第32話

 次は俺の番になる。福田さんのエネモンは木の葉ニンジャが相手だろう。範囲技の遠距離攻撃のある木の葉ニンジャを相手にどう戦うのかが勝利への鍵だと思う。


 「デビルガール、相手の木の葉ニンジャの必殺技は厄介だ。ここは近距離で攻めて必殺技をさせない様にするぞ。」


 「うん!分かったよ。攻めて攻めて攻めまくってやるんだから!」


 「その意気だ。じゃあ行こう。」


 俺とデビルガールは赤井くんと交代で試合舞台に上がる。既に福田さんは木の葉ニンジャを召喚して待ち構えていた。


 「よろしくお願いします。」


 「うん、よろしく。じゃあ試合開始の合図をお願い。」


 「かしこまりました。3、2、1、試合を開始します。」


 試合開始の合図をするように福田さんが審判ロボットへと声を掛けると、審判ロボットは試合開始の合図を告げた。


 「木の葉ニンジャ、旋風・木の葉吹雪よ!」


 その合図を聞いたと同時に早速福田さんは木の葉ニンジャの必殺技【旋風・木の葉吹雪】を発動した。


 旋風に舞い散る鋭い切れ味の木の葉が大量にデビルガールへと向かって放たれる。


 「デビルガール、ミニダークを放って、そのままミニダークに向かって突っ込むんだ!!」


 俺の指示を聞いたデビルガールはすぐに【ミニダーク】を迫り来る木の葉の旋風に向かって放つと、デビルガールはすぐに放った【ミニダーク】を追い掛けるように飛翔する。


 【旋風・木の葉吹雪】の大量の木の葉を【ミニダーク】が少しだけ削り取ると、その削り取った間をデビルガールは通って行くが完全には大量の木の葉を消せないせいでデビルガールの身体には木の葉での切り傷が付いていく。


 身体のあちこちに出来ている切り傷からエネルギーが流失するなか、デビルガールは木の葉ニンジャの前に到達した。


 「デビルガール、体当たり、ネイルクロー、ダークネイルクロー!!」


 そして接近したデビルガールは木の葉ニンジャに技を連続して発動するとダメージを与えていく。


 技【体当たり】で木の葉ニンジャのバランスを崩させると、そこに【ネイルクロー】が炸裂する。そして最後にデビルガールの必殺技の【ダークネイルクロー】が木の葉ニンジャに直撃した。


 だが、審判ロボットは勝利判定をまだ行なっていない。だからこそ、まだ木の葉ニンジャはまだ戦えるようだ。


 けれど、まだ技も必殺技も使えない。あと数秒は経たないと技を使えず、逆に木の葉ニンジャの攻撃に負けてしまうだろう。


 「よく耐えたね。木の葉ニンジャ、これで決めるよ!ドス突き、袈裟斬り、葉っぱカッター!!」


 福田さんの指示を聞いた木の葉ニンジャはギリギリの状態で身体からエネルギーを流失させながら攻撃を行なってくる。


 最初は短剣の突き刺し、続けて袈裟斬りに斬り込み、最後に数枚の手のひらサイズの鋭利な葉っぱをデビルガールが行なってきた。


 最後に【ダークネイルクロー】を放った体制で動きを止めていたデビルガールはこの木の葉ニンジャに寄る一連の流れるような攻撃を回避することは出来なかった。


 そして最後の【葉っぱカッター】が直撃した事でデビルガールは身体からのエネルギー流失が激しくなり、このエネモンバトルの勝者が福田さんと木の葉ニンジャに決まるのだった。


 「戻ってくれ、デビルガール。」


 俺は契約紋へとデビルガールを戻すと、すぐにエネルギーの回復の為にエネルギーデヴァイスからエネルギーキューブを取り出してデビルガールの傷と消耗したエネルギーを回復させていく。


 「悔しいけど、強かったです。福田さんと木の葉ニンジャは。」


 「まあそう簡単には負けないって所を見せないとね!」


 お互いに試合舞台から降りて俺と福田さんは赤井くんと合流して、先ほどまでのエネモンバトルの反省会を行なっていくのだった。

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