第31話
一対一で成熟期エネモンと戦えるようになるまで時間が掛かったが、それでも俺も赤井くんも自身の契約エネモンで倒せるようになるまで成長した。
そして1人でも成熟期エネモンを倒せるようになって1週間が経った頃、俺と赤井くんと福田さんは集まることになる。
「もう聞いたと思うけど銀島の奴が内の学校の生徒のエネモンを殺したって聞いたよね?」
「ああ、聞いたよ。」
「うん!許せないよ。銀島の奴は!!」
福田さんがこの事を言わずとも既に学校中で噂になっている。それも銀島の親が殺された生徒の親を言いくるめて問題にならないようにしているそうだ。
ハッキリ言ってやばい事だが、その生徒の親が働いている場所が銀島の親の影響がある場所のせいで問題にならなかった事も真偽は定かではない噂として流れている。
その噂を聞いてから今まで赤井くんは憤慨しており、これから銀島の居る場所に乗り込んでやると先ほどまで意気込んでいたほどだ。
「私の家なら銀島の親が何かしても防げるわ。」
「そんな事ができるですか?」
「うん、問題ないよ。子供の喧嘩に親が出ないようにするくらいならどうにかしてくれるよ。私の親ならね。」
自信満々に言う福田さんの様子にこれは本当なのだろう。
それなら銀島の親からの圧力を受けて何かしらの問題が俺や赤井くんの親に向かう事はないはずだ。
「それじゃあ今すぐにでも行こう!銀島を反省させないと!!」
「待って待って。落ち着いて、赤井くん。」
怒り経っている赤井くんは立ち上がって銀島がいるとだろう闘技場へと向かおうと立ち上がるが、俺は落ち着くように赤井くんを止める。
「そうだよ、落ち着いて。赤井くん、銀島は性根はクソだけど銀島のエネモンは強いよ。だから、赤井くんには私と戦って欲しいの。」
「福田さんと?」
そして同じく福田さんも赤井くんを止めるが、福田さんは赤井くんにエネモンバトルを申し込んだ。
「そう、私と互角に戦えないと銀島に勝てないと思うから。」
「分かったよ、その申し出を受けるッ!」
真剣な表情の福田さんへ、赤井くんも同じく真剣な表情で答えていた。
「里見くんもエネモンバトルをして貰うかはね?」
「ん?俺も福田さんとエネモンバトルするの?福田さんが良いならいいですよ。」
「赤井くんの次は里見くんだね。それじゃあ闘技場に行こうか。実は予約を済ませてるんだよね。さ、早く行こう。」
福田さんを先頭に俺と赤井くんは付いていく。そうしてたどり着いたのは駅前にあるエネモンバトル会場だ。
よく銀島の現れる商店街のエネモンバトル会場ではなく、大人や中高生が多く出入りしていると言う駅前の闘技場がここだ。
既に予約を取っているので中に入ればすぐに試合舞台へと移動するとことになる。
俺は赤井くんと福田さんが試合舞台に立ちお互いのエネモンが戦うエネモンバトルを観戦していく。
赤井くんのエネモンであるドラコビーストが福田さんのカツオ武士とぶつかり合う。
カツオ武士の技【袈裟斬り】をドラコビーストが【爪撃】が迎撃して相殺し、至近距離から【ベビーファイア】がカツオ武士に放たれる。
至近距離からの攻撃を受けて怯んだ隙にドラコビーストの必殺技【ドラコバイト】がカツオ武士に炸裂するかに思われた。
だが、福田さんがカツオ武士に必殺技の【魚人流・水流斬り】を放つように指示を出した。
【ベビーファイア】の直撃を受けて怯み体勢を崩していたカツオ武士は福田さんの指示が聞こえたのか、「うぉおおお!!!!」と雄叫びを上げて【魚人流・水流斬り】をカツオ武士はドラコビーストに放ったのだ。
ドラコビーストの【ドラコバイト】が炸裂するのと同時にカツオ武士の【魚人流・水流斬り】も命中することで、今回の赤井くんと福田さんのエネモンバトルは同士撃ちで引き分けになるのだった。
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