第18話

 お互いに距離を詰めるように接近するミニデビとミニラビの2体。そんな2体の内、最初に攻撃を仕掛けたのはミニラビだった。


 ミニラビは低空飛行するミニデビを攻撃するために一度立ち止まると、後ろ足に力を込めて必殺技の【ジャンピングヘッド】を行なった。


 「ミニデビ、回避だ!!」


 「デビ!」


 斜めに真っ直ぐに飛び上がったミニラビの攻撃をミニデビは横に移動して避けた。


 そうなるとミニラビは攻撃を外してしまい地面に着地することになる。


 そして、着地の時の衝撃で足が止まったミニラビに向かってミニデビは一気に距離を詰めていく。


 「今だ、ミニデビ!体当たり!!」


 「デビィ!!!」


 俺の指示を聞いて技を発動するミニデビ。通常よりも加速してミニラビへと突っ込んで行くミニデビの技【体当たり】はミニラビの背中に直撃した。


 「ラビ!?」


 背中を打ち付けられたミニラビは悲鳴を上げて地面に転がっていく。


 まだまだミニデビの技である【体当たり】の熟練度がそれほど高くないため、すぐに技の【体当たり】が行なえないから別の手段でミニラビを倒すことにした。


 午前中は【ミニダーク】の使用を控えめにした戦い方をしたお陰でまだ使える【ミニダーク】を使うように指示を出す。


 「ミニデビ、追撃だ!!ミニダーク!」


 「デビ!!」


 コクンと頷いたミニデビは必殺技の【ミニダーク】を発動すると、暗黒の塊をミニラビへと放った。


 放たれた【ミニダーク】はダメージを受けて怯んだミニラビに直撃する。この一撃で決着が着くかと思ったが、【ミニダーク】の直撃を受けてもまだミニラビは倒れていなかった。


 「ミニデビ、体当たりでトドメを刺せ!」


 「デビ!!」


 【ミニダーク】を放ったままの体勢から【体当たり】をミニデビは仕掛ける為に【ミニダーク】の直撃を受けても立ちあがろうとするミニラビに接近した。


 すぐに立ち上がれなかったミニラビにはミニデビの【体当たり】を回避する術はなかった。


 そうして今日の午後の初めての戦闘を俺とミニデビは勝利で飾った。


 「無傷で勝てたな。」


 「デビ。」


 ミニラビに勝利したミニデビの元へと向かった俺はミニデビとハイタッチすると、先ほどまでミニラビが居た場所に落ちていたエネルギーキューブとビーストエッセンスを拾った。


 「ミニデビ、エネルギーキューブは使うか?」


 「デビデビ。」


 「そうか。」


 ミニデビに回復アイテムの代わりにもなるエネルギーキューブを見せるが、ミニデビはまだ回復は要らないそうで首を横に振って答えた。


 まだ必殺技の使用回数も半分以上あるし、野生のエネモンからの攻撃も受けていないのだからミニデビはいらなかったのだろう。


 納得した俺はエネルギーデヴァイスの中に先ほど手に入れたエネルギーキューブとビーストエッセンスの2つを収納した。


 そして俺とミニデビは戦闘後の休憩は取らずにエネルギーワールドの探索を行なっていく。


 それから数度、同じように遭遇したミニラビを同じ方法で倒して進んでいると、初遭遇のエネモンを俺とミニデビは発見した。


 「ミニデビ、アイツは初めて見るエネモンだ。まだ気付かれていない内にどんなエネモンなのかを確かめる。その間、もしあのエネモンが襲って来たらミニダークで攻撃してくれ。」


 「デビ。」


 俺の指示が分かったと了承の頷きをしたミニデビを視認した俺は、自身のエネルギーデヴァイスを操作して遭遇した初めてのエネモンをエネモン図鑑で確認していく。


蜜飛ばしチューリップ

成長期 本質プラント 属性土

根っこを足のようにして移動するチューリップ型のエネモン 

必殺技

花蜜弾

花弁の奥から花の蜜を弾丸として飛ばす技


 「よし、エネモン図鑑に情報が出て来たぞ。」


 これがエネルギーデヴァイスの機能であるエネモン図鑑に表示された未確認エネモンの情報だ。


 

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