第4話

 「エネモンのステータスの確認は終わりましたか?終わったら、近くの人と組んでください。」


 ステータス確認が終わった頃に周りを見てみると、丁度他のクラスメイトたちもステータスの確認を終えて試合相手を探している所だった。


 そんな中、俺に話しかけてくるクラスメイトがいた。それは友達の赤井くんだった。


 「里見くん。僕と試合をしないかい?」


 「いいよ。赤井くん。」


 赤井くんと試合すると決まり、これで最後まで取り残されて残りの一人と組む事は無くなった。


 「赤井くん。赤井くんのエネモンを図鑑に登録しても良い?」


 「うん、良いよ。ステータスは見られないしね。その代わり僕も登録させてね。」


 「良いよ。」


 エネモンのステータスを確認するには契約する必要がある為、エネルギーデヴァイスで調べられても問題は少ないだろう。


 赤井くんがミニデビへとエネルギーデヴァイスを向ける様に俺も赤井くんのエネモンへとエネルギーデヴァイスを向けてエネモン図鑑で調べる。


ミニドラコ

成長期 本質ドラゴン 属性火

小さな幼いドラゴン型のエネモン いずれは偉大なる龍へと至るかも知れない

必殺技

ベビーファイア

口から小さな火の球体を飛ばす


 これが赤井くんのエネモンであるミニドラコの様だ。ミニデビと同じで身体の大きさは赤ちゃんサイズだが、その身体を守る赤い表皮や小さな翼の生やした姿はドラゴンの子供と言える風体をしている。


 エネモン図鑑を見て、ミニドラコの必殺技が遠距離攻撃なこと、更にミニドラコ自体が飛行能力を持っている事で赤井くんとミニドラコとの戦いはお互いに遠距離攻撃の撃ち合いになる可能性が高い事が分かった。


 赤井くんとお互いのエネモンをエネモン図鑑で確認している間に最後の試合相手を決める組が作られた事でエネモンバトルの実技授業が開始する。


 俺や赤井くんの様にすぐにお互いの対戦相手が決まった生徒同士が最初に試合を行なう様だ。


 五つある試合舞台の上に十人の生徒とエネモンが上がる。


 「ミニデビ。試合、頑張ろうな!」


 「デビ!!」


 やる気十分に頷くミニデビと共に対戦相手の赤井くんとミニドラコへと視線を集中させる。


 意識を赤井くんとミニドラコ、試合開始の合図を行なう先生の声に向けて今か今かと試合開始の合図を待つ。


 「それでは……試合開始です!!」


 そう先生が試合開始の合図を出した事で早速ミニデビへの指示を俺は出す。


 「ミニデビ、【ミニダーク】だ!!」


 「デビ!」


 だが俺が指示を出すのと同じ様に赤井くんもミニドラコへと【ベビーファイア】を放つ様に指示を出していた。


 「ミニドラコ、【ベビーファイア】で迎撃だ!!」


 「ドラ!」


 お互いの必殺技である黒い小さな暗黒の【ミニダーク】と小さな火の球体の【ベビーファイア】がぶつかり合う。


 暗黒と火の球体がお互いに衝突して弾けて霧散するなか、俺は次の行動の指示をミニデビへと出す。


 「ミニデビ、相手と一定の距離を取って【ミニダーク】を放ちまくれ!!」


 「デビデビ!!」


 ミニデビは小さな翼をパタパタとはためかけながら必殺技の【ミニダーク】を連続で放つ。


 素早さが高ければスムーズに連発する事も出来るのだろうが、今のミニデビではそこまで連射は出来ないが、それでもミニドラコの接近を許さずに済んでいる。


 でもミニデビの【ミニダーク】はミニドラコの【ベビーファイア】での迎撃や回避で命中しない。


 だがそれも相手も同じでミニデビにもミニドラコの【ベビーファイア】は命中していなかった。


 このままお互いに必殺技の撃ち合いをして必殺技の使用回数が無くなった場合を考えると別の方法を取らないといけなくなる。


 まだ一度も攻撃を受けてはいない現状でこのままならばと俺はミニデビへと別の指示を出す事にした。

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