第7話
「ただいま!」
玄関扉を開けて中に入ると、俺はそのまま手を洗いに洗面所へと向かった。
手洗いうがいを済ませてリビングの扉を開けると、そこには葉っぱの塊に蔓で作られた手足が生えているエネモンのリーメットがお盆に氷の入りのお茶が入ったコップを乗せていた。
「おかえりなさい、幸太くん。」
「ただいま、リーメット。母さんは?」
母さんのエネモンであるリーメットしかリビングには居なかった。
「花は買い物に行きました。これ、お茶です。飲んでください、暑かったでしょう?」
「そっか。お茶、ありがとう。俺、今日の宿題するよ。」
「頑張ってください。」
リーメットが入れてくれたお茶を一気に飲み干すと、俺はランドセルを背負ったまま自分の部屋へと一旦向かった。
部屋に戻った俺はランドセルを下ろすと、すぐにランドセルの中から筆記用具と宿題を手に持ってリビングに戻る。
「そうだ、リーメット。紹介するよ、俺のエネモン。」
「契約したのですね。紹介してください。幸太くん。」
俺のエネモンであるミニデビを召喚する為に背中にある契約紋章に意識を集中して召喚する。
「デビー!!」
「契約したミニデビだよ。ミニデビ。母さんのエネモンのリーメットだよ。」
ジーッとお互いを見るミニデビとリーメットだったが、リーメットの方から手を伸ばした。
「よろしくお願いします、ミニデビ。」
「デビデビ!」
お互いに触れ合う姿形からミニデビもリーメットも仲良く出来そうだ。
「ミニデビ。俺は宿題をしないといけないから、家の事はリーメットから聞いてくれ。」
「デビ!」
頷くミニデビを見てから俺はリーメットに家の事やこれからの人との暮らし方を先に人との暮らしを経験しているリーメットにお願いする。
「いい?リーメット。」
「構いませんよ。それではミニデビ。付いてきてください。」
「デビ!」
ミニデビの事をリーメットに任せた俺は今日の宿題の中で簡単なものから終わらせていく。そして、簡単なものを終わらせると今日のエネモンバトルの感想を書き始めた。
「ただいまー。」
「あっ、母さん。おかえりー!」
エネモンバトルの感想が終わりそうになるタイミングで買い物から母さんが帰ってきた。
「ただいま、幸太、リーメット。」
「お帰りなさい、花。」
「ミニデビ、来て!母さん、帰って来たから母さんに紹介するよ!」
リビングでリーメットに遊んで貰っていたミニデビを母さんに紹介する為に手招きする。
「今日、契約したミニデビだよ。」
「デビ!」
パタパタと小さな翼をはためかせてやって来たミニデビを買い物袋を置いた母さんに紹介する。
「よろしくね、ミニデビちゃん。」
「デビ!」
ミニデビの紹介が終わると、早速母さんとリーメットは買って来た物を冷蔵庫へと仕舞う作業に入るからと、俺はミニデビを抱っこしたまま残りのエネモンバトルの感想を書き切ってしまう。
「ふー、終わった。ミニデビ、遊ぼっか。」
「デビ!」
夕食作りを始めた母さんとリーメットに夕食まで二階の自室にいるからと伝えると、俺は終わらせた宿題とミニデビと一緒に部屋に戻った。
ミニデビと一緒に出来るような物を使って遊んでいると、玄関から「ただいま」と声が聞こえてきた。父さんが帰って来た様だ。
「ミニデビ、行くよ。」
「デビ!」
ミニデビを連れて一階のリビングに向かうと、スーツ姿の父さんがいた。
「父さん、おかえり。」
「ただいま、幸太。その子が契約したエネモンか?」
「うん!ミニデビだよ!」
父さんにミニデビの事を紹介する。
「幸太の事、よろしくな。」
「デビ!」
父さんがミニデビにそう言う事にムッと少ししてしまう。
それから父さんは自身のエネモンである赤く堅い毛並みをしたドラグラットをミニデビに紹介する。
父さんのドラグラットは無口でほとんど喋らないがミニデビと仲良く出来そうな雰囲気でミニデビと交流をしていた。
それからすぐに夕食が出来てエネモンも含めた家族全員で食べていくのだった。
リーメット
成熟期 本質プラント 属性土
葉っぱの塊に蔓の手足が生えた成熟期のエネモン エネルギー摂取の方法が光合成の為、戦闘欲が低いプラント系エネモンの中でも特に低い
必殺技
光合成
身体の大半の葉っぱから光合成でエネルギーを作り出す
アイビーウィップ
手の蔓を使用した鞭打ち
ドラグラット
成熟期 本質ビースト 属性火
ドラゴン系エネモンの様なブレス攻撃を行なうネズミ型のエネモン
必殺技
ファイアブレス
口から炎の息吹を吐き出す
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