配信#16-4 お姉ちゃんと100万人突破記念配信だよっ!:4

 狂気再び……!

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「いやぁ、ごめんごめん。実際に新婚みたまちゃんが可愛すぎて死んじゃったよ☆」

「笑えないよぉ……」


【知っててもあれは避けられんw】

【つーか、あれらいばーほーむの誰が書いたん?】

【狼神いくま:あ、それはウチ】

【いくまっちかよw】

【なぜに!? いくまっちは委員長狂いのはずだろ!?】

【狼神いくま:え? がちがちの委員長がいざ結婚したら絶対言いそうじゃん? というか、そう言う夢想は絶対するよね? ならなら、みたまっちが言ったら最高かなって!】

【わたもち:ありがとうございます!】

【雪ふゆり:さ、さすがいくまさんですぅ~~~~~! 私ももっと精進せねばぁ~】

【何を精進するんだ何を】


「はいじゃあ、次行こう! じゃあ次はみたまちゃん引いて!」

「うん。じゃあ……えいっ! んーと……」


 引くボタンをタップすると、一つのセリフが表示されました。

 ……あ、これはシチュエーション系、なのかな?

 だけどこれは、なんと言うか……。


「お、お姉ちゃん、これ、なんだけど……」

「どれどれー? ……あっ、やばい」


【え、シスコンがやばいって言うって何!?】

【何が書かれてたんだ!?】

【喜ぶわけじゃなくて、やばいって】


「あー、こほんっ! 皆の者! ティッシュとタオル、もしくは綺麗な雑巾を用意! あと、掃除用の道具を持った方がいい! 意識と血液が持ってかれるぞ!」


【どんな注意事項!?】

【おかしい、たかだかボイス、もしくはシチュエーションボイスだけでそうなるとか……え、マジで何が書いてあんの!? ねぇ!?】

【な、何が何だかわからないが……おいお前ら! 急いで持ってこーい! なんかこう、嫌な予感がする!】

【お、おう! そうだな!】

【わたもち:既に準備万端だぜぇ……! というか、今日の企画内容を聞いた瞬間から大量のティッシュと雑巾とタオルは準備済み! いつでもバッチコイ!】

【御月美うさぎ:わ、わたしの家の、ぞ、雑巾とか、ティッシュ、ま、間に合う、かなぁっ……! な、無くってもこ、殺さないでください~~~~っ!】

【いや、ティッシュとか雑巾がないだけで殺されるとか理不尽すぎん?w】

【ほら、うさぎちゃんはアレだから……】

【被害妄想ならぬ、殺られ妄想だしな】

【殺られ妄想は草】

【言い得て殺】

【言い得て妙みたいな言い方はやめろw】


「よし! みんな準備はOKだね!? まあ、私は出来てないけど……みたまちゃんのセリフで死ぬのなら本望!」


【覚悟がガンギマリで草】

【いつものことやん?】

【はよぉ! はよぉ!】


「よし! じゃあ、みたまちゃん。ここを学園だと思ってください」

「う、うん」

「それで、私は放課後の教室で黄昏てる先輩ね」

「わ、わかったよ!」


【どういうシチュ?】

【とりあえず学校なのはわかったが……】

【深海いるか:あ、これ、私のリクエスト】

【いるかちゃんのリクエスト!? 何が来るのか予想できねぇ!?】

【さぁ、何が来る!?】


 再び深呼吸をしてから僕は意を決したように口を開く。

「――お、お姉様」


【!?】

【!?】

【!?】


「わ、わたしっ……は、初めて会った時から、お、お姉様のことが、だ、大好きでしたっ……だ、だから、あ、あの……わ、わた、わたしとっ……つ、付き合ってくらひゃいっ! あぅぅ~~っ!」

「ふふ、とっても嬉しいわ……。私もあなたのことは、一目見た時から思わず胸が高鳴ってしまうくらいに好きだったのよ? けれど、いいの? 私は独占欲が強い女よ? あなたが他の女性と話しているを見るだけで、嫉妬してしまうかもしれないのよ?」

「い、いいんです……! わ、わたしは、お姉様が大好き、ですからっ……! ずっと、一緒に……!」

「そう……それなら、私はあなたを受け入れましょう。今日からあなたは私の恋人で、私の物……いい?」

「はい……ずっと一緒にいてくださいっ……!」

「えぇ、大好きよ」

「わたしも、大好き、ですっ……!」


 ぎゅっとお互いに抱き締め合って、少しして離れると……。


「――げはぁっ!」

「お姉ちゃん!?」


 お姉ちゃんが突然血を吐いて倒れました。


「お姉ちゃん、大丈夫!?」

「へ、へへ、へへへへ……お、お姉様呼びに、こ、告白は、し、死ねる……お、恐るべし、みたまちゃんっ……!」

「すごい血が出てるよ!? あっ、れ、レバニラっ! はい、これ食べてっ!」

「はむ…………ふぅ、なんとか失血した分を回復できたぜー☆」

「はぁ、よかったぁ……」


【え、あ、うん……なんか……聞いてるこっちが照れるくらい、甘々な百合告白だったんですが……】

【うん……なんかもう、顔が赤くなると言うか、え、待って……? 後輩ポジなみたまちゃんからの告白のインパクトが半端なさすぎて、なんかこう……ヤバイ】

【鼻血が止まらん……】

【わたもち:アッアッア……】

【宮剣刀:なんつーか……このシチュエーションほど、壁になりたいと思った物はないわ……】

【詩与太暁:わかりますねー……百合告白はいいですよねー……】

【甘々で百合百合は人の心を落ち着かせる……ここにキマシタワーを建てよう】

【まさか、こうもてぇてぇな光景をらいばーほーむで見れる日が来るなんてね……】

【ってか、全員唐突にお出しされた百合でノックアウトされてるが、今シスコンがレバニラを一口食べただけで復活してなかった?】

【……言うな。気づいてはいたが、百合告白の余韻に浸りたかったんだよ……】

【ってか、他のらいばーほーむたちはどうした? やっぱ死んだ?】

【宮剣刀:なんつーか……全員鼻血出して倒れた挙句、歯ぎしりしてる】

【歯ぎしりwww】

【あー、羨ましい的な……?】

【詩与太暁:正解ー。シチュエーションとはいえ、面と面向かって告白されるのが羨ましいってさー】


「フハハハハハ! そりゃぁ、私はみたまちゃんの永遠のお姉ちゃんだからね☆ 君たち如きがこのステージに立つのは早いのだよっ! せめて、みたまちゃんお手製のレバニラを食べて失った血液を作り出せるようになってからいいたまえ!」

「あの、お姉ちゃん? そうやって煽るようなことは言っちゃだめだよ?」

「あ、ハイ、すんませんでした」


【草】

【切り替えが早すぎんよー】


「えー、はい、ちなみにですが……いるかちゃんはなんでこのシチュエーションを?」


【深海いるか:ん、お嬢様学校で起こる、百合的な告白シーンを見てみたかった】

【なるほどww】

【たしかにお嬢様学校が舞台の百合みたいだったけどもw】

【なるほど、だからお姉様なのか……】

【だが! 可愛かったのでヨシ!】

【狼神いくま:ちなみに、ウチが通ってた学校は、マジで今みたいなことがあったんよ】

【やー、やっぱりあの告白はよか……はい?】

【!?】

【!?】

【!?】

【は!? え、いくまっちそれどゆことぉ!?】

【リアル百合!? 詳細はよ!】


「あ、そう言えばいくまちゃんってお嬢様学校出身だったっけ?」

「ふぇ!? そ、そうなの!?」


 いくまおねぇたま、お嬢様学校出身だったんだ。

 すごく意外というか……え、あんな感じなのに……?


【狼神いくま:そだよー。これでもウチの家はお金持ちでねー。ま、ウチは好きなようにやってるけどね!】

【初耳なんだが!?】

【え、それ絶対自分の配信で語るべき情報じゃね!? あと、シスコンがそれ言っていいの!?】

【狼神いくま:別に隠してるわけじゃないしー? やー、懐かしいねー。ウチもたまーに放課後の教室で見かけたんよ。うんうん、当時はよくわからなかったけど、今の二人を見てあの人たちの気持ちが超わかった! 百合は最高!】

【草】

【そこに行きつくのか】

【まあ、百合が最高なのは事実だし?】

【腐腐腐……これを機に、BLも……】

【おいまた深淵から這い出て来てるんだが!?】

【押し込め押し込め!】


「じゃ、じゃあ、次行こっか! お姉ちゃん、次引いてもらえる?」

「まっかせて☆ それじゃあ……ぽちっとな! …………ほー、なるほどねー?」


 くじを引いたお姉ちゃんの表情は、どこか楽しそうな表情でした。

 何を引いたんだろう?


「んー、みたまちゃん。これは私がやらせてもらうね」

「あ、うん! じゃあ、どうぞ!」

「んんっ! あー、あー……よし、調整は問題なし……よーし! 視聴者の諸君! 刮目せよ! ――今宵も私たち姉妹の配信を見てくれてありがとう。応援してくれている諸君が、私は大好きさ(イケボ)」

「はぅぁ!?」


【くふっ】

【え、は!? か、カッコいい……】

【や、やばい、すっごいキュンってしちゃった……え、どうしよう……】

【し、シスコンなのに、カッコいいとか、ふぇぇぇ……】

【ふぇぇ……】

【ふぇ】

【みたまちゃんが大量発生しとるふぇぇ……】

【草】

【うわぁ……】

【わたもち:ひ、ひかりさんに、こ、こんな特技があったとは……!】

【魔乃闇リリス:そう言えば、ひかりは何気にイケボが出せたのう……うむうむ、いつ聞いても惚れ惚れするほどにカッコいいのじゃ!】

【というか、みたまちゃん大丈夫?】

【さっきすごい声出してなかった?】


「ふぁ! あ、え、えと……そ、その、お、お姉ちゃんの声がい、いつもと違くて、カッコよくて……あ、あの、えと……はぅぅぅ~~~~~!」


 ま、まさか、あんなにカッコいい声が出せるとは知らなくて、すっごくドキドキしたぁ……。

 うぅ、まだちょっと心臓がドキドキしてる……。


【可愛い】

【くぁわいい】

【可愛すぎ】

【やっぱ可愛い】


「おやおや! みたまちゃんはイケボが好きなのかな!? じゃあ……」


 一瞬いたずらっぽく笑うと、お姉ちゃんが僕の耳に口元を寄せて……


「――可愛いみたまちゃんは、大好きだよ?(イケボ)」

「ふゅひゃぁ!?」


【なんだ今の声!?】

【みたまちゃんそんな声出せたの!?】

【それよりもみたまちゃんがぷるぷるしてるぞ!?】


「あぅぅ~~~、お、お姉ちゃん、そ、それはずるいよぉ~~~~……」

「え、あれ、本当に効果抜群? へぇー……あ、もしかしてみたまちゃんって声フェチとか……?」

「ふぇ? フェチ……?」

「おっとなんでもなーい。気にしないで。……ちなみになんだけど、みたまちゃんって今みたいな声は好き?」

「す、好き、かどうかで訊かれると……す、好き、かなぁ……なんだか、ドキドキしちゃうし……あっ、で、でも、あれだよっ? もともと、耳元で囁かれるのは好きだったし……す、すっごく変な感じになっちゃう、けど……」

「な、なるほど? ……しれっと弱点を言ってくれたねぇ」

「ふぇ……?」

「なんでもないよー」


【今妖しい顔しとらんかった?】

【いつもやろ】

【ってか、みたまちゃんは耳が弱点なのはロリコンとのあれでわかってたしな……】

【しかしそうか……声フェチ……】

【ってことはさ、イケボが出せるたつな様といるかちゃんって実際かなりみたまちゃんからすると好みになるのでは?】


「ふぁ!? あ、え、えっと……そ、そうなっちゃう……のかな……?」


【春風たつな:あー、すごく嬉しいことではあるんだが……画面に映るひかりの表情が殺意に満ち満ちているのと、私といるか君、刀と暁君を除いた面々が凄まじい形相で私を見ているのだが……】

【猫夜はつき:……ぐぬぬ、いるかちゃん! また人力ボイスチェンジャーをお願いするぞ!】

【深海いるか:ん、もちろん。あと、コメントで言う必要ある?】

【デレーナ・ツァンストラ:まあほら、一応実況的な意味合いもあるから】

【言われてみりゃ、他のメンバー全員集まってるから、コメントで話す意味ないんだよなぁw】

【なぜ律義に話していると言うのか】


「え、えーっと……じゃ、じゃあ、次だよ! あ、次は視聴者さんたちからのリクエストにしてみるね!」


【お! 待ってました!】

【なーんも思い浮かばんかったから、おまいらの発想に期待するぜ!】

【さぁ、何が来る!?】


「えいっ! …………えーと……あ、え、あ、うん……なるほど……あ、あの、これ前も似たようなことを言った気がするんだけど……お姉ちゃん、どう思う……?」

「ん~? ……こ、これはっ!」


【前も言った……?】

【つまり、デビューしてからの短い間で言ったセリフだが……何かあったっけ?】

【色々言ってるから思い出せないわね】


「なるほどねぇ……Hey! 視聴者の諸君! またしても特大の爆弾がぶん投げられるから、今のうちにティッシュと雑巾を準備ィ!」


【またかよ!?w】

【今度はなんだ!】

【さっきは百合告白だったが……それと同様? だが、シチュエーションじゃないっぽいし……恐ろしい】

【みたまちゃんの場合、何を言っても致命傷になるから避けようがないんだよなぁ……】


 致命傷って……僕、そんなことを思われてるの……?


「じゃ、じゃあ、言うね?」

「バッチコイ! 私の覚悟はできてる!」

「……――あれぇ~? 金曜日の夜なのにぃ、わたしたちの配信を見に来てる暇人さんがいっぱいいるんですかぁ? くすくすっ、花の金曜日ですよぉ? だったらぁ……恋人さんとかぁ、お友達さんとかぁ、そう言う人たちと遊ぶか、飲みに行くべきじゃないんですかぁ? あ、恋人さんもいないなら、お友達さんもいないんでしたっけぇ♥ じゃあ、わたしたちが慰めてあげるねぇ~? ほらほらぁ~、感謝してくださぁ~い? ざこざこなみなさんのためにぃ、ご褒美、上げるんですからぁ♥ じゃあ、行きますよぉ~……? ………くすくすっ、えー、何身構えちゃってるんですかぁ? 本当にご褒美が貰えると思ったんですかぁ? ふふ……ざぁ~~~こっ♥」


 うぅ、言い切ったぁ……言い切ったよぉっ……なんだろう、すっごく言ってるこっちが申し訳なくなっちゃうよぉ……。


【アッ……】

【おい誰だよ!? みたまちゃんにメスガキやらせようと思ったやつぅ!? 最高でしたぁ! 勇者と呼ばせてくれぇ!】

【ヤバイっ、みたまちゃんのメスガキに何かに目覚めそう……!】

【私はもう目覚めたわ】

【わたもち:メスガキみたまちゃん……イイッ! なにこれ最高スギィ! ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!】

【わたもちママがあらぶられておる!?】

【御月美うさぎ:め、メスガキですぅ! メスガキみたまちゃんですよぉ!? れ、レアです! 超レアですぅ!】

【魔乃闇リリス:う、うむぅ、なんとも凄まじい破壊力……! 我も今度やってみようかのう?】

【考慮してて草。超見たいけど】

【俺、Mだったのか……】

【私も】

【同じく】

【あたしも】

【春風たつな:…………すまない、あまりの破壊力にティッシュの消費量が異常なことになっているんだが……というか、今のはヤバイ、としか言えない……】

【雪ふゆり:メスガキ……みたまちゃん……ガクッ】

【あぁ! ロリコンが死んだぁ!?】

【衛生兵! 衛生兵――――――――――!】


「あ、ああ、あのあの! ほ、本当に思ったわけじゃないですからね!? え、演技! 演技ですからぁ! だ、だからあの、き、嫌いにならないで、ください……」


【ぐはぁっっ!】

【メスガキからのいつものクソカワみたまちゃんで死ぬが!?】

【温度差がやべぇよ! クソ寒い冷凍室から炎天下の外に出たくらいの温度差ァ!】

【アッ、鼻血が止まらぬぅ!】

【というか、シスコンの反応がないんだが!? みたまちゃん、またシスコンが死んでるんじゃないか!?】


「ふぇ!? ……あっ! お姉ちゃん!?」

「( ˘ω˘)スヤァ……(漂白)」


 視聴者さんに言われてお姉ちゃんの方を見れば、そこには、すごく安らかな顔をして鼻血を出して、口端から血を流し、真っ白になったお姉ちゃんがいました。

 し、死んじゃってる!?


「お、お姉ちゃん!? どうしたの!?」

「……へ、へへ……メスガキは、いい文化、だ……ぜ…………ごふぁっ!」

「おねーーーーーーーーちゃーーーーーーーーーーん!?」


 またしてもお姉ちゃんが吐血して倒れました。



「いやぁ……うん、やっぱダメだわ。この企画」

【いきなりダメだし!?】

【草】

【結局レバニラで復活してんだよなぁ……】

【人体構造がおかしい】


「なんというか、みたまちゃんが可愛すぎて、何を言わせても兵器にしかならないし、全部が致命傷だよ。あと、間近で聴いてる私が一番のダメージだよ。もうリットル単位で吐血して鼻血出してるよ? レバニラがあるからいいものの……私死ぬわ」

「えぇぇ……」


【草】

【草】

【みたまちゃんが困惑してて草】

【やっぱダメだったかw】

【むしろなんでこの企画もって来たんだよw】


「は? なんでこの企画を持って来たかって……私がいろんなみたまちゃんを見たかったからだが!? だってみたまちゃんぞ!? 何をやっても可愛い! どんな行動に出ても可愛い! 可愛いセリフを言わせれば世界一! それを聞いて、私たちは幸せという鼻血と吐血を行う! この時点で最高じゃん!? というか、私だけでは色々文句が出そうだからこうして視聴者の諸君に参加してもらったんぞ!? そうすればほら私もみんなの素晴らしい案が聞けて最高! みんなはその案を実行したみたまちゃんのセリフを聞いて喜ぶ! ほらwin₋win! それ以外に何がある!? 第一、私はみたまちゃんのお姉ちゃんで、みたまちゃんの全てを愛している女ァ! ならば、どのような姿のみたまちゃんだって愛せるし、愛さないなどあり得ぬぅ! つまりそれは、相対的にどんなみたまちゃんだろうがそれが私のストライクゾーンに他ならない! 第一、新婚みたまちゃんとか、下級生告白みたまちゃんとか、メスガキみたまちゃんとか! ストライクゾーンぞ!? 私の心のキャッチャーミット中心を抉り込むような球ぞ!? おそらく時速は200キロぞ!? それを味わうためだったら吐血も鼻血も何の問題も無し! みたまちゃんのレバニラさえあれば無限に回復が出来るのだから! ならば、死ぬことすら怖くないし、みたまちゃんのセリフで死ぬなら本望! だから私はこうしてこの企画を引っ提げて来たんだよ!? わかるぅ!? わかるぅぅぅぅ!? まあ、結局のところ、みたまちゃんは可愛いし可愛いはみたまちゃんだしというか可愛いという言葉がみたまちゃんのためにあるような言葉であり最終的には可愛いは全てみたまちゃんに行きつき私たちはそれを享受できるわけでというかみたまちゃん以外に可愛いを使ってもいいけど最終的にはみたまちゃんのほうが可愛くね?とか思えるようになれば勝ちだよね実際の所私は常にそう思っているし他のらいばーほーむのメンバーも可愛いとは思ってるけど心の底ではみたまちゃんが一番可愛いが?可愛いが?とか思ってるけどもだけどその可愛いにみたまちゃんが混じればそれはもう最高の状況と言えるのは無かろうかいやそうだそうに違いないみたまちゃんは可愛くて最強なんだから何をしても許されるし私はその全てを肯定し叶えて上がる所存だしもしみたまちゃんが天下を取りたいと言えば天下を取るべく私は行動に移し総理大臣になりたいとか言い出せば私は私の持てる全ての力を使ってみたまちゃんにその座をプレゼントするしむしろそれが姉として同然!おっとそんな話はいいとして結局は可愛い=みたまちゃん=可愛いという図式が完成し私たちはその黄金比とも呼ぶべき図式を確認することが出来ると言う素晴らしい時代に生まれたんだからね私なんて姉だけどね!ここまで見事なまでの可愛いの黄金比は見たことがないしみたまちゃんがそれほど可愛い存在であることは疑いの余地がなく視聴者の諸君もそう思っている事だろうと言うか思ってなかったら殺す☆第一みたまちゃんのファンならばみたまちゃんのために命を賭す覚悟が出来ているはず……出来てない奴は後日配信する私の配信に来ればみたまちゃんへの心構えが全て学べるので来るように補習授業も行っているから普段から見ている人も来ればいいと思います! と、まあ、色々語りましたが、みたまちゃん可愛いヤッターー!」

「…………ハッ! お、お姉ちゃんなんでそんなに口が回るの!?」


 いつかのコラボ配信の時のように、ガトリングガンのようにセリフがお姉ちゃんの口からずっと溢れて来ていて、その状況にまたしても思考が止まってしまいました。

 お話が終わってから数秒間は茫然としちゃったけど、再起動したらすぐにツッコミ? を入れる。


【……なんで、また狂気なんだよぉっ……】

【前回も見たぞ、この光景……】

【あれか? みたまちゃんとのコラボの時は、狂気長文を吐き出さないと気が済まんのか……? 怖いよぉ……】

【ヒェッ……】

【SAN値チェック必要ですねわかりますあぁぁぁ! マイナスゥゥゥゥ!】

【春風たつな:……君という人は……突然みたまちゃんへの愛が暴走するのはどうにかならないのかい……?】


「え? 無理☆」


【草】

【草】

【草】

【もうこいつ隔離した方がいいだろ……】

【だがどこに隔離すると言うんだ?】

【シスコンだし、仮に厚さ10センチ以上の鋼鉄の扉が設置された鉄の監禁部屋を作ったとしても、絶対抜け出してくるぞ……?】

【↑いやさすがにそれは…………………………すまん、否定できなかったッ……!】

【だろうな!】

【春風たつな:……なんと言うかもう、胃が痛い……穴が空きそうだ……】

【たつな様ッ……!】

【そう言えば、他の面々はどうした? やっぱり狂気に飲まれた……?】

【春風たつな:……ほぼ全員発狂した】

【笑えねぇ!】

【おいおい死んだわらいばーほーむ】


「え、えーっと……あの、と、とりあえず、あとでお姉ちゃんには注意しておきます……」

「え!? みたまちゃんのお説教!? ありがとうございますッッッ!」


【無敵かよっ!】

【ダメだこいつ早く何とかしないと……あっ、もう手遅れ……】

【なんでこんなのが同じ人間名乗ってるの……?】


「はぁ、もう……って、あ、もうこんな時間……えっと、すっごく申し訳ないんだけど、この企画はここまでにします! 貰ったものは後日、別で使わせてもらうでの安心してね!」


【マジか!】

【つまり、またしても無差別級人型殺人兵器魔法少女神薙みたま☆ が現れると言う事か】

【↑出たなトンチキネーミング!】

【結構好きだよあれ】


「あの、そ、その名前はやめていただけると……」


 未だに恥ずかしいんだもん……。


「と、ともあれです! あ、実は次の配信で早速出張みたま家事サービスをしようかなって思ってまして……今ルーレットを回してもいいでしょうか?」


【御月美うさぎ:どうぞっ!】

【狼神いくま:いつでもOK!】

【詩与太暁:いいよー】

【デレーナ・ツァンストラ:い、いつでもいいんだからねっ!】

【春風たつな:あぁ、一向に構わないよ】

【魔乃闇リリス:いつでもいいのじゃ!】

【宮剣刀:おう! 回せ回せ!】

【猫夜はつき:もちろんだぞ! 当たると嬉しい!】

【深海いるか:ん、バッチコイ】

【雪ふゆり:と、トップバッターは羨ましいですがぁ~~~~っ、わ、私は最後辺りがいいですぅ~~~~!】

【全員正気に戻っとるw】

【どんだけ受けたいんだ!】


「じゃあ、回しますね! ルーレット、スタート!」


 PCの画面にルーレットを映し出して、早速ルーレット回す。

 じゃじゃん! という効果音が鳴るとルーレットが止まって、一人の名前を示していました。


「あっ、記念すべき第一回目はたつなおねぇたまだね!」


【春風たつな:え、私かい!?】

【デレーナ・ツァンストラ:う、羨ましいっ! 最初とか羨ましすぎですよ!】

【猫夜はつき:くっそー、当たらなかったかぁ】

【狼神いくま:まー、最終的に全員当たるわけだしー? 焦る必要はないっしょ】

【というか、俺らからすると、マジでたつな様は癒された方がいい】

【わかる。みたまちゃんに癒してもらいな……】


「あ、え、えっと、明日か明後日に行けたらなぁって思ってるんだけど……だ、大丈夫かな? もし無理そうだったら来週でも……」


 急すぎるお話だし、僕は来週でも大丈夫なんだけど……その間修学旅行もあるから、明日か明後日の方がちょっと都合がよかったり。


【春風たつな:明日で構わないよ。あとで個別に住所を送っておくよ。時間は……】


「あ、10時くらいにそっちへ行きますね! 楽しみにしてますっ!」


【春風たつな:あぁ、私も楽しみにしているよ。……とりあえず、胃痛を何とかしたいからね】

【おいたわしい……】

【今日は酷かったからなぁw】

【存分に甘やかされてくれ】


「と、いうわけで……お姉ちゃん、今日の配信はもう終わろうと思うんだけど、いいかな?」

「うん、おっけーおっけー。私も満足! というか、残弾レバニラがもうないからね! いやぁ、思った以上にボイス企画が効いたし! あっはっは!」


【こいつずっと出血してたもんな】

【おかしいなぁ、配信中に出血って大事なのになぁ……】

【らいばーほーむは異常者たちの集まりだ。なので、出血くらいどうってことないって!】

【↑それは問題では!?】

【ていうより、出血しないらいばーほーむはらいばーほーむじゃない!】

【草】

【草】

【出血と書いてらいばーほーむと読む、的な?】

【どっちかって言うと、鼻血と書いてらいばーほーむだと思う】

【草】


「あ、あははは……じゃ、じゃあ、今日の配信を見に来てくれてありがとうっ! 明日は、たつなおねぇたまのお家にお邪魔しての配信になるから、見に来てくれると嬉しいなっ! お姉ちゃんは何か言うことある?」

「あるある! さっきも言ったけど、私は後日、みたまちゃん学の授業があるので、絶対見に来るように! みたまの民は必修科目だからね! ハイ以上!」


【草】

【みたまちゃん学www】

【知らない学問が出て来て草】


「え、えーっと、ら、らしいので……その、きょ、興味がある人だけ、で、いいからね……? じゃ、じゃあ、改めて、今日はわたしたちの記念配信に来てくれてありがとうっ! それじゃあ、おつたま~~~~!」

「おつひか~~~~~!


【おつたまぁ!】

【おつひか!】

【おつたまぁ!】

【おつたまーーーーーーーーーーー!】

【おつひかっっ!!!】


「授業に来ない奴は殺す☆」

「お姉ちゃん!?」


『この配信は終了しました』


【ちょっと待て最後ォ!】

【今物騒な声が聞こえたんだが!?】

【最後の最後までまともに終わらせやしねぇ!】

【いやぁ……なんかもう、狂気再びって感じで怖かったわ……】

【あ、すげぇ、トワッターのトレンド、ほぼ全部みたまちゃん関連だわw】

【草】

【メスガキ、神薙みたま、聴く狂気、邪神天空ひかり、シスコン邪神、新婚みたまちゃん、記念配信……うわぁw】

【おかしい、三つくらいおかしい……】

【さすがシスコンだぁ……】

【とりあえず、口直しに、みたまちゃんのアーカイブでも見るか】

【お供するぜ】

【同じく!】

【癒されたい……】

【シスコンのダメージは大きい】


======================================

 はい、実に94話ぶり(多分合ってるはず)の姉の狂気長文です。久々に書いたわ……。

 読みにくかったらすみません!

 あと、出張みたま家事サービスの記念すべき最初の利用者たつなになりました。そろそろたつなに癒しがあってもいいだろうと言う私の配慮です。可哀そうだしね……。

 最近、この作品の主人公が実はみたまじゃなくて、シスコンなのではないか、と思ってしまう時があります。あいつの存在、強すぎません……?

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