番外編#1-2 各々の事情説明?
「え、えーっと、じゃあ、まずは僕からお話しするね。んっと……この世界には、異世界転移? とか、TSF症候群? っていうのはなくて……んと、TS病って言う、性別が変わっちゃう病気があるの。それで、あの、僕は元男です……」
「なるほどね。それじゃあ次はボク……じゃなくて、まひろちゃんからの方がいいかも」
「儂か? なぜじゃ?」
「あー、ボクはちょっと説明が難しいから……」
あはは、と苦笑いを浮かべながら依桜がまひろの疑問にそう答える。
とはいえ、何か事情でもあるのかとなんとなく察したことと、そういえば自分の知る同じ発症者仲間と似ているなどと思うし……まあ、何かあるんじゃろうと考えたまひろはうむ、と頷き事情を話す。
「儂はTSF症候群と言ってな。性別が代わる上に何らかの特殊な能力を最大三つまで得る、などというおかしな病気を発症しておってな。儂も三つほど持っておる」
「へぇ~~~! 能力なんてあるんだねっ! 僕の病気とは全然違うみたいだけど……」
「ぬ? なんじゃ、おぬしは能力がないのか?」
「うん、ないよ? あ、でも、神様から貰った物ならあるけど……」
「神? まぁ、TSF症候群やらTS病があるしのう、神がおってもおかしくあるまい」
「あ、あははは……(ボク、普通に神様がいること知ってるんだけど)」
二人の会話を聞きながら、依桜は苦笑いを浮かべた。
けど、どこの世界にも神様っているのかもなぁ、なんてことも考えてる。
一応神に会ったこともあるし、そもそも神と親友だった師匠がいるし、みたいな。
「まあ、それはいいとして……して、依桜よ。おぬしはどうなんじゃ? 異世界転移がどうこう言っておったが……」
「あ、うん。えーっとどこから話せばいいのかなぁ……うーん……とりあえずなんだけど、話を聞く限り、この世界は多分、ボクとまひろちゃんからすると……ってあれ? そう言えば二人は元男なんだっけ?」
「うん」
「そうじゃな」
「……仲間っ!」
依桜は二人が自身と同じであると知るなり、感極まったのか、ほろりと涙を流した。
「ど、どうしたの!?」
「お、おう、泣くとは一体何が……」
「う、ううん……その、ボクも実は元男でして……」
「え、そうなの!?」
「ほほう!」
「しかも、同じような人が周囲にいなくて、というか、ボクの境遇が特殊すぎて……そもそもそんな人いなくてね……」
「「あー……」」
どこか遠い目をしながら語る依桜を見た二人はちょっと納得した。
というか、気持ちが痛いほど分かった。
だって、自分たちも周囲にいないし……みたいな。
一応、まひろだけは定期的に同じ境遇の者たちとも会えたりはするが、それでもしょっちゅう会えると言うわけではない。あと、家庭的なあれこれがあるので。
「まさか、たまたま会った二人がボクと同じように性別が変わってるなんて……なんだか、運命を感じるよ……」
「うん、僕も同じような人がなかなかいないから気持ちはわかるよ」
「儂もじゃなぁ。一応同じ境遇の者と会えんこともないが、それでもなかなかおらんし……」
「……ねぇ、ちょっと気になったんだけど、二人のその病気って、他にもいたりするの?」
「えっと、世界に300人もいないくらいの人数ではあるけどいるよ?」
「む、1000人ではないのか?」
「ふぇ? 300人以下だよ?」
「「え?」」
「あー……なるほど……やっぱりそういうこと、だよねぇ……」
依桜の質問に二人がそれぞれで答えた後、再び顔を見合わせる。
それを見た依桜は、色々と全てを察して、うわぁ、と頭を抱えた。
案外一番しっかりしているTSさんである。
「のう、依桜よ。おぬし、何か知っとるのか? というか、この現象が何かわかっとる感じ?」
「……うん。まあ、ボク自身が何度も経験してる事柄というか……えーっとね、まず突拍子の無いことを話すんだけど……ボクとまひろ君から見たこの世界は異世界に当たると思うの」
「ふむ」
突拍子もないこと、と前置きしてから、依桜は本題を話す。
それに対し、まひろは小さく頷く。
「で、椎菜ちゃん……あ、こっちも君だよね。椎菜君から見たボクとまひろ君は異世界人、ということになる、かなぁ」
「な、なるほどです……!」
「ふぅむ……しかし、異世界転移とな? いやまぁ、TSF症候群のような病がある時点でそう言ったことがあっても不思議ではないが……いや、そう言うということは、依桜は経験があるのかの?」
「うん。というより、ボクの身の上の話をする上で、これは知っておいてもらわないと理解が難しいかもしれないの」
「そ、そうなんだね。僕は二人が異世界の人って言われてすっごく驚いてるよ……」
「あはは、そうだよね……」
「して、おぬしは一体何があったのじゃ? TSF症候群のような病がないと言う話ではないか。ならば、なぜ女子の姿に?」
「かなり突拍子の無い話なんだけど……実はボク、一度異世界召喚って言うことをされててね……」
「そういうのって本当にあるんだっ……!」
「ほほう、そのようなファンタジーがあるとは……」
まひろは普通にラノベとかマンガ、アニメを読んだり見たりする関係で、そう言うのが本当にあると驚き、椎菜の方も別に全く見ないわけじゃないので、ある程度の知識があるため、椎菜はどこかキラキラとした目で依桜の話を聞く。
「その世界ではその、魔王がとんでもない悪さをしていて、ボクはその魔王をどうにかするために呼ばれて、三年もかかっちゃったけど、なんとかして魔王は倒したんだ」
「お、おう、つまりおぬしは勇者的なということかのう?」
「そ、それでそれで……?」
「倒したら……その、悪あがきで呪いをかけられまして……そしたら、その、女の子になっちゃって……」
「「うわぁ……」」
「おかげで、元の世界に帰ってからは大変だったよ……」
「そ、そうだよね……いきなり女の子、だもんね……」
「うむぅ。儂らでさえ地味に面倒であったり困惑したしのう……」
「うん……正直、お風呂とか、トイレとか……すっごく困るし、プールとか、着替えが、ね……」
「「わかるぅ……」」
その瞬間、三人の気持ちが一つになった気がした。
全く同じことに困惑した経験がある故の、謎の一体感。
とはいえ、まひろに関しては実は二人ほど困惑はしていなかったりする。
自分の裸を見られようが特になぁ、みたいな。(今は様々なあれこれで恥ずかしがるが)
だが、それでも多少の困惑はあった。それが、着替えなどである。
さすがのまひろでも、着替え系は「え、まずくね?」とか思うのである。
「……ところで、ちぃと気になったんじゃが、依桜は異世界から帰って来た勇者なんじゃよな?」
「あ、うん、そうだね」
「ということは、異世界の力とか使えるのかの?」
「うん、色々使えるかなぁ……というか、異世界から帰ってきた後に色々と力を身につけちゃったけど……」
「ふぇ!? そんなことあるの!? どうして!?」
「……実はその、ボクの世界の……というか、ボクが異世界に行く原因を作った二人の内の一人がその、天才というか、天災というかね……異世界に行く装置とか作っちゃって……」
「「えぇぇぇぇ?」」
「それが原因で、何度か異世界に行ってるんだけど……その時に、ボクに戦い方を教えてくれた師匠がいて、その師匠が原因で色々と……」
「な、なるほどー……」
「なんというか、その口ぶりからして、苦労しとるんじゃなぁ……」
「……師匠、色々と強すぎてね……」
そう語る依桜の表情は、どこか哀愁が漂い、その碧い瞳はどこか遠くを見つめていた。
二人はなんだかいたたまれない気持ちになった。
「依桜さん、そのお師匠さんからはどういうことを学んだの?」
その師匠から一体何を学んだんだろうと気になった椎菜が、依桜に学んだことについて尋ねた。
「んーと、暗殺者としての戦い方?」
「ふぇ!? い、依桜さん暗殺者さんなの!?」
「お、おおう、見かけによらず、なかなかにバイオレンスなんじゃな……」
見た目、どう見てもほんわかとした癒し系美少女なのに、なかなかに物騒な職業を聞いて、二人はそれぞれの反応を見せる。
椎菜はびっくりし、まひろは苦笑い。
「……ボクも、まさかそうなるとは思わなくて……実はボクの世界には、ステータスが存在していて、その中に職業があるんだけど……その職業は選択式なの。自分に合った職業を選ぶことになるの」
「へぇ~、じゃあ、依桜さんはどういう職業の適性があったの?」
「たしか……《暗殺者》《料理人》《裁縫士》《演芸人》の四つだったかなぁ」
「なんと言うか……選択肢があってないようなもんじゃのう……」
「本当にね……勇者なのに暗殺者ってどうなんだろう? って思いながら活動してました」
「勇者っぽくはない、よね。……あ、じゃあ、依桜さんって魔法は使えるの?」
「もちろん。風を出したり回復魔法を使ったり光魔法とか、あとは……あ、魔法とはちょっと違うんだけど、天使とか悪魔の力も使えるよ」
「お、おう!? ちっと待て。え、何? おぬし、魔法以外にも使える感じなのか!?」
「うん。異世界から帰って来て、色々あってね……実はその、天使と悪魔の王の人たちと契約してまして……」
「ふぇ~……そんな人たちもいるんだ……」
「おおう、なかなかにすごいのう……」
天使とか悪魔という存在がいる上に、そんな存在たちと契約してると聞かされ、二人はもう何度目かもわからない驚いた様子を見せる。
あと、『あれ? 依桜(さん)ってかなり濃い人生送ってる……?』とか思った。
「まあ、ボクの世界のことはこれくらいかなぁ。じゃあ、二人のことが聞きたいな。まひろ君はどうなのかな? ほら、TSF症候群って言う病気になったんだよね?」
「あ、それ僕も気になるっ! TS病とはかなり違うみたいだし!」
「うむ、そうじゃのう……まあ、さっきも言ったように、儂はTSF症候群という病気にかかっておってな。これがまぁ、理想の異性になるという摩訶不思議な病気である上に、身体能力の向上と、能力を最大三つまで得る、とかいう不思議な病なんじゃ。あと、これもさっき言ったが、儂は三つ持っておる」
「へぇ~~! それってどんな能力なの? すっごく気になるっ!」
椎菜は一見してほんわかとした周囲に癒しを振りまく性格ではあるが、これでも年頃の男子高校生(一応、中身は)なので、特殊な力があるとなると目を輝かせる。
なんとも微笑ましい。
「ボクも、魔法とか能力、スキルなんかはボクの世界にもあるにはあるけど、別の世界のそういう力は気になるかも……というか、師匠が『は? なんで調べてこねぇんだよ。未知の力だろうが!』って言って来そうなので、是非教えてほしいです……」
最初は好奇心で尋ねていた依桜だが、次第に自分の頭の中に浮かんだ傍若無人を体現したような師匠の顔が思い浮かび、懇願するように尋ねていた。
「……おぬし、苦労しとるんじゃな」
「基本的にはいい人、なんだけどね……」
「僕も普段はいい人なんだけど、僕が絡むと変になる人はいるから、なんとく依桜さんの気持ちはわかるかも……」
「あー、儂もじゃなぁ……なぜか儂を過保護にする頭のおかしい奴らがおってのう……いやまぁ、嫌じゃないんじゃが……こう、たまに、な……」
「「わかる……」」
どうやら、この三人の共通点は色々と多いらしい。
依桜としては、傍若無人で超が付くほどの酒好き師匠のことを思って嘆息。
椎菜は、自分のことを溺愛している姉の存在を思って嘆息。
まひろは、自分のことが好きすぎる者たちのことを思って嘆息。
種別は違えど、彼女ら(彼ら?)には、過保護すぎる者たちがいるようだ。
これにより、三人は更に親近感を感じることとなる。
「っと、儂の能力じゃったか。んー、まあ、一見地味な能力ではあるんじゃが……これでもかなり危険視されておってな」
「ふぇ、き、危険、なの……?」
「いや、危険とは言っても周囲がというわけではなく、儂自身が、じゃな。ひとたび能力の詳細が漏れれば、研究機関とかに誘拐される恐れがあってのう!」
あっはっは、と笑い事じゃないことを笑いながら口にするまひろ。
えぇぇ、と二人はちょっと苦笑い。
「それで、どういう能力なの?」
「あー、儂の体のどこかの色を変える能力に、好きな動物の能力を発揮する能力、あとは時間操作の能力じゃなー」
「「最後すごくない!?」」
とんでもない能力を言われて、二人は揃って大きな声で驚愕していた。
色を変える能力に、動物の能力と来て、まさかの時間操作の能力である。
明らかにおかしい、二人はそう思った。
「いや、時間操作とは言っても、あれじゃぞ? 時間を進める・戻すしかできんぞ?」
「まひろ君、それ、絶対にそれだけで済ませていいものじゃないよ」
「う、うん……あの、すごいことだと思うよ……?」
「そうは言ってものう……あー、あれじゃ。自分の体を成長させたり、逆に退行させたり……あとは、触れた相手の体も成長させたり、退行させたりができるのう。一応、物にも有効じゃな」
「「やっぱりおかしくない!?」」
能力の詳細を話されると、二人はやっぱりツッコミを入れる。
明らかにおかしい、と。
「そうかのう? じゃがこれ、退行はともかくとして、成長させると、ものすごく腹が減るんじゃよなぁ。一応、一週間その姿でおればそれは無くなるが……」
ツッコミを入れられたまひろはと言えば、そうかなぁ、程度の返しを見せた。
まあ、本人自体もそこまで乱用するつもりはないし、するにしても自分の体をタイミングに合わせて成長させたり、退行させたりする程度でしか考えていないのだ。
「……はぁ、なるほどねぇ……それって、不老不死のような力だから、まひろ君は誘拐されるかも、って言ってたんだ」
「うむ! そういうことじゃな! まあ、実際の寿命とか知らんし、そもそもTSF症候群を発症させた者は、あまり老化しないらしいからな。いや、正確に言えばすると言えばするらしいが、かなり若いそうじゃ」
「へぇ~~~、やっぱり僕のTS病と違うんだ」
「みたいじゃな。ある意味、儂の世界の方が特殊かも知れぬな。……よし、儂もある程度話したし、次は椎菜の番じゃぞ! 椎菜はどうなんじゃ?」
もう話すことはないだろう……と思わせる言動でまひろは椎菜に話をするように促す。
「うん。えっと、僕の世界では実は二人ほどおかしくなくて……一応TS病があるんだけどね?」
「「いや普通におかしい(じゃろ)(と思うよ)?」」
「あ、そ、そう、だよね。うん、えっと……そのTS病は発生原因がわからなくて、世界でも300人もいないくらい、珍しい病気なの」
「ほほう、儂の世界とは数が全然違うのう」
「そうだね。それで、TS病になると、整った容姿になっちゃうのと同時に、身体能力がすごく上がるの。僕も本気でジャンプすると、かなり高く跳び上がれるんだよ!」
「へぇ~、それはすごいね。まひろ君の病気もそんな感じ?」
「いやぁ、身体能力は上がるが、それでも常識的範囲じゃぞ? 能力使用でかなり上がるには上がるが。……ちなみに、どれくらい跳び上がれるんじゃ?」
「んっと……五階建ての高校で言うと、二階と三階の間くらいかなぁ。あ、でも、それって一階よりも少し下にあるグラウンドからだったから、実際にはもっと高いかも?」
「おおう、結構高いのう」
「だね。ボクは普通に校舎を飛び越えられるけど」
「「え!?」」
依桜の口から、さらっととんでもない情報が飛び出した!
椎菜とまひろはバッ! と勢いよく依桜の方を見る!
「あ、あはは、これでも異世界では二番目に強かったので……それくらいは」
「二番目、なんだ?」
「うん。師匠が強すぎて……というか、師匠だけでどうにかなっちゃうくらいに……ボクなんて本気の師匠相手じゃ一分も持たないし……」
「……それ、依桜が魔王討伐する必要なくね?」
「本当にね……」
まひろの言葉にそう答える依桜は、やっぱり遠い目をしていた。
なんとも悲しい……。
「あ、話の腰を折っちゃってごめんね。続きどうぞ!」
「あ、う、うんっ。んーっと……でも、僕は他のTS病の人に会ったことがないんです。だから、これ以上ってなると……あ! そう言えば神様からの贈り物があったっけ」
「そう言えばさっき言っておったな。しかし、それは一体どれじゃ?」
「あ、もしかしてその組み紐かな? なんだか不思議な力を感じるし」
「依桜さん、わかるの?」
「あ、あはは……これでも、神様の力を持ってるからね……」
「「神!?」」
苦笑い混じりに神の力を持ってるととんでもないことを話す依桜に、二人がびっくりする。
そりゃそうだ。
さっきから聞けば、依桜がどこの無双系主人公? みたいな能力ばかりを持っているからだ。
「なぜか持ってまして……ま、まあ、それはいいんだけど……それで、その組み紐って何かあるの?」
「あ、う、うん。えっとね、これを着けたまま……『転神』!」
説明しつつ、椅子から立ち上がって変身に必要な言葉を唱えると、ぽんっ! と音を立てて椎菜の体から煙が出る。
「「椎菜(君)!?」」
突然出た煙にびっくりした二人は、心配したような声音で椎菜を呼んだ。
が、すぐに煙が晴れて、二人はかなり驚くことになる。
「と、こんな感じに変身できるの!」
そこにいたのは、黒髪ロングが似合うほんわかとした笑顔の美少女ではなく、銀髪に蒼い瞳をして、巫女服を着た狐耳と尻尾を生やした美少女だったからである。
「わ、わぁ……! 椎菜君、可愛い姿になれるんだ! へぇ~!」
「ほほう、これはまた可愛い姿じゃのう!」
「え、えへへ、そうかな?」
「うん、すごく可愛いよ! でも……狐耳に尻尾……」
「ケモ耳にケモ尻尾……」
「「……親近感が湧くっ……!」」
一拍置いて、二人は揃って同じ言葉を吐いた。
どうやら、更に親近感が湧くらしい。
「ふぇ? あ、もしかして、二人もこんな風になったりするの?」
そんな二人の様子を見た椎菜は、もしかして自分と同じことが!? と、かなり期待した様子だ。
ただでさえ、TSして、女の子になったのに、さらに共通点が!? みたいな。
「そうじゃな。ほれ、さっき話した動物の能力を出せる、というあれじゃ」
「ボクは不定期でなる感じかな。寝て起きると、狼の耳と尻尾が生えたり、体が小さくなったり、大人になったり、小さくなったうえに耳と尻尾が生えたり、そんな体質なので……」
「……僕、依桜さんのことで驚かなくなってきたよ」
「……奇遇じゃな、儂もじゃ」
「あ、あははは……自分でもおかしな体質だと思ってるので……」
いよいよもってツッコミを入れる気力がなくなるくらいの新情報に、椎菜とまひろは困惑気味である。
「それにしても……あれじゃな、椎菜のその姿。どうもこう……二次元っぽいと言うか……」
「あ、それわかるかも。アニメのキャラクターみたいだなぁ、って思うよね。椎菜君、それって何かモデルがあるの?」
と、まじまじと椎菜のみたまモードを見た二人は、どことなくアニメ系っぽい感じの姿が気になり、元ネタがあるのか尋ねる。
椎菜は少しだけ頬を染めて、恥ずかしそうにしながらも、照れたように笑いながら答える。
「じ、実は僕……VTuberをやってまして……」
「「……え!?」」
「この姿は僕のガワといいますか、VTuberの姿そのものなの」
「「……えぇぇぇぇぇぇ!?」」
まさかの配信者という情報且つ、その配信者としての姿にリアルでなれると言う、謎挙動を見せた椎菜に、二人は揃って驚愕の声を上げるのだった。
尚、こいつらも正直大概だし、なんだったらこいつらの方が椎菜よりもヤバかったりするが、本人たちにその自覚はあまりないのである。
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やべぇ、何この番外編、クッソ楽しい!
書いていく内に、なんとなく書き方を思い出してきましたよ! いやぁ、そうそう、この二人こんな感じこんな感じ!
あ、一応該当作品を読んでいない方のために、二人の補足(というか、軽い説明)をしておきます。
・男女依桜
高校一年生の夏休み明けくらいに異世界と地球の方でものすごい奇跡的なアレで異世界に拉致られ、魔王討伐をする羽目になった元病弱+銀髪碧眼の男の娘。一年目で呼び出された国で訓練をして、王国最強になった後、世界で一番強い暗殺者の師匠に一目惚れされて強制的に弟子になる(本人は好意を抱かれていることに気付いてない)。
色々あって魔王を討伐して異世界から帰って、女の子になって、テロリストを返り討ちにしたり、変な敵が出てきたり、倒したり、実は異世界へ行く原因を作った人が身近にいたり、魔王を妹にしたり、妹が五人増えたり、シスコンになったり、アイドルデビューしたり、モデルしたり、配下(笑)にヤーさんがいたり、天使や悪魔と契約したり……etc、などなど、数奇な人生を送ってるTSっ娘。生徒会長もしてる。あと、シスコン。超シスコン。ものすごいシスコン。妹たちのためだったらなんでもする……あれ? どっかで聞いたことあるなぁ! 一体、どこの「あ」で始まって、「り」で終わる人なんでしょうねぇ!
・桜花まひろ
高校一年生の終了式翌日に、TSF症候群を発症。腰元まで伸ばしたややぼさっとした黒髪と年寄りのような話し方と趣味が特徴の元男の娘。現在は桜髪の美幼女になってる。実は椎菜より2センチ身長が低い。
基本的にぐーたら好きで、めんどくさがりなのだが、TSF症候群を発症した者たちの特権とも言うべき物のせいで、とんでもない状況になっているため、最近はもっぱらツッコミ担当。基本はボケ。
実は旦那が六名(全員女性であり、まひろが嫁扱い)がおり、戸籍的にもちゃんと結婚している。普通逆じゃね? と思ってはいるが、基本的に超が付くほどの受け体質なので、嫁だと思われてる。家事万能であることも嫁だと言われており、最近は本人もまんざらじゃない。色々と経験(意味深)したせいか、乙女度が上がっており、余計に可愛がられる原因になっている。和の物が好きで、好物が雁金と老舗和菓子屋の羊羹で、クロスワードと時代劇を好む。ラノベやアニメも普通に好んでいる。
とまあ、こんな感じの主人公たちです。
もし興味があれば、読んでみてください! 尚、魔王の方はクソ長いです。
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