#35 仲間増やしと、事務所からの連絡
「はふぅ~~……疲れたぁ……」
「お疲れ様! 椎菜ちゃん! はい、飲み物とサンドイッチ!」
途中から作り通しだった僕は、教室の端の方の椅子に座って、ぐでーっとしていました。
そんな僕に、麗奈ちゃんが飲み物と軽食を持って労いの言葉をかけながら、目の前の椅子に座りました。
「ありがと~……こく、こく……ふぅ……どっと疲れたねぇ……」
「だね。あたしもずーっと動きっぱなしだったから足が痛いよぉ~。でも、あれだね、高宮君は平気そうだね?」
「……いや、俺もかなり疲れた」
と、いつの間にか近くに来ていた柊君が空いている席に座って、麗奈ちゃんの言葉に返事をしていました。
たしかに、柊君はちょっと疲れた様な顔をしていた。
あと、胸元を緩めて、ボタンを開けているのがなんかこう、カッコいいです。
柊君が人気出るのがよくわかるなぁ。
……僕も暑いし、ちょっとだけ開けよー。
「はふぅ……あ~、涼しぃ……」
ずっと動きっぱなしだったし、何よりまだまだ暑かったので、胸元のボタンを二つくらい外すと、汗をかいていた胸がすっごく涼しくなりました。
なんだろう、胸だけなのに、結構涼しい……。
「椎菜ちゃん!?」
「椎菜!?」
「んぅ? どうしたの? 二人とも?」
ふと、なぜか二人が焦ったような様子を見せていたのが気になって、こてんと首を傾げた。
「それ、胸見えちゃってるよ!? 谷間とか!」
「ふぇ? あ、うん。そう、だけど……あの、変?」
「変って言うか……あー、そういや椎菜はそう言うのがわかってなかったか……それ以前に、自分の魅力もよくわかってないし……」
「見る方は赤面するのに、する方はしない……これってもしかして、魅力がないと思ってる?」
「いや、椎名の場合はおそらく『元男だよ? 見ても面白くなんてないと思うなぁ~』くらいにしか考えてない」
「さすが高宮君……椎菜ちゃんの解像度が高い……!」
「あの、二人とも……?」
二人で何かを話しているんだけど、会話内容が聴こえない……なんと言うか、内緒話をしているみたいだけど……二人って、あんなに仲良かったんだね。
「あぁ、いや、気にしないでくれ。というか椎菜、ボタンを外すくらいなら、もういっそ着替えろ」
「ふえ? どうして?」
「どうしてって……あー、どう言えばいいか……というか椎菜、お前メイド服は恥ずかしくないのか?」
「あ、うん。なんだか慣れました。あと、普通に楽しくなったよ?」
最初は恥ずかしかったけど、慣れると楽しくなってきたし。
「え、椎菜ちゃんってもしかしてコスプレ適正ある……?」
「コスプレ? んっと、面白そうだなぁ~、って思うよ? 今回初めてメイド服を着て見たけど、ちょっとだけ他の物も着てみたいなぁ、ってなったかなぁ」
神薙みたまをしているからかもしれないけど、巫女服とかいいなぁってなっちゃったし。
コスプレも結構楽しいのかも。
「マジか……椎菜にそんな趣味があったとは……」
「そう言えば去年のナース服、なんだかんだ最後はまんざらじゃなかったような……?」
「そう言えばそうだな……そうか、あの時から片鱗はあったのか」
「???」
「まあいいか……しっかし、大盛況だったな……一体何であんなことになったんだ?」
「あたしも部活の方に行ってたからわかんないんだよねぇ。椎菜ちゃん何か知ってる?」
「あ、あー……えっと、ね、その、じ、実はなぜかミスコンテストに他者推薦があったみたいで……」
「……あぁ、なるほど。話は見えた」
「今のでわかるの!? 柊君!?」
「大方、折角愛菜さんたちが来てくれたんだから、頑張ってみようとか思って思い切って出場。そのまま優勝して、最後に軽く宣伝でもした、そんなところだろ」
「柊君ってエスパー!?」
本当に言い当ててるんだけど!
どうしてわかるの!?
「え、当たってたの!? 高宮君すごい……!」
「まあ、どうやって優勝したのかはわからないが……このクラスに来たお客さんの話が、『メイド服の超が付く美少女の手料理が食べられるかもしれない!』みたいな内容がほとんどだったからな」
「……柊君、将来探偵になれるんじゃないかな?」
それだけのことでわかるなんてすごい……けど僕、そんなに美少女かな……?
「なる気はない。というか、椎菜だからわかるだけで、他じゃわからないぞ、俺は。一体何年の付き合いだと思ってるんだ?」
「んーと、10年?」
「え、二人ってそんなに長いの!?」
「まあな。小学一年生の頃からの付き合いだぞ」
「うん、その頃から親友です! なんて」
「……実際のとこ、椎菜は誰かがついてないと心配でな」
「どういう意味!?」
「言葉通りだ。椎菜は基本温厚すぎる。誰かが見てないと、騙されそうでな……」
「さすがに詐欺には引っかからないよ?」
「……実は最近父さんの勤めている会社が潰れて貧乏なんだ、うち」
「ふえぇぇぇ!? だ、だだだっ、大丈夫なの!? あ、ご飯作ってこようか!? それとも、僕のお家に泊まる!?」
突然とんでもないことを言われて、大慌てになった僕は、思わずパニックになってしまった。
「うわぁ、椎菜ちゃん騙されやすーい……」
「そういうことだ。だから、基本的に俺が近くにいたんだよ。まあ、椎菜の姉からも守るように言われてたしな」
「へぇ、そうなんだ! なるほどねぇ……たしかに、誰かが守らないとダメだね、椎菜ちゃん」
「柊君、やっぱり僕の家に泊まった方がいいと思うの」
「どうしてそうなる。あと、今のは冗談だからな?」
「え、冗談なの!? はぁ、よかったぁ……すっごく焦ったよぉ~……」
「割と洒落にならない冗談なのに怒らない辺り、椎菜ちゃんの性根の良さが出てるよね」
「昔からこうだ」
柊君が酷い状況になったわけじゃなくてよかったぁ……。
だって、もしそうなっていたらすっごく心配だったし、絶対に何とかしようとしたもん。何もできないとは思うけど……。
「なるほどねぇ……すっごく納得した!」
「それなら何よりだ。出来れば、朝霧には俺と同じように椎菜を支えてほしいしな。女子では一番仲がいいし」
「まっかせて! 椎菜ちゃん、心配だもん! 純粋な女の子として支えちゃうよ!」
「というわけだ。よかったな、椎菜。仲間が出来たぞ」
「麗奈ちゃんには元からかなり助けられてるよ? おかげで安心して学園生活を送れてるもん」
「椎菜ちゃん……!」
「だから、これからも助けてくれると嬉しいかなぁ」
えへへ、と笑いながらそう言うと、麗奈ちゃんはすごく嬉しそうな笑みを浮かべて大きく頷きました。
「うん! まっかせて!」
「と、言うわけだ。正直、俺一人で支えるのにも無理がある……椎菜、あのことも言っておいた方がいいんじゃないか? 俺一人で手助けするのはほぼ無理だ。性別的にどうやっても誤魔化せない場面はあるしな」
と、柊君がそんな提案をしてきました。
何に対しての提案なのかはすぐにわかった。
僕が神薙みたまとして活動をしている事だろうね。
僕自身、麗奈ちゃんならいいと思っているし、柊君も大丈夫って言っているから、これを機に話しておいた方がいいのかも。
柊君の言う通り、どうしたって男女別になって、一緒になれない時もあるもんね。
そう言う意味では、女の子側にも知っている人がいた方がいいのかも……麗奈ちゃんなら信用できるもん。
「……たしかに、麗奈ちゃんなら言いふらさないと思うし……うん。麗奈ちゃんちょっとついて来てくれるかな? お話したいことがあるの」
話しておくことに決めた僕は、席を立ちあがると麗奈ちゃんについて来てほしいと告げました。
「んー? それはいいけど……なになに? 大事な話?」
「大事……うん、すっごく大事、かなぁ……」
「ま、そう言うわけだ。とりあえず、行くぞ」
「りょーかい! 何かなー?」
教室から出て、僕たちは人気がない空き教室に来ました。
空き教室とは言っても、学園祭期間中は倉庫みたいになっているけど。
ただ、この時間帯ならあんまり人が来ないと思うしね。
大丈夫なはず!
「柊君、人はいない?」
「……あぁ、大丈夫だ。どうせドアも閉めるし、声量を落とせば聴こえないだろう」
「うん、ありがと~」
「それで、大事なことってなになに? すっごく気になるなー」
と、真剣になりつつも、どこか楽しそうな麗奈ちゃん。
僕は軽く深呼吸をしてから、お話を切り出した。
「あの、麗奈ちゃん。麗奈ちゃんは、VTuberって見る……?」
「VTuber? うん、見てるよー。面白いよねぇ。あたし、最近はらいばーほーむがお気に入り!」
「へ、へぇ~、そ、そうなん、だねっ。ち、ちなみに、誰が一番好き、ってある、のかな……?」
「推しのこと?」
「うん」
「そうだねぇ……最初は魔乃闇リリスちゃんが好きだったけど、今は神薙みたまちゃんかな!」
「んぐっ……!」
「くっ……」
いつものフレンドリーな笑みと共に出て来た名前は、僕が良く知ると言うか、僕の分身のお名前でした。
思わず噴き出しちゃいそうになっちゃったけど、何とか堪える。
「どうしたの? 二人とも?」
「「な、なんでも……」」
「そう? いやぁ、あの娘いいよね! すっごく純粋だし、声は可愛いし、反応もいいし……それに、最近だとツンデレちゃんとのコラボとか最高だったね! あたしも膝枕されてみたい! ってついつい思っちゃったよ~」
「そ、そそ、そう、なんだ、ね……あ、あはは……」
膝枕されたいって思ってたんだ……。
「だから正直ね? 椎菜ちゃんが神薙みたまかもー! って思った時はちょっと期待もしちゃって。椎菜ちゃんが違うって言うから、そっかー、って残念だったけどね。違和感はまだあるけど」
と、ころころと表情を変えながら、麗奈ちゃんがそう言って来ます。
なんと言うか、すっごく饒舌……。
そんなに好き、なんだね……すっごく照れる。
「でも、突然どうしてVtuberの話しなんて? もしかして、椎菜ちゃんも隠れオタなのかな? いいよいいよー! お話しよ!」
どうやら、麗奈ちゃんの中では、僕はVtuberが好きな人、という結論に着地したようでした。
かなり褒められてる手前、すっごく言いにくいけど……今後の安全な学園生活のためっ……言わなきゃ!
「あ、あの、ね? 麗奈ちゃん」
「うん、なーに?」
「じ、実は、あの、えと……か、神薙みたまは、僕、なの……」
「…………へ?」
神薙みたまが僕であることを告げると、麗奈ちゃんの表情が固まって、気の抜けた声が漏れました。
だ、だよね……。
「だ、だから、ね? 神薙みたまは僕で、あの、えと……はい……」
「……マジで?」
「マジです……」
「マジだな」
「え、で、でも、あの時違うって……」
「だ、だって、身バレしたくなかったから……それに、その、『おにぃたま』とか『おねぇたま』って言ってるのがバレてたら恥ずかしくて……」
「あ、あー、な、なるほどなるほど…………ちょっと待ってね?」
「う、うん」
腕を組んでうーんうーんと、頭を左右に振ったり、天井を見上げたり、頭を回したり、色々な動きをした直後……
「…………うええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
突然大きな声を上げました。
「朝霧声がでかい!」
あまりにも大きな声だったので、柊君が慌てて注意を入れる。
「あっ、ご、ごめんっ! ……と、とりあえず……椎菜ちゃんが、みたまちゃん?」
「う、うん」
「……じゃあ、あの、本物なら、『おねぇたま』って言ってくれる? あ、いつも通りで」
「ふえ!?」
「朝霧お前……」
「だ、だって、その方が早いじゃん!? 椎菜ちゃん……というか、みたまちゃんの声ってすっごい特徴的だもん!?」
「それはそうだな」
「でしょ!? さぁ、椎菜ちゃん! おねぇたまプリーズ!」
どこか吹っ切れた様な状態の麗奈ちゃんに、困ったような笑みを浮かべる僕。
柊君は……頑張れって感じの苦笑いを僕に向けていました。
味方がいません……。
で、でも、それくらいなら……。
「じゃ、じゃあ、あの、えと……こんたま~! 初めまして、麗奈おねぇたまっ!」
「アッ――」
バタンっ!
「ふえぇ!? どうして倒れるの!?」
「今のはまぁ……不可抗力だろ……」
なぜか気絶してしまった麗奈ちゃんが起きるのを待つことになりました。
なんでぇ……?
◇
「いやぁ、ごめんごめん。まさか、推しがその、名前+おねぇたま呼びしてくれたことに対して、あたしのキャパがオーバーしてしまいまして……」
「そ、そですか」
たはは、とぺろっと舌を出しながら笑う麗奈ちゃん。
すっごく軽いけど、大丈夫なの?
「と、ともかく! 椎菜ちゃんが神薙みたまちゃんなんてねぇ……なんだか納得と言えば納得だけど、椎菜ちゃんって自分からああいうことをするイメージがないけど……やっぱり、ひかりんが原因?」
「そ、そうです……」
「そっかそっかー! ……って、ん? そう言えば、今日椎菜ちゃんのメイド服姿を見て気絶しちゃったお姉さんがいたよね? もしかしてあの人って……」
「……あ、あはは」
「マジですかー……」
「朝霧、これは秘密だからな? 誰にも言うなよ?」
「そりゃもっちろん! というか、これは言えないって。今時、どこから情報が漏れるかわからないんだし、その辺りのネットリテラシーはしっかりしてるつもりだよ! あたし! それに、友達の隠し事を言いふらすほど馬鹿じゃないし、硬い方だからね!」
「ありがとう、麗奈ちゃん……」
「とはいえ、すっごい驚いたけどね。まさか、同じクラスの、それも友達がVTuberしてるんだもん」
「あ、あはは……」
僕も麗奈ちゃんと同じ状況だったらそうなると思う……。
そもそも、高校生で企業勢のVTuberをやっていること自体、かなり珍しいと思うし。
「それにしても、高宮君は知ってたんだね? いつから? やっぱり最初から?」
「いや、記念配信の翌日、椎菜に昼ご飯に誘われてな。その時の椎菜の話で気づいた」
「え、何それすごい」
「というかだな、椎菜の話し方の癖とかそのままだぞ? 神薙みたまは。今にして思えば、隠す素振りがないからな、椎菜は。そうだろ?」
「ほとんど自然体でやってる、かなぁ。変えてるのは、一人称くらい?」
「なるほどー。たしかに、みたまちゃんって『わたし』だよね。たまに『僕』って言ってるけど」
「つい出ちゃうんです……」
十六年以上、一人称が僕だったしね。
いきなりわたしに変えても、ふとした拍子に僕の方が出ちゃうし。
「そっかそっか。いやぁ、驚いた驚いた! ということは今後、あたしは椎菜ちゃんが神薙みたまってバレないように動けばいいのかな?」
「そう言うことだ。さすがに、体育の時間やその他にも男女で別れるタイプの行事ではどうしようもないからな……。椎菜はかなり天然だしどこでバレるかわからない以上、朝霧に頼みたいんだよ」
「たしかに、椎菜ちゃんは天然だよね。というか、未だにバレてない方が不思議だし、その内椎菜ちゃんって、配信の切り忘れで顔を晒しちゃいそうだよね」
「さすがにしないよ!? 二人とも、僕のことを何だと思ってるのっ!?」
「「天然ドジっ娘」」
「口をそろえて言わなくても……」
僕ってそんなに天然でドジっ娘なのかなぁ……?
そんなことないと思うんだけど……。
「まあ、了解了解! 今後はあたしも協力するし、頼ってね!」
「うん、ありがとう、麗奈ちゃん」
「いいっていいって! さてと、そろそろ戻らないと、変に勘ぐられちゃうかな? 高宮君が」
「……あぁ、考えてみれば、クラスの人気者二人を俺が独占してるようなものだからな。嫉妬で殺される前に戻るとしよう」
「物騒じゃないかな、柊君」
「案外そんなもんだぞ、男子高校生ってのは」
「僕も男子高校生だけど……」
「元、な。あと、椎菜は色々と普通から外れてたから、違うだろ」
普通に酷くない……?
「さ、戻ろ戻ろー!」
なんだか府に落ちなかったけど、麗奈ちゃんのその言葉を受けて、僕たちはクラスに戻りました。
◇
その後は、特にこれと言って問題が起こることはなかったけど、メールで、
『椎菜ちゃんと最後まで一緒にいられなくて悔しいですッッ……!!!』
というお姉ちゃんからのメッセージがありました。
楽しみにしてたのになんだか可哀そうだなぁと思ったので、後日何かしてあげられないかなぁ、なんて思いました。
ただ一つだけあったこととすれば……。
夜、事務所の方から連絡がありまして。
なんだろうと首を傾げた僕は、柊君に事情を話して一旦クラスを離れて、さっきと同じ場所に移動。
「もしもし、桜木です」
『あ、桜木さんですか? 今ってお時間よろしいですか?』
「はい、周囲に人がいないところに来ましたけど……」
『それならよかったです。いえ、一つ桜木さんに話しておこうと思ったことがありまして』
「お話したいこと、ですか?」
『えぇ。つい先日、会議がありまして。その会議の場で出たのですが、どうも神薙みたまはコラボをした方が何かと面白いと言う結論が出まして』
「なんでですか!?」
というか、どういう会議なの!?
『個人の方も確かに面白く可愛らしいのですが、らいばーほーむという意味では、コラボをした方がよりらいばーほーむってるなと』
「らいばーほーむってるってなんですか!?」
『頭がおかしいってことですね』
「えぇぇ……」
僕がするコラボ配信ってそう思われてたの……?
『それでですね。次の水曜日って予定はありますか?』
「水曜日ですか? 何もないですけど……」
『実は一人、コラボ……というか、対談? なんて言えばいいんでしょうね、まあ、一緒に配信をしたい! というお話を頂いておりまして、私どもとしては是非お受けしてほしいなと』
「んっと、らいばーほーむ内の人、じゃないんですか?」
『そこは秘密、という形にしたく』
「じゃあ、どんな人かも内緒なんですか?」
『そうですね。その方がインパクトがあると思いまして。とはいえ、こちらも無理にとは言いません。どうでしょうか?』
「うーん……」
内緒、内緒かぁ……。
どういう人なのかすっごく気になるけど、知らない方がインパクトがある……。
『ただ……そうですね。ヒントとしましては、桜木さんと何の関係もない人物、というわけではないですね』
「あ、そうなんですか? それなら、やります」
『え、今のが判断材料になるんですか?』
「んーと、何も関係ない人だったらちょっと困りましたけど、何らかで関わりがあるのなら大丈夫です!」
『ありがとうございます! では、そのように。ですので、明後日か明々後日辺りにそう言った告知をするための配信を行っていただきたく』
「わかりました! どのみち、月曜日はしようと思っていたので!」
『それならよかったです。それでは、以上となりますので、これで失礼いたします』
「はい! 連絡ありがとうございます!」
『いえいえ。明日の学園祭最終日も楽しんでくださいね』
「はい!」
『では、失礼いたします』
「失礼いたします!」
通話終了。
コラボ、コラボかぁ……。
「どんな人とやるんだろう?」
僕と関わりがあるみたいだし……やっぱり、らいばーほーむの先輩の人たちかな?
まだしていない人がいっぱいいるし、一期生と二期生はお姉ちゃんとミレーネお姉ちゃんしかまだしてないもんね。
もしかすると、それぞれまだしてない三人なのかも!
「なんにしても、楽しみだなぁ」
なんて、ちょっとだけわくわくとした気持ちになりながら、再びクラスに戻りました。
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次のコラボが入りましたが、まあ、うん。
気付く人は誰が相手か気付きそうですよね、これ。
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