配信#14ー2 らいばーほーむのみんなで配信だよっ!:2

「えー、既に色々とカオスとなっているが……ここからが本番。今までのあくまでプロローグであり、自己紹介だ。……まあ、自己紹介の癖が強すぎたのはそうだが」

「たつなさん、あたしもうたつなさんに全部投げていいですか?」

「それ、私に死ねと言ってるのかい?」


 自己紹介後、たつなおねぇたまとデレーナおねぇたまの進行で進んで行く配信だけど、今の二人のやり取りに笑いが起きました。

 デレーナおねぇたま……。


【草】

【しれっと押し付けようとしてるツンデレちゃんが酷いw】

【まあ、うん、みたまちゃん以外が全員頭らいばーほーむだから……】

【んで、本番って何するん?】


「あぁ、それはタイトル通りだ。というわけで、デレーナ君、タイトルコールを頼むよ」

「あ、あたしですかー……まあ、やりますけどっ? それじゃあ、んんっ! らいばーほーむ全員集合! 三期生のことを知ろうのコーナーーーーーー!」

『『『イエェェェェェ!!!』』』


 デレーナおねぇたまのタイトルコールと共に効果音と音楽が流れ、僕たちは僕たちでノリノリで声を出す。

 うん、やっぱり楽しい……。


【怖い企画だぁ……】

【みたまちゃん以外が絶対碌なもんじゃねぇ】

【お前ら準備はいいか!? 俺はできてねぇ!】

【草】


「えー、見ての通り、今回は3Dモデルによる配信だ。それで、現在は見ての通りシェアハウスのようなデザインの空間にいると思う」


【地味に背景もすごいのが草なんだが?】

【ライバーのモデルだけじゃなくて、それ以外の出来がいいのも酷いと言うか……ってかこれ、いくらかかってんだ……?】

【知りたくねぇ】


「一期、二期のメンバーはモニターの反対側にそれぞれで座り、三期の四人はモニター側に座っていると思う。今回は二期生が入って来た時にもしたある種親睦会というわけだ」

「ちなみに、四人に投げかける質問等はあらかじめ用意し、一部はリアルタイムで募集することになってるから、まあ、暇なら送ってみればいいんじゃないっ? 場所はらいばーほーむ公式のましゅまろに投げるように」


【マジかよ、送るか】

【今までのノリでやるなよ! 今回はみたまちゃんがいるんだからな!】

【マジでみたまちゃんの扱いが聖域化してて笑うんだよなぁ……w】


「というわけで、準備はいいね? まずは意気込みと行こうか。一期生は?」

「ふふふ、この私が知らないみたまちゃんの情報など存在しない! 他の三人は……ふっ、この私をもってすれば、正答間違いなーーし☆」

「我が権謀術数をもってすれば、正解など容易い」

「んまぁ、なるようになるだろ! 頑張るぜ!」

「私も同じく。あぁ、リリス。権謀術数だとそれ、色々と問題だからやめるように」

「なぬぅ!?」


【草】

【うんまぁ、陛下には似合わない四字熟語だよね、それ】

【魔王なのに光属性だもんなぁ……】


「じゃ、二期生、ほら、意気込み言って」

「絶対に正解しちゃうかんねー! やるからには優勝っしょ!」

「と、とりあえず、び、ビリにはなりたくない、ですっ……!」

「んー、ボクは面白ければいいかなーって」

「あたしは胃が痛くならなきゃいいわ」


【切実……! あまりに切実ッ……!】

【胃が痛くなるような面子しかいないしなぁ……!】

【頑張れ、ツンデレちゃん!】


「出題側のようなものだけど、三期生も意気込みを言ってほしい」

「じゃあ、はつきから! 是非とも先輩方にははつきたちを知ってほしいぞ! 以上!」

「ん、簡単に当てさせるつもりもないけど、応援してる」

「うふふぅ~、当てられますかねぇ~?」

「え、えと……が、頑張ってくださいっ!」


【三期生がまとも……】

【みたまちゃんが癒しだわー】

【まあ、うん、まだ一ヶ月半だからね。これが一年とか経つと、一期と二期みたいになるわけだが……】

【わたもち:みたまちゃんがそのようなことにはならねぇです!】

【わたもちママ……】


「さて、これから……って、ん? またしてもカンペ…………あー、なる、ほど……」


 進行させようと、たつなおねぇたまが声を出そうとしたら、スタッフさんから指示がありました。

 あ、なるほど、それで……。


「あー、はい。運営から指示がありました。えー、今回の三期生を知ろうのコーナーだが、問題を外した場合……罰ゲームが存在します」

「ば、罰ゲームじゃとぉ!? 何故じゃ!?」

「おっ、いいじゃねーか! やっぱそうじゃなくちゃなぁ!」

「ひぃぃっ、ば、罰ゲームは嫌ですぅ~~~~~っ!」

「おー、面白そうじゃん! ウチやる気出て来た!」

「へー、いいねー。人が罰ゲームで悶え苦しむ姿は面白いし」

「え、暁先輩鬼畜?」

「ん、でも、それは三期生には関係ない?」

「見た感じ、一期と二期だけみたいね。三期は……一番正答率が高かった人が罰ゲームを受けるって書いてあるわ」

「私たちも受けるんですねぇ~」

「ふぇぇ……わ、わたし、大丈夫かなぁ……」


 罰ゲームの内容を知ってはいるけど、それでも、その……自分でもちょっとあれかなぁって……。


【罰ゲームあんのかいw】

【つーか、三期生にも罰ゲームがあるのが酷すぎるww】

【らいばーほーむこわ……】

【さすが頭のおかしい奴らを輩出する事務所だ。事務所もイカレてやがる……!】

【ちなみに、罰ゲームって何?】


「罰ゲームだが……あー、そういう……デレーナ君頼んだ」

「了解です。罰ゲームは……あっ、え、これ罰ゲーム……? むしろご褒美では?」


【どういうことだ?】

【罰ゲームなのに、ご褒美……?】

【ほほう?】

【気になってきましたなぁ!】


「今回用意された罰ゲームは……みたまママ手作りの罰ゲーム料理よ!」

『『『よっしゃ間違える!』』』

「お前ら……」

「あははー、さっすがー」


【女性陣www】

【お前らそれでいいんか!?】

【みたまちゃん手作りの罰ゲーム料理とかそれ、罰ゲームじゃなくてご褒美だよね】

【食べてみてぇ! 死んでもいいから!】

【わたもち:や、やはり、四期に応募するしかッ……!】

【理由がみたまちゃんの料理でいいの? わたもちママ】

【ママと言えば、ナチュラルにみたまママと呼んでるツンデレちゃんに誰もツッコまないのが笑えるんですが】

【まあ、普段から言いまくってるから】


「え? 生易しいものじゃない……? ちょっと待って? みたまママ、何作ったの?」

「ふぇ? んっと……罰ゲームにふさわしい物……?」


 実際、僕も味見はしたけど、すごいことになったしね……頭の中が。


「なぜかしら、嫌な予感がしてきたわ」

「わ、わたしも……」

「私はみたまちゃんの料理ならどんな物でも笑顔で食せる☆」

「我、みたまの料理が気になっておった故、楽しみではあるがな!」

「あ、罰ゲームありってことは、優勝したら何かある感じ? そこんとこどー?」

「あぁ、どうやら優勝者には事務所で叶えられる範囲でほしい物、もしくはしたいことが出来るそうだよ」

「マジ!? じゃあ、ギャルゲーも!?」

「んじゃあ、俺や暁がやるような奴でもいいってことか!?」

「いいみたいだね」

「「よーしやる気出た!!」」

「ウチ、丁度欲しいゲームあったんよ!」

「あのぉ~、それは私たちにはないんですかぁ~?」

「一番正答率が低かった人が得られるみたいよ」

「おー! はつきもやる気が出て来たぞ!」

「ん、捻る」

「うふふぅ~、絶対に正解はさせませんよぉ~」

「え、あの、嘘は書いちゃだめだと思うからね……?」


【みたまちゃんがマジでまともなの笑う】

【実際、みたまちゃんかららいばーほーむに入った人って、絶対困惑するよね】

【困惑ってか恐怖だろこんなもん】

【まあ、うん……それは、ね】


「まあ、まずはやってみた方が早いだろうね。その前に回答方法について説明するよ。みんなには手元にフリップがあると思うのでそこに回答を書くように。一人一人問題が変わるわけではなく、四人まとめてになるが、ハッキリ言って四人全員を書いていたら時間も足りないと思うので、自信のある人を一人選び、回答を書いて欲しい。そうして、答えが間違っていた場合に罰ゲームとなる。尚、正答率が高かった三期生も罰ゲームになるので、まあ、そこは運だね。ちなみに、誰も当てに行こうとしなかった場合は、それはそれで罰ゲーム回避だ」


 な、なるほど、そう言うルールなんだ……けど、四人まとめてって大変じゃないのかなぁ。


「早速第一問と行こうか。あぁ、私とデレーナ君は出題しつつ、回答をする形になるのであしからず。では、第一問! 四人のそれぞれの二番目に好きな食べ物は何?」


 二番目……二番目かぁ。なんだろう。


『『『に、二番目ッ……!』』』

「まーた難しいとこが来たねー。んー、二番目かぁ……」

「これヒントはありか?」

「あり、だそうだよ。ただし、先着順で三回まで。なのでまぁ、よく考えて――」

「では、我からふゆりに質問じゃ!」

「言った傍から手が早いな君は!?」


【草】

【ですよね!】

【先着順と来れば、間違いなく陛下は真っ先にやるわなぁ……】


「おぬしらの二番目に好きな食べ物とは、肉類、魚類、野菜類、どれじゃ?」

「ん~、魚類でしょうかぁ~」

「はつきは魚類だぞ!」

「ん、肉類」

「わたしは、んーと……野菜、かなぁ」

「へぇ、なんかいがーい! ふゆりっちとか、お洒落そうな野菜系の料理とか好きそうなのに」

「あぁ、わかるわ。なんかこう、ふゆりってお洒落な大人の女性って感じよね」

「うふふぅ~」


【ふゆりんがお洒落な大人の女性……まあ、なんかわかる】

【ロリコンだけど、こう、おっとりしたお洒落な女性って感じのイメージ。ロリコンだけど】

【実際すんごい男性からモテそうだよね。ロリコンだけど】


「みなさんロリコンだけどを付けなきゃ気が済まない感じなんですかぁ~?」


【ロリコンじゃん?】

【むしろ、ロリコンじゃないふゆりんはロリコンじゃない】


「それはもうふゆりの形をしたロリコンじゃない?」


【草】

【草】

【草】


「むむぅ……ふゆりさんがお洒落な大人の女性に見えると言うことは、はつきたちは大人の女性に見えないということかっ……!」

「ん、心外」

「はつきちゃんはともかく、いるかちゃんは大人っぽいと思うよ、私。まあ、みたまちゃんの可愛さには負けるけどねぇ!」

「ひかり、大人っぽさから急に可愛さに転換してる。君、脳内の思考回路は大丈夫かい?」


 平常運転なんだろうけど、みんながいる前で恥ずかしい……。


【結局シスコンの会話って、どんなに関係ない方向でも最終的にみたまちゃんの話題に行くんだよなぁ……】

【気が付いたらみたまちゃんを布教するしな】

【普通に恐怖じゃない?】

【そこがいいんだろう!?】

【あぁっ、毒されてる奴がいるっ】


「にしても、はつきは魚類なのか! 魚類、魚類か……」

「みたまママは野菜類……なんか、それっぽいけど、こうなるとお稲荷さんって線は消えるわけね」

「魚類が二、肉類一、野菜類一……んー、わからないねー」


【ヒントが少なすぎんよ】

【ってか、三回の質問で当てるとか無理ゲーでは?】


「わ、わたしから、質問、ですっ! み、みなさんの好きな物は、その、配信に出ました、か?」


【おっ、うさぎちゃんだ! 珍しいぞうさぎちゃん!】

【多分、罰ゲームが怖くなったんやろなぁ】

【結構ヤバいらしいからな……まあ、みたまちゃんの罰ゲーム料理なら喜んで食うが】


「おぉ! うさぎっちナイスぅ! いい質問!」

「じゃな! それは良き問じゃ! して、答えは!?」

「はつきは出したことがあるぞ!」

「私はない」

「私もないですねぇ~」

「わたしはあるかな? ちらっとだけど……」

「はつきさんとみたまママは何とかなりそうだけど……二人は謎ね……」

「となると、実質この二人を狙った方がいいかもしれないね」

「ふふ……」

「なんか、ひかりんパイセンが勝ち誇った顔してんだけどー」

「まあほら? 私はみたまちゃんの永遠のお姉ちゃんだからねぇ、確実に勝てるって寸法よぉ!」


【まあ、こいつはなぁ……】

【最強の姉じゃないですかヤダー】

【でもこれで外したら最高に恥ずかしいし、最高に面白いよね】

【わかる】


「フハハハハハ! この私が外すとでもぉ!?」

「外しそうだね」

「同感じゃな」

「絶対外す気がするぜ」

「あれぇ!? 一期生からの私の認識、ひどくなぁーい!?」


【残当】

【オチ担当だし】

【外せェ……外せェェェェ……!】


「くっ、こうなったら私のみたまちゃん愛を見せる付けるしかない!」

「いつも見せつけてると思うけどなー」

「暁、それは思ってても言っちゃだめなことよ」

「なんか話が先に進まなくなってくる気がするし、私から質問と行こうか」


【お、最後はたつな様か】

【何が来るのか……!】

【現状、何一つわからんしね】


「それぞれの料理のジャンルを教えてほしい」


【あぁ、そう言う質問の仕方もありなんか】

【ほほう? これはいいぞ?】


「ん、私は……焼き物系」

「はつきは蒸し系だぞ!」

「わたしはぁ~……んー、おつまみ系でしょうかぁ~?」

「わたしは、んっとものとしては……ご飯もの……?」

「なるほど……わからんっ!」

「くそぅ、これ質問三回ではわからんぞ!」

「ど、同感、ですよぉっ……で、ですが、あ、当てなければ、ば、罰ゲームっ……!」

「さて、答えがわかった人から書くように。私も書かせてもらうよ」


 たつなおねぇたまのその言葉を皮切りに、一期生や二期生のみなさんが一斉にフリップに答えを書き始めました。

 この間、僕たちはやることがないので、ちょっとだけ手持ち無沙汰。

 そうして、三分ほどで全員回答が出揃いました。


「じゃあ、一斉に回答を出すよ。はいせーの!」


 じゃんっ! と効果音と共にみなさんの回答が出ました。


ひかり 『愛するみたまちゃん♥:近所のラーメン屋さんの料理』

たつな 『猫夜はつき:あさりの酒蒸し』

リリス 『神薙みたま:ネギ丼』

刀   『深海いるか:生姜焼き?』

デレーナ『雪ふゆり:なめろう』

いくま 『神薙みたま:ネギ丼っしょ?』

暁   『深海いるか:ポークピカタ』

うさぎ 『神薙みたま:ね、ネギ丼……?』


 ……お姉ちゃんっ!


【シスコン?】

【おいシスコン、それ答えじゃ無くね!?】

【まさか、放棄!? 放棄したと言うのか!?】

【ってか、博打しに行ってる奴と、普通に罰ゲーム受けに行ってるんじゃねぇか疑惑がある奴らがいるんだが!?】


「あははー、いやぁ、面白い方がいいと思ってねー。ねぇ、刀先輩?」

「だな! やはり、確率が低い方へ付き進んでこその漢よ!」


【バカだ! マジもんのバカがいる!】

【いやそれよりも、シスコンの方がバカだろ】

【さっきまでの自分の言葉を忘れたのかぁ!?】


「まあ、バカだ、とはさすがに言わないが……ひかり、君はどうしてその回答を? 君ならみたまちゃんの配信を何度も見返し、各配信の時間の長さ、みたまちゃんが発した言葉全てと、どこで息継ぎをしているかなども全て記憶してるじゃないか」


【ちょっと待って!? しれっと出て来た情報が怖すぎんですが!?】

【時間の長さまではいいよ!? けど、息継ぎとか怖いんだけどぉ!?】


「えっ、ひかり先輩こわっ……」

「ひぃっ、や、やや、やっぱり、きょ、狂人ですぅっ……!」


【ツンデレちゃんとうさぎちゃんが恐怖している!】

【いや普通に怖いやろ】

【妹への愛でそこまで行ったらそれはもう狂愛なんよ】


「みたま、悪いことは言わん。すぐに家から出た方がいいと思う。我の家などどうじゃ?」

「はいそこー、しれっとみたまちゃんを招き入れようとしなーい! というか、同棲は認めませんっ! 認めませんよーーーー!」

「そうですよぉ~、みたまちゃんと同棲はぁ~………………ハッ! ロリっ娘×ロリっ娘……イイッ! リリスさん、是非ともみたまちゃんとの絡みを私にぃ~~~~っ!」


【おいロリコンwww】

【バカ野郎もっと言ってくださいお願いします!】

【何ィ!? ロリにロリだぁ!? ふざけんじゃねぇ最高じゃねーか!】

【いかん! ロリコン共が反応した望むところだ此畜生!】


「あの、すっごく望まれてる空気なんだけど……えと、わ、わたし、リリスおねぇたまと一緒に配信した方がいい、のかな……?」

「是非ィ~~~! というか、私がお金を出しますから是非ともお二人何かデート的なあれこれをぉぉぉぉ~~~~~~!」

「当事者の二人より熱がすごいぞ、ふゆりさん」

「ん、平常運転。けど、実際見てみたいのは確か」

「わかる~! らいばーほーむのロリ組だし! ウチもちょー見たい!」

「ほほう! では、後に予定を組むぞ!」

「あ、う、うん!」


 なぜかわからないけど、リリスおねぇたまとコラボすることが決まりました。

 流れがおかしい気がするよっ……!


【わたもち:ろ、ロリロリ百合百合!? ぜひお願いします! その時は飛行機でかっ飛ぶ準備は出来てる!】

【わたもちママァ!】

【あんたもうらいばーほーむ入れよww】

【ここまでイカレた奴がらいばーほーむじゃないことに恐怖だよこっちは!】

【面白いけどな】

【草】


「って! 全員元の話題に戻る戻る! とりあえず、正解を聞かなきゃいけないから!」

「おっと、すまないね、デレーナ君。助かった」


【あ、そういやこれから回答を聞くところだったわ】

【ナイスツンデレちゃん!】

【やっぱ常識人枠はありがたいねぇ!】


「というわけで、それぞれの答えを出してくれ」


 たつなおねぇたまにそう言われて、僕たちはこちらにも渡されていたフリップに二番目に好きな物を書いて出しました。


はつき『アサリの酒蒸し』

いるか『焼き鳥(特にねぎま)』

ふゆり『イカの塩辛』

みたま『ネギ丼です』


「えー、はつき君がアサリの酒蒸し。いるか君は焼き鳥で、ふゆり君はイカの塩辛、みたまちゃんはネギ丼ということで……えー、正解者は私、リリス、いくま君、うさぎ君の四名。他は全員外れということで……罰ゲームだ」

「よぉぉぉぉし! 罰ゲームひゃっふぅぅぅぅぅう!」

「ひかりんパイセン、それ罰ゲーム受ける人のテンションじゃなくなーい?」


【……あっ! まさかシスコン!】

【なるほど、だから外したのか!】

【え、業が深い……】


「フハハハハハ! そもそもみたまちゃんが作った料理は、この私にとって罰ゲームにあらずゥゥゥ! みたまちゃんの料理が例え美味しくなかろうと、私にとってそれは至高の美味になるのだよーーーーー!」


 高笑いをしながらすごいことを言ってるんだけど……あと美味しくなかったら普通に言ってほしいです。直すので……。


「くっ、これが格の違いって奴なのかっ! 俺は勝てる気がしねぇ!」

「いや刀先輩、あれは勝っちゃいけない部類だと思いますよー?」

「そうね……ああはなりたくない、と言いたいところだけど……実際、みたまママの料理なら死んでも本望よね!」

「デレーナ君、君、変わったね……らいばーほーむ的な意味で」


【あぁっ! たつな様が遠い目を!】

【もうだめだっ、みたまちゃんもらいばーほーむに飲まれてしまったっ……!】

【らいばーほーむは腐海だった?】

【まあ、ある意味腐海ではある】

【実際に腐ってる掲示板はあるけどな】

【やめろ! 今のその話題を出すな!】

【腐腐腐腐……】

【腐で笑いを表現すな!】


「まあ、とりあえず、罰ゲームと行こうか。みたまちゃん、用意できるかい?」

「はーい! じゃあ、持ってくるね!」


 ともあれ、罰ゲームのお料理を出さないとね!

 僕だっていたずらごころはあるんです。

 是非とも、何かしらのリアクションが見たいです!

 と、少しだけいたずらごころを覗かせながら、肝心の罰ゲームのお料理を四人分用意しました。


「お姉ちゃんにはこれで、刀おにぃたまにはこれ、デレーナおねぇたまにはこれで、暁おにぃたまにはこれだよっ!」

「「「「……え、普通?」」」」


【ん? これが、罰、ゲーム……?】

【どう見てもその……サバの味噌煮に、ラーメン、モンブラン、エビフライ、だよな?】

【これのどこが罰ゲームなんだ!?】

【いやこれどう見てもご褒美ぃっ!】


 お姉ちゃんにはサバの味噌煮で、刀おにぃたまには醬油ラーメン、デレーナおねぇたまにはモンブラン、暁おにぃたまにはエビフライです。

 ふふふ、普通の物じゃないけどね!


「……ねぇ、あたし、少し嫌な予感がしてるんだけど……暁、先に食べてくれない?」

「ボク? いいよー。それじゃあ、いただきまーす、あむ…………ごふあぁぁぁ!?」

「あ、暁ィィィィィ!」


【ちょっ、ショタ野郎がぶっ倒れたぞ!?】

【いやよく見ろ! エビフライだけはちゃんと落とさないように死守してる!】

【まあ、落としたら姉に殺されそうだしな……】

【違いない】

【だ、だが、なぜ!? 普通のエビフライだよなあれ!?】


「だ、大丈夫か暁! し、しっかりしろ!」

「ごふっ……な、なんと、いうっ、兵器をっ……! か、刀せん、ぱい……ぼ、ボクはもう、ダメ、かもしれない……」

「バカ野郎! そんなことねぇって! 待ってろ! 俺も今すぐそっちへ行くからよ! 死ぬ時は一緒に死ぬぜ!」

「せ、せんぱい……!」


【俺たちは一体何を見せられてるんだww】

【ぶっ倒れたショタ野郎を、朗読野郎に寄り添って抱きかかえてる図だろ? うん、酷い】

【お互いに主人公とヒロイン役でギャルゲーを全力朗読する奴らだ。これくらいは当然だろ?】

【ぐへへへへ……やはり、この二人のカップリングこそ至高ッ……! 他の事務所じゃ到底出せないバラの空間っ!】

【ハッ! い、インスピレーションが湧いてきわぁァァァァ! 次の冬コミはこれよぉぉぉぉぉぉ!】

【腐の者たちは掲示板に帰ってどうぞ】

【頼むからここで腐はまき散らさないでくれぃ……】


「よっしゃ! 俺も特攻すんぜオラァァァァ! ズルズル~~~~んごぶはぁ!?」

「せ、せんぱーーーーーい! ごふっ」

「な、なんっ、なんだこれはぁっ……」


【即落ち二コマやんけww】

【一体何を食わされたんだお前らは!?】

【え、みたまちゃんの料理は美味しいと評判のはず!? い、一体どういうことだ!?】

【し、シスコン! ツンデレちゃん!? そっちはど――】


「かはっ――」

「( ˘ω˘)スヤァ」


【し、死んでるぅぅぅぅぅぅぅぅ!?】

【ツンデレちゃんがとんでもないことにぃぃぃぃ!?」

【ば、バカな!? みたまちゃんの料理なら笑顔で完食するはずの姉がッ!】

【いや待て、安らかな顔をしてんのに手が止まってねえ! なんだあれキモイ!】

【悟りを開いたような笑みなのに、同じ速度で全く同じ動きで食べている、だとっ……?】

【ちょっと待って!? 本当に何食わされたの!?】



~~~~現在、映像が乱れております、しばらくお待ちください~~~~



「「「はぁっ、はぁっ……な、なんとか、た、食べきったっ……!」」」

「ごちそうさまでした」

「お粗末様です」


 しばらくして、ようやく四人が完食しました。

 ルールとして、完食しないといけないそうなので……よくあれを食べきれたね、って個人的にはそう思っちゃうけど……。


「あー、何やらすごいことになっていたが……君たち、一体何を食べさせられたんだい……?」


 息も絶え絶えな様子の四人に、たつなおねぇたまが冷や汗を流しながらそう尋ねました。


「……ぼ、ボクは、え、エビフライの見た目をした、きんつばを、た、食べさせられた……あ、頭と脳がば、バグるっ……!」

「お、俺は、見た目醤油ラーメンの、激辛なんて言葉すら生温い、とてつもなく辛いラーメンを……」

「あたしは見た目モンブランのビーフシチューの味がする何か……うっ」

「私はデスソース味のサバの味噌煮の形をした何か」


【どういうことぉ!?】

【なんじゃそりゃぁぁぁ!?】

【待って待って待って!? わけわからん情報が飛び込んできたんだけど!?】

【何をどうしたらそうなる!?】

【みたまちゃんどうゆうこと!?】


「んっと、罰ゲーム用のお料理ということで、見た目と味が全く違う物と、見た目は普通なのに実際はすっごく辛いお料理を作りました!」


【ました、じゃねぇ!? え、何その無駄な技術!? どうやって作ってるの!?】

【めちゃくちゃ気になるんだけど!】

【おせーて!】


「えっと、普通のお料理を作って……あとはそれを、別のお料理の見た目に変えるだけ、だよ?」


【変えるだけ、じゃねぇ!www】

【そうはならんやろ】


「「「なっとるやろがい!」」」


【お前らが言うんかいww】

【ツンデレちゃんでもダメだったのか……】

【ってか、普通に味がいいなら、美味いのでは?】


「そうは言うけどね? 実際に想像してみてよ。今目の前にあるエビフライを刺して、口元に運ぶ。すると、当然最初に口に飛び込んでくるのは、サクサクとした衣と、ぷりっとしたエビの食感。そして、ほんのりと甘い油とそれよりも甘く塩気のあるエビの味……それが来ると思ったら、あまり噛んだ食感の無いきんつばだよ!? いくら味がよくても怖いよ!? 脳が拒絶するんだよ!」

「わかるっ、わかるぞ暁! 俺もこのラーメンだけはマジでヤベーと思ったよ! しかも、地味に美味いのが余計に酷いんだよッ……! 醬油ラーメンだと思って食ったら、超激辛のラーメンとか予想できるぅ!? お前らこれだぞこれ!? いや面白かったけども!」


【最後のセリフで草】

【あの暁が珍しく割とでかめな声で笑う】

【いやぁ、なんか男共はいくらアレな目に遭っても面白いのがなぁ……ちなみに、ツンデレちゃん、感想は?】


「簡単に言えば……生クリームの滑らかな舌触りなのに、そこから与えられる味覚情報がビーフシチューなせいでなんかこう……バグを起こして気持ち悪くなる。味はいいのにッ……!」


【うわぁ……】

【そ、それは確かに嫌ね……】

【わたもち:それでもっ、うちは、食べたいッッ……!】


「いや食べてもいいと思うけど、多分死ぬわよ、わたもちさん……主に脳が」


【脳www】

【そこまでの何かなのか……】

【けど、味はいいんだろ?】


「うーん、どちらかと言うと、お姉ちゃんと刀おにぃたまが食べた方が罰ゲームっぽいかもしれないねっ」

「「こっちも十分罰ゲームですが(だけど)!?」」


【ww】

【草】

【みたまちゃん、かなり癒しだしなんて可愛いんだぁ! とか思ってたけど、いろんな意味で殺人的料理を作れるなんて……やはりらいばーほーむに入っただけある!】

【そうかぁ、みたまちゃんのらいばーほーむ適正は料理方面だったか……】

【ってか、なんでそんな技術があるんだよww】


「昔、お友達と遊んでいる時に、お饅頭味のサバの味噌煮作ったことがあって、それからたまに作ってました」


【どんな饅頭だよww】

【見た目サバの味噌煮の饅頭は草】

【ってか、サバの味噌煮率の高さは何!?】


「結構偽装しやすい?」


【偽装ww】

【食品偽造的な物か……】

【それはなんか違うww】


「多分使わないだろうなぁって思ってた特技だったので、実は日の目を浴びてちょっと嬉しいです! 罰ゲームでも、食べてくれてありがとうございますっ!」


 なんだか持ちネタが認められた感じがしてすごく嬉しくなった僕は笑顔を浮かべてお礼を言いながらぺこり、と頭を下げました。


『『『すみません、罰ゲーム受けさせてください!』』』


【草】

【草】

【草】

【おまえら……w】


「ふえぇぇぇ!? なんでぇ!? ま、まだ何もしてない……って、はつおきおねぇたまたちもなの!?」

「いや、今のを見たらなんかはつきも食べた方がいい気がして」

「ん、同じく」

「みたまちゃんのお料理ならたとえどのような物でもご褒美にしかなりませんよぉ~~~!」

「四人の反応でメッチャ気になる。話のタネに食べたいと思うのは配信者的に当然って感じ?」

「うむぅ、我もちと怖いが気になるのじゃ! 故に欲しい!」

「ほっほーう? ちなみに、みんなが食べたいと思った本当の理由は?」

「「「「みたまちゃんの笑顔が見たい」」」」

「ふえぇ!? そ、そんな理由なのっ!?」


 笑顔が見たいから罰ゲームはおかしくないかなぁ!?


【草】

【草すぎるwwww】

【欲望に素直過ぎるぞらいばーほーむゥ!】

【が、実際問題、さっきのを見たらそりゃぁ、ね?】


「さぁ! みたまちゃん罰ゲームをはつきたちにぃ! ハリーハリィィィィィィ!」


【うるせぇwww】

【さすが騒音装置だ】


「ん、んっと……あの、す、スタッフさん、企画としてこれは……え、あり? あ、そ、そう、なんですね……」


【いいのかよww】

【まあ撮れ高だよね、これ】

【千載一遇のチャンスだもんなぁww】

【わたもち:二万払うからうちの家にもデリバリーしてほしい……!】

【そこまでなのか……w】


「ふえ!? あ、えと、わ、わたもちおかぁたまは、その、もし会う機会があったらその時に振舞うからっ! ば、罰ゲームじゃなくて、ちゃんとしたお料理を!」


【わたもち:マジィ!? よっしゃ言質取ったァァァァァァ! これで死ねなくなったぞうちィィィィ! みたまちゃんの手料理を食べるまでは死なない! あと、やっぱり引っ越し検討!】

【草ァ!】

【ヤバイよぉ、コメ欄にやべぇのがいるよぉっ……】

【いつもはコメ欄に出没するらいばーほーむのライバーたちは出演側になっとるからね……】

【その分、わたもちママの狂気が顕著になってしまった、と。うん、酷い!】


「あ、あはははは……と、とりあえず、わたもちおかぁたまは、楽しみにしててね! じゃあ、えと、わたしはみんなの罰ゲーム……のお料理を取って来るので、ちょっと待っててね!」


 食べたいと言ってくれるのなら、たとえ罰ゲーム用でもその、嬉しいわけで……僕は少しだけ足取り軽やかにお料理を取りに行きました。


=====================================

 まだ問題が一問目ってマジ? これもう、ある程度ははしょらないと、それこそ五話以上行ってしまうぞ……! マジでこの人数を動かし続けるのは結構疲れる! なるべくキャラの登場バランスを考えてるからね! あぁっ、楽しいけど地獄ぅ!

 えー、一応明日も投稿するつもりではいる私ですが……それでもどうしたって投稿しない期間があるわけで。

 なので、その暇つぶし用として、一年くらい前に書いた奴を明日から投稿しようと思ってます。

 一応近況ノートでも書きましたがまあ、うん、暇つぶしにどうぞ! というわけでね。内容はゴリゴリのファンタジーものだけど!

 興味があれば読んでみてください! 投稿時間は12時頃にしようかなって思ってます! タイトルはまだ決まってねえ! 今日考える!

 あ、カクヨムオンリーにしようと思ってます。

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