第3話 容疑者リストの絞り込み(3日目)
容疑者リストには被害者のアパートの隣に住んでいた渡部大、被害者の恋人の名倉大介、名倉の元恋人の長津紗里の3名が今容疑者リストに入っている。
また、名倉は長津の結婚相手とも最近会っていたらしく、長津の知っているか聞いて見たところ知らないと言っていたのでその男は長津に知らせずに名倉に会っていた事になる。なので、中谷はその男に話を聞きに行く。
その男は今は長津と別居しているらしく家に行っても長津紗里はいなかった。男性の名は、長津博で殺人の前科持ちだ。家に行ってみると立派な家だが、中に入ると生ぬるい匂いと刺激臭がした。
「長津博さんですか?警察のものですが、お話いいですか?」
「いいですよ。」
「まず、あなたは最近名倉さんと会っていますよね。なぜですか?」
「名倉とは妻を経由して仲良くなりました。それで、『頼み事があるから来てくれ』と言われたので会 って話をしたんですよ。」
「どんな内容の話をしたんですか?」
「それが、会ったら忘れてくれって言われて…」
「犯罪に関わる様なことを頼まれたりなどはしてないですよね?」
「まさか滅相も無い、そんな訳ないですよ。」
「まぁ、そんな訳ないですよね。」
中谷は、警視庁に帰って容疑者リストに長津博を追加した。上司にもこのことを話すと、有力だなと言われ最も有力な犯人候補に長津はなった。
その日の深夜だった、長津紗里の通報によって事件は明らかになった。もちろん派遣されたのは中谷だった。通報内容は、長津博が包丁を脇腹に刺されて死んでいる、というものだった。中谷は現場についてすぐ目に入ったのは死体の横に置いてある血痕がついた白い封筒だった。中谷は手袋をつけて中を確認した。中の紙には、自分が中野恵美を殺したこと、名倉に頼まれてやったことなどが書かれていた。
中谷は、現場は鑑識に任せて警視庁に帰った。上司に報告すると、自分のやったことが耐えられなくなって自殺してしまったんだろう、と言われた。しかし中谷には何か違和感が残った。だが、遺書も残っているので自殺で間違いないと思い、被疑者死亡で書類送検するため書類をまとめ始めた。
しかし、中谷の違和感は明日に確実となる。
中谷は3割ほど終わらせて少し仮眠することにした。今日は朝から聞き込み、それが終わり警視庁で長津について調べていると長津の自殺、なかなか過酷だった。明日中に書類をまとめて書類送検して、名倉さんに報告することにした。中谷は自分のデスクで仮眠した。デスクの前方にあるテレビでこの事件のニュースを報じていた。
3日目
・長津は名倉と事件前に会っていた。
・長津は事件についての遺書を残して自殺した。
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