第17話

 平日の放課後はエネモンバトルを行なう事でエネモンとの戦い方を磨き、今日はエネルギーワールドへと向かう土曜日の朝だ。


 「母さん、お弁当の用意はできた?」


 「もう出来てるわよ。それにしても一日中エネモンバトルをするなんてね。幸太もミニデビちゃんも頑張ってね。」


 「うん!」


 「デビ!」


 用意されていたお弁当と水筒をリュックの中に入れると、ミニデビを契約紋章へと送還して玄関を出る。


 8時に小学校の校門に集合する。その為、俺は通学路を歩いているとその途中で赤井くんと出会う。


 「あはよう、赤井くん。」


 「里見くん、おはよう。」


 赤井くんと途中から合流した俺は赤井くんと今日のエネルギーワールドでどうするのかの話をしながら小学校にたどり着いた。


 「まだ来てないみたいだね、福田さん。」


 「そうだな。でもまだ8時前だし時間には来るだろ。」


 「そうだね。」


 福田さんが来るまでの間、俺と赤井くんはお互いのエネモンに付いての話をしていると福田さんがやって来た。


 「2人共、おはよう。」


 「「おはよう、福田さん。」」


 福田さんと合流した俺と赤井くんは小学校の裏山に移動する。そうして山道を移動して10分ほどでエネルギーワールドの入り口にたどり着いた。


 「それで今日は2人はどうするの?」


 「福田さんが来るまでの間に里見くんと話したんだけど、午前中は里見くんと一緒に行動するよ。」


 「午後からは1人でエネルギーワールドを探索しようと思ってる。だから福田さんには1人でも大丈夫かどうかを確認して欲しいんだけど良いかな?」


 「なるほど分かったよ。それなら午前中は2人の戦いを見せてもらうね。」


 エネルギーワールドに入った俺たちは成長期のエネモンと遭遇する草原を3人で回る。


 そうして午前中いっぱい使ってエネルギーワールドの探索を行なった。今回の探索でマテリアルも1人一個ずつ渡るほど手に入った。


 昼食のお弁当を食べてから午後はどうするのかを話し合う。


 「午前中の戦いを見ていたけど、成長期のエネモンなら問題ないよ。あの大岩に近付かないのなら1人での行動も大丈夫かな。」


 「じゃあ午後は1人で行動しよう。里見くんもそれで良いよね。」


 「良いぞ。このままじゃ戦える回数も減るしな。」


 午後になり、エネルギーワールドに3人で入るがそれぞれ分かれて行動する。


 「ミニデビ、午後は俺たちだけだ。午前中の時、以上に慎重に行くぞ。」


 「デビ!」


 午前中で消耗した必殺技の回数はエネルギーキューブをミニデビに与えたことで回復しているが、それでも必殺技を使用する回数は減らして戦うつもりでいく。


 「デビ。」


 「ん?あ、そこか。」


 ミニデビに服の袖を引っ張られ、ミニデビが指を刺す方向を見れば、そこにはミニラビがピョンピョンと草原を跳ねている姿がそこにはあった。


 「ミニデビ、気付かれない様に空から体当たりを仕掛けるんだ。今回の戦いは必殺技はなしでいくぞ。」


 「デビ!」


 コクン、と頷いたミニデビは空を飛んでミニラビの元へと向かって飛んで行き、そして上空からの急降下からの体当たりが直撃する。


 「ラビ!?」


 「ミニデビ、体当たりだ!このまま畳みかけろ!!」


 「デビ!!」


 草原の草原くさはらを体当たりを受けて転がるミニラビに追撃の【体当たり】をミニデビは行なった。


 2度目の【体当たり】は1度目と同じように直撃し、ミニラビにダメージを与えることに成功するが、ミニラビはダメージを受けてすぐに体勢を整えてしまった。


 それを見て出来れば3回目の【体当たり】も成功させたかった。そう思うが、そこは割り切ることにした。


 「ミニデビ、相手に攻撃をさせて反撃で体当たりを仕掛けるぞ!」


 「デビ!」


 ミニラビの高さ2メートルほどで飛んでいたミニデビの飛ぶ高さを下げるように指示を出した。


 1メートル、このくらいの高さなら契約者である俺を狙わずに契約エネモンのミニデビを攻撃対象するはずだ。

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