配信#17-5 出張みたま家事サービスだよっ!《春風たつな編》:5

 みたまちゃんの癒しは、ストレスがマッハな人たちには劇毒です!

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 それから、しばらくしてたつなおねぇたまが起きました。


「……すごく、快眠でした」


 起き抜けに、たつなおねぇたまはそう言いました。

 顔色はすごくよくて、眠る前まであった隈無くなっているし、よかったです。


「それはよかったです!」

「しかし、私はどれくらい寝ていたんだい?」

「んっと……三時間くらい?」

「結構寝てたね?!」


【おはよう! たつな様!】

【いやぁ、ぐっすりでしたねぇ】

【たつな様の寝息はとても捗りました……作業が】

【↑草】

【あと、みたまちゃんがずっとたつな様の頭を撫でてるっぽかったのがすごくよかったです】

【癒されたっ……!】


「あー、悪かったね。みたまちゃん、足は痺れていないかい?」

「んーん、大丈夫!」

「それならいいが……っと、君たちも悪かったね。眠ってしまって」


【魔乃闇リリス:いや、おぬしはひたすら頑張ったのじゃ。これくらいのご褒美はあってしかるべきじゃな!!】

【デレーナ・ツァンストラ:そうですね。私ももうちょっと頑張りますので……】

【うん、ツンデレちゃんは本当に頑張ろうね? 最近、ずっとヤバかったもんね?】

【まあ、ママとの邂逅でぶっ壊れたからね。仕方ないね】

【というか、たつな様も若干堕ちてそうだがな!w】

「いや、さすがに私は堕ちてないよ。……多分」

【不安になるぞ!?】

【おい最後!】


「さて、と。そろそろ起きようか。……しかし、三時間か……なるほど、どおりで外が少し暗いわけだ。みたまちゃん、この後はどうするんだい?」

「うん、夜ご飯の準備をします!」


 時間的にもちょうどいいからね!

 これからやれば、美味しい物が出来ると思います!


「あぁ、それは助かるよ。なぜか、お腹が空いてしまってね……」


【まあ、寝る前にクッソ動いてたもんな】

【仕方ないね。うん、しゃーなし】

【狼神いくま:ちなみに、献立は何々?】


「うんっとね……たつなおねぇたまの好物です!」

「あぁ、すごく楽しみだ。というわけで、キッチンに移動しようか」

「うん!」


 早速夜ご飯を作るために、寝室を後にします。

 あ、元の姿に戻らないと。

 さすがにこのままだと耳とか尻尾の毛が入っちゃうかもしれないからね。

 一度脱衣所の方に移動して、組紐を外して元の姿に。


「……毎回不思議に思うんだけど、変身してる間って、その前まで着てたお洋服とかどこに行ってるんだろう……?」


 ある意味、あの姿になる時の一番の謎かもしれません。

 霊力も霊術も不思議だけど……。


「それじゃあ、早速作っていくね!」


【あれ? コスプレじゃなくなってる?】

【あれをもう着替えたの!? 早くない!?】

【みたまちゃんは早着替えの技術を持っていたのか……】

【猫夜はつき:まー、普通はそう思うよね!】

【雪ふゆり:実際はもっとすごいものですがぁ~】

【もっとすごいって何!?】

【くっ、なぜからいばーほーむの面々はあれが何かを知ってるっぽいのがなぁっ……】

【絶対教えてくれない雰囲気だし】

【深海いるか:ん、あれはさすがに言えない。らいばーほーむの秘密】

【御月美うさぎ:で、です、ねっ……あれは、ちょっと……!】


「先に言っておくけど、あれについての詮索は禁止だよ。というより……詮索しようとすると、ひかりが殺しに来る」


【絶対詮索しませんッッッ!】

【やー、さっきのコスプレ可愛かったなァァ!】

【あれ? 何考えてたんだっけ?】

【全員怖がってて草】

【まあ、あのシスコンは怖いから……】


「……しかし、なんと言うか……今日は色々あった気がするよ」


【まあ、主にたつな様がな】

【ひたすらみたまちゃんに癒されているだけの配信だったね、たつな様的に】

【どうどう? ストレス消えた?】


「……あー、なんと言うか、ぐっすり眠ったからなのか、みたまちゃんのマッサージ原因なのか、頗る調子が良くてね。大袈裟かもしれないが、まさに生まれ変わったかのような気分だよ」


【マジか】

【みたまちゃんのマッサージってそんなに効果があるのか?】

【くそぅ、やはりこういう時にシスコンがいないとなぁ……】

【天空ひかり:呼んだ?】

【そうそう、こういう風に突然現れて――!?】

【!?】

【!?】

【シスコン!? ナンデシスコン!? シスコンナンデェェェェ!?】


「あれ? ひかり、今日は見られないんじゃなかったのかい?」

「ふぇ? お姉ちゃん? あっ! お姉ちゃんだ! いらっしゃい!」


 夜ご飯を作っていると、ふとたつなおねぇたまがお姉ちゃんの名前を呼んだので気になってコメント欄を見てみると、そこにはお姉ちゃんがいました。


【天空ひかり:やっはろー! やー、思いの外早く打ち合わせが終わってね! なので、大急ぎで家に帰宅後、配信を開いたのだー☆】

【マジかよww】

【ってか、打ち合わせ終わったの!?】

【魔乃闇リリス:それでどうじゃった?】


「あぁ、そこは私も気になるね。音楽関係のことだろう? どうだったんだい?」


【天空ひかり:バッチリもバッチリ! みたまちゃんが主人公のゲームの音楽を作ってください! って言ったら、二つ返事でOK! で、そこからは具体的に何を作るのかを話し合って、結果、主題歌とBGMを担当してくれることになったよ!】

【ちょっと待てや!?】

【何をどうしたらそうなる!?】

【主題歌!? 主題歌も付くの!? いや、たつな様がやろう的な事言ってたけど!】


「あぁ、本当に実現したのか」

「ふぇぇ……お姉ちゃんが本気過ぎだよぉ……」


 僕が主人公な上に、どうしてそこまで本気になれるの……?


【天空ひかり:ふへへ、これで後は本格的に作り始めるだけってもんだぜー……あ、近々会議配信するから、出席できる人はすること! まあ、諸々の都合で平日の昼間にはなっちゃうけど……】


「あ、じゃあわたしは参加できないね……」


【魔乃闇リリス:我もちっと難しいのじゃ】

【猫夜はつき:はつきもー。あとは、暁先輩も難しいぞ】

【まあ、学生組はなぁ……】

【ってか、シスコンは本業もあるんだろ? 大丈夫なん?】

【天空ひかり:元々、デザイナー業はほぼ在宅だからねー。出社して仕事! ってのもあんまりないんよ。だから、割と自由ってね!】


「ま、そうだろうね。私は……まあ、仕事が長引かなければ問題はないよ。というより、社会人組は出られるだろうね。だが、学生組も参加した方がよくないかい?」


【天空ひかり:うん。だから、最初は社会人組で話して、後日学生組に色々と案を出してもらってそれで大まかな内容を決める感じ。まあ、フルプライスゲームレベルのボリュームは想定してないし、ミドルプライスレベルのゲームにしようって思ってるから、そこまでの制作期間もかからないと思うしねー。全員プロだし】

【おかしい、ライバー事務所のはずなのに、なぜそんなプロがゴロゴロしているのか……】

【というか、ミドルプライスでも普通はかなり時間がかかると思うんですが。ちなみに、どれくらいで仕上げるつもりで……?】

【天空ひかり:来年の春くらいまでには?】

【早いわっ!】

【無理だろそれェ?】

【狼神いくま:んー、物によっては行ける!】

【デレーナ・ツァンストラ:ミドルプライス程度ならすぐにそう時間もかからないわ】

【深海いるか:ん、題材がみたまだからすぐにできる】

【雪ふゆり:資金ならお任せをぉ~】

【御月美うさぎ:わ、わたしもっ、し、資金は潤沢、ですぅっ……!】

【魔乃闇リリス:いつでも声は当てるぞ!】

【わたもち:ふっ、うちのみたまちゃんは愛はガチ……というか、みたまちゃんのデザインとか、一日で全部描いたし余裕もいい所!】

【猫夜はつき:デバッグ作業は任せて! まあ、ほとんどバグ確認とかバランスチェックだけどね!】


「まあ、私も音源があればすぐに歌えるよ」

「あ、あれ? あの、みなさん、なんでそんなに……?」


【おかしい。本当におかしいっ……!】

【全員、なぜできると思っているのか……まさか、本当にできるのか……?】

【だが、なぜだろう。出来る気がしてならない……!】

【やるかやらないかで言えばやる。確信があるね!】

【しれっとらいばーほーむに交じってるわたもちママで草】

【ってか、みたまちゃんだけ置いてけぼり状態なのが草】

【みたまちゃんは何するの?】

【天空ひかり:え? 主役なんだから声ですが? あとは……私たちの応援! それで数倍にも作業効率が上がる!】


「ふぇ!? あ、え、えと、じゃ、じゃあ、僕は応援係に回るね!?」

「いいのかいそれで!?」


【草】

【草】

【最強のバッファーじゃねぇか!】

【僕っ娘いいゾ~、これ】

【たまーに素で僕っ娘になるのは素晴らしいと思います。もちろん、わたしもいいんだけどね】


「え、えと、だ、だって僕……じゃなくて、わたしにできることはあまりないですし……あ、でも、もしもみなさんで集まって作る! ってなったら、お世話しますっ!」


【天空ひかり:ヨシ全員で集まって作ろうそうしようそれで作業効率は十倍だッ!】

【魔乃闇リリス:うむ! それはいいのじゃ!】

【狼神いくま:やる気出て来たっしょ! むしろ、その環境が素晴らしいんよ!】

【デレーナ・ツァンストラ:さいっこうじゃない! みたまママのお世話付きで製作とか、何それクリエイターにとっての天国のような環境じゃない!? やる価値しかない!】

【深海いるか:ん、やる気が満ちる】

【猫夜はつき:うーん、はつきはある程度出来てからかなー】

【雪ふゆり:くっ、私はほとんど製作に関われていない~~~っ!】

【御月うさぎ:わ、わたしも、ですぅ……】

【わたもち:……それ、うちが混じっても大丈夫なんで? なんかこう、らいばーほーむじゃないから、ダメだよっ! って言われてもおかしくねぇ気がするんですが】

【あんだけらいばーほーむと一緒になって騒いでるのにそこはビビるのかw】

【そこまで行ったら図々しく行けよw】


「ん、あぁ、わたもち君だったらいいんじゃないかい? みたまちゃんもオフコラボはいつでもいいと言っていたわけだし、それにメインのイラストレーターになる予定なんだろう? なら一緒の方がいいだろう」

「うん、そうだねっ! わたもちおかぁたまも協力してくれるんだし、一緒に作ろっ!」


 それに、こう言うのは大人数で作った方が楽しいです。

 だから……。


「んっと、だからふゆりおねぇたまやうさぎおねぇたまも、一緒にいた方がいいと思うの。こういうのはね、みんなでわいわいやって作るのが一番楽しいからっ!」

「……天使か?」


【たつな様www】

【いやわかるけどもww】

【しかもこれ、満面の笑みと共に言ってるであろうことがよくわかるが故に、気持ちがわかるのがなぁw】

【なんかもう、無意識で漏れ出てそう】

【雪ふゆり:では、私も一緒にいますねぇ~! もしかすると、案も出せるかもしれませんしぃ~】

【御月美うさぎ:で、です、ねっ……も、もしか、すると、高難易度を求める人がいる、かも、しれませんのでっ……!】

【わたもち:うぅっ、みたまちゃんが天使ぃ……ならば、その時は教えてくだせぇ……その頃には仕事も片付いてフリーになってるはずなので……】

【天空ひかり:りょうかーい! 楽しみにしてるよ☆】

【なんかもう、その内わたもちママがらいばーほーむ入りしましたぁッ! って言われても驚かないぞ俺は】

【え? むしろもうらいばーほーむじゃないの?】

【そうか、わたもちママはらいばーほーむだったのか……えぇ?】

【わたもち:いやいや何を言っているの? まだ四期生の募集はしてねぇですよ?】

【それもそうか】

【だなー】


「それにしても……お昼が美味しかっただけに、夜ご飯の期待値も高くなるね」

「むむっ、プレッシャーをかけてくるね~。でもっ! お料理はわたしの得意なことなので、絶対に満足させますっ!」

「うん、可愛い」

「ふぇ!?」


【www】

【あれ、なんかたつな様おかしくない?】

【おかしい。いつもならば、期待してるよ、的な言葉をかけるかと思ったのに】

【これ……堕ちてね?】

【膝枕か? やはり膝枕か!?】

【デレーナ・ツァンストラ:うぇるか~む……】

【↑草】

【膝枕同盟でも組むつもりですか?】

【膝ww枕ww同ww盟ww】

【変な名前の同盟だぁ(白目)】


「おっと、すまない。意気込む姿が可愛くてね」

「はぅっ!」

「ふふ、すぐに恥ずかしがるところも、やはり可愛い」

「んきゅっ!?」


【なんか、口説いてね?】

【わかる。口説いてるようにしか見えん】

【天空ひかり:たつなちゃん……みたまちゃんと付き合いたければっ! まずはみたまちゃんを落とし、その後に私に挨拶だからねッ! その後生きて帰れたら許可しよう!】

【↑草】

【おいシスコン!】

【お前それ絶対渡す気ねぇやつぅ!】

【いやよく見ろ、何気にみたまちゃんを落とすところを条件に入れてる辺り、シスコンにしてはまともだ!】

【その後の一文で相殺されてっけどな】

【それはそう】


「いや、落とすって…………いやしかし、みたまちゃんがお嫁さんと言うのも……あれ? よくよく考えてみると、みたまちゃんは私の好みドストライクなのではないか?」

「ふにゃ!?」

「……あぁ、たしかに、毎日ああやって膝枕をされると言うのも……控えめに言って、至福ではないか?」

「た、たつなおねぇたま?!」

「……ハッ! わ、私は一体何を……?」


【アカン。これ絶対落ちてもうてますやん】

【さすがだぁ……無差別級人型殺人兵器魔法少女神薙みたま☆ は最強という事か……】

【つーか、あれどんなにちゃんと男性が好きな女性がされても落ちると思うんだよ】

【まあ……可愛い、優しい、甘やかしてくれる、世話焼き、料理美味しい、膝枕は最高、マッサージもできる…………何この、世の男たちの好みをこれでもかっ! とぶち込んだような完璧なお嫁さんでは?】

【これで元男の娘ってマ?】

【絶対生まれて来る性別を間違えていたから、神様的なアレが後天的にみたまちゃんを女の子にした説】

【↑可能性は高いな……】

【むしろ、それが答えでは?】


「ふあ!? さ、さすがにそんなことはないよ!? あ、あと、お、お嫁さんって……わ、わたしは、さ、さすがに、その…………お嫁さん……………………」

「……みたまちゃん、君、お嫁さんいいかも? とか思ってないかい?」

「ふぇ!? お、おおお、思ってにゃいよ!? あぅ……」

「ぐふっ……!」


【あー、これあれだ。あまりにも可愛い可愛い連呼されすぎて、お嫁さんも悪くないかも、とか思っちゃうタイプのTSっ娘】

【わかるわー。けど、みたまちゃんには是非とも、幸せな家庭を築いて欲しい。お嫁さんとして】

【天空ひかり:ぐ、ぐぬぬっ……み、みたまちゃんがッ、ど、どうしてもッ……どうしてもこの人が好きだと言う女性を連れて来たのであればッ……! わ、私は、み、認めッ……認めようッッッ……!】

【何が面白いって、絶対これ血涙流しながら言ってんだろうなぁってのと、しれっと女性に限定してる当たりよ】

【お嫁さんなのに、相手が女性とはこれ如何に】

【バカ野郎! みたまちゃんの中身的にはノーマルだけど、外見的には百合なんぞ!? 最高じゃねぇか!】


「ん、んーと、さ、さすがに、その、恋愛的に好きになってくれる人はいない、と思う……けど……で、でも、もしも、その、告白されちゃったら、か、考えちゃう、かも?」


【雪ふゆり:マジですかぁ~!? つまり、ガチ告白すればワンチャンあるとぉ~~~!?】

【魔乃闇リリス:ほほう! それはいいことを聞いたのじゃ!】

【デレーナ・ツァンストラ:くっ、文章としては書けても、リアルでは酷く難しい何だいねっ……!】

【御月美うさぎ:ほ、ほほ、本当ですかぁっ!?】

【なんか、一部らいばーほーむたちが騒ぎ出してんですが】

【ここにいるのは、みたまちゃんガチ勢に近い何かだし……】

【多分、ガチ恋勢じゃね? 他は?】

【深海いるか:ん、たしかに、みたまとの生活は憧れる】

【狼神いくま:わかるー。みたまっちと一緒に暮らすとか最高じゃーん。ひかりんパイセンがいつもやってるけど】

【猫夜はつき:みたまちゃんは可愛いからね! はつきも、すごく憧れちゃうぞ!】

【天空ひかり:き、貴様らァ~~~~っ! わ、私のみたまちゃんを奪うと言うのか!? 奪うつもりなのか!? ならば、私の屍を越えてからにするんだッ!】


「ひかり、それは絶対に誰も勝てない戦いになるからやめなさい。あと、いい加減君は妹離れした方がいい。どうするんだい? それが原因で、卒業後のみたまちゃんから「お姉ちゃんいい加減妹離れして! 嫌いになっちゃうよっ!」なんて言われた」

「さすがに言わないと思いますっ! た、多分……」


【天空ひかり:ぐはぁぁぁぁっ! み、みたまちゃんが、わ、私を嫌う、だとっ……? ごふっ……これは夢や……悪い夢なんや……目ぇ覚めたら、お姉ちゃん大好き! って言うみたまちゃんの姿が目の前にあるんや……】

【魔乃闇リリス:ひかりよ、我のアイデンティティを奪うつもりか? それは許さんのじゃ!】

【どの辺にアイデンティティを感じた!?】


「あー、まあ、リリスから見ればそうだろうね。……っと、しかしみたまちゃん。君、何気にコメントに反応しつつ、手際よく料理してるが……それ、怪我しないのかい?」

「ふぇ? あ、うん。大丈夫だよ~。怪我してもすぐに治るし、これくらいじゃ怪我はしないから!」

「……みたまちゃんも、何気にひかりタイプな気がするよ」

「ふぇ?」


【シスコン、実はみたまちゃんってこう、かなり才能の塊……?】

【天空ひかり:そうだねー。みたまちゃんが出来ることと言えば……家事全般(料理はプロに近い。ぬいぐるみを手作りできるくらいに裁縫得意)、実は今までは体力がなかっただけで運動が苦手だったけど、実際は才能あり(我が護身術を伝授済みで、クソ強い)、無意識で可愛いを作る天才……あとは演技じゃない? 中学生の時の劇とか普通に演技上手だったし】

【えぇ……】

【しれっとクソ強いが混じってることに困惑を禁じ得ないんですが】

【というか、みたまちゃん、戦えるの?】

【天空ひかり:できるかできないかで言えばできる。まあ、男の娘の時ですら背丈は小さかったから、的確に弱点を打ち抜く技術と、自分よりも大きい相手を効率よく投げ飛ばす的な、そんな感じの技術だけどねー】

【十分すぎるわ!?】

【あんた何仕込んでるの!?】

【天空ひかり:え? だって、私が来るまでの間にみたまちゃんに何かあったらまずいし……あと、みたまちゃんも結構あっさり習得しちゃったから?】


「あ、あはは……わたしは、その、あんまり荒っぽいことは好きじゃないから、あまり使わないけどね……」

「みたまちゃん、それが普通だから」


 でも、それのおかげで助かったこともなくはないので、お姉ちゃんには感謝してます。


「う、うん。……あ、もうすぐできるよ~」

「わかったよ。それなら、お皿を出そうか」

「お願いしますっ!」

「はは、まあ家主だからね。……っと、おぉ、本当に美味しそうだ……」

「えへへ、味もいいからね!」

「それは楽しみだね。今すぐにでも食べたい気分だ」


 そんな軽口をたたき合いながら、せっせと夜ご飯の準備をして準備完了!


「「いただきます」」


 と、僕たちは揃っていただきますを言ってから食べ始めました。

 ちなみに、今日の献立は肉じゃがとサンマの塩焼き、お味噌汁、ほうれん草のお浸しです。

 うん、和食!


【に、肉じゃが!? 肉じゃがだとぉ!?】

【お嫁さんに作ってもらいたい料理! お嫁さんに作ってもらいたい料理だ!】

【ってか、たつな様の好物って肉じゃがなのかw】

【意外可愛い】

【わたもち:美味しそう……】

【というか、完璧な和食だなぁ……】

【全部綺麗に盛り付けられてるのがこう、みたまちゃんらしい】


「はむ…………………………みたまちゃん」

「むぐむぐ……ふぁい?」


【返事が可愛いなオイw】

【何しても可愛いのはずるいよ……鼻血出るじゃん】

【これしきで!?】


「――結婚しよう」

「ふにゃ!?」


 肉じゃがを一口食べたたつなおねぇたまが突然プロポーズしてきて、僕はご飯中なのに顔を真っ赤にして大きな声を出してしまいました。


【プロポーズwww】

【まさかのたつな様のガチプロポーズwww】

【肉じゃがが止めになったのかw】

【草ァ!】

【あぁっ、たつな様が遂に壊れたっ……!】

【天空ひかり:たつなちゃァぁ~~~~ん……?】

【雪ふゆり:たつなさん、頭がおかしくなりましたかぁ~?】

【おいバカ共!】


「いや、なんかもう……今日だけでどれだけみたまちゃんに癒されたことか……体の不調とか、ストレスとか……挙句の果てには、私の好物である肉じゃがを作ってもらった上に、美味しすぎる……もう、みたまちゃんと結婚した方が、私は幸せになれるのではないか、と」

「ふぇぁ!? え、ええええっ、えとえとえと……あ、あの、ほ、本気、なんですか……?」

「本気でもいいかな、と」

「ふあ!? あ、え、えと、あ、あのあの、そ、それはんと、あ、あっ……ぷしゅ~~~~~~……!」


 バタンッ! とそこで僕の頭の中がぐるぐるぐるぐるとたつなおねぇたまからの本気(?)のプロポーズに処理落ちして、倒れてしまった後、意識が落ちました。



【ちょっ、みたまちゃん!?】

【嘘やろ!? プロポーズされて気絶!?】

【マジかよwww】

【たつな様ぁ! さすがにそれはあかんてぇ!】


「いや、すまない……私の心がプロポーズしろ! と叫んでいたものだから、つい……」


【あぁっ、たつな様がらいばーほーむになってしまったっ!】

【最後の砦も破壊されたかッ……!】

【もうだめだぁ、おしまいだぁっ……】


「ま、まあ、私はデレーナ君のように、常時おかしくなることはない……と思うので、そこは安心してほしい」


【デレーナ・ツァンストラ:たつなさん!? さすがに心外なんですけど!?】

【まあ、ツンデレちゃんよりはマシだとは思うが……】

【比較対象がツンデレちゃんな時点で安心できねぇww】

【天空ひかり:たつなちゃん、とりあえずみたまちゃんをちゃんとベッドに寝かせてあげてね? 床で寝かせるは殺すぞ☆】

【猫夜はつき:何気に料理は落としてない辺りがみたまちゃんのすごい所だと思うぞ】


「ああぁ、そこは本当にね……何も落としてないよ。……とりあえず、みたまちゃんが私のせいで気絶してしまったので、ここで配信を終わろうか」


【まさかのみたまちゃん気絶オチENDwww】

【そっちが気絶するのかぁ~~~~】

【というか、みたまちゃんって本気で告白されたら気絶するのか……】

【天空ひかり:まあ……今まで告白とか男相手からばかりだったし、割とたつなちゃんって好みっぽいし、みたまちゃん、基本的に受け身だけど、防御力がそれはもう可愛いくらいに低いからね。気絶しちゃうよね! たつなちゃんは殺す☆】

【純粋な殺意ww】


「……まあ、これに関しては私が悪いので、お説教なら受けるよ。一応はね」


【草】

【潔いw】

【なるほど、だからシスコンとちゃんと組めるわけかw】


「というわけだ、中途半端になってしまったが、これで配信を終わらせるよ。それじゃあ、またね」


【おつたま!】

【おつたまは言わんのかww】

【まあ、別のチャンネルの人だからねw】

【おつ!】

【おっつおっつ!】

【わたもち:みたまちゃんは防御力0……押し倒せばワンチャン?】

【わたもちママ!?】

【それはあかんて!】

【雪ふゆり:いいことを聞きましたねぇ~】

【あぁっ、ロリコンの変態も絶対悪だくみしてるぅ~~~~!】

【みたまちゃん争奪戦みたいになりそうで草】

【ってか、みたまちゃんはなんて返事するんだろうね】


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 久々のみたまちゃん側が気絶すると言うオチです。

 ホラゲー配信の時以来ですねこれ。

 みたま自身もいままで碌に告白されてこなかった(されても、相手男だし、女の子側からは何か違う告白をされてたので)ために、防御力はクソ雑魚です。意外にもチョロインなのかもしれない。

 というか、みたまからすれば、らいばーほーむの女性陣は基本好みのタイプですからね……年上で優しいし。一応、リリスも守備範囲になります。なんだかんだ色々と助かってるからね。背丈的な意味で。

 まあ、この作品って、最終的にみたまが誰かとくっつくかと言われると……なんか荒れそうなので、『本編では』、やらないと思います。

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