第30話

 こうして初めての野生の成熟期エネモンに勝った俺は降りて来るデビルガールが抱き付いて来たのでそのままの体勢で喜んだ。


 その後は倒したエネモンからエネルギーキューブとバードのエッセンスを回収して赤井くんと福田さんに合流する。


 今回の俺とデビルガールの戦いではまだまだ成熟期エネモンに余裕に勝てるとは思えないと言うことで、今後のことを話し合った結果は俺と赤井くんが組んで二対一で戦うと言うことに決まった。


 これはこれで2体のエネモンで1体のエネモンと戦うから楽にはなるが、問題は俺と赤井くんが連携することが出来るのかどうかだ。


 次のエネモンを探すまでの間に俺は赤井くんとどうやって戦うのかを話し合ってある程度決め終わった頃に成熟期とエネモンと遭遇した。


 遭遇したのはグラップラーラビットだ。赤井くんはリベンジだと張り切っており、ドラコビーストも自分を任せたエネモンと同じエネモンだからこそやる気満々だ。


 「じゃあ作戦通りに。」


 「任せたよ、里見くん。」


 赤井くんのドラコビーストが前に出ると俺のデビルガールが上空へと上がった。


 「ドラコビースト、ベビーファイア!」


 赤井くんの指示を聞いてドラコビーストはグラップラーラビットに向かって【ベビーファイア】を放った。


 この攻撃はグラップラーラビットに回避されてしまうが、これでグラップラーラビットの意識はドラコビーストに向くことになる。


 飛び跳ねるように移動するグラップラーラビットはドラコビーストとの距離を詰めていく。


 「デビルガール!」


 事前に決めていた通りにデビルガールは【ミニダーク】をいつでも放てる用意をすると、グラップラーラビットがドラコビーストに攻撃しようとするタイミングを待つ。


 そしてそのタイミングは思いのほか早く来た。


 「今だ!!」


 上空からドラコビーストに攻撃を仕掛けグラップラーラビットへと【ミニダーク】が飛んで行き命中する。


 【ミニダーク】が直撃してグラップラーラビットは動きを止めた。そしてこのタイミングで赤井くんがドラコビーストに指示を出す。


 「ドラコバイトだ!!」


 ドラコビーストは必殺技の【ドラコバイト】をグラップラーラビットに放つ。


 【ミニダーク】を受けて怯んでしまっているグラップラーラビットはドラコビーストの必殺技の【ドラコバイト】を躱すことは出来なかった。


 「グギギィ!?」と言う声がグラップラーラビットから聞こえるが、ドラコビーストの噛む力は増していく。


 「デビルガール、背中にダークネイルクロー!」


 このままドラコビーストの【ドラコバイト】で攻撃していても倒せるだろうが、何かしらの技を繰り出すことで噛み付きの拘束を解くことが出来るかも知れない。


 だからこそ俺はこれで終わらせるとデビルガールに必殺技の【ダークネイルクロー】を行なうように指示を出した。


 黒く伸びた闇の爪がグラップラーラビットの背中を引き裂いた。これがグラップラーラビットを仕留めるトドメとなり、俺たちは連携して初めてグラップラーラビットを倒すことに成功する。


 それからエネルギーキューブとエッセンスを分けるのにどうするのかと言う話になったが、それは帰る時に分配をどうするかを決めるとしてまたエネモンを探し始める。


 そうして俺と赤井くんは連携しながら成熟期エネモンとの戦闘を繰り返し行ない、契約エネモンたちのレベルも野生の成熟期エネモンと一対一で戦えるくらいには成長した。


 それから一度だけ成熟期エネモンとの一対一を行なってから帰る時間に迫りそうになった為、エネルギーワールドの出口に向かって移動する。


 時間までエネルギーワールドを探索した俺たちだったが、流石に帰る時間が来た為、今日は帰ってまた明日来ようと約束して家へと帰路に着いた。

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