第13話
エネルギーキューブとビーストのエッセンスを拾って赤井くんとミニドラコと戻ってきた。
「おめでとう、赤井くん。」
「ありがとう、里見くん。」
一戦を終えた赤井くんも、赤井くんのエネモンのミニドラコもまだまだ元気そうだ。
「どうだった?初めて野生のエネモンと戦った感想は?」
「緊張しましたが勝てて良かったです。何かアドバイスはありますか?福田さん。」
「そうだね。必殺技は使用回数があるから、技での戦い方を身に付けることかな?でも初日だし、今日は必殺技を使って倒してね。その方が戦闘時間も早く済むから。里見くんもそうしてね。」
「「はい。」」
赤井くんと福田さんの話は俺にも当てはまるだろう。俺もさっきのミニラビとミニデビが戦うのなら必殺技の【ミニダーク】を使って遠距離攻撃で仕留めていたはずだ。
俺もミニデビを戦わせる際に技を組み合わせて必殺技の使用回数を減らす努力をした方が良いだろう。
でも今日は福田さんの言う通り必殺技を使って現れる野生のエネモンを倒していこうと思う。
そうして今度は俺とミニデビが戦うエネモン探しを始める。
道のない草むらを進む俺たちだったが、そんな俺たちの行く手を阻むように背の高い茂みの中からエネモンが現れた。
「ラビ!」
姿を現したエネモンは赤井くんたちが戦ったエネモンと同じ種類のミニラビだった。
「行くぞ、ミニデビ!」
「デビ!」
全員の前に出た俺とミニデビは真っ直ぐにミニラビへと向かうと、ミニラビが突撃してくる。
「ラビ!!」
「来た!ミニデビ、ミニダークだ!!」
「デービッ!」
ミニラビの狙いは俺だった。だが、俺の前に出てきたミニデビが俺の指示通りに【ミニダーク】を放つ。
両手の間に現れる暗黒が塊になった球体を真っ直ぐに突撃して来たミニラビへとミニデビは放ったそれを突撃で勢いの乗ったミニラビが回避することは出来なかった。
【ミニダーク】の直撃にミニラビは後ろに仰け反るようにして倒れる。
「ミニラビが起き上がる前にもう一度ミニダークだ!!」
「デビ!デービッ!!」
すぐに俺の指示を聞いたミニデビが放った【ミニダーク】がミニラビに直撃すると、ミニラビは先ほどとは違う勢いで吹き飛んでそのままエネルギー粒子へと姿を変えて、その場にはエネルギーキューブとビーストエッセンスがドロップするのだった。
「お疲れ、ミニデビ。」
「デビ〜。」
俺の側に寄って来たミニデビを撫でると、俺とミニデビは先ほどまでミニラビがいた場所に落ちているエネルギーキューブとビーストエッセンスを回収して、赤井くんと福田さんの元まで戻った。
「勝ったぞ!」
「見てたよ、里見くん!」
赤井くんの挙げられた手を軽くパンッと叩くと、俺も福田さんに戦いがどうだったかを聞く。
「そうだね。野生のエネモンは契約者を狙ってくることもあるから、それを気を付けることかな。すぐに回避や自身のエネモンに対処する様に指示を出せるようにするとか?」
「なるほど。」
それに俺も赤井くんも納得する。確かに今回は冷静にミニデビに指示を出せたが、ミニラビが茂みに姿を隠して奇襲して来たのなら冷静な対処も出来なかっただろう。
また野生のエネモン探しを俺たちは再開する。そして、エネモン探しをすること数分後に俺たちは背丈が1メートルほどの木を発見する。
「木の実が付いてるね、この木。」
「これってマテリアルなんですか?福田さん。」
「そうだよ。丁度四つあるから食べてみなよ。私たちはいいからさ。」
「そうですか?赤井くん、じゃあ食べてみよう。」
「そうだね。」
俺と赤井くんはそれぞれ実っている木の実を捥いで、俺はミニデビへと渡し、赤井くんはミニドラコへと木の実を渡した。
それからもう一度、木の実を取った俺たちは木の実に齧り付く。
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