番外編#1-7 配信、それからエピローグ

【《らいばーほーむ三期生》姉妹だよっ!《コラボ》】

 神薙みたま/Kannagi Mitama

 チャンネル登録者107万人

 391,165人が視聴中

 #みたまの社 #らいばーほーむ #コラボ


「みんなー、こんたまぁっ!」


¥50,000

【天空ひかり:こんたまぁ!】

¥50,000

【雪ふゆり:こんたまぁ~~~!】

¥50,000

【ロリコンお嬢:こんたまぁ!】

¥50,000

【わたもち:こんたま!】

¥50,000

【やおい:こんたま!】

【こんたま!】

¥1,000

【こんたま!】

【おいなんか変なのいるぞ!?】

【名前がおかしい奴がおるんやけど!?】

【ロリコンお嬢は草】

【やおいとかいうド直球ネームの方がやべぇだろww】

「みんな、スパチャとこんたまありがとうっ! 今日はね、急遽のコラボ配信だよっ!」


 配信が始まるなり、さっきまでの性格とは打って変わっての様子の椎菜もといみたまに、すぐ傍で控えている依桜|(いのり)、まひろ(ゆかり)の二人は、唖然としていた。

 二人が見ていた椎菜と言うのは、穏やか~な恥ずかしがり屋な僕っ娘だからである。

 まさかのテンションに二人は面食らった。

 これがプロか……! とも思ったが。


【コラボって何?】

【一昨日たつな様とコラボったばっかじゃね?】

【何を言うか! みたまちゃんはいつもコラボってるだろ!? むしろ、それが芸風や!】

【草】

【否定できねぇww】


「えーっと、今日のコラボはいつもとは違いまして、今日限りのものです! なので、是非楽しんでいってね!」


【今日限り?】

【なになに、今日限定のライバー的な?】

【何それ気になる!】


「というわけで、早速登場してもらいますっ! 二人とも! きてきてー!」


 と、ささっと進行させていくみたまに呼ばれて二人は視聴者たちの前に姿を現した。


「え、えっと、こ、ここ、こんたまっ! し――じゃなくて、みたまちゃんが心配で見に来た、みたまちゃんのお姉ちゃん、神薙いのりです!」

「こんたまじゃ。儂の世話をする者がおらんくなったので追いかけて来た、二人の末妹の神薙ゆかりじゃ。よろしく頼む」


 自己紹介と共に現れたみたまそっくりな二人のロリっ娘にコメント欄は大騒ぎになる。


【!?】

【!?】

【!?】

【ちょっと待てや!? え、何このクソカワロリ二人!?】

【は!? 声も可愛いんですが!? ちょっ、えぇ!?】

【というかこのデザインどう見てもわたもちママだよね!? え、あの人何してんの!?】

【わたもち:ふへへ……や、やはり出来は完璧だぜぇ……】

【やおい:だねぇ……ふふふ、二人の合作ぅ……最高だぁ……】

【え、合作!? おかしい! 既に情報量がおかしいんですが!?】

【つーかのじゃロリ!? のじゃロリがおるんだけど!?】

【地味に陛下とキャラ被り?】


「む、なんじゃ、みたま姉よ、儂と同じような喋り方の者がおるのか?」

「あ、うん、えっとリリスおねぇたまっていう人がいて……」

「「おねぇたま……」」

「はぅぁ!? こ、ここっ、これはその、こ、せ、設定と言いますかっ……! べ、別に、す、好きで言ってるわけじゃないからねっ!?」


 いつも通りのおねぇたま呼びに、いのりとゆかりの二人から生暖かい目を向けられ、なぜかツンデレセリフが出て来るみたま。


【ツンデレで草】

【というか設定言っちゃってるしww】

【まあほら、らいばーほーむで設定順守してんの、陛下くらいだし……】

【↑その時点でおかしいんだよなぁww】


「あぅぅ~~~っ……と、ともあれっ! こ、この二人は今日限りの特別ゲストさんですっ! 改めて、祈お姉ちゃんとゆかりちゃんはよろしくお願いしますっ!」

「よろしくお願いします」

「うむ、よろしくじゃ!」


【おぉ、なんかロリっ娘三人は素晴らしいなぁ……】

【ロリコンお嬢:ふふふ……これは素晴らしい……やはり、わたしのお嫁さんは素敵ですねぇっ……!】

【!?】

【お嫁さん!?】

【誰のこと言ってんだ!?】


「ちょっ! おぬしはそうホイホイ言うでないわ!? コメ欄じゃぞコメ欄っ!」


 コメント欄に現れた『ロリコンお嬢』という名前の人物に、ゆかりがツッコミを入れる!


【嫁!? どういうこと!?】

【え、ゆかりちゃんは既婚者!? エッ!?】

【ま、まさか、男がいる、だとっ……!?】


「き、気色悪いことを言うでないわ!? 儂の旦那は女じゃ女っ! 男と一緒とか寒気がするわい!」


 火に油を注ぐ言動である。

 まあ、お祭り的な方面ではあるが。


【何ィィィィ!? ゆ、百合だとぅ!?】

【百合カップルで草ァ!】

【初手から面白すぎるだろwww】

【ゆかりちゃんパネェ!】


「お、おのれロリコンお嬢めぇ……!」

「ま、まあまあ、その、楽しんでるみたいだから……」

「くっ、いのり姉がそう言うのならば仕方あるまいっ……」

「あ、あははは……」


 開始早々からおかしなことになり、ゆかりはぐぬぬし、いのりはゆかりを宥め、みたまは苦笑いである。


「え、えーっと、そうだね……じゃあ、んっと、早速ましゅまろ読もう! 今日限りだからなるべく多くやりたいからね!」

「そ、そうだね!」

「じゃ、じゃな!」


【この慣れてない感いいわぁ】

【わかる。初々しいよね】

【可愛い】

【というか、三人ともロリで声可愛いは最高過ぎ……】


「それじゃあ最初のましゅまろだよっ! 最初は……これっ! 『こんたま! なんでも、コラボとのことで! 質問です! コラボ相手の方の特技を教えてください!』だって。ちょうど二人のことみたいだね。何かある?」

「えーっと得意なことかぁ……とりあえず、家事は得意だね」

「儂もじゃな」


【世話してくれる者がいなくなって追いかけてきた設定が速攻消し飛んで草】

【マジだwww】

【設定が意味をなさなくなるの早すぎんだろww】

【ってか、三人とも家事得意なのか】

【すげぇな】


「それ以外は何かあるの?」

「うーん……運動は得意かな。少なくとも、フルマラソンを全力疾走して疲れないくらいには?」

「おぬし、やっぱ規格外すぎん?」

「まあ、修羅場をくぐって来たので……」


【修羅場で潜った結果がフルマラソン疲れない!?】

【ゆかりちゃんおかしいなぁ、とは思ったが、まさかいのりちゃんもおかしい!? というか、そんな人間いるんか!?】


 いのりの何気ない発言に、コメント欄が再び盛り上がる。

 というより、ツッコミの方が多い。


「運動が得意なのは羨ましいかも」

「儂は……まあ、条件付きではあるが得意ではあるのう」


【条件付きで得意って何!?】

【運動に条件付きも何もなくね!?】

【ハンデ? ハンデなのか!?】


「いや儂、変身できるし……」


【変身!?】

【ゆかりちゃんは中二病なのか!?】


「違うが!? あ、いやっ、こっちには能力とかないから……くっ、儂の失言ッ!」

「だ、大丈夫だよ、ゆかりちゃん! わたしも変身能力あるから!」


【みたまちゃん!?】

【やばい! みたまちゃんも中二病になってしまわれた!】

【クソッ、遅咲きの中二病だというのかっ……!】

【いや待て、中二病な女の子は可愛くないか? 痛々しくて】

【まあ、魔法が使えるんだぜー! とか、変身できるだぜー! とかいう女の子はたしかに可愛いが】


「「「うぐっ……!」」」


 何気ないコメントが三人の心に突き刺さった!

 何せこの三人、全員がファンタジー能力持ちだから!

 異世界帰還系TSっ娘に、能力付きTSっ娘、神様に愛され系TSっ娘なので。


「……そっか、やっぱりボク、痛々しいんだね……」

「……わたしも、今のは痛々しい、よね……」

「……儂なんて、ド直球じゃぞ……」


【なぜか三人が死んでるwww】

【どうした!?】

【中二病という呼ばれ方がダメだったのか……!】

【やおい:大丈夫だよ三人とも! 高校生なんて! みんな頭の中はファンタジーしてるから!】


「め――じゃなくて、やおいさん、それは全然大丈夫じゃないと思うな!? あと、やおいさんは事情を知ってるよね!?」

「あっ、いのりお姉ちゃん、それは言わない方が……!」


【草】

【ヤバいぞ、普通にいのりちゃんとゆかりちゃんの二人、平気で知り合いのしちょうしゃと話してやがるww】

【これ、らいばーほーむじゃなかったら色々炎上してんだろww】

【まあ、らいばーほーむだからね! 許されちゃうよね!】


「は!? あ、え、えっと、なかったことしてくだしゃいっ!? はぅっ!」


【噛み芸ww】

【神薙の系譜を感じる……!】

【そうか、神薙姉妹は噛み芸はお家芸ということか……!】

【↑何を言ってるんだ】

【つまり、ゆかりちゃんも噛む……ってこと!?】


「いや儂は噛まんからにゃ!? ぬぐぉ~~~っ!」


【即落ち二コマで草】

【いやこれ一コマやろww】

【可愛いなぁオイw】

【よし、あとはみたまちゃんが噛めば完璧だな!】


「さ、さすがに噛まにゃいよっ!? はぅぅぅ~~~~っ!」


【草ァ!】

【これだよこれぇ! ありがとうございます! 無事鼻血出ましたッ!】

【っぱみたまちゃんの噛み芸よ!】

【わたもち:やはり噛み芸は良い文明ッ……! あ、血反吐拭かなきゃ……】

【雪ふゆり:ふへへ、ロリっ子の噛み芸は最高ですねぇ~~~~! 鼻血と吐血が止まりませんねぇ~~~】

【ロリコンお嬢:わかります! おロリ様は至高にして頂点ですよね! さすがです! あ、すみません、お宅を汚してしまい……わたしもお掃除しますね!】

【ちょっと待て! え、なに、ロリコンのとこにこの、ロリコンお嬢いるの!?】

【わたもち:なんだったら、うちの所にはやおいちゃんがおるけど?】

【www】

【どうなっとんねんww】

【え、全員知り合い……?】

【わけがわからないよ】


 ロリコンと推定ロリコンが一緒にいて、クリエイターと推定クリエイターが一緒にいて……と、なかなかにアレなことになっており、コメント欄は混乱状態だ。

 まあ、結局はらいばーほーむなので、なんでもありか、ということで落ち着くのだが……。


「え、えっと、じゃあ次行こっか! 次はいのりお姉ちゃんが引いて!」

「あ、うん。じゃあ……これにするね。えーっと、『こんたまぁ! 今日の下着の色を教えてください』…………えーっと、し、白?」

「わたしは水色、かなぁ」

「儂は桜色じゃな」


 ド直球なセクハラじみたましゅまろに、視聴者たちは絶対に答えないだろうと思っていたが、三人ともまさかの回答!

 普通に暴露してしまっていた。


【ちょぉ!?】

【いいの!? それ言っちゃっていいの!?】

【なるほど、みたまちゃんは水色……】

【いのりちゃんは白で、ゆかりちゃんは桜色……】

【やおい:よっしゃあぁぁぁぁ! いのりちゃんの下着の色情報GETだぜ!】

【天空ひかり:とりあえず、みたまちゃんの下着情報を知った人は後で殺すね☆】

【ロリコンお嬢:ゆかりちゃん、あとでお話がありますからね?】


「ハッ!? し、しまったっ、孔明の罠かっ……!」


【ww】

【孔明ww】

【素で答えてたやんww】


「……やおいさん、割とボクのその、し、下着、のことは知ってるよね……そんなに喜ぶようなことじゃないと思うんだけど……」


【いのりちゃん!?】

【おいいのりちゃんもどこかおかしいぞ!?】

【つーか、やおいとかいう人が羨ましすぎるんだが!?】

【やおい:ふははは! このわたしは常にいのりちゃんと一緒だからねぇ! というか、学校同じィ!】

【とんでもねぇ情報を暴露してやがる!?】

【いのりちゃんいいの!? これ!?】


「え? あ、えーっと、まあ、バレても問題はないかなぁって。というより、その辺りはゆかりちゃんも同じだよね?」

「まあ、そうじゃな。儂といのり姉の通う学校は違うし、そもそもみたま姉とも違うからのう……」

「そ、そうだね」


 そもそも住んでる世界が文字通り違うとは口が裂けても言えないけど……と三人は思った。


【初手でプライベート情報を暴露しまくってて草。いやワロエナイ……】

【色々心配になる】

【わかる……全員どこかずれてる】

【まあ、面白いからヨシ!】

【↑外道で草】


「え、えーっと、じゃあ次のましゅまろに行こっか! ゆかりちゃん、どうぞ!」

「うむ、任せよ! 当たり障りのない物を引いて見せるわい!」


【あ、フラグ……】

【すげぇ、ナチュラルにフラグ建築してる】


「フラグ言うでないわ!? 絶対まともな物じゃからな! よし、これじゃぁ! 『こんたま! キャベツ畑とコウノトリ、どれを信じますか? 他意はありません!』他意しかないじゃろこれぇ!?」


【草ァ!】

【草】

【突然わけわからねぇことなのに、その二つの単語で色々察せてしまうのがなぁww】

【というか、ゆかりちゃんはわかるのか】

【で、ロリピュアのみたまちゃんと新参のいのりちゃんは……】


「「???」」


【あ、ハイ】

【これはガチでわかってない奴やww】

【でもこれ、子供が訊いて来た時の対処法としては有名だよね? なんだったら、みたまちゃん世代は割と……】


「ねえ、ゆかりちゃん、これってどういう意味かわかるかな? わたし、よくわからなくて……」

「んぇ!?」

「あ、ボクも……」

「あっ、いや、それは、じゃなっ……」


 純粋な瞳で尋ねて来る二人に、ゆかりはしどろもどろになる。


【これ、ゆかりちゃんは知ってるな……】

【まあ、既婚者っぽいし?】

【ってか、いのりちゃんもまさかピュア……?】

【いやいやまさかそんなー】

【そこまで似ることはないやろ、多分……】


「……と、とりあえず、知らなくてもいいことじゃから!? 生きていればそのうち知ることになるからな!?」


 じーっと見つめられて、結局そう言って濁すことにした。


(無理じゃろ! 子供ってどうやってできるの? で大人が困った時に答えるあれじゃからこれぇ! 儂はまぁ……色々知っちゃってけどもっ!)


【逃げたかww】

【まあ、これは逃げたくなるよね……】

【むしろ正解だろこれw】


「むぅ、すっごく気になるけど……」

「うーん、でも、あんまり訊いても時間が無くなりそうだよね。うん、じゃあ、ゆかりちゃんの言うことを信じます。ボク、なんとなく足を踏み入れちゃいけない! って感じがしてるし」

「あ、わたしも。なんでだろうね?」

「「ねー?」」


【ぐっ、可愛いっ……!】

【お互いに見合わせての「ねー?」は可愛すぎやろっ!】

【鼻血ィ!】

【吐血ゥ!】

【天空ひかり:ふふへへへ、やはりっ、私の目に狂いはなかったっ……この時点で可愛いっ!】

【お前が元凶なのかよ!?】

【天空ひかり:ちなみに、主犯は私だけど、共犯者はわたもちさんとやおいちゃんだからね☆】

【マジかよ……】

【ヤバすぎんだろマジ】


「ほ、ほれ次じゃ次! 次行くぞ次!」

「あ、そうでした! じゃあ、次はわたしが引くね! じゃあ、これ! 『こんたま! 今書きました! お二人の好物はなんですか!?』だって。そう言えば聞いてなかったかも? 何が好きなのかな?」

「ボクはえんがわだね」

「儂は和菓子とか緑茶が好きじゃが、えんがわも好物じゃな」

「そうなの? わたしもえんがわ大好きだよっ!」

「「「仲間!」」」


【えんがわ仲間だったwww】

【んな渋いとこが一致することある!?】

【神薙家はえんがわ好きじゃないとなれないのか……?】

【↑さ、さすがにそんなことは……】


「美味しいよね、えんがわ!」

「うんうん! ボク、たまに近所のお魚屋さんで買うんだけど、もう美味しくてついつい買い過ぎちゃうよね!」

「あぁ、わかるのう! 儂、炙りも好きじゃぞ! 生とは違った食感と美味さじゃからな!」

「「わかるぅっ!」」

「あれだよね、噛んだ時のじんわりとした甘みがいいよね!」

「そうそう! あと、お茶漬けに入れてもすごく美味しい! ほろほろ、って崩れて!」

「いいのういいのう! あとはあれじゃろ! わさびと和えたり!」

「「美味しいよね!」」


 えんがわで盛り上がれる高校生三名。

 なかなか特殊だと思う。


【えんがわ談義……w】

【やばい、可愛いんだけど、中身がえんがわなのが渋すぎるww】

【なかなかいないと思うんだけどなぁ、えんがわ好きってww】

【好きは好きでも大好物! って感じの人は少ないよね、実際】

【ロリコンお嬢:あぁ^~~~~、おロリ様たちが好物でわいわい騒ぐ姿が可愛すぎますねぇ~~~……眼福眼福!】

【雪ふゆり:やはりロリ! ロリは全てを解決しますよねぇ~~!】

【おいロリコン共ww】

【いやわかるけど! 言いたいことはわかるけど!】


「あ、実は冷蔵庫の中にえんがわがあるから、あとで食べようね!」

「「やったぜ!」」


【www】

【まあ、可愛いからいっか!】

【うんうん、中身がえんがわだけどな!】

【えんがわで盛り上がるロリっ娘三人か……面白すぎんだろww】


「っと、あとで楽しむとして……はい、いのりお姉ちゃん、次引いて!」

「うん! じゃあこれにするね! えっと『自分が思う可愛いセリフを言ってください!』だって」


 続いていのりが引いたのは、その様な内容のものだった。


「可愛いセリフかぁ……」

「可愛いセリフ、のう……」

「可愛いセリフ……」


 予想外のところからのましゅまろに、三人はうーんと頭を悩ませた。


「うむぅ、では儂から行くか」

「ゆかりちゃんいけるの?」

「まあ、この手のことはな」


 旦那相手にわりとやるし……と内心で苦笑いしつつ、ゆかりが軽く深呼吸をし……。


「――旦那様、だぁいすき♥」


【ごはぁぁ!?】

【ぎゃぁァァァァ!】

【可愛いの波動がァァァァ!!!?】

【やばいっ、体が透けて――】

【ロリコンお嬢:イヨッシャァァァァァァァ! さすがわたしのお嫁さんです! あ、帰ったらそういう甘々お嫁さんでお願いします!】


「やりたくはないが……まあ、仕方あるまい……どうせ、逃げられんし」


【ロリコンお嬢:イエェェェス!】

【ロリコンお嬢があらぶってる】

【何の約束をしたんだ……】

【いやそれよりも、初手がシンプルイズベストみたいな回答で死にそうなんだけど? というか死んだが?】

【死んだニキは成仏してどうぞ】

【雪ふゆり:私はっ、やはりロリコンでよかったっ……!】

【ロリコンで良かったとか言ってる奴は初めて見た……w】


「と、まあ、こんな感じじゃ。ほれ、おぬしらもやってみるのじゃ!」

「あ、じゃ、じゃあ次はボクが!」

「う、うん、頑張って!」


 次に言うのはいのりだ。

 いのりはすごく恥ずかしそうではある物の、さきにゆかりがやってくれたことで恥ずかしさは多少は薄れている!

 ゆかり同様、軽く深呼吸をしてから口を開く。


「――ご主人様ぁ、いのりだにゃん♪」


【アッ――】

【クッソ可愛い!?】

【( ˘ω˘)スヤァ……】

【猫ォ! 猫語尾ィ!】

【可愛すぎぃ!】

【つーか、何そのクソ可愛いロリボ!? どっから出した!?】

【やおい:ヒャッハーーーーー! いのりちゃんのロリボは最高だぜェェェ!】

【わたもち:これは素晴らしいっ! みたまちゃんと別方面のロリボ! 最高です!】


「お、おおう、なかなかに可愛いセリフじゃったな……」

「だ、だね。いのりお姉ちゃんすごい……!」

「……正直、顔から火が出そうです……」


 そう零すいのりの顔はそれはもう真っ赤であった。

 熱でもあるの? と心配になるくらいに。


「じゃ、じゃあ、最後はわたし、だね……! え、えっと、と、とりあえず、お姉ちゃんに言って喜んだことがある言葉でいきますっ!」


【シスコンが喜んだセリフ……いやそれみたまちゃんだったら全部じゃね?】

【確かにww】

【天空ひかり:当然だが? だが? みたまちゃんが発する言葉であれば、全てが福音の如きセリフですが?】

【草】

【相変わらずの狂気やなあ……】


「じゃ、じゃあ……――だぁいすきなお姉ちゃんのこと、独り占めにしたい……な?」


【おぐぉぁぁぁぁあ!?】

【天空ひかり:イイィィィャヤッハァァァァァァァァ!!!】

【雪ふゆり:あぁぁぁっ、これは可愛すぎて失血死ィィィ~~~~!】

【わたもち:さすがみたまちゃんっ、他の二人に劣らない、姉妹的可愛さっ……!】


「……これ、すっごく恥ずかしいね」

「……うん、そうだね……」

「この程度であればさほどではないのう」


【強いww】

【地味に他の二人と違ってどこか達観してる感じがあるんだよなぁ】

【人生経験か?】


「さて、次行くぞ次」

「あ、うん! って、あれ、もうすぐ時間になっちゃう……?」

「え、もう?」

「なんと」

「うん、じゃあ、これで最後にしよっか! それじゃあ最後、ゆかりちゃん引いて引いて!」

「うむ! 任せよ! オオトリに相応しいものを引いて見せよう! ……これじゃぁ! 『こんたま! 三人同時でメスガキセリフをお願いしますっ! 生贄に花○院の魂を賭ける!』とのことじゃが……」


 オオトリに相応しいかどうかで言えば微妙な物が出て来た。


【またメスガキww】

【最近、みたまちゃんのメスガキに味を占めた奴が多いこと多いこと! あ、私もです】

【果たして!?】


「んっと、メスガキって……たしか、前にやった『ざぁ~こ♥』って言うものだったっけ……?」

「え、みたま姉はやったことあるのか!?」

「い、一応……」

「ボクはないかなぁ……」

「いや普通はないと思うぞ? まあ、儂もないが……」

「じゃ、じゃあリクエストでもあるし、言ってみよっか……?」

「じゃな。いのり姉よ、準備はよいかの?」

「多分……えーっと、ちょっと煽るように言えばいいのかな?」

「そう、みたい? じゃあ、せーので言おっか」

「うん」

「うむ」

「じゃ、せーの!」

「「「ざぁ~こ♥」」」


【天空ひかり:メスガキロリ三人は死寝るッ! 愚はァァッ!】

【↑誤字っててくさごはぁぁ!】

【うん! これは回避無理ぃ!】

【わたもち:この世の真理はメスガキだったか……】

【ロリコンお嬢:尊死ッッ!】

【雪ふゆり:( ˘ω˘)スヤァ……】

【やおい:今のは録音したからね、いのりちゃん!】

【録音してて草ァ!】

【まあ今のは無意識録音するよね!】

【わかる、私もした】

【俺も】

【私も】

【ロリボ三つでメスガキボイスはさすがにねぇ……!】


「……みたまちゃん、いつもこんなことをしてるの?」

「……た、たまに、だよ? 一応……」

「VTuber、大変なんじゃなぁっ……!」


 普段のみたまの状況を想像して、いのりとゆかりの二人は何とも言えない微妙な表情を浮かべた。


【いや違う! これらいばーほーむが特殊なだけだから!?】

【いつものみたまちゃんの配信はほのぼのしてて、人死にが出てるだけだから!?】

【大丈夫じゃなくて草】

【死んでる時点でどこが大丈夫なのか】


「あ、あははは……と、ともあれ! 短いけど、今日の配信はこれでおしまいっ! 二人とも、その、感想はあるかな?」

「そうだね……そこまで長いわけじゃなかったけど楽しかったかな。すごくいい経験になりました!」

「儂もじゃ。この手のことはあまりできんからのう。なかなかに良き経験であった。ありがとうな、みたま姉」

「楽しかったならよかったです! それじゃあ、今日の配信はこの辺りで! みんな、見てくれてありがとう!」

「ボクからも、ありがとうございました! すっごく楽しかったです!」

「うむ! まあ、もう会うことはないじゃろうが、元気でなぁ!」

「それじゃあ、おつたまーーー!」

「「おつたまーーー!」」


【おつたま!】

【おつたまぁ!】

【おつたま!】

【いやぁ、短いながらもいい時間だったww】

【濃いのもいたしな】

【いやぁ、今日限りなのがもったいないくらいだったなぁ】

【だなー】



 無事に配信を終えた翌日の早朝、例の神社にて。

 神社前では平行世界からやってきた人物と椎菜たちが集まっていた。

 ちなみに、愛菜は急用でいない。


「椎菜君、色々ありがとう」

「いやぁ、世話になったのう」

「ううん、とっても楽しかったよ! 色々とお話しできたから!」


 TSっ娘二人は、椎菜と軽い挨拶を交わし、


「本当に楽しかったです、これでお別れなのがもったいないほどですね」

「ですねぇ~。私ももう少しお話したかったのですがぁ~……まあ、仕方ないですねぇ~」


 ロリコンとロリコンは名残惜しそうな様子で、


「むぅ、わたもちさんはいないのかー。ま、USBは貰ったしね! OKOK!」


 女委は事情があって来られない小夜とは最後に挨拶が出来ず残念がりつつも、お土産のUSBメモリを受け取ってご満悦だ。


「おい、お前ら、それぞれの世界で固まっとけよ。間違ってお互いの世界に! なんてことも起こらないとも限らんからな」


 と、ワイワイとしている面々に向かって、ミオがぶっきらぼうに言いながら、それぞれで固まるようにと指示出しを行っていた。


 呼び出した当の本人である美月はさすがに人前には顔を出せない。

 なので、代わりにミオが転移役を担っている。

 とはいえ、していることは自身の体を中継地点にして、能力を行使させる感じだが。


「あぁ、それとだが、今回の一件については全員の記憶を封印しておくからな。ま、あらかじめ言ってあるが」


 と、ミオがそう言うと、この場にいる者たちは残念そうな、しかし仕方ないかと苦笑い交じりに頷く。

 そう、今回の一件はそもそもイレギュラー過ぎる出来事だ。

 神の気まぐれで発生した事件だし、そもそもが力の質が違い過ぎる世界から来ているので、憶えていたら何か不都合があるかもしれない、と色々と考えたミオは、全員の記憶を封印することにした。


 ちなみにだが、昨日の配信を見た者たちについては記憶を消去済みだ。

 ミオは人の記憶を超広域に渡っていじることが出来るので……。


「あ、あの、ミオさん。えと、記憶を封印しちゃったら、この数日間のこととか……」


 そんなミオに、椎菜が質問を投げかける。

 そう、消すわけではないとはいえ思い出せないように封印を施すのだ。

 なので、その間の記憶が抜け落ちてしまうのではないか、と心配になったわけだが。


「あぁ、それについては問題ない。封印された部分についてはいつも通りの日常を送った、そう言う風に保管されるようにしてあるからな」

「そ、そうなんですね、よかったです……」

「うむぅ、おぬしらのことを思い出せなくなるのは残念じゃが、致し方あるまい。ま、何かの因果でまた会うことがあればその時思い出せるんじゃろ?」

「その通りだ。あくまで封印だからな。また会うようなことがあれば思い出すようにはしてある。もっとも、そうなるのは極僅かの確率だがな」


 と小さく笑いながら話すミオ。

 とはいえ、記憶が戻る可能性もあるにはあるのは、本人たちにとってはマシなことであった。


「……さて、準備もできたし、さっさと帰るぞ。お前ら学生なんだろ? 遅刻するぞ」

「っと、それはいかん! 瑞姫、急ぐぞ!」

「はい!」

「じゃあ、女委、帰ろっか」

「おうともさ!」


 呼ばれた者たちはそれぞれの世界で固まる。

 この世界の者、椎菜たちは呼ばれた者たちに最後に挨拶を交わす。


「元気でね! 依桜君、まひろ君!」

「うん、椎菜君も元気で!」

「おぬしもな!」

「またお会いできることを祈ってますねぇ~」

「はい! その時はお話の続きをしましょう!」

「おおう、このわたしの仲間外れ感! まあいいけどねん! じゃ、楽しかったぜー!」

「よし、挨拶はそこまでな。それじゃあ……【界転移】【記憶封印】」


 最後にミオがそう言って、来訪者たちの姿が消えた。

 あとに残ったのは、椎菜と千鶴の二人だけになり……それと同時に記憶もすり替わる。


「……って、あれ? 僕たちどうしてここに……」

「忘れちゃったんですかぁ~? 椎菜ちゃんがお散歩をしていて、私と遭遇したので、一緒に参拝でも~ってなったんですよぉ~?」

「あ、そうだったね! じゃあ、参拝も済ませたし帰ろ!」

「ですねぇ~!」


 記憶は封印されたが、二人は何か楽しいことがあったような、そんな不思議な気持ちを抱きつつも、気のせいかと思い直し、家路に就いた。


======================================

 はい、番外編終了!

 いやもう、本当に自己満足にお付き合いさせてすみませんでした。元々はリハビリで始めたんですけど、思いの外楽しく……ただ、やっぱり本編を待っている方々も多くて……正直その手のコメントを見る度に、すんごい申し訳なくなりました。

 本当にすみませんでした。


 実を言うと、この三人でやりたい話があったんです。全員ケモロリになれるから、ケモロリになって現実世界を大暴れする! みたいな話も考えていたんですが、ね、やっぱり本編を待つようなコメントがちらほらあったので……お蔵入りです。まあ、私もさすがにこれ以上書いたら収拾付かないなと思ったし、終わらなくなるのが目に見えていたので。うん、仕方ないね!


 あと、一応この番外編は本編軸ではありますが、記憶を封印したために一切関係ない状態となっています。

 なので、見なくても問題ないようにはなってます。


 さて、次回から本編に戻ります!

 次回からは修学旅行の話に入りま~す!

 あと、余裕があったら本編を今日から投稿します。書けたら、だけど……。書けなくても明日は二話くらい投稿したいなって思ってます!

 あ、今後もこのような話を書くことがあれば、その時は新規で小説を作成して、そこに投稿することにしようかなって思います!

 それでは!

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