閑話#10 ギャルゲー談義をするライバー四人

 内容薄いなぁオイ……。

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【ギャルゲー好きたちによる、ギャルゲー討論!『コラボ』】

 狼神いくま/Rougami Ikuma

 チャンネル登録者80.3万人

 751,622人が視聴中

 #コラボ #らいばーほーむ


 ある日のこと……というか、全員コラボをした三日後のこと、その日らいばーほーむ二期生の狼神いくまはとある配信を行おうとしていた。


「と、いうわけで……視聴者のみんな、ハロハロー! 狼神いくまでっす! きゃぴきゃぴ!」


¥3,980

【ハロハロー!】

【今日もいいテンションしてんね!】


¥10,000

【というか、タイトルが気になるんですがそれはwww】

【ギャルゲー好きてw】


「ふっふっふー! みんなも知っての通り! ウチは恋愛ゲー好き! そして、ウチららいばーほーむにはウチ以外にもギャルゲー好きがいるわけ! ってなわけで早速呼んでみよー! ゲストのみなさん、かもーーーん!」


 今日は、ギャルゲーについて語るためのコラボ配信を行うのである。

 そして、早速とばかりにゲストを呼び出すと、最初に現れたのは、


「よう! 視聴者のみんな! 宮剣刀だぜ! 今日は後輩のいくまに呼ばれて、言葉で殴り合いをする企画と聞いてやって来たぜ!」


 刀である。

 いつものように高いテンションで現れた刀に、コメント欄は盛り上がる。


【草】

【草】

【どういう企画で教えたんだよww】

【いくまっちもおかしいんだよなぁw】


「はい次次ぃ!」

「やぁやぁ、視聴者のお兄ちゃん、お姉ちゃんたち。詩与太暁だよー。今日はストロングスタイルで殴り合うために来たよー。あ、言葉でね?」


 次に現れたのはらいばーほーむのショタ枠こと、暁である。

 刀と暁の薄い本では、基本的に受けだが、たまに現れる暁×刀派がいるくらいには、割とSっ気もある。

 尚、本人はどちらかと言えばM寄り。


【なんでお前もノリノリなんだよっ!w】

【絶対同じ風に企画を言われたなこれ】

【男共はまったく……】

【薔薇、期待してますッッ!】

【そして混ざる腐】


「そして最後! ウチたちほどじゃないけど、そこそこ好きと前に言っていたこの人!」

「やぁ、視聴者のみんな。春風たつなだ。前にぽろっと恋愛ゲームは好きだよと言ったら、今日悪夢の巣窟に呼ばれることになってしまった哀れな一匹狼だ。というわけで、胃を潰しながら頑張るので、見て行ってもらえると私の胃が報われる」


 最後に現れたのは、らいばーほーむ一のゲーム好きのうさぎ……ではなく、らいばーほーむ一の常識人こと、春風たつなだった。

 どことなく胃が痛そうな顔を浮かべながら、にこやかに話す姿は、これからの配信を暗示しているかのようであった。

 尚、当然のように全員3Dである。


【ちょっと待てェェェ!w】

【たつな様!? なんでたつな様!?】

【というか恋愛ゲー好きなの!?】

【わ、私、てっきり来るのはうさぎちゃんだとばかり……】

【俺も】

【あたしも】


「……以前、一期生と二期生で飲みに行ったことがあってね……その時に、ぽろっと……それで、今に至る」


【草】

【飲みに行くは草】

【まあ、みたまちゃん以外普通にお酒飲めるしね……】

【そう考えると、マジでみたまちゃんの存在が異質かがわかるな……】

【癒し×妹×純粋×ロリ×ばぶみ……属性多いなぁ】

【まあ、みたまちゃんはいくら属性を持っても許される。なぜなら、みたまちゃんは可愛いから!】

【某海賊女帝の如きセリフで言われましてもw】


「まー、実際のとこ、みたまっちってこう……ギャルゲーのヒロインみたいだよね。それも、メインヒロインたち以上の人気をかっさらっていく攻略不可のヒロインタイプ」

「「「あぁ~~~~」」」


 いくまのセリフに、三人は納得したような声を零した。


「たしかに、メインヒロインのポジションかと言われるとなんか違うのはわかるぜ」

「だねー。なんかこう、攻略対象じゃない妹キャラみたいなポジションって感じ? ただ、あまりの人気っぷりに、最終的に二次創作が作られまくって、最後にはファンディスクでルートが追加されるタイプと見たねー」

「……なんとなくわかってしまう自分が憎い」


【さすがギャルゲー畑の奴らだッ……!】

【しかも、すんごい納得できるんですがそれはww】

【まあ、みたまちゃんはたしかに攻略キャラって言うよりこう……クソ人気が高いタイプのサブヒロインって感じだもんなぁ……】

【あれだろ? あまりの人気っぷりに、主人公を張る外伝が作られる感じ】


「そうそれ! やー、さっすがウチのリスナー! よくわかってるぅ!」

「ギャルゲー狂いは伊達じゃないねー」


【草】

【ってか、マジでなんでうさぎちゃんじゃないの? 一応うさぎちゃんもやってた気がするんだけど?】

【それな】

【どして?】


「うさぎ君が『ひぃぃ!? せ、性癖の暴露大会なんて、よ、陽キャがやること、ですぅ~~~~っ! わ、わわ、わたしのせ、性癖なんて知ったところで、な、何も面白くないですよぉっ!』という感じでね……」


 地味に上手いうさぎのものまねをしながら、うさぎが来ない経緯を話すたつなに、コメント欄は笑いが溢れる。


【草】

【まあ、実際ギャルゲーの好みのヒロインを話す=性癖暴露だもんな】

【けどうさぎちゃんって割と性癖暴露してた気が……】

【あれ? たしか、割とロリ好きじゃなかった?】

【ロリコンか……】

【そうか、うさぎちゃんはロリコン……】

【ロリコンなのかぁ……】

【雪ふゆり:呼びましたぁ~?】

【違うロリコンが出て来たぞ!?】


 うさぎがロリコンという、本人が聞いたら卒倒する……というか、実際に配信を見ているうさぎは布団をかぶってぶるぶる震えているのだが……と、そんなところに、なぜか三期生のらいばーほーむ枠の雪ふゆりこと、ロリコン帝王が現れた。


「あっ、ふゆりっち! ハロハロー! そう言えば、ふゆりっちもギャルゲーはやるん?」


 が、特にツッコミを入れず、いくまはふゆりに溌剌とした様子で話しかける。


「いくま君、そもそもふゆり君がロリコンで反応したことにツッコミを入れるべきだと思うんだ」

「いやいや、そりゃもう今更ってもんだぜたつな!」

「そうですよー。むしろ、初配信の時からロリコンってバレてますしねー。まあ、面白いからボクは歓迎歓迎!」

「そゆことっしょ! 気にしない気にしなーい!」

「……そうか」


【たつな様、絶対これ胃が死ぬだろ】

【誰か! 誰かツンデレちゃん呼んで来て!】


「デレーナっちは店番でこないってー」

「私の生命線は絶たれたかッ……!」


【うわぁw】

【草】

【ひっでぇ……】

【さてはツンデレちゃん、これが嫌でわざと店番入れたな……?】

【あぁ、うん、最近強かだもんね、あの人】


「それでそれで! ふゆりっち、どうなん?」


【雪ふゆり:ロリ系は熟知してますよぉ~。それも、百合系でぇ~】

【ぶれねぇww】

【百合でロリ系かぁ……なんというか、偏食すぎんだろ】

【まあ、ほら、ギャルゲーやってる奴の何割かは特定ジャンルしかやらんし……?】


 相変わらずぶれない回答に、苦笑いである。主にたつなが。


「あー、わかるー。ウチもエロゲとかやるけど、恋愛物しかやんないし」

「それはボクもかなー」

「だなー。ってか、合意の元じゃないのはちょっと……」

「……まあ、そうだね。純愛が一番だね」


【たつな様が既に疲れてる……?】

【いやこれ、多分温存してるんだろう】

【なるほど】


「んじゃ! 早速本日の話題! 自分の好みのタイプをプレゼンしようのコーナー!」

「「Yeahhhhhhhhh!」」

「いえ~(棒)」


【たつな様がメッチャ棒読み】

【反対に男共がテンションたけぇww】

【まあ、こいつららいばーほーむに二人しかいない男性で、各期でハーレムってんのに一切手を出そうとしない奴らだが、それでもそう言う話題は好きだもんな】

【むしろ、切り離してやってる感はある】


「はい! というわけで! ウチ含めてここにいる全員で! 各々の好みドストレートな属性シチュについて語ってもらいます! はいじゃあ、まずはたつなっちからぁ!」

「わ、私かい!? なぜだ!?」

「「「一番浅いから」」」


【草】

【草】

【草】

【そらあんたらからしたら浅いだろうけどもww】

【こいつらマジでクソすぎるww】

【たつな様ガンバ!】

【でも、たつな様の性癖は気になる】


 応援する者もいたが、どちらかと言えばたつながどのようなキャラクター、シチュエーションを好むのか気になる者の方が多いようで、コメント欄はそう言った物で溢れる。

 それを見たたつなは、なんとも言えない表情を浮かべてから口を開いた。


「……そう、だね。まあ、私は学生時代は何と言うか……同性に言い寄られる生活だったからね」


【草】

【いきなりとんでもねぇなぁオイw】

【そういや王子様って呼ばれてたんだっけかww】


「あぁ。だからだろうね……普通の恋愛というシチュエーションが好みなんだ。もっと言えば、女の子らしいヒロインが好き、というべきか……」

「こう、THE乙女! みたいな感じ?」

「そうだね。たとえ小さなことでも一喜一憂できるような、そんなヒロインが好ましいかもしれない。私の場合……私に告白してくる人と言うのは、総じて女性であり、尚且つその……ラブレターになぜか髪の毛とかなぜか赤い爪とか、まあ、そんな物が入れられていることが多く……」


 話が進むにつれ、たつなの表情が暗くなっていき、最終的にはハイライトが消える。


【どういう学生生活ぅ!?】

【待って? 何をどうしたらヤンデレ係数マッハの学園生活になるんやww】

【こっわ!?】

【赤い爪……俺もあったなぁ……】

【ちょい待ち? なんかコメ欄にも同じ経験してる奴がおるんやけど?www】

【草ァ!】


「うへー、たつな先輩、結構アレな生活だったんだねぇ」

「たつな……今度、飲み行くか?」

「……あぁ、一期全員でまた行くか」


【擬人化野郎、こういう時マジで気遣いが出来るよな】

【そりゃモテるよなー】


「あぁ、そう言えばシチュエーションもか……シチュエーション、シチュエーションか……そうだね、やはり放課後の教室、というのはベタだがかなり好みだね」

「ほほう?」

「ふんふん」

「なるほど?」

「やはり、誰もいない夕日が差し込む教室と言うのは、ある種幻想的だと思うんだ。そういう静かで、幻想的な場所で告白する、されるシチュエーションというのはかなり好きだね」

「なるほどねー。んじゃあ、告白が成功したら早速致すのも好みってことだね」

「あぁ、そういうのも――っていや違うぞ!?」


【草ァ!】

【それエロゲの話しだろう!www】

【いやそもそもこいつら基本的にエロゲの話ぞww】

【えぇ……】


「わかる! いいよな! 実際にやろうと思ったらヒロイン絶対背中とか痛そうだが、それ以上に背徳感がありそうだよな!」

「なぜノリノリになる!?」

「いやいやいや、それは違うっしょ!」

「あぁ、そうだよな、いくまく――」

「背徳感が一番あるのは絶対外っしょ!」

「そうそう外……いやそこじゃないが!? そこじゃないが!?」

「いやー、初めてならやっぱり家かホテルじゃない?」

「……なぜ君が一番まとも?」

「いやいや、甘いよ、たつなっち」

「なに?」

「ふっ……家やホテルなら好き放題だし、何よりコスプレとか特殊な行為が出来るよねー」

「……私、帰っていいかい?」

「「「NO!」」」

「くっ、殺せっ……!」


【草】

【ひでぇwww】

【なんだこの状況はァ……】

【おかしい、俺たちはたつな様の好みのシチュエーションを聞いていたはず……なのになぜ、こいつらは唐突に初体験シーンについて語ってんの?】

【いやいくまっちのセリフは、別段初体験を言ったわけじゃない。単純に背徳感を感じるならどこか、というものだ】

【というか、たつな様のくっころがすんごい似合ってるのが笑うんだけどwww】

【なぜ似合うw】

【リアルで初めて聞いたんですが】


「はい、じゃあ次は暁、よろしくぅ」

「了解! んじゃあね、ボクの好みはぁ……んー、やっぱり年上が好きかなぁ! こう、ほんわかしたお姉さんでもいいし、凛々しい感じでもいい! だけど、総じてそう言うシーンでは女性がリードする方がいいかなー」

「ほほう? その心は?」

「いやだってボク、どっちかと言えばMだし?」


【ぶっww】

【お前wwww】

【あ、暁きゅんは受け! やっぱり受け!!】

【くっ、公式で明言されてしまったら解釈違いにッ……! でも! 私は暁きゅんが攻めの世界線も諦めないっ!】

【わーい! 暁きゅんはMだヤッター!】

【あぁっ! 腐海からヤバい奴らがッ……!】


「……あまり聞きたくないが、君はなぜそれが好みなんだい?」

「いやー、昔年上の女性に襲われかけてねー」


【ちょっと待て!?】

【突然の爆弾発言はやめてくれや!?】

【何があったんだよww】


「ボク、リアルでも背が低いし、割とこう、男の娘って言われるような容姿をしてるのは知ってると思うんだけどー」


【え、初耳ですが?】

【初耳】

【知らねぇ!】

【な、何ィィィィ!? あ、暁きゅんはリアル男の娘ぉぉぉぉぉ!?】

【急いで学会に連絡よぉ!】

【学会ってなんだ!?】


※学会とは、主に刀と暁のカップリングによる同人誌を書く者たちが集まり、日夜二人を研究する腐った変態共の巣窟である。ちなみに、リアル暁は普通の男性派と男の娘派、実はガタイがいい男派の三竦みだったが、本日男の娘派が覇権を握った。


「あぁ、そういやそんなこと言ってたな!」

「ウチは初耳」

「私もだ……というか、そんなことがあればむしろトラウマになるのでは?」

「いや、こいつ魂がMだったみたいで、一周回ってそれが好みになったらしい」

「えぇぇぇ……」

「さっすが暁っち! いい性癖してんねー!」


【襲われかけた経験からMになった挙句襲ってきた相手と同じ属性の女性が好みになる時点でなかなかヤバいと思うんですがそれは】

【これが男と女の違いか……?】

【やめろ、これと同類にするのは……】

【草】


「いやぁ、おかげで責められる方が好きになったよねー。アハハー」

「絶対笑って済ませていい奴じゃない……」

「ちなみに、どういうのが好きなん?」

「……あー、縛られる、的な?」

「ド変態じゃないかッ……!」


【草ァ!】

【えぇぇぇ……】

【ひゃっふぅぅぅぅぅう! 公式でお出しされたぞぉぉぉぉぉ!】

【学会に連絡連絡ぅ! 急ぎ大至急!】

【急二回言ってんぞ……】


「あのさー、これ言ったら殺されるかもしれないんだけど」

「おう、どうした。死ぬ時は一緒だぜ」

「さらっと言える君はすごいよ……」

「公式カップリングが成立してる唯一の存在だし?」


 尚、マジである。

 らいばーほーむが正式に出しているカップリングされたグッズは、実はこの二人しか存在しない。

 他はまあ、大体複数人でのものとなる。

 公式は業が深いのである。

 所謂、公式が最大手、という状況。


 尚、現在らいばーほーむに所属するライバーたちのグッズが製作されており、一部とんでもねぇもんが出来上がろうとしているが……発表はまだ先である。


「なんとなーくなんだけど……みたまちゃん、絶対ボクと似た性癖してると思うんだよねー」


 と、特大の爆弾というか、自殺行為的発言を暁は行った。

 さて、ここまでの物語を知っている者たちならばどうなるか予想はできるだろう。

 つまるところ……。


【天空ひかり:オマエハコロス……☆】

【雪ふゆり:跡形もなく消し飛ばしますよぉ~】

【わたもち:うちのすべを持って消し飛ばしてやりますよ……】


 まあ、シスコンモンスターの登場である。

 下手なモンペよりヤバいってヤバくない?

 ついでとばかりに、ロリコンとママが参戦している辺り……。

 みたま警察の出動である。

 ちなみに、らいばーほーむ内のもう一人のみたま警察こと、ツンデレは現在店番中なので気づいていない。


【あっ……】

【(\ζ°)チーン】

【勇気ある者に敬礼ッッ!】

【合掌】

【終わったなぁ……】

【しかも、ロリコンとママも敵に回してるよ……】

【あれ、そう言えばわたもちママって、今引っ越し準備してるって呟いてなかった?】

【え、マジで引っ越してくんの……?】


「暁君……君、勇者だね」

「絶対に真似できないわー……」

「暁……死ぬ時は一緒だッ! あ、二人とも、俺たちの骨は拾っておいてくれ」

「あ、ああ。だが刀、君、別にみたまちゃんのことを何一つ言ってないが?」

「ふっ、俺だぜ? まあ見とけって」


 ふっと実に爽やかな笑みを浮かべながら、軽く息を吸い込むと、刀は言い放った。


「いやぁ! 俺も暁が言うことはわかるなァ! だってほら、元男の娘って話だし、なんか妙なところで暁と同じ雰囲気を感じてるからなァ!」

「「「勇者だッ……!」」」


【天空ひかり:粛清対象、一名追加Death】

【雪ふゆり:拷問器具の準備はできてますよぉ~】

【わたもち:飛行機でカッ飛ぶから、うちの分も残してほしいですねぇ】

【アッ……】

【あんたっ、やっぱ漢だよ……!】

【すげぇな、自ら死地に赴くことが出来るなんてッ!】

【俺、初めて擬人化野郎で感動したわ……】

【あの最凶のシスコンとロリコン、ママを相手にあれが言えるんだもんなぁ……地雷原でタップダンスどころか、全部的確に踏み抜くその姿勢には脱帽だぜ……】


「よし! 俺と暁の死は確定したので、次行こうぜ! んじゃ、次は俺行くか! 俺はそうだな……やっぱ図書委員のような文学系ヒロインが好きだな! 大人しくて、眼鏡をかけてると尚良し!」

「あぁ、そう言えば君、そんなことを言っていたね、初コラボの時に」

「おう! なんかこう、文学系少女ってすんげぇすきなんだよ! 俺、割と運動ばっかのタイプだったからな、そういう真逆の属性に惹かれたのかもしれないな!」

「真逆はなんかわかるぅ! ウチもそうだし!」

「だねー。ボクも実際年上好きだしねー。それも、大抵が自分より身長が高いと良いって感じだし」

「案外人って言うのは、自分にない物を持っている人に惹かれるものだからね。私もそうだ」


【そう考えたら、この場にいる全員の好みって、ガチで正反対タイプだな……】

【暁は年上でリードしてくれるようなタイプで、刀は文学系の大人しいタイプ、たつな様は乙女なタイプ、いくまっちは委員長タイプ……見事に正反対……!】

【まあ、自分にない物を持ってる人ってのはマジでわかる】


「んで、好きなシチュエーションは?」

「そうだな……あー、やっぱ、学校での告白ってのはいいよな! 実際、学生生活ができる期間なんて、社会に出会た後の時間より短いんだぜ? しかも、中学と高校なんて、もっと短い。大学はなんか制服とかないから、ちょっと違うしな」

「現役大学生からすると、結構理解できちゃうのがねぇ」

「ウチは今年卒業したけど、一理あるっしょー」

「まあ、学生時代は何をしても楽しい、というのがあったからね」

「だろだろ!? だから、マジで学校で告白して、そのまま教師とか図書室でやるのとか、メッチャ好きなんだよな!」

「いやその会話の流れはおかしい!」


【結局エロゲじゃねぇか!ww】

【途中までいいこと言ってんなぁと思ったらこれだよww】

【実際問題、学校でやる奴とかいるの? いねぇだろww】


「……いや、学生時代、私は教室でしてる人を見たことがあると言うか……うん」


【マジで!?ww】

【たつな様の学生時代の話がメッチャ気になって来たんですがwww】

【何をどうしたらそうなるww】


「……しかも、女性同士と男女、両タイプを見たことが……あぁ、今思えば、男性同士もいた気がするな……」


【はぁーーーー?www】

【業が深すぎるだろその学校www】

【ちなみにそれ、高校? 大学?】


「……高校」


【マジでやべぇwww】

【どんな学校だよwww】

【絶対ヤバい奴しかいねぇ……】


「ちなみにだが、私が通っていた高校は、数年単位でたまにヤバイのが入って来ると有名だ」

「逆に行ってみたいわー」

「俺も気になって来た」

「ボクも」

「絶対に行かないことをおすすめする」


【ある意味行きたいが、ある意味行きたくねぇww】

【ってか、普通に学校やる奴がいる学校ってそれはどうなん……? 倫理的に】

【いや、うん、まあ……若いから……】

【若いからで済む問題かなぁ、これ】


「んじゃあ、最後にウチの話ぃ! ウチはやっぱ、委員長タイプっしょ! 個人的に堅物系か眼鏡タイプが一番! 堅物系って途中まではちょっと鬱陶しい感じがあるけど、いざ恋愛感情を持ち始めるとメッチャ可愛くなるんよ! 今まで抑圧してきた物が膨れ上がって、甲斐甲斐しくなったり、逆に嫉妬深くなったりする様は最ッ高ッ! あと、そう言うキャラって総じてどこからか妙な知識を引っ提げて来るのも最高だと思うんよ!」

「あー、あれだろ? なんかやたらマニアックなプレイを学習してくる的な」

「そうそれ!」

「あー、なんかわかるかなー。しかも、それを指摘した時の赤面する感じとかはボクも割と好きだしー」

「そうそう! いやー、やっぱこうして話が出来るのはいいねぇ! あ、たつなっちはどう思う?」

「……そこ、私に振るのかい?」

「「「当然」」」

「……まあ、ギャップ萌えはわかる、かな。最近特大のギャップ萌えをくらったが……」

「……あぁ! みたまっちのメスガキボイス!」


【あれはすごかったなぁww】

【たしか、新しくチャンネル登録をした奴の中にはあのメスガキボイスが理由の奴もいるらしい】

【変態かよ……】

【そもそも変態しかいないだろ。シスコンとロリコンとママがいるんだぜ?】

【それはそう】

【天空ひかり:みたまちゃんをすこるのです……】

【雪ふゆり:さすれば救われます……】

【わたもち:みたま教に入信しましょう……】

【なんか怪しい宗教に勧誘してくるV二名+αがいるんですが?】

【みたま教は草】

【ってかなんで息ぴったりなんだよあんたらwww】


「とまあ、そろそろ話も出そろったところで本題に――」


 と、今回の企画のメインである討論(?)に進もうとした時だった。


【神薙みたま:あ、あの、みたま教って……なんでしょうか……?】


 突如として、らいばーほーむの癒し系妹枠の神薙みたまが降臨した。


「「「「……エッ!?」」」」


【み、みたまちゃんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!?】

【うっそだろ!? なんでみたまちゃんがここにいるんだぁ!?】

【おいお前ら急いでコメントを隠せ隠せ!】

【ってか、なんでみたまちゃんがおるん!?】

【神薙みたま:あ、い、いえ、その、わたし、あんまりコメントを書かないので、その……たまにはいいかなぁ~、って思って開いた、んですけど……】

【魔乃闇リリス:うむぅ? 我、途中まで話を聞いていたがさっぱりわからんのじゃが……】


 と、今度はリリスまでもが現れ、コメント欄はある意味で荒れ始める。


【おいちょっと待てや! 陛下までいるんだが!?】

【なんでヤバい配信に限って、ロリピュア組が来るんだよっwww】

【ロリピュア組は草】

【まあ、実際ピュアだし……】

【全員コラボの時、ふゆりん、みたまちゃんだけじゃなくて地味に陛下の方を見る頻度が高かった時点で、陛下もロリが確定してるんだよなぁ……】

【実際のとこ、みたまちゃんのなぞなぞの問題が出たあの配信以降、マジでロリピュア組って呼ばれてるからな……】

【マジかよww】

【魔乃闇リリス:なんだか可愛い呼び方じゃのう! のう、みたまよ、今度コラボする時、そう名乗らんか?】

【神薙みたま:ふえっ? あ、あの、り、リリスおねぇたまがいいなら……】

【魔乃闇リリス:決まりじゃな! その時はポーズも取るぞ!】

【神薙みたま:あ、う、うんっ!】


「なんか、ウチらの配信でとんでもない爆弾がセットされた気がするんだけど?」

「リリスはまあ、ノリがいいからね……間違いなく、ポージングはやる。あと、みたまちゃんも地味にそういうのはやる……流されるような形で」

「だねー……というか、あー、みたまちゃんが来ちゃった以上、話の続き、難しくない?」

「だなぁ……よし! 話題は変更! ここからは、各々の恋愛経験の話にしようぜ!」

「「「Yeahhhhhhhhh!」」」


【神薙みたま:あ、あれ? あの、もしかしてわたし、来ない方がよかったですか……?】

【魔乃闇リリス:うむ、我も来ない方がよかったかの……?】

【天空ひかり:いいんだよ、みたまちゃん、リリスちゃん。今回はね、みたまちゃんたちが知らなくてもいいことをお話していただけだから……あと、刀君と暁君は〆るね☆】

【神薙みたま:お姉ちゃん!?】

【魔乃闇リリス:ひかり、おぬし……】

【シスコンェ……】

【まあ、知らない方がいいはそれはそう】

【ファインプレー!】

【まあ、恋愛経験の話しも面白そうだし、全然いいや!】


 などなど、みたまとリリスが降臨したことにより急遽エロゲ的な話は取りやめになり、刀の機転で恋愛話に変更となった。


 その間に語られた四人の恋愛経験の話は……筆舌に尽くしがたいような、そんな経験が多く、視聴者たちをドン引きさせ笑いを引き起こし、中には恐怖するような内容もあったが、それはもう楽しい物となったそうな。


 尚、大半の意味を理解できなかったロリピュア組がいたが、みんな生暖かい目で見ました。

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  はい、思い付きで書いた閑話回でした。今まで出番がなかった奴らに出てもらった結果がこれだよ。

 なんだこの内容……。

 ちなみにですが、刀と暁の両名は殺されました。シスコンとロリコンに。

 あと、恋愛ゲー好きたち全員、リアルでの恋愛経験がちょっとアレな感じになった人が多かったために、ギャルゲー好きになった、という経緯があります。ひっでぇ……いつか語れたらいいなぁ、くらいでしかない。

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