#18 コラボ後、みんなでお買い物
「「「あははははははははっっっ!」」」
配信終了後、僕たちは声を上げて大笑いしていました。
「あははっ、けほっ……こほっ、こほっ! んんふっ……あははっ……!」
「はぁっ、はぁ~~~~んぶふっ!」
「あぁ~~~お、お腹痛いですよぉ~~っ……んへっ、ふふふふっ!」
「三人とも、笑いすぎ」
「い、いるかおねぇたまのせいだからねっ!?」
「ふふふ」
「はぁ、ふぅ、はぁ~~~~~~……あー、やっと落ち着いたぞ……」
「わ、私もですぅ~~~……」
「ぼ、僕も……」
ようやく笑いが止まりました。
いやもう、すっごく疲れたんだけど……。
「ん、これからどうする? 配信も終わったけど」
「あ、そうだなぁ……うーん……あ、そう言えばずっと気になってたんだけど……椎菜ちゃん、ちょっといい?」
「あ、うん、なぁに?」
配信中に敬語を止めることにしたけど、配信外でも止めることにしました。
一貫していた方がいいからね、こういうのって。
「椎菜ちゃん……なんで、Tシャツ短パンなの?」
「そういえば」
「たしか、下着もトランクスや包帯って言っていたようなぁ~…………え、もしかして今もですかぁ~~!?」
「ふえ!? あ、う、うんっ、あの、えと……か、買ってないです……」
「ほんとに!? じゃあ椎菜ちゃん、ノーブラ!?」
「それどころかちゃんとしたパンツじゃない?」
「う、うん……」
「「「それはだめっ!」」」
「ふわぁ!?」
寧々お姉ちゃんと藍華お姉ちゃんの質問に肯定すると、三人にダメ! と迫られながら言われちゃいました。
「椎菜ちゃんみたいに可愛い娘が、ノーブラでトランクスはダメだよ!」
「ん、絶対ダメ。危険!」
「ちゃんとした物を付けないと、後々とっても苦労しちゃいますよぉ~~!?」
「え、で、でも、あの……その……し、下着売り場に行くのが、その、は、恥ずかし、くて……」
「「「はうっ!」」」
だ、だって、つい最近まで男だったから……だから、突然下着売り場に行って買いに行く! っていうことはできないし……ネットで注文をって考えたんだけど、よくわからなかったし……それに、気持ち的に着けたくなかったっていうのもあって……うぅぅ。
「椎菜ちゃん」
「ひゃい!?」
突然肩を掴まれて、ずいっ! と寧々お姉ちゃんに顔を近づけられて思わず変な声が出てしまう。
ち、近いよぉ~~~~っ!
「今から洋服と下着、買いに行こう!」
「……ふえ!?」
「賛成。ノーブラは危険。下着も」
「ですねぇ~。このまま行きましょうかぁ~」
「ふえぇぇぇぇ!? あ、あの、い、行かなきゃダメ……?」
「「「ダメッ!」」」
「は、ひゃい……!」
「よーし! じゃあ早速行こう!」
「幸い、この辺りは色々揃ってる」
「それでしたらぁ~、近くのショッピングモールにまで行きましょうかぁ~」
「あ、いいねいいね! そうしよー!」
「え? え?」
「ん、出発!」
「「おー!」」
「ふ、ふえぇぇ……?」
とんとん拍子に話は進んで行き、なぜか僕のお洋服と下着を買うことになってしまいました。
どういうことぉ……?
◇
それから僕は三人に連れられて、事務所近くのショッピングモールにやってきました。
それからは早速と言わんばかりに、下着売り場に移動。
あぅぅ~~、目のやり場に困っちゃうよぉ~~~~っ。
「いらっしゃいませ。何かお探しでしょうか?」
「こっちの子の下着を買いに来たんですけど、見てあげてくれませんか?」
「あら? あらあら~! 随分と可愛らしい女の子ですね。それにしても……随分と大きいんですね?」
「ふぇ!? あ、あの、えと……はうぅぅぅ~~……」
胸のことを言われて恥ずかしくなってしまった僕は、熱くなった顔を両手で覆う。
「「「「か、可愛いっ……!」」」」
「……ん、というわけだから、色々と見繕ってあげてほしい。あと、下着を買うのは初めてらしいから」
「初めて……? え、この体型で、ですか……?」
「色々あるんですよぉ~」
「そ、そうなんですね……わかりました! ばっちり合う物を見繕いましょう! いくつ必要でしょうか?」
「椎菜ちゃん、いくつほしいの?」
「ふえ!? あ、え、えと、あの……い、一着しかない、から、えと……あの……」
「一着だけ!? それですと……そうですね、最低でも三着……いえ、四着は購入を考えた方がいいかと思います。ですが、サイズ的に……」
「え、えっと……?」
じっとこちらを見つめられ、少し不安になる。
なんだろう……?
「そうですね。では、お任せください! 極力可愛らしい物を見繕いますので!」
「ありがとうございます! じゃあ、椎菜ちゃん行ってらっしゃい!」
「ふえぇ!? あ、あの……」
「それではこちらへどうぞ!」
「え、あっ、ふえぇぇぇぇぇぇ!?」
店員さんに引っ張られて、僕は更衣室へ連れ込まれて、まずはとばかりに胸のサイズを測りました。
その際に、店員さんはすっごく驚いていたけど……。
それから店員さんが色々と下着を持ってきてくれて、何度か着けてみた所……。
「あ、すっごく楽……」
かなり楽でした。
今までは激しく動くと肩とか胸の付け根が痛かったし、普段から肩への負担があったんだけど、ブラジャーを着けるとそれがない……うぅ、でもちょっと恥ずかしい……。
「そうでしょう! いいですか? ブラジャーというのは、形を崩さないようにすることと、肩へかかる負担を抑える目的もあるんです。特に、お客様はかなりのものをお持ちですので、尚更です」
「は、はい……で、でも、あの、その、し、下の方はなんだか、落ち着かないです……」
「いえ、そもそもトランクスを穿いていることがおかしいんですけど……」
「あぅっ、い、色々あったので……」
「心中お察しします……。だからこそ! 今後はちゃんとした物を身に付けてくださいね!」
「うぇ!? あ、あの、毎日、ですか……?」
「当然です!」
「あぅぅ……」
遂に身に付けることになっちゃったよぉ~~~……。
その後、店員さんの熱意と共にいくつかの下着を見繕ってもらい、四着ほど購入しました。
三人も新しいのが欲しいと言うことで、一着ずつ購入してました。
◇
下着を買い終え(その上すぐに身に付けさせられました……)、今度はお洋服を買いに。
「これいいんじゃないかな!」
「ん、こっちもいいと思う」
「これはどうでしょうかぁ~?」
と、買う側の僕をよそに、三人はきゃっきゃと楽しそうにお洋服を選んでいました……僕の。
なんでも、素材がいいから何でも似合いそう! らしくて……。
それに、今いるお店は背が小さい人向けのお店でもあるらしくて、この体に合うお洋服もある……らしいです。よくわからないけど……。
「早速これ着てこれ!」
「あ、う、うん」
最初は寧々お姉ちゃんに手渡されたお洋服。
白のブラウスとチェック柄の赤いミニスカート。
試しにと言う事で着てみる。
スカートに関しては一応、学園指定の制服で穿いているからちょっとだけ慣れはしたけど……うぅ、スースーする……。
今ってトランクスじゃないし、女性用のパンツ……えっと、ショーツ? を穿いているから、すっごくこう、スースーして、心もとない感じが……
「あ、あの、き、着れた、よ……?」
と、カーテンを遠慮がちに開けて、外にいる三人に見せる。
「「「うん、超可愛いっ!」」」
「そ、そう、かな……?」
「うんうん! やっぱりシンプルなのはいいね! いいね!」
「ん、素材がいいからシンプルな物でも十分魅力的」
「そうですねぇ~。特にみたまちゃんは清楚系に分類されますからねぇ~、猶更かも知れません~」
「あ、あの、えと……あ、ありがとうっ……」
可愛い可愛いと褒められるのは少しだけ複雑ではあるけど、それでも……なんだろう、男の時とは違って、あの時は女装だったからあんまりいい気分はしなかったけど、今は女の子だからか、可愛いって言われるとちょっと嬉しいかも……。
「ん、じゃあ次はこっち」
「あ、う、うんっ」
今度は藍華お姉ちゃんに手渡された物を着てみることに。
今度はさっきとは違って、襟付きのシャツとキュロットスカート。
シャツの方は細長いリボンもついていたけど……これもやるのかな?
そう思って、試しに着てみる。
「う、うーんと……違和感はない、かな?」
鏡で見ても特に変なところはないし……ただ、ちょっとだけ胸が窮屈?
「あ、あの、どう、かな……?」
「ふんふん! リボンとはわかってるね、藍華!」
「ん、絶対こういう服は似合うと思った」
「いいですねぇ~、こう、可愛らしいくて、ちょっとだけ背伸びしている感じがあってぇ~」
「あぅ……あ、あ、ありがとう……」
「ではでは、次はこちらを着てみてくださいねぇ~!」
「う、うんっ」
というわけで、次は千鶴お姉ちゃんが持って来たお洋服を試着する。
今回は上下別れているタイプじゃなくて、真っ白なワンピースみたいだけど……あ、結構スカートが長い。
いいかも……?
「んっしょ、と……こう、かな?」
鏡の前で確認。
特におかしなところはないから大丈夫……かな?
「着れた、けど……ど、どうかな?」
「「「……」」」
「ふえ? あ、あの、なんで誰も言わないの……?」
試着した姿を見せたら、三人はどういうわけか少しだけ頬を赤くさせたぼーっとした様子で僕を見ていました。
どういうこと……?
「……千鶴さん」
「千鶴……」
「「師匠と呼ばせてくださいっ……!」」
なんで師匠!?
「うふふぅ~、やっぱり椎菜ちゃんみたいなタイプはこういうTHE・清楚よねぇ~~」
「あ、あの……?」
「あっ、と! すっごく! それはもう……すっご~~~~~く! 似合ってるぞ!」
「ん! 綺麗な黒髪に真っ白なワンピースが良く似合ってる。可愛い。超可愛い」
「本当ですねぇ~。私の目に狂いはありませんでしたよぉ~。可愛くて思わず食べちゃいそうですよぉ~」
「た、食べる……? あの、僕、食べても美味しくないですよ……?」
「「「くふっ……!」」」
「ふえ……?」
なんで笑ったんだろう……?
僕、何かおかしなこと言ったかな?
「うんうん、本当に椎菜ちゃんは純粋だねぇ」
「ん、是非、そのままでいて」
「染まっちゃだめですよぉ~」
「ん、んと……うん?」
よくわからないけど……。
◇
それからもいくつかの試着をして、結果最初に選んでもらった三着と追加で部屋着用のゆったりめのTシャツとズボン、それからパジャマ等を購入し、やっぱり女性だからか、みんなも気に入った物を買っていました。
購入した数が多かったからかなりいいお値段だったけど、国から貰っているお金があったので問題なく購入できました。
実際の所、あの給付金は衣類の購入するために使われることが多いらしいです。
僕はあまり買わないけど……。
でも、冬服は絶対買わないとかなぁ……。
なんて思いつつ、四人でショッピングモール内を歩き回る。
「……あ、あの」
「どしたのー?」
「あ、え、えっと、気のせいかもしれないんだけど、ね? んと、すっごく見られてるような気がする、んだけど……」
「多分、椎菜が可愛すぎて視線を集めてるだけ」
「ふえ!? そ、そそそっ、そんなことはっ……だ、だって、みんなの方が、あの、す、すごく綺麗、だよ……?」
「「「んぐふぅっ!」」」
「あの……?」
「い、いいかい? 椎菜ちゃん。今の椎菜ちゃんはね、それはもう天使の如く可愛いんだよ」
「ふええ!?」
「ん、みんな椎菜の可愛さにメロメロになって、ついつい見ちゃうの」
「ふわ!?」
「うふふぅ~、決して奇異の目で見られているわけじゃないから、安心していいですよぉ~。すっごく可愛いですからねぇ~、椎菜ちゃんはぁ~」
「はぅぅぅぅぅっ! あ、あのっ、あ、あんまり、褒めないで、くだしゃい……あぅ……」
(((え、あの娘可愛すぎじゃない……?)))
うぅ、なんだかもっと視線がすごくなった気がするよぉ……。
「あ、椎菜ちゃんは今日の夜ご飯はどうするの?」
「よ、夜ご飯……?」
ふと、思い出したように寧々お姉ちゃんが夜ご飯をどうするかと訊いて来た。
突然言われて首を傾げる。
「ん、私たちは折角だから一緒に食べようと思ってる。けど、椎菜は未成年だし……」
「もしよければ、夕食も一緒しませんかぁ~?」
「え、えと、い、いいの……?」
まさかそう言うものに誘われるなんて思ってなくて思わず面食らう。
個人的にすっごく行きたいけど……。
「もちろん!」
「ん、嫌な理由はない。いい理由はある」
「親睦会という意味も兼ねて、どうでしょうかぁ~?」
「う、うんっ! ぜひっ!」
三人とも笑顔で言ってくれて、僕は嬉しくなって是非、と答えました。
すっごく嬉しいし、楽しみ!
「じゃあ、決まり!」
「となると、どこへ行くかだけど……いい案はある?」
「そうですねぇ~……関係性から考えて、やはり個室系のお店がいいでしょうかぁ~?」
「ん、なるほど、一理ある」
「あっ! それならいい店知ってるぞ! たしか……あったあった! このお店!」
そう言って寧々お姉ちゃんが見せたのは、美月駅から歩いて十分程度のお店で、名前は【囲炉裏】。
あれ、ここって……
「居酒屋さん?」
だよね?
そう言えば、そんな感じのお店が駅の近くにあった気が……。
「そうだぞ! あ、安心して! 普通にご飯を食べるお店としても有名だから! それに、あるよ! えんがわ!」
「行くっ!」
えんがわと言われた瞬間僕はほぼノータイムで行くと言いました。
えんがわがあるなら絶対に行きたいです!
「椎菜ちゃん、本当に好きなんですねぇ~」
「うんっ! あ、んと、他にもあるの?」
「もちろんだぞ! 多分、椎菜ちゃんの好物も普通にあったはず!」
「絶対行くっ!」
「ん、微笑ましい」
「ですねぇ~」
「じゃあ、もうちょっとだけぶらぶらしたら行こう!」
そんなこんなで、夜ご飯は四人で食べることになりました。
あぁ~、楽しみだなぁ……。
最近はあんまりお寿司屋さんにも行けてなかったし、ふふふ~。
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