配信#17-3 出張みたま家事サービスだよっ!《春風たつな編》:3

 3話で終わらんかったっ……!

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 それからお昼ご飯を食べ終えてから少しだけ休憩を挟んで、僕は最後のお掃除場所である、たつなおねぇたまの寝室に移動しました。

 たつなおねぇたまも一緒です!


「まあ、さすがに私の寝室だからね」

「でも、あの……寝室を映しちゃっていいの……?」

「問題はないよ」


【男前すぎるw】

【普通自分の寝室を映すのって、女性的に嫌な方だと思うんだけど】

【好きな人はいいけど、それ以外は嫌だ! とか思ってる人は絶対多い】

【私も普通に嫌だわ】

【猫夜はつき:私は気にしないぞ! 普通の部屋だし!】

【深海いるか:……ん、特には。けど、今は気にする】

【雪ふゆり:私は色々とまずいのでアウトですねぇ~。まあ、みたまちゃんが来る時までには何とかしますよぉ~】

【おいロリコン!?】

【魔乃闇リリス:我も特にないのじゃ!】

【狼神いくま:んー、うちもないねー。というか、見られて困るようものとかないしー】

【御月美うさぎ:わ、わたし、は、は、恥ずかしいですぅ~~~っ!】

【デレーナ・ツァンストラ:まあ、汚部屋だものね。……私はちょっと恥ずかしいけど……】

【おかしい、ほとんどが嫌がってない……】

【あんたらほんとに女性ですか?】

【まあでも、ツンデレちゃんは普通にラノベ作家だし、原稿が置いてあるかもしれないもんな】

【デレーナ・ツァンストラ:……そ、そうね。それもある、わね。べ、別に! 見られた恥ずかしい物なんてないんだからねっ!】

【最近ツンデレちゃんのツンデレがレアになってきた気がするよ】

【草】

【ってか、たつな様って見られて恥ずかしい物とかないんだね】


「はは、私の寝室に見られて恥ずかしい物なんてない………………いや、うん、ない。大丈夫だ」

「今謎の間がありませんでした!?」

「いや、本当に大丈夫、のはず……どこかの誰かがやらかしていなければね」


 まるで自分自身にそう言い聞かせるかのような言い方に、僕はなんだか一抹の不安を覚えました。

 え、大丈夫なの……?


【不安げで草】

【ちょっと待て。たつな様の見られて恥ずかしい物が気になるんだが? だが!?】

【教えろください!】

【バカ野郎! みたまちゃんがいるんだぞ! 本当にまずいものが置いてあったらまずいだろ!? みたまちゃんが穢れる!】

【それだと、たつな様がみたまちゃんを穢すみたいな言い方なんですが…………いや、おねロリはいいな……?】

【↑おいww】

【何考えてんだよww】

【雪ふゆり:というより、みたまちゃんはらいばーほーむ全員相手からだとおねロリですよねぇ~。リリスさんだけ、ロリロリですがぁ~。まあ、私はそれが一番みたいですけどねぇ~!】

【おいロリコンw】


「ま、まあ、大丈夫のはずだ。あぁ、仮に何か変な物を見つけても決して配信には映してはいけないよ。あとでこっそり、私に渡すように」


【いやほんと何があるんだよw】

【気になってまいりました!】

【ってか、今更だけど……たつな様の寝室、メッチャシンプルだなー】


「そうだね。ベッドとちっちゃなテーブルと椅子、あとはドレッサーくらいかな?」

「まあ、寝室だからね。化粧用や着替え用の部屋は別にあるからね。というより、二階はほとんどそれ用さ。映さないのは……単純に、身バレするからでもある」


【ってことは、着た服を見られるだけでバレるのか……】

【やっぱかなりの有名人か……】

【一応、たつな様の体もちょこちょこ映ってるけど……なーんか、どっかで見たことがある気がして……】

【あ、わかる。私も】

【あたしも】

【デレーナ・ツァンストラ:はいはい、そこまでよー】

【おっと、そうでした。危ない危ない。詮索は危険……殺されかねない】


「いや殺さないが!? ひかりじゃあるまいし」


【草】

【草】

【同期をディスってやがるw】

【まあ、ひかりんなら仕方ない】

【↑ひ、久しぶりに「ひかりん」呼びの奴を見た……!?】

【魔乃闇リリス:そう言えば、ひかりはシスコン呼びが定着しておるからのう……】

【え? ひかりと書いてシスコンって読むんじゃないの?】

【草】


「い、一応、お姉ちゃんは天空ひかりさんだからね……? あの、シスコンっていうお名前じゃないよ?」


 コメント欄で、「ひかり」という単語を見なくなったけど……。


「さて、お掃除だね! とはいっても、かなり綺麗みたいだし……とりあえず、ちょっとだけ散らかってる箱とかベッドの下をメインにお掃除するね!」

「あぁ、よろしく頼むよ」

「うんっ! 任せてっ! ぴっかぴっかにするよっ!」


 そう言って、僕は箒やちりとり、ゴミ袋を用意してお掃除を始めました。


「……みたまちゃんの笑顔と明るい声やテンションに、私の心が癒されていくのがわかるよ……和む……」


【わかる……】

【わかりみが深い……】

【未だかつて、ここまで和むような配信があっただろうか……】

【今までと言えば……ロリコンが暴れるか、シスコンが暴れるか、コメント欄が暴れてみたまちゃんがあわあわしたり、あとはコラボ相手とおかしなことになったり……あれ? もしかして、ここまでほのぼのした配信、今回が初?】

【おかしい、みたまちゃんはほのぼの~とした配信者のはず……】

【まあ、所属がらいばーほーむだから……】


「~~~♪ ~~♪」

「……ぶかぶかのパーカーにホットパンツって……こう、来るものがあると思うんだ」


【突然どうした!?】

【いやわからんでもないけども!w】

【たつな様から絶対に出てこない話題が出て来てて草】

【猫夜はつき:たつな先輩! どこかおかしいの!?】


「それは失敬じゃないかい? あー、いや……今日のみたまちゃんの服装って、Tシャツに薄手のカーディガン、あとホットパンツだったんだが」


【なんだそのファッションw】

【みたまちゃんは露出が恥ずかしくない……?】

【くっ、ロリコンがいれば色々わかるのに!】

【深海いるか:そもそも、みたまは裸族。ある程度薄いと思われる】

【あ、そういやそうだったわ……】

【あんなに純粋でピュアで綺麗なみたまちゃんが裸族というギャップよ】

【最高じゃない?】

【雪ふゆり:最&高】

【↑おいw】


「で、今のみたまちゃんは私のパーカーを着ているわけでね……なんというか、こう……言い方は悪いが、裸Yシャツに近い何かを感じる」


【おいwww】

【大丈夫か!? 本当に大丈夫か!? なんか、ロリコンみたいなこと言ってんぞ!?】

【だれかぁぁぁぁ! 衛生兵! 衛生兵をおおおおおおおおお!】

【たつな様が壊れたぁ!】


「壊れた……私は壊れているのだろうか? 元より、他の面々にツッコミを入れ、話が崩れそうになれば死に物狂いで話を戻し、そして私は胃を痛め、それを繰り返し……そしてデレーナ君たちが入って来て……私に仲間が出来た」


【お、おう】

【どした……?】

【急に語り始めたな】


「たまに私とデレーナ君の二人で飲みに行っては、愚痴を言い合い、どうすれば他のメンバーの持ち味を残しつつ効率よく修正できるか、などを話し合い、一期生二期生全員で企画をやった時は、お互い胃を痛めつつも楽しく乗り切り……そうして三期生が入って来て、それはもう可愛らしい娘が入って来たと思いながら、日々をいつも通りに過ごしてきたわけだが……気が付くと、私の仲間であるデレーナ君は……帰らぬ人になってしまった」


【wwwww】

【死んだことにされとるwww】

【デレーナ・ツァンストラ:生きてますけどぉ!?】

【草ァ!】

【すっごい遠くを見つめるような言い方をしているせいで、めっちゃ不憫に思えてくるはずなのに、面白すぎるんですがww】


「常識人だと思っていたデレーナ君は、気が付くと、年下で後輩で、ロリっ娘なみたまちゃんのことをママと呼ぶ始末……おぎゃってしまった人はもう帰って来ることはないんだろうと、私はその時思ったよ」


【ちょっと待って本当にどうした!? 何の話ィ!?】

【たつな様がヤバいぞ!? 精神が壊れ始めてる!?】

【クソっ! 思ったより今までの積み重ねがでかすぎたんだッ!】


「……正直、全員コラボの時も、私はなぜかいじられキャラになったし、仲間のデレーナ君は嬉々としてらいばーほーむ側になっているしで……もうね、私の胃はストレスでマッハだよ」


【あああああああ!】

【たつな様が! たつな様がぁ!】

【あかん、こんなたつな様見たことない!?】

【おいらいばーほーむ! お前らがふざけすぎたせいで、たつな様の頭が! 頭がァ!】

【↑いやこの場合精神だろ!? だれかー! 腕のいい精神科医呼んで来てーーー! カウンセラーでも可!】


「……だからだろうね、今目の前にある、可愛い女の子が鼻歌混じりに家事をする、という光景が……やけに胸に沁みるんだよ……これが、癒し、なんだろうね……」


【泣】

【泣けてきた……】

【なんか、涙が出て来たんですが……あれ、おかしいなぁ……】


「この後、みたまちゃんが膝枕で耳かきをしてくれるらしいんだが……」


【あ】

【そういやCコースの特権って……】

【あ、あー……これ、終わったのでは?】


「ん、んー……んぅ? これ、なんだろう……?」


 後ろで、視聴者さんたちと何かを話してるたつなおねぇたまの気配を感じつつ、ベッドの下をごそごそとお掃除していると、一つの箱を見つけました。

 なんだろう、これ?


「……ん、どうしたんだい? みたまちゃん」

「あ、んっと、不思議な物を見つけて……」


 ベッドの下で不思議な物を見つけた僕は、んっしょんっしょとベッドの下から抜け出しました。


「……不思議な物?」


【あれ? 何かみたまちゃんが見つけちゃった感じ?】

【何を見つけたんだ?】

【ってか、ベッドに下?】

【それだけで嫌な予感しかしねぇ!】


「うん。えっとね、コードがあって」

「ふむ、コードがあって?」


【コード……?】

【……コード】


「つまみ? が片方に付いてて」

「ふむふむ、つまみが付いてて…………ん?」


【つまみ……?】

【コード、つまみ……】

【え、ちょっと待って、すっごい嫌な予感が……】


「反対側に、卵型? の何かがあって……」


 ちっちゃいけど、なんだろう?

 うーん?


「おのれ二期生の獣ォォォォォォォォォォッッッ!!!」

「わひゃ!?」


【ちょっ、たつな様ぁ!?】

【大丈夫か!?】

【落ち着け! 落ち着くんだ!】

【まだ! まだ大丈夫! まだ確定したわけじゃないからっ!】

【そ、そうだよ! さすがにないって!】

【というか、二期生の獣って……え、まさか!?】

【とりあえずまずは深呼吸して確認を!】


「そ、そうだね……すまない、取り乱したようだ……ふぅ……みたまちゃん、ちなみに、色は?」

「ふぇ? んっと…………ピンク?」

「よし……えー、今LINNで犯人にこの後説教をする旨を記載したメッセージを送ったので……覚えとけよ?」


【こわっ!】

【ちょっ、たつな様ガチギレ!?】

【魔乃闇リリス:む、むぅ? たつなは何をキレとるんじゃ? みたまよ、おぬしは何を見つけたのじゃ? 見せてくれんか?】

【ちょっ! 陛下それはアカン!?】

【ヤバイって! さすがにぃ!!】


「あ、リリスおねぇたま! んっとね、こう言うのなんだけど――」


 と、僕がベッドの下で見つけた物を画面に映そうとした瞬間、


「唸れ私のトルネード投法ッッ!」

「ふひゃぁ!?」


 手に持っていた物をたつなおねぇたまがひったくって、そのまますごく綺麗なフォームでゴミ箱に真っ直ぐ投げ入れていました。


【ナイスピッチ!】

【ナイッピー!】

【ナイスピッチ!】

【すげぇ、画面に映すのを避けたよ! すげぇ! さすがたつな様だ!】

【ちなみに、ものほんだった?】


「……本物だったから私は全力投球をした」


【あぁ……】

【危うく、えらいことになるところだったね……】

【たつな様はマジで勇者や……】

【いやむしろ例のあれを置いてった奴が勇者だろ……いやむしろ、魔王?】

【悪魔だろ】

【二期生の獣って言ってたけど、誰が置いてったんだろうな……】


「あ、あの、たつなおねぇたま? さっきのが何か知ってるの? あの、あれってなーに?」

「うぐっ」


【すっごい純粋な目をしてそう】

【わかる】

【魔乃闇リリス:むぅ……どんなものか見たかったのじゃ……】

【陛下は知らなくてぇぇ……(温かい目)】

【うんうん、ピュアはピュアでいてや……(生暖かい目)】


「あの、すごく気になるんだけど……」

「い、いや、あれはだね……」

「(キラキラとした瞳)」

「あ、あれは……そ、そう、肩のマッサージに使う物だ!」


【墓穴掘ったァァァァ!!】

【たつな様その誤魔化しはあかんて!?】

【クソぅ、なまじマッサージで間違ってねぇのが質悪い!】


「肩に!? それって気持ちいいの!?」

「え、あ、ああうん、そ、そうだね! きっと気持ちいいね! 肩凝りに効くからね!」

「じゃあ、わたし使いたいですっ! 肩凝りが酷いので!」

「それはダメだよ!?」


【ま、不味い! 本当にまずいことになっているぅ!】

【たつな様! なんとしてもみたまちゃんを止めてくれぇ!】

【ってか、陛下以外のらいばーほーむの面々が何も言ってねぇ!】

【猫夜はつき:いや、だって……さ、さすがに入りにくいぞ……】

【深海いるか:ん、ちょっと……】

【雪ふゆり:置いて行った方の処し方を考えていましたぁ~】

【わたもち:深層ウェブでブツの取引をしようとしてました。怖いのでやめた】

【わたもちママ!?】

【今さらっととんでもないこと書かなかった!?】


「ふぇ、で、でも、肩凝りに効くんだよね? なら」

「だ、ダメだから! ほんとに!」

「で、でも……」


 なぜか教えてくれないし、使わせてくれないたつなおねぇたまに、眉をへにゃりと曲げながら僕はでも、と食い下がる。

 すると、たつなおねぇたまがなぜかキリッとした表情になって、


「そんなに気持ちよくなりたいなら、私がしてあげるよ」


 僕の耳元で、すごくカッコいい声でそう囁きました。


「~~~~っ!?」


 突然弱点の耳に、カッコいい声で囁かれてぼふんっ! と顔が真っ赤になりました。


【!?】

【!!??】

【は!? カッコヨ!!?】

【イケボ過ぎるぅ!】

【というか、セリフがアウト過ぎるww】

【おいやべぇぞ、さっきまでほのぼのしてたのに、突然いつものらいばーほーむ的配信になりやがった!?】


「ほら、ここがいいんだろう?」

「あっ……そ、そこぉ~……」


 ぽすっ、とベッドに押し倒されて、ごろん、とうつ伏せに寝かせられたと思ったら、突然肩と背中の辺りを揉まれていました。


「ふふ、ここかい? こことか?」

「ふぁ……んんっ、ふぅ……ぁ」

「それなら……ここもかな?」

「んぁっ……ふゅぅ~……ぁっ」


【……あの、すみません、俺たちは一体何を見せられているのでしょうか?】

【え? マッサージじゃないの?】

【むしろそれ以外なくない? おかしいな、動悸が……】

【どうしよう、メッチャドキドキする……】

【め、目が離せないっ……!】

【御月美うさぎ:す、すごく、き、気持ちよさそうですぅ~~~!?】

【猫夜はつき:い、一体向こうで何が起きているのか……!】

【狼神いくま:一応映ってるけど、たつなパイセンがみたまちゃんの上に覆いかぶさって、マッサージっしょ?】


「ふふ、気持ちよさそうだね……じゃあ、ここも多分……」

「ぁあんっ!?」


 すごく気持ちいい所を押されて、思わず変な声が……!


【エッ!】

【エッ!?】

【ちょっ、声声!】

【おセンシティブ!!!】

【大丈夫!? この配信BANされない!?】

【何を言うか、これはただのマッサージ……そう、マッサージなのです……ほら、マッサージが上手いと声出るじゃん? そう言うことだよ】

【いや、あの、みたまちゃんの体がぴくんってなったり、びくっ、てしたり、もじもじしたりするせいで、マッサージが別もんに見えるんですが……】

【雪ふゆり:ナニをしてるんでしょうかぁ~!!?】

【↑テメェ確信犯だなロリコン!?】

【草】


「んぅ~~っ、はぅ……んんっ……ふぁぅ……」

「……どうして、こうなった?」


【【【それはこっちのセリフだよ!】】】


 たつなおねぇたまの言葉で、コメント欄はそのコメント欄でいっぱいになったそうです。

 はふぅ……気持ちぃ~……。


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 どんなに真面目に書こうとしても、結局はこうなるんだよなぁっ……!

 というか、結構ギリギリすぎるぞ今回……色々大丈夫? 仕事疲れのテンションでおかしくなってない? 大丈夫?

 というか、やっぱ3話で終わらせるのは無理や……時間的な都合もあるしね……。

 あと、終盤ちょっとあれですが、二人がしているのは、至って健全なマッサージです。勘違いしないでよねっ!

 はい、次回に続くぅ!

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