第27話
裏山にあるエネルギーワールドの入り口では既に福田さんが待っていた。
今日の時間割的には6時間目まであったから可笑しくはないけど早すぎる。裏山を走って登ったのだろうか?
「揃ったね!じゃあ行こうか!」
「はい。」
俺は頷き、赤井くんが返事をする。そうして福田さんを先頭にしてエネルギーワールドの中に入る。
エネルギーワールドに入ったと同時に俺たちは自身のエネモンを召喚した。
「里見くんも進化させたんだね。」
「そうです。デビルガールに進化しましたよ。ほら、デビルガール。」
「……よろしく。」
俺の背中に隠れるデビルガールを福田さんと福田さんのエネモンである木の葉ニンジャとカツオ武士にも紹介する。
「うんうん、これで全員のエネモンが成熟期になったね。これからどうする?」
「放課後だしそんなに探索する時間もないから別れて探索するのが良いと思うな。」
「そうだな。5時になったら、この場所に集合するのが良いと思います。流石に遠くまでは探索も出来ないでしょうからね。」
「まあ、そうだね。3人で行動すればそれだけ戦える回数も減るし、それぞれ分かれて探索しようか!」
そうして今回の探索方針が決まると、3人はそれぞれ違う方向へと分かれて進んで行く。
「俺たちはこっちに向かうぞ。」
「うん!」
赤井くんと福田さんと別れたらすぐにデビルガールは家での調子に戻った。その様子を見るにやっぱり人見知りなのかもと思っていると、早速エネモンを発見する。
「卵が歩いてる。」
こっち側を探索したことがなかったから未発見のエネモンだ。まだ気付かれていないうちにエネルギーデヴァイスで調べよう。
足生えたまご
成長期 本質ドラゴン 属性土
卵に足の生えたドラゴンの卵のエネモン
必殺技
ゴロゴロアタック
転がって攻撃を行なう体当たり
「そのまんまの名前だ。デビルガール。足の向き的に俺らに背中を向けてるはずだ。気付かれないようにコッソリと近付いてダークネイルクローで先制。その後はネイルクロー。それでも倒れなかったら体当たりだ。成長期ならそれで倒せるはず。頼んだぞ。」
「うん、任せてよ!それじゃあ行ってくるね!」
茂みの裏から出たデビルガールは足生えたまごに向かって音を立てずに飛行する。そうして接近したデビルガールは先制の一撃を無言で繰り出した。
「たま〜ご!?」
いきなり背中から攻撃を受けた足生えたまごは変な鳴き声を上げて転がっていく。
「逃がさないよ!!ネイルクロー!!」
コロコロと転がっていく足生えたまごを追い掛けてデビルガールは追撃のネイルクローを足生えたまごに喰らわせる。
「た、たま〜ご……。」
追撃のネイルクローを受けた足生えたまごは身体をエネルギー粒子へと変えて何処かに去って行った。
「よくやったぞ、デビルガール!」
「えへへ、そうかな?」
戦闘の終了と同時に俺はデビルガールの元へと駆け寄って褒める。そうするとデビルガールは照れていた。
ひとしきりデビルガールを褒めると、俺は落ちているエネルギーキューブとドラゴンのエッセンスを拾った。
まさかドラゴンエッセンスが手に入るとは思わなかったが、赤井くんは足生えたまごからドラゴンエッセンスを回収してドラコビーストの進化に使ったのかも知れないな。
そうすれば俺みたいにお金を使わずにエネモンを進化させることが出来るのだから。
それから時間になるまでエネモンを倒して5時前には集合場所に到着した。
5時までに全員が到着してエネルギーワールドから出ると、裏山を降りるまで話しながら歩いていく。
「赤井くん、里見くん。銀島との戦いはどうする?アイツはまだ近くの闘技場を荒らして回ってるみたいだけど?」
「今の僕のドラコビーストで勝てると思います?」
「弱いものイジメをしていてもそれなりにエネモンバトルをしているから強くなってるだろうしね。」
「それならレベルを上げてからの方が良いんじゃないか、赤井くん。」
「決闘を挑むのはもう少しレベルを上げてからにしよう。あ、福田さんとはここまでだね。」
「じゃあまた明日!」
福田さんと別れてからも俺は赤井くんが戦う銀島に対してどうするのかを話しながら帰路に付いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます