第25話
ミニデビがデビルガールに進化してから初めての小学校でのエネモンバトルの授業が始まった。
ウチのクラスで成熟期までエネモンが進化しているのは俺と赤井くんだけだ。その為、姿が変わっているエネモンの姿に周りのクラスメイトたちはザワザワとしており、先生もそれに気が付いて話かけて来た。
「赤井くん、里見くん。もうエネモンが進化したのね。クラスメイトたちに進化したエネモンのことを紹介してくれないかな?」
「分かりました!」
「分かりました。」
即答する赤井くんに遅れて俺も了承する。まずは赤井くんから自身が進化させたエネモンの紹介を始めた。
「僕のエネモンはミニドラコからドラコビーストに進化しました。使用したエッセンスはドラゴンとビーストのエッセンスです。ドラコビースト、挨拶して。」
「……よろしく。」
赤井くんの紹介とドラコビーストの挨拶を聞きながらどう言う風にすれば良いのかを理解した。
紹介があんな感じなら問題はないだろう。俺は自分がデビルガールのことを紹介する時のことを考えながら後で確認する為にエネルギーデヴァイスでドラコビーストのことを調べてから、デビルガールと一緒に前に出る。
「俺はミニデビからデビルガールに進化した。使用したエッセンスはダークエッセンスだけだ。デビルガール、挨拶して。」
「私はデビルガールだよ。」
家族に紹介した時は元気良く挨拶していたけど、今のデビルガールは俺の背中に隠れながら挨拶をしている。
その様子に疑問が湧いてくるが、デビルガールがミニデビの頃から俺以外には長く一緒にいる家族を除いてほとんど他人に接触なんてしていない。
辛うじて赤井くんや福田さんに挨拶するくらいだ。それを考えれば人見知りな性格なのかも?
「今日の授業では赤井くんと里見くんで組んで試合をしてください。流石に成長期のエネモンに成熟期のエネモンと戦わせるのは良くないからね。」
「「分かりました。」」
「それじゃあみんなお互いに試合をする相手を見つけてください。」
クラスメイトたちがお互いに試合相手を探し始めている間に、俺は赤井くんのエネモンであるドラコビーストの情報でも確認していった。
ドラコビースト
成熟期 本質ドラゴン 属性火
翼が退化して、モフっと毛の生えた獣竜型のエネモン
必殺技
ドラコバイト
ドラゴン系エネモンが相手を噛み千切る技
毛が生えた大きなトカゲのような姿をしているが、ドラコビーストの本質は立派なドラゴンのようだ。
必殺技が【ドラコバイト】という噛み付き攻撃のため、接近して戦うのは危険な相手になるだろう。
でも進化前のミニドラコの時に遠距離攻撃の必殺技である【ベビーファイア】を使えたので、デビルガールの増えた技のことを考えると技として【ベビーファイア】は残っていると思われるので遠距離攻撃での対決は考えないといけない。
エネモン図鑑で分かる少しの情報だけでどうやってドラコビーストと戦うかを考えていると、こちらに赤井くんがドラコビーストを連れてやって来た。
「僕らの試合は最後にやるみたいだよ。先生が言ってた。」
「そうなのか?それなら移動するか。」
「そうだね。」
俺と赤井くんは闘技場の舞台から観客席に移動していく。その間にもクラスメイトたちは自分が試合をする相手を決め始めており、全員の試合相手が決まるのはそれほど時間は掛からなかった。
エネモンバトルを行なう者たち以外は全員観客席に移動して、先生が審判役の機械を作動させるとエネモンバトルが始まる。
クラスメイトたちもエネモンと契約してから時間が経っており、エネモンバトルでのエネモンの戦わせ方もだいぶ最初の頃から変わっていた。
エネモンたちが戦っている試合を他所に俺や赤井くんのエネモンの周りにはクラスメイトたちが集まって来ている。
モフモフしているドラコビーストや女の子に姿が似ているデビルガールはクラスメイトたちに人気が出始めていた。
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