ！』はたしかに可愛いけど、言われる側のダメージ大きそー」

「わかるわ。普段悪口とか汚い言葉を言わない人からのド直球な罵倒ほど精神に来るものはないわー」

「あー、高宮君、大丈夫？」

　と、麗奈ちゃんが崩れ落ちた柊君に苦笑しながら麗奈ちゃんが近づき……あっ、今ならちょっと手が緩んでるっ！

「逃げるっ！」

　僕はぐいっ！　と麗奈ちゃんの腕を少しだけ押しのけると、すたっ！　と床に着地。

　そのまま脱兎のごとく逃げだしました。

「あっ！　椎菜ちゃん逃げちゃだめーーー！　二人とも、椎菜ちゃんを追うよ！　あと、応援要請！」

「「了解！」」

　絶対逃げ切る……！

「……なあ、なんか今の桜木、ハーレムラブコメものの主人公みたいじゃね？」

「わかるなぁ……あれだろ？　修学旅行で複数のヒロインに言い寄られて、結果的に逃げ出す奴」

「「「あー、わかるわー……」」」

「ところで高宮、お前マジで大丈夫か？」

「……椎菜の罵倒は、心に来る……」

「「「南無三」」」

◇

「はぁっ、はぁっ……うぅ、やっぱり来てるぅ……！」

　なぜか鬼ごっこに発展してしまったけど、何とか逃げ切ろうと頑張る。

　ちなみに、迷惑になっちゃうので旅館の中では走ってはいません！

　早歩きです！

　追いかけて来る麗奈ちゃんたちも、ちゃんと早歩きで追いかけて来てます。

　正直、走るよりこっちの方が疲れるよね……。

　と、僕は外に出ると……。

「はぁっ、ふぅっ……て、『転神』……！」

　転神を使用して神薙みたまの姿に変身。

　そのままぴょんっ！　と高く跳び上がって、旅館の屋根へ。

　本当はダメだけどっ……すごくダメなことだけどっ……！

　あとで栞お姉ちゃんと栞お姉ちゃんのお母さんに謝らないと……うぅ……。

『あれ？　椎菜ちゃんがいない！』

『見失っちゃったかー……まあ、仕方ないし、とりあえず、お風呂行こっか。時間もなくなっちゃうもんね』

『もしかしたらひょっこり来るかも！』

　なんて下から会話が聞こえて来て、みんなが諦めたのを確認すると、ふぅ、と一息。

「うぅ……イケナイことしちゃったよぉ……悪い子だよぉ……」

　でも、一緒にお風呂はハードル高いもん……。

「とりあえず、このままお部屋に戻ろう」

　今中から入ってもバレちゃうと思うし、さっきまで麗奈ちゃんたちが窓を開けてたからそこから入るしかない、よね……。

　はぁ……本気で謝らないと……。

　そう思いながら、僕はとたたっ！　と駆け足でお部屋の場所まで向かっていると……。

　とととっ！　と何かの足音が……って、

「こんっ！」

「ふぇ！？　き、狐さん！？」

　そこにはなぜか白い狐さんがいました。

　も、もしかして、あの神社にいた……って、よく見たらあの時の狐さんとは大きさが違うし、そもそもあそこは関東だから……違う、よね？

「……くぅん？」

「えっ、あっ、な、なんでこっちに来るの……！？」

「こんっ！」

　とてとてと僕に近づいて来たと思ったら、袖をくいくいと引っ張ってきました。

「ふぁあ！？　だ、だだっ、だめだよ！？　あ、引っ張っちゃだめぇ！　ふぇぇんっ！　と、とりあえず、逃げないとっ！」

　優しく振りほどいてから、僕はたたたっ！　と走りました。

　に、逃げないと逃げないと……って思ってたら……。

「ふぇ！？　あ、あわわわっ！？　お、落ちちゃうぅ～～～～～！？」

　目の前が吹き抜け……というか、この煙って湯気だよね！？

　あぅぅ、なんであんなところに狐さんが！？

　って、はわわわっ！

　バッシャァァァァァン！

『『『な、なになになに！？』』』

　僕は大きな水しぶきを立てて、お風呂に落っこちちゃいました。

「ふぇぇぇ……」

　と、とりあえず下が温泉で助かったぁ……。

　でも、びしょびしょだよぉ……。

『『『……』』』

　周囲を見回すと、そこには驚きで固まってる女の子が……って！

「ご、ごごごっ、ごめんなしゃいっ！？」

　僕はみるみる顔が赤くなっていき、謝りながら勢いよく後ろを向きました。

　こ、ここっ、お、女湯だよぉ！？

　し、しかも、チラッと見えたけど麗奈ちゃんもいたし！

　ど、どうしよう……今の姿は桜木椎菜じゃなくて、神薙みたまだし……ど、どうやってこの場を切り抜ければ！？

　そ、それに、空から落ちて来た巫女服？　のようなものを着た変な女の子に見えちゃってるよね！？　ど、どうしよう！？

　つ、通報されちゃいますか？　されちゃうんですか！？

　と、僕が心の中で百面相していると……

『『『きゃーーーー！』』』

「ふにゃ！？」

　突然、悲鳴……というより、黄色い声（？）が上がりました。

「何この娘何この娘ー！」

「メッチャ可愛い！　というか、リアルみたまちゃん！　リアルみたまちゃんだよ！」

「銀髪蒼眼！　狐耳に尻尾！　可愛すぎるぅ！」

「ふひゃぁ！？」

　いきなりたくさんの女の子に囲まれてしまい、僕はパニックに。

「わー、すっごい髪の毛さらさら！？」

「というかこの耳と尻尾、本当に生えてない？」

「えー、そんなわけ……って、ほんとだ！？　直に生えてる！？」

　あっ！　ど、どうしよう！？

　い、いくらＴＳ病っていうファンタジーがあっても、耳と尻尾が生えてる女の子なんていないよね！？

　ま、まずいよぉ……どうしよぉ……！

『『『さすが京都、狐ロリ巫女が実在したのかッ……！』』』

　……あ、あれ？　なんだか、おかしな方に進んだような……。

「ねね、お名前はなんて言うの？」

「どこから来たの？」

「どうして落っこちて来たの？」

「あっ、え、えと、その……はぅぅ～～～……」

（（（可愛い……）））

「とりあえず……服脱ご、服！」

「ふぇ！？」

「あ、そうだねー。ほら、ここ温泉だし、服を着たままはダメだよ？」

「あ、で、でもっ……」

「いいからいいから！　よーし、みんな脱がせ脱がせー！」

「「「おー！」」」

「ひやぁぁぁ！？」

　結局、脱がされちゃいました……。

「「「……」」」

「あ、あの、な、なんでしょう、か……？」

「「「……で、でかいっ……！」」」

「ふあ！？　ど、どこを見てるんですかぁ！！？」

　でかいという言葉と、視線でどこを見ているのかがわかって、僕は自分の体を隠すように掻き抱きました。

「あんなにちっちゃいのに胸は大きいなんて……やはりファンタジーか！」

「狐ロリ巫女だけでも属性過多なのに、ロリ巨乳属性もお持ちとは！　なんという欲張りハッピーセット！」

「とりあえず、一緒に入ろう！」

「その前に体とか洗うのが先じゃない？」

「「「たしかに」」」

「じゃあ……麗奈、任せた！」

　なぜか麗奈ちゃんが洗うように言われていました。

「あたしなんだ。まあいいけど」

　そう返す麗奈ちゃんの表情は、なんとも言い難い物でした……ただひとつわかるのは、

『事情、教えてね？』

　って言ってるように見えました。

　うぅ……。

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　えー、私もなぜこうなったのかわかりません。

　お風呂には、椎菜ではなく、みたまが入りました。まあ、どっちも同じ人だからね！　セーフセーフ！

　本当は一話で終わらせるつもりでしたが、我が時間の都合上、次回に続きます。次で配信前くらいには持っていきたいけど……どうだろう。