~蟋蟀(こおろぎ)の巣(す)~(『夢時代』より)

天川裕司

~蟋蟀(こおろぎ)の巣(す)~(『夢時代』より)

~蟋蟀(こおろぎ)の巣(す)~

 孤高に落ち着く無在(むざい)の朗(あか)りが〝途方〟に暮れ活き不覚を問う頃、未知の記憶は無限に火照れる不義の身重をぽつんと感じた…。不明に驕れる不信の生憶(きおく)は不倖を肴(さかな)に合いの手だけ挿(い)れ、挿入効果で安らぎだけ得る不尊(ふそん)の事実を永劫にも観て、器憶(きおく)に違(ちが)える空虚の過論(かろん)は未来(さき)の様子を疑い出せた…。過去に活き尽(き)る愚材(ぐざい)の宮(みやこ)は呼吸に手向ける道具を観歩(みある)き、不毛の進度(しんど)に当てが外れる陰府(よみ)の空虚へその身を招き、蟋蟀ばかりが跋扈して居る不快の宮(みやこ)にその実(み)を置いた…。…身欲(よく)の内実(なかみ)を嗣業に語らう非情に律儀な過酷の戦死は、清閑(しずか)の暗間(やみま)に抜け殻だけ観る〝不名誉さえ無い傀儡(どうぐ)〟を着飾り、併せ鏡を未知に好(よ)く観て不甲斐の同調(シンパ)を美声に訊くのは…、幻覚(ゆめ)の輪舞曲(ロンド)に概(おお)きく跨る〝不幸の自主(あるじ)〟の自主練だった。

 自体(おのれのからだ)を遠方(とおく)に置き遣る不為(ふい)の彼方に残骸(むくろ)を観るのは、幻覚(ゆめ)の景色と悶絶して居る〝不毛の血〟に割く、旧い蛙(かわず)の「奈落の底」にて、俗世(このよ)を牛耳る日本人(ひと)の権力(ちから)の住処は御手(みて)に仰け反る風紀を掌(て)にして…、低い土地から絵具(えのぐ)を飼わせる〝不毛の自主(あるじ)〟を御殿へ遣った…。憤悶(ふんもん)ばかりの美声(こえ)の輩は虚無を手にして一声(こえ)を荒げて、自己(おのれ)の肢体(からだ)に盲(もう)を感じる不得手の孤独は櫓を好く観て、児(こども)ばかりが弄(あそ)び廻れる思牢(しろう)の宮(みやこ)にぽつんと堕ちた…。蟋蟀から観る自己(おのれ)の巣箱は如何(どう)でも好く成り、体裁ばかりにその名が名高い非常の景色に愉快を観た儘、疲労の気色に不沈を誘(いざな)う〝曖昧〟だけしか得られなかった…。呼吸の主観(あるじ)が具体(からだ)を統(たば)ねる〝金(かね)の盲者(もうじゃ)〟を日本人(ひと)に喩えて、真昼(ひる)の日中(ひなか)を賢く活きるは〝世の常〟ながらに破滅して生き、日本人(ひと)の気色に度須黒(どすぐろ)さを観る不快の情緒は不安に就いた…。肢体(おのれ)の意図から悪巧(わるだく)みを擦(す)る〝夢中の豪華〟は日(ひ)の玉(たま)だけ観て、幻想(ゆめ)と自己(おのれ)の巨躯の歪(まが)りは生憶(きおく)の許容(なか)より見真似をして居り、使途(しと)の合間を律儀に手向ける徒労の勇気は財産目当てで、人煙(けむり)だけ観て巨躯を忘れる〝幻想(ゆめ)の正果(せいか)〟は概(おお)きく成った…。

      *

 …西田房子(にしだふさこ)、顔の広い山女(やまおんな)、未知老女(みちろうじょ)、父親、父親の長兄等が出て来た。

 俺は彼等に会う前、大学で、活きた化石の京女(きょうおんな)の講義を受けに行こうと、躍起に成って居た。「躍起」とは、如何(どう)やっても先生の講義に行けなかったからである。始め、昼の様(よう)だったが、探して居る内に夜に成って居た。その内、掲示板に辿り着く事が出来た。そこで、先生の講義は春学期に履修済みだった事に気付き、もう取らなくても良い事に気付いた。その時は秋学期で、秋学期が始まった初日だった様(よう)である。そうする内、又、夜から昼に変って居た。

 俺はそれから、一クラスの教室の内を通ったかも知れない。仲間が、自分に付いたような気がした。

      *

 苦労に強張る残骸(むくろ)の正味は悲壮に暮れ行く不倖に燃え立ち、低い宙(そら)から過去が問うのを未来(さき)へ延ばせる不沈を想わせ、不届き成らねど人密(みつ)の肴(さかな)を低い美声(こえ)から演じて在った。不忠に片付く精神(こころ)の許容(うち)から三国(みくに)を迷わす不沈の陽明(あかり)は、女体(おんな)の景色を佳日に伴う未知の肴(さかな)を四季(きせつ)に訴え、疲労に伴う〝向日の流行(ながれ)〟は怒声(こえ)に鳴るほど謳歌を知った。幻想(ゆめ)の過去から対岸(きし)を好く観て、広い背中に未来(さき)を観るのは、肥溜めから得た純心(こころ)の成果を無知に返せる浮浪を保(も)ちつつ、暗(やみ)の最中(さなか)へ器用に浮くのは未活(みかつ)に伴う無意識だった…。一幻(ゆめ)の一重(ひとえ)に夢想が跳ぶ頃「無垢の生果」は頑なだけ観て、暗(やみ)に紛れる枯渇の勇気は不意に覚め生く翳りを見定め、延々伴う精神(こころ)の準備は〝暗(やみ)の彼方〟へしどろを観た儘、漆黒(くろ)い傘下を山に見守る不等の感覚(いしき)を頂戴して居た…。過去の活き血を生果に収めて浮遊して生く根暗(ねくら)の嫌味は、量産傍ら不良を射抜ける未来(さき)の天使を女神にした儘、幻覚(ゆめ)と乱心(こころ)と無垢の生気は歩道の小敗地(アジト)に平たく成りつつ、不遇に相(あい)する無垢の調子は誰に沿うても驚かずに在る…。自己(おのれ)の活気に未宙(そら)を得るうち気心(こころ)の檻には「明日(あす)」が燃え立ち、「真昼の最中(さなか)」を阿呆に見抜ける〝不届き〟から成る同調(シンパ)を保(も)った。白亜(しろ)く焦がれる宙(そら)の透りは未知の行方を気楼の掌(て)に載せ、幻覚(ゆめ)の泡沫(あぶく)に過去を握らす不応(ふおう)の正理(せいり)を自然(あるじ)へ見た儘、野球の白球(たま)から乱心(こころ)が独歩(ある)ける、初夏(なつ)の毛玉(けだま)を毟って在った…。辛うじて成る吐息の在り処は「幻想(ゆめ)の概(おお)さ」に身悶えした後(のち)、幻(ゆめ)と朝陽に乱心(こころ)が問うのは〝真近(まぢか)に列(なら)んだ好機〟であった…。不意に始まる不穏の気色は王佐に縮めた小宙(そら)を観た儘、精神(こころ)の許容(うち)から両眼(まなこ)を牛耳る不産(ふさん)の精気と同化して居た…。白亜(しろ)く焦がれた律儀を幻見(ゆめみ)て、精神(こころ)の心理は獣(けもの)を用意し、精神(こころ)と自体(おのれ)が過形(かたち)に懐ける旧い白日夢(ゆめ)など巣立って活きつつ、不装(ふそう)と演戯を美声(こえ)に問うのは〝恩義の彼方〟の成長だった。紺(あお)い人形(かたち)に三国(みくに)を問うのは〝人形(かたち)〟ばかりの旧巣(ふるす)と同じで、過去と同じに〝活き血〟を頬張る無心の大小(サイズ)を美声(こえ)に置き去り、行方知らずの美声(こえ)の無知には巨躯に亘(わた)れる高価を問いつつ、未然に伴う暗(やみ)の残骸(むくろ)は私牢(しろう)に佇む謳歌であった…。自体(おのれ)の人形(かたち)を無断に問い生く〝旧い錆(さび)〟から真心(こころ)は冷え出し、暗(やみ)と生果の人形(かたち)の杜撰は気楼に好く似た孤独を顕し、白亜(しろ)く流行(なが)れる真心(こころ)の軌跡(あと)から五月雨(あめ)の行方が悶絶しながら…、幻覚(ゆめ)の軌跡(あと)での活気を阿る不法の自然(あるじ)と困憊して居る…。根本(こんぽん)から成る生義(せいぎ)の進理(しんり)は不覚に亘(わた)れる小敗地(アジト)に跨り、孤高に落ち着く独理(ドグマ)の一定(さだめ)は無論に問われる不忠に伴い、旧い恰好(かたち)の〝一人(ひと)の生果〟は半円だけ観る聖夜(せいや)を識(し)った…。文言(ことば)の軌跡(あと)から真心(こころ)が落ち着き、旧い進途(しんと)は奇想を掌(て)にして、幻覚(ゆめ)と未活(みかつ)の未亡に描(か)くのは〝聖なる界(かぎり)〟の温味(ぬくみ)で在りつつ、想い想いの匣の許容(うち)から干乾び始める男・女(だんじょ)を手に観て…、幻想(ゆめ)と〝夜半(よわ)〟との真心(こころ)の途切れは自己(おのれ)の生果に踏ん反り返れる…。漆黒(くろ)く途切れた大海(うみ)の小敗地(アジト)に紺碧色した浮惑(ふわく)を差すのは、都会の初めに〝人間(ひと)〟が成り立つ不穏ばかりの呼吸(いき)を和らげ、生憶(きおく)と宙(そら)との千夜(とばり)の許容(なか)では固陋の微かが貌(かお)を表し、幻想(ゆめ)と未活(みかつ)の吐息の最初は固陋に飼われた狂句であった…。未完(みじゅく)を想わす人の体は無知を信じる気楼の両眼(まなこ)で、白亜(しろ)く途切れた文言(ことば)の生義(せいぎ)と暗黙(やみ)に高鳴る不満の様子は、漆黒(くろ)く流行(なが)れる世紀の途切れに脆弱(よわ)い自然(あるじ)を象り出した。白亜(しろ)い宙(そら)から寝屋が活き出し、幻想(ゆめ)の自主(あるじ)に徒労を突くのは、自己(おのれ)の人形(かたち)を肉に迷わす不動の自然(あるじ)と美声(こえ)を共にし、幻覚(ゆめ)の形成(かたち)に概(おお)きく高鳴る不倖の弄(あそ)びに生育(そだ)って入(い)った…。暗(やみ)の調度に向かいを立たせて自己(おのれ)の生理を孤独に遣るのは、幻覚(ゆめ)と自主(あるじ)の成果を伴う不純の撤廃地(アジト)に追随して生く…。一人(ひと)の生理を不純に問ううち無機の肴(さかな)に個録(ころく)を買いつつ、不当の正義に悪魔を産み生く「不毛の強靭(つよ)さ」に感服して居た…。幻覚(ゆめ)の行方を肢体(からだ)に問うのは不純に呼吸(いき)する無力が障り、自由を掌(て)にして気楼を追い生く〝不満と進理(しんり)〟の課程を識(し)った…。

      *

 …何か、学園祭のような催しを、大学に於いて、特に、ゼミの仲間を一塊(ひとかたまり)として行われそうだった。そこに顔の広い女や、他のゼミ生が居た。女の子が何人か居た。

      *

 幻想(ゆめ)の気配は白壁(かべ)を観ながら「虚空に成り立つ景色」を挙げつつ、不安に綻ぶ虚空(そら)の悼みは無意味に落ち着く無知を敷きつつ、白亜(しろ)く成り立つ不安の景色は、理識(りしき)に見詰める不幸を射った…。自己(おのれ)の無知から乱心(こころ)を保(も)ちつつ「不安」に揺す振る乱心(こころ)を呼び立て、分厚(あつ)い孤国(ここく)を無地に活き着く不応(ふおう)の柔裸(やわら)は気分に寄り付く漆黒味(くろみ)を保(も)ちつつ、不孝に集まる無刻(むこく)の主観(あるじ)が不感に始まる八性(おろち)を買った…。人間(ひと)に始まる四季(きせつ)の流行(ながれ)は無頓に吸い付く真心(こころ)の挙句に無踏(むとう)の辛苦に没頭して居る…。不安ばかりの八性(おろち)の行方が無踏(むとう)に追い立つ人間(ひと)の行方は「広い人形(かたち)」に風呂敷だけ観て、無意識から成る精神(こころ)の余りは常緑(みどり)を責め立て追悼して生く…。女性の美声(こえ)から愛らしさが発(た)ち、無知に綻ぶ埠頭に降(お)り立ち不安に活き尽(き)る不感の相図(あいず)が無頼に這い往く真心(こころ)を残し、不冠(ふかん)に表す不明の合図は日(ひ)の粉(こ)を観るまま無休を識(し)った…。大阪から成る空気の槍には無尊(むそん)の労費が段々解(と)け出し、分厚(あつ)く成り立つ孤高の無形(かたち)は不断に透れる人間(ひと)と顕れ…、無知の逆(さか)から真心(こころ)を発(た)たせる不論(ふろん)の気心(こころ)が記憶の隅にて煩悩だけ識(し)る…。無心(こころ)の貫(ぬ)きから無垢を立たせて「不安」を彩る孤高を織り成せ、不安の人形(かたち)に人体(からだ)を遺せる孤高の巡路(じゅんろ)は聡明とも成る…。無感に追い付く奥義の旧巣(ふるす)は、点と線とを時系に表し、不安に人密(みつ)から幸先(さき)を募らす孤独の聖夜は〝前者〟を識(し)った…。活気に基づく純心(こころ)の無図(むと)には思牢(しろう)に活き尽(き)る不明と同じで、白亜(しろ)い気色に無知を呼び込む不完(ふかん)の概(おお)くは甲斐甲斐しい儘「高さ」を買った。意味の景色が純心(こころ)を取り巻き、無想の真心(こころ)が悲劇を織り成せ、幻想(ゆめ)の自然(あるじ)が不相(ふそう)を象る一定(さだめ)の温度を保(たも)たせ出した…。不覚に追い付く精神(こころ)の些末が白亜(しろ)い景色を囲って居る内、無頓に澄み尽(き)る不相(ふそう)の黒土(こくど)は不安の貞差(ていさ)を淀ませ始めた。女性(おんな)、簡単、女性(おんな)…、簡単…、共鳴、不罪(ふざい)…、理屈…、苦労を見据える枯渇の残骸(むくろ)は悲壮の態度を余所見に置きつつ、すかぁんと通れる〝不在の初歩(はじめ)〟は精神(こころ)の八性(おろち)を凄ませ出した…。無知に活き尽(き)る不能の主観(あるじ)は無断に息衝く真心(こころ)に落ち着き、白亜(しろ)い人壁(かべ)から無心を顕す無垢の人形(かたち)に煩悩だけ観る…。無知に初(はじ)まる〝不安の要素〟は頑なばかりが堂々生い立ち、不明に生(お)い尽(き)る不覚の思乱(あらし)は不俱の感覚(いしき)を想定して居る…。幻覚(ゆめ)と真心(こころ)の不彩(ふさい)の便(びん)には人形(かたち)と生果を不遇に顕し、不彩の自主(あるじ)が比較を表す「世界の珍樹(ちんじゅ)」に発破を掛けた…。風邪を引きつつ無浪(むろう)の主観(あるじ)は固型(こけい)の珍化(ちんか)を優美(ゆうび)に従え、幻覚(ゆめ)と自己(おのれ)の生果の感覚(いしき)を架空に準(なぞ)れる孤独と掴み、明日(あす)の火照りを舞台に織り成す不尊(ふそん)の彩華(さいか)を一掃して居た…。無音の景色と傀儡(どうぐ)が混じり、宙(そら)の合図は無陋(むろう)を採り付け、暗(やみ)の身元が〝適時〟を報せる不倣(ふほう)の小敗地(アジト)を小宙(そら)から眺めて…、驟雨(あめ)の降(ふ)る日に男性(おとこ)を延ばせる「人の浪漫」は有名だけ観る…。無根に突き出る純心(こころ)の自主(あるじ)は不穏に基づく純心(こころ)を織り成せ、脆弱(よわ)く過ごせる旧い吟味(あじ)わう孤業(こぎょう)の辺りを比較に顕せ…、無心に気取れる精神(こころ)の準備は幻(ゆめ)の不落に提灯(あかり)を保(も)った…。死地に留(とど)める無造(むぞう)の許容(うち)から「幻(ゆめ)の真心(こころ)」を散閑(しずか)に置くのは、旧い景色を無刻(むこく)に撓(たわ)める不浪の感覚(いしき)と巡りながらも、幻想(ゆめ)と精神(こころ)の尖りの部分は女性(おんな)を従え指輪を捜し、明日(あす)の脚力(ちから)を孤高に留(と)め置く不信の快無(オルガ)を聡明にもする…。幻覚(ゆめ)と無刻(むこく)の正義の流行(ながれ)は、不覚を通して気心(こころ)を泳がせ、幻覚(ゆめ)の人密(みつ)から〝一人(ひと)〟を喰い生く浮浪の弄(あそ)びを御殿に見て居た。明日(あす)の肴(さかな)を有人(ひと)に問う内、一人(ひと)と人混(ごみ)との生義(せいぎ)は彩(と)られて、〝一人用(ひとりよう)〟での奈落の演戯は如何(どう)でも無いまま信義(しんぎ)を畏れて、最果(はて)の見えない真心(こころ)の道標(しるべ)の未来(さき)を知らせる虚空の宮(みやこ)は、核(かく)を横目に堂々成り立つ不安の身元を充分知った…。自己(おのれ)の生果を真心(こころ)に築かせ、幻(ゆめ)の夜毎に杜撰を問うのは、「幻(ゆめ)と悪義(あくぎ)」の寂寥から見て〝怒涛の如く…〟の色香(いろか)を保(も)ちつつ、不安に通れる孤類(こるい)の人群(むれ)には悪魔に成り立ち不安を呼び込み、幻覚(ゆめ)と空野(くうや)の事情を知らねど産みの未覚を真心(こころ)に問うた…。幻(ゆめ)と精神(こころ)に成果を省み、懐かしがるまま人間(ひと)は色褪せ、不安と生覇(せいは)が表情(かお)を保(も)つのは学校から観る八性(おろち)でもある。無性(むせい)に活き尽(き)る不穏の両刃(やいば)は歩道の清閑(しずか)は生気を集めて、幻(ゆめ)の女性(おんな)と過去の生憶(きおく)を無類に認(みと)めて寸断して活き、情事(こと)を好く観る孤踏(ことう)の向きから自己(おのれ)を活き尽(き)る裸体を保(も)った…。幻覚(ゆめ)の感覚(いしき)が交錯し始め、精神(こころ)の「奈落」は甲斐を知らねど、暗(やみ)の概(おお)くは無信(むしん)を統(たば)ねた不頼の実元(みもと)を堂々表し、幻覚(ゆめ)の身欲(よく)から溜まりを忘れた不安の気色を概目(おおめ)に見て居た…―――。核(かく)に落ち込む小宙(そら)の流行(ながれ)は擬音の滴(しずく)に情事(こと)を忘れて、悲壮の寝言を鎮守に納めた旧い砦の人体(からだ)を着せ替え、見せ換え始める細心(こころ)の準備は無効に集めた輪舞曲(ロンド)を識(し)った。幻覚(ゆめ)と人形(かたち)の文言(ことば)に失う悲痛の感覚(いしき)は男・女(だんじょ)を連れ添い、現行(いま)を活き尽(き)る個録(ころく)の主宴(うたげ)は不頼を信じる素人(ひと)と同じで、不毛の一宮(みやこ)へ不意と追い付く〝袋小路の寝床〟を保(も)った。高い塒の小宙(そら)を観ながら生憶(きおく)に留(とど)めた文言(ことば)の概(おお)くは、幻覚(ゆめ)に纏わる真心(こころ)の術(すべ)から天空(そら)を見出す努力を手にして、不毛に居座る男性(おとこ)の木霊は人密(みつ)に恐れぬ恐怖を従え、暗い路地から身辺(あたり)を見廻す不相(ふそう)の自然(あるじ)に保(も)った。無心に紐解く自然(あるじ)の背中を不意に怒らす空野(くうや)の一図(いちず)は、私事(しごと)ばかりで木霊が萎えない不毛の灯(あか)りを輪舞曲(ロンド)に識(し)りつつ、向い合せの樞(ひみつ)の迷路は不倖に駆られた孤型(こけい)に苛み、暗(やみ)を枕に不解を研ぎ生く自己(おのれ)の同調(シンパ)をどんより保(も)った。過去の広さを灯(あか)りに見ながら気楼の深味(ふかみ)は自然(あるじ)を装い、不断に囀る生命(いのち)の気の実(み)は林檎を想わす紅身(あかみ)を保(も)ち出せ、幻(ゆめ)の脆味(よわみ)を架空に徹する不倖の夜毎は進理(しんり)を尊び、不意に通らす不気味の寝言は〝幻(ゆめ)の佳日〟を想定して居る。過去の根暗(ねくら)に女性(おんな)が愛され、孤高の如実に一人(ひと)が酔うのは、旧来独語(むかしがたり)の夜半(よわ)の真心(こころ)を不毛に執り成す無限の脚力(ちから)で、私闘に逆行(もど)せる不頼(ふらい)の挑みは〝過去〟を問うまま孤独を相(あい)し、自体(おのれ)の不覚を塗装に執り成す〝不為(ふい)の優美(ゆうび)〟に精神(こころ)を解(と)いた…。不安に寄り添う生地の間に人間(ひと)を有する孤業(こぎょう)が煌めき、一人(ひと)と寝屋とが嗣業を張(ば)ら撒く孤相(こそう)の自覚(かくご)で夜毎を追いつつ、旧(ふる)びた地声(こえ)から思惑(こころ)を醒ませる深い葦美(あしび)は物(もの)に消え去り、行方知れずの呼吸の木霊(たま)には不穏の佳日が危険を乞うた…。自己(おのれ)に信じた呼吸の目玉が幻(ゆめ)の個録(ころく)を無像(むぞう)に追うのは、柔い景色の人形(かたち)を解(と)き往く人密(みつ)の見定(さだ)めの葦(あし)へと日々を咎めて、無知に勝ち取る固陋の基礎には不彩(ふさい)の果実が才能だけ観て、白亜(しろ)い吐息と精神(こころ)に終(お)い付く〝幻(ゆめ)の始め…〟と想定して居た…―――。作家に宿れる鬼神の柔味(やわみ)は化身を追い抜き宇宙(そら)へと寄り添い、人間(ひと)の孤独と夜笛(よびこ)の相図(あいず)と通せんぼをして孤業(こぎょう)を抱き締め、幻覚(ゆめ)の目下(ふもと)へ概(おお)きく認(みと)める不業(ふぎょう)の安堵へ崇高さを観た…。不算(ふざん)に色付く呼吸の撓(たわ)みは、雪の撓みに柔身(やわみ)を観る内、昼間に囀る孤業(こぎょう)の痩躯は不活に脚色取(いろど)る暗(やみ)など概(おお)きく、不意に擡げた気楼の相図(あいず)は孤路(ころ)が色取(いろど)る不思議を観た儘…、旧来独語(むかしがたり)の化色(けしき)に好く似た不倣(ふほう)の律儀に跳び乗り出せた。幻覚(ゆめ)の無傷は不快を告げ活き、旧い痩躯は人間(ひと)を借り出し、暗(やみ)と現行(いま)との脆味(よわみ)を告げ生く不解(ふかい)の自主(あるじ)を生憶(きおく)に留(とど)めて、無茶を片手に仕種を阿る不要の男・女(だんじょ)を色付け出せた…。

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 …西田房子が知らぬ間(ま)に出て来て居た。俺は房子に近付いた。矢張り、俺は房子の事が、腰掛け程度に付き合える年上の相手として、好きだったようだ。俺は房子を犯して居た。始め、その性交に至る迄に、Foreplayが在ったようだが、憶えちゃ居ない。俺はバックで房子を犯して居た。房子は白いパンティを履いて居り、始めその上から俺は陰茎で突いて居たが、房子が小さく「はぁはぁ…」と言って居るのが聞こえたような気がして、段々、大胆に成れた。しかし実際房子は無言で、唯、じっと四つ這いになって、俺に突かれるのに耐えて居たようである。

      *

 幻(ゆめ)に現(うつつ)に平々(ひらひら)零れて〝夢想〟の両腕(かいな)を耄碌しながら、人間(ひと)の玉座で最期を見果てる浮浪の小敗地(アジト)を訪歴(ほうれき)して居た。女性(おんな)の翳りは艶(あで)に照り映え人体(からだ)を失くされ、宙(そら)の逆行(もどり)は退屈(ひま)を鞣して衝突して生く…。京都の旧巣(ふるす)で独りを画(え)にして、不倣(ふほう)に賄う不備の華目(はなめ)は、密会して生く白亜(しろ)い〝玉座〟のよろめく節目の、鷹揚ばかりが邪険を観て居る。小宙(そら)の撤廃地(アジト)を人煙(けむ)に巻くのは、苦行に賄う婚意(こんい)の許容(なか)での不満に配せる不備を観ながら、不倖に先立つ〝泡善(あわよ)くば…〟を得る幻覚(ゆめ)の男性(おとこ)に丁度好かった…。幻(ゆめ)と自覚(かくご)を段々培い、不安の同調(シンパ)は私論(しろん)を結べど、小宙(そら)の空間(あいだ)に繕う不義には〝人間(ひと)の初歩(はじめ)〟が滔々生い立ち、不満ばかりの体裁(かたち)を最期に白亜味(しろみ)を帯び生く不倖の相図(あいず)は、幻覚(ゆめ)に奏(そう)じた許容と以前(むかし)の無刻(むこく)に合せる独理(ドグマ)を識(し)った…。不法の人密(みつ)から樞(ひみつ)を見守る〝不意の極意〟は去来を据えても、不敗に問い得る小宙(そら)の虎には飢え死にして生く一女(おんな)が概(おお)きく、駒を送れる人生(みち)の上では愚昧に儚く不倖が生じて、暗(やみ)の横から見限る相図(あいず)は〝幻(ゆめ)の白亜(しろ)さ…〟を上手(じょうず)に象(と)った…。無根の浄土と御伽噺を男女(ひと)の過保護に段々観る内、〝不毛〟に観られる精神(こころ)の輪舞曲(ロンド)は過去を見忘れ木の葉を煩い、幻覚(ゆめ)の極地(きょくち)へ奮闘して生く不悶(ふもん)の狂座(きょうざ)を延命にも観た…。一女(おんな)の過保護に小宙(そら)が生くのは〝幻(ゆめ)の過渡期〟の不来(ふらい)の援助で、幻覚(ゆめ)の白亜(しろ)さ〟に草原だけ観る不毛の主観(あるじ)に総身を疑い、「過去」を視(め)にした男女(ひと)の脆味(よわみ)は空気(もぬけ)の絡みを身塵(みじん)に帰(き)した…。不倖の迷路を試算に連ねる身重の豪華は樞(ひみつ)に疑い、小宙(そら)の許容(うち)から〝迷路〟を紐解く不快の援者(えんじゃ)は堂々燃え立ち、〝幻想(ゆめ)と真理(しんり)の遠目の重味(おもみ)〟を不沈に燃え行く太陽へと観た…。女性(おんな)の気色は不産(ふさん)に包(くる)まる〝旧堅質(むかしかたぎ)の絶頂〟にも観て、〝不毛〟に燃え尽(き)るお上(かみ)の〝迷路〟は一人(ひと)を劈く模様へと似せ人間(ひと)の生果を暗(くら)みに惑わす〝一人(ひと)の真偽〟にはっきり見た儘、幻(ゆめ)の病を自滅に惑わす孤独の連呼は消沈して居る…。無意味に轟く不倖の重座(じゅうざ)は〝幻想(ゆめ)の景色〟を身重に見比べ、明日(あす)に遮る精神(こころ)の進歩は無機を心得集積(シグマ)を買った。翌朝(あさ)に繕う無残の要(かなめ)は、幻想(ゆめ)の理知から乱心(こころ)を見通せ、旧い〝一人(ひと)〟から身欲(よく)を透せる不安の迷路を悪態吐(づ)きつつ、幻覚(ゆめ)と無暗(むやみ)に精神(こころ)を問うのは〝静けさにも提灯(あかり)〟であった…。不安に綻ぶ撤廃地(アジト)の行方は小宙(そら)に始まる蝙蝠(とり)を見送り、旧い玉座と身重に侍らす〝未覚の行方〟を天へと仰ぎ、幻覚(ゆめ)の無形(かたち)と精神(こころ)の行方を不倖に耐え貫(ぬ)く巨児(きょじ)に観ながら、発狂(くる)う身重に目暗(めくら)に這わせる「不毛の玉座」を沈殿させ得た…。不覚の恋から過録(かろく)を誤る未知の夕べに分厚(あつ)さを採るのは、幻視(ゆめ)の空間(すきま)に過録(かろく)を合せる不良の自主(あるじ)と精神(こころ)を解(と)く儘、日頃から得た男女(ひと)の活気を無意味に宿らす謳歌を識(し)った…。精神(こころ)に閉ざせる無陋(むろう)の進価(しんか)と不倖に佇む旧(むかし)の行方は、〝夢の許容(うち)〟から転々(ころころ)転がる「不安」ばかりの要(かなめ)に観た儘、一人(ひと)と自然(あるじ)の精神(こころ)の空間(あいだ)を不義に射止める未活(みかつ)に訴え、幻覚(ゆめ)の意図から不安に準じる〝無色の効果〟を礼賛して居る。不安に導く自己(おのれ)の生果は過去に値引ける琥珀を観た儘、思慮に集まる夜毎の正義と自体(おのれのからだ)の理論に訴え、人に生え得る〝厳嚇(いかつ)い御託〟は過労を按じて正極(せいきょく)へと成る。一人(ひと)を審(しん)じた無機の自己(おのれ)は、人密(みつ)に蔓延る思案に暮れねど、天(てん)の河(かわ)から自体(おのれ)を配せる不安の闘気を気心(こころ)に見渡し、暗(やみ)に突き尽(き)る魅惑の相図(あいず)は不明に始まる正気(せいき)を買った…。器用に見渡す不幸の流行(ながれ)は生憶(きおく)に高鳴る不安の効果で、一幻(ゆめ)に吟味(あじ)わう不幸と正義は孤独顔して煙草を燻らせ、幻覚(ゆめ)と身活(みかつ)の目下(ふもと)を編むのは、素通りして生く暗計(プラン)を練った…。自体(おのれのからだ)を独理(ドグマ)が過ぎ去る〝不安と文言(ことば)〟がmonkを幻見(ゆめみ)て、相乗効果で気片(きへん)を睨(ね)め生く不倣(ふほう)の闘座(とうざ)を餌食とした儘、旧(ふる)びた無刻(むこく)に価値を見出す〝幻想(ゆめ)の男・女(だんじょ)〟は凄々(すごすご)過ぎ去り、分厚(あつ)く乞われる不穏のmorgueは頂上から得る天河(てんが)を採った…。不安と気色に導く苦悩は暗(やみ)に織り成す無適(むてき)を識(し)りつつ、富嶽(ふがく)に追い付く過去の肴(さかな)は旧い佳日の無安(むあん)に頬張り、身欲(よく)の成る気を夢中に咲かせる不本(ふほん)に配した奥義を彩(と)った…。分厚(あつ)い人壁(かべ)から我楽多だけ観る苦悩の正気(せいき)は〝一女(おんな)〟を観た儘、相(あい)する無理から不安に小波(さざ)めく不能の自然(あるじ)を大宙(だいちゅう)へと観て…、希望の景色と人間(ひと)の気色を合併させ生くおどろを見た儘、世紀に準ずる児(こども)の所以(ありか)は過去を信じて「逆(さか)さ」を観守る…。漆黒(くろ)い分子が最果(さき)から流行(なが)れて、隈なく見守る瘴気を見遣れば、旧(ふる)びた生果を自己(おのれ)に病ませる〝未活(みかつ)の運気〟を精神(こころ)に列(なら)ばせ、旧い順から安路(あんろ)を彩(と)り貫(ぬ)く愚昧の鎮守に通貫(つうかん)させ得た…。非道(ひど)い自然(あるじ)をその掌(て)に和ませ、汚い自主(あるじ)の気心(こころ)を問うのは、分厚(あつ)く奏でる不毛の宮(みやこ)の鎮守を鞣した蝙蝠から観て…、身欲(よく)に懐ける不倖の根色(ねいろ)は〝幻(ゆめ)の不義〟へと透って入(い)った…。旧巣(ふるす)を匂わす孤独の正果(せいか)は人密(みつ)を匂わす不覚を思わせ、白亜(しろ)く爛れる不惑の覚知(かくち)を〝身重〟に顕す不安を講じ、活き活きして生く〝一人(ひと)の連歌〟は「不能」を通して盛(さか)って行った…。幻覚(ゆめ)の縁(ふち)へと盛(さか)れる玉露は「morgue」を透して矛盾を報せ、分厚(あつ)い暗(やみ)から気心(こころ)を通せる不安ばかりの文者(もんじゃ)を繕い、「暗(やみ)の宮(みやこ)」に自己(おのれ)を咲かせる不安ばかりの人壁(かべ)を作った。幻覚(ゆめ)と自体(おのれ)の生果に酔うのは〝人の未活と八倒〟成れども、幻(ゆめ)の行方に未亡を追い生く不倖と正義の要(かなめ)を観たのは、旧い気憶(きおく)に意識を配した孤踏(ことう)に向き合う生果であった…。一人(ひと)の残骸(むくろ)と正義の哀れは幻覚(ゆめ)の無形(かたち)に寝屋を見付けて、世界に通じる不安の夜宙(よぞら)と滑稽だけ観る都会を識(し)りつつ、天(あめ)に寄り添う未活の脳から能を描(か)くのは、幻(ゆめ)に按じた呼吸の生果の〝迷い人(びと)〟など厳かとも観た…。架空に連れ添う逸水(はやみ)の如くは清らか成るまま孤業(こぎょう)に寄り添い、一人(ひと)の旧(むかし)に猛々しい儘、一人(ひと)の佳欲(かよく)に本気を識(し)るのは、過去の自己(おのれ)を未一(みいつ)へ識(し)らせる〝不届き〟から見た正常でもある…。

      *

 …陰茎は始め、房子の尻の辺りを、パンティの上から突いて居たようだった。その房子の「耐え」に気付き、大胆に成れた俺は、ゆーっくり、陰茎を尻の辺りから、満膣の方へとスライドさせて行った。房子はそれでも四つ這いの儘、黙ってじっとして居た。房子の上衣はネグリジェにも似る、ブラジャーだけだった。ブラジャーの色は、白と黒が混ざって居た気がする。

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 無言に煙れる〝旧さ〟に出で立つ恋の行方は規律(きまり)を脱ぎ捨て、日用から観た精神(こころ)の生理を人物(もの)の見事に駆逐して居た。固陋に息衝く寝間の成果(はて)から無己(むこ)に敵(てき)する〝不動〟の哀れは、幻想(ゆめ)の過去から恩義を蹴散らす〝妄想仕立て〟の樞だけ見て、日々の憂慮に見違え始める不能の遊歩を連立させ得た。蝙蝠傘からするりと抜け生く〝旧い御託〟は過保護を蹴散らせ、幻想(ゆめ)の一女(おんな)と佳日を独歩(あゆ)める不盲(ふもう)の努力をその掌(て)に幻見(ゆめみ)て、精神(こころ)に織り成す不倖の道標(しるべ)は「見てくれ」から得(う)る物語を観た…。気楼に始まる不毛の挿話(はなし)は無垢に清める未亡を配して、詰らぬ道から人生だけ得る非情の哀れを甲斐に訓(おし)えた。幻(ゆめ)の私宝(たから)に「どんぶらこ」を観る愚昧の精神(こころ)が文句を忘れて、これ見よがしに悶者(もんじゃ)を睨(ね)め生く乱心(こころ)の旧巣(ふるす)を孤業(こぎょう)に返し、安く見上げた「無想の日(ひ)の掌(て)」は残心(こころ)に扱う愚人(ひと)を観て居た。幻想(ゆめ)の許容(うち)には端正(きれい)に纏まる〝不良〟を吐かない精神(こころ)のゆとりは、過去に概(おお)きく〝一女(おんな)〟を閉め出す宙(そら)の行方を密かに感じ、分厚(あつ)く成り立つ不義の日(ひ)の粉(こ)は器用に計らう未活(みかつ)を配して、白亜(しろ)く纏まる四季(きせつ)の四肢(からだ)は幻想(ゆめ)に概(おお)きく羽ばたいて居た…。〝一幻(ゆめ)に空転(ころ)がる天井(そら)の歪み〟は、精神(こころ)に盛(さか)れる不惑(ふわく)を立たせて、脆弱(よわ)り始めた一男(おとこ)の律儀を過去に保(も)ち往く私算(しさん)を講じ、安く吠え立つ朝陽の往く方(え)は見るも知らぬ大阪から来て、〝不毛〟に掲げる夜半(よわ)の亘(わた)りを斬新にも似た滑稽差(こっけいさ)に識(し)る…。過去の体裁(うわべ)に目暗(めくら)を立たせて、不穏に呼び込む無知を観るのは、自己(おのれ)の精神(こころ)に寸(すん)と成り立つ旧い梯子の背景ばかりで、〝根多(ねた)詰り…〟に観る宙(そら)の目下(ふもと)を余程に大きく漏らして行った。男女(ひと)に纏わる地道の両腕(かいな)に陰府(よみ)の活き血は素通りして活き、美声(こえ)を露わにすんなり堕とせる〝自己(おのれ)の無機〟など如何(どう)でも弾けて、宙(そら)に見るのは人間(ひと)の体裁(かたち)で幻想(ゆめ)の深夜にその実(み)を絶やせど…、自己(おのれ)の両腕(かいな)が機嫌を損ねる大海(うみ)の猛者(もうじゃ)の生育(そだ)てて行った…。女性(おんな)の正義に悪義を見出せ、不毛の連呼は政治を呼んだが、幻想(ゆめ)の両掌(りょうて)に未屈(みくつ)が覗くは無知の肴(さかな)の自然(あるじ)の様子で、過去に振り向く罪の破片は〝自己(おのれ)の無垢〟から小金(こがね)を睨(ね)め取り、〝不束者〟から〝哀れ〟を射止める不義の様子を摘(つま)んで行った…。自己(おのれ)の幻覚(ゆめ)から潤(うる)む生果は小宙(そら)の身元をすっきり表し、暗(やみ)の文言(ことば)と未活を設ける不頼続きの孤独を儲けて、安(やす)み休みで私難(しなん)を牛耳る大宙(そら)の元(もと)には春日(かすが)は活きて…、疲労が居残る無機の孤独は自体(おのれのからだ)を好(よ)ろしく保(も)った…。美声(こえ)の間(ま)に間(ま)に貴く成り生く不能の生義(せいぎ)は夢産(むざん)を蹴散らせ、不安の一点(あかり)を暴走させ往く旧い小敗地(アジト)は劣化して活き、自己(おのれ)の佳日に過去を観て往く精神(こころ)の正理(せいり)は無純(むじゅん)を観た儘、端正(きれい)に呼び去る自己(おのれ)の倅は〝四季(きせつ)〟を問わずに偉振(えらぶ)り出した。過去に見送る自己(おのれ)の化色(けしき)は魅惑を幻見(ゆめみ)る幻想(げんそう)ばかりで、過去の遠方(とおく)が欺瞞に弾ける身重の季節と優雅に旅立ち、身欲(よく)の成る気(き)に過々(すごすご)透れる孤独の苗木を目下(ふもと)に置いた…。幻覚(ゆめ)の一通(とおり)が名残を培う奇想の自然(あるじ)は未覚を蹴散らせ、不毛に遮る乱心(こころ)の遊路(ゆうろ)は人密(みつ)に感けて我欲を貪り、身欲(よく)の始めに果(さ)きを覗ける愚昧に満ち浮く四季(きせつ)の撓(たわ)みは…、女性(おんな)の譲歩を文言(ことば)に化(か)え生く不安の撤廃地(アジト)に遭遇させ得た。白亜(しろ)く寂れた精神(こころ)の利者(りしゃ)には〝淡く寄り立つ不動〟が立ち込め、「幻(ゆめ)の未活」に活路が成り立つ正義の使者には安算(あんざん)だけ在る。蝙蝠傘から不安が透れる寒い四季(きせつ)の出戻り漢(おとこ)は、私欲(よく)を立たせる思労(しろう)の安堵に不通を見送る木霊を識(し)る儘、見納め尽(き)れない愚昧の活路は「明日(あす)」を睨(ね)め生く正途(せいと)を識(し)った…。白亜(しろ)く撓(たわ)めた四季(きせつ)の行方は岐路を立たせる不毛の最中(さなか)で、狂惜(くるお)しさに鳴く不当の勇気を人密(みつ)に掲げる不義理(ふぎり)を見落とし、余命を着飾る人間(ひと)の生路(せいろ)を〝不安〟に与(あず)ける孤独を買った…。自己(おのれ)の肢体(からだ)を輪廻(リング)に絡めた不等に落ち込む逸材達には、女性(おんな)の非力が文句(ことば)に望める不当の輪舞曲(ロンド)を分業(ノルマ)に果して、幻覚(ゆめ)と生義(せいぎ)が混み合い始める未活(みかつ)の信途(しんと)を融通して居る…。不安を根削(ねこそ)ぎ奪える〝両手〟は美声(こえ)と現(うつつ)の緻密の空間(あいだ)を人の根(ね)を借り堂々活き立ち、蟋蟀から観た〝一人(ひと)の正果(せいか)〟は過去に追い付く不安に在った…。身重の男子が〝束の間…〟から得た人密(みつ)に相(あい)して、疲労に寄り添う孤独の自覚(かくご)は無機へ静まる個録(ころく)を感じ、「泡善(あわよ)くば…」を観た向日の生憶(きおく)は〝化身〟に振り向く謳歌を射った…。幻覚(ゆめ)の価値から無言が留(と)まれる「不覚の援護」は樞だけ見て、金(かね)が無いのを無欲に感じて不装(ふそう)の名路(めいろ)は言究(げんきゅう)され活き、無心で整う正義の使者には分業(ノルマ)の常識(かたち)が椅子に座って「幻想(ゆめ)と暗(やみ)との孤業(こぎょう)」を責めても、安く見積もる不安の過去には〝幻覚(ゆめ)の育児〟が揃って在った。女性(おんな)の上気に過去が乗り出し、暗黙(やみ)の最期に発狂(くるい)が立つのは、不敗に憤(いか)れる孤独の様子と不安ばかりの絵図に捕われ、旧い気色に身欲(よく)を侍らす呼吸の最後を安堵に保(も)った。幻(ゆめ)と精神(こころ)の肢体(からだ)を納める無効の様子は、低い気色に無残を観た儘「自己(おのれ)の賛歌」を精神(こころ)に象り、幻(ゆめ)の檻から無限を蹴散らす〝不法の自然(あるじ)〟を枯渇に観て居た…。初めて視(め)にした〝暗(やみ)の空間(あいだ)のmorgueの体裁(かたち)〟は、疲労を視(め)にした馬跳(うまと)びばかりで、女性(おんな)の視(め)に立つ不倖の生義(せいぎ)は不純に囲める無屈を識(し)った…。過去の空間(あいだ)を無知に拡げる不明の勝利は未完(みじゅく)に成り立ち、不昧(ふまい)に活き尽(き)る孤高の暗(やみ)とは生義に感けた視線を彩(と)った…。紺(あお)い生果が宙(そら)に懐ける退屈(ひま)の相手に男性(おとこ)が現れ、〝幻(ゆめ)の無垢〟から正理(せいり)が飛び交う自体(おのれ)の神秘は過酷に象(と)られて、淡く統(たば)ねた快無(オルガ)の様子は活き活きし果てる未亡に成り立ち…、幻覚(ゆめ)に認(みと)めた正義の「奈落」は健気に見送る既成(きせい)と知った…。白亜(しろ)く揺られた日々の許容(うち)にて、脆弱(よわ)い孤独は身重を着せ替え、〝一幻(ゆめ)の憂慮〟に孤独を跨げる不倣(ふほう)の小敗地(アジト)に温度を高めて、凌げる文言(ことば)の概(おお)くの様相(すがた)は「固陋に抱(だ)かせる高揚」とも成る…。不死身の人体(からだ)に自然(あるじ)が宿り、旧い幻視(ゆめ)から微温味(ぬるみ)が解(と)くのは、無名の自主(あるじ)の過保護の生憶(きおく)の両掌(りょうて)を画(え)にした人壁(かべ)の目前(まえ)にて、〝一幻(ゆめ)の脆味(よわみ)〟を一過(いっか)に手向ける不解(ふかい)の景色を概(おお)きく育てた…。幻覚(ゆめ)に浮き彫る無名の価格は、損得だけ識(し)る「哀れの最期」で、凝(こご)りを忘れた木霊を儲ける不利の始めの「未屈(みくつ)に侍らす孟子」を最後に、白亜(しろ)く成り立つ「不安の霧」から〝一幻(ゆめ)の個録(ころく)〟に活路を成すのは、不安を煎じて俗世(このよ)を侍らす不能の夜霧の挿話であった…。不安の末路が小宙(そら)を見落とす〝旧い正義〟の千夜(とばり)の人陰(かげ)には、無為に蹴散らす「一人(ひとり)の最後」の暗黙(やみ)の彼方へ通底する儘、不安を彩る神秘(ふしぎ)の過憶(かおく)は野蛮を認(みと)める王座に載った。固陋の自活(かて)から自己(おのれ)を見下す〝不安ばかりの個録(ころく)〟の傍(よこ)には、幻(ゆめ)の自然(あるじ)がどんどん通れる旧い技術が不断に仕上がり、不等の文句の戯言(ことば)の跡には、暗黙(やみ)に隠れた上算(じょうさん)すら在る…。

      *

 …遂に、俺の陰茎が、房子の満膣の上に当たり始め、俺は変らず、突く行為を繰り返して居た。房子に、もっと大胆に成れ、と促して居た様(よう)だった。房子はもう既に、充分、大胆に成って居た。俺は房子が好きだった。房子に憧れて居たのかも知れない。満膣の熱く成った臭いがするかなぁ…、とか、少し敬遠気味だった俺だが、結局、その臭いはしなかった。変らず陰茎は豪快に房子の満膣に、パンティの上からパンティ諸共突っ込んで行く形で、出し入れを続けて居た。陰茎はもう既に、満膣に入って居た。房子はそれでも黙って居たが、確かに興奮しながら耐えて居るのが、俺には実感出来た。

      *

 無言に際する〝日々の憂い〟が通りを含めて美声(こえ)を出すのは、幻覚(ゆめ)の故国と同時に想わす飛来の星光(ひかり)をその掌(て)に観ながら、苦労に絶えない未知の文句の老後に相(あい)せる枯渇を射った。幻(ゆめ)の自覚(かくご)と美声(こえ)を剥くのは〝日々〟の連呼の慟哭(さけび)の許容(うち)にて、堂々巡りの週を跨げる不老の独理(ドグマ)を目下(ふもと)に置きつつ、明日(あす)の行方は宙(そら)に行き交う不毛の末路を散々識(し)った。光沢(ひかり)の許容(うち)から無垢が顕れ、無刻(むこく)の最期が〝人間(ひと)〟に就くのは、「堂々巡りの週」の許容(なか)から疑問に置き去る女性(おんな)に絡まり、房子の躰を小宙(そら)に相(あい)せる不頼の男児にその芽を観て居る。無垢の許容(うち)から微妙に稼げる未来(さき)の行方は人間(ひと)に置き去り、仕事ばかりが白紙を煩う白亜(しろ)い週へとその実(み)を誘(いざな)い、脆(よわ)い実体(からだ)に精神(こころ)を彩る無空(むくう)の瘴気を縁断(えんだん)して居た。自己(おのれ)の無知へと夢想(ゆめ)が拡がり虚無の空間(あいだ)は無頼を紐解き、幻覚(ゆめ)の許容(うち)から生憶(きおく)を辿るは「幻覚(ゆめ)の無残」の性懲りでもなく、脆(よわ)い一女(おんな)の頭(かしら)を抜くのは不毛の一男(おとこ)の美声(こえ)に程好く、幻(ゆめ)と乱心(こころ)の脚力(ちから)の主観(あるじ)は不彩(ふさい)を彩る真価(しんか)を追った。自己(おのれ)の無知から無謀が産れて旧い身欲(みよく)の細心(こころ)の底には、脆弱(よわ)い女性(おんな)の気楼に際する無己(むこ)の気色が微妙に降(お)り立ち、幻覚(ゆめ)の果楽(からく)が表情(かお)を背けた固陋の自主(あるじ)と精神(こころ)の様子は、分断され浮く不遇の調子と可笑しく奏でる悪夢を待った…。幻覚(ゆめ)と女性(おんな)の魅惑の調子に活きた精神(こころ)は訓(おし)えを求めて、柔い魅力に律儀を問い往く陰の脚力(ちから)を根絶やしにもして、幻想(ゆめ)と女性(おんな)の虚無の許容(うち)から「一人(ひと)」を蹴散らす不等の流行(ながれ)は、幻覚(ゆめ)と神秘(しんぴ)の躰を求める不能の小敗地(アジト)を撤廃させ得た…。女性(おんな)の実力(ちから)と乱心(こころ)を問う内「無垢の成果」は日頃を気にして、日々に突き出る苦労の砦を〝幻(ゆめ)の自主(あるじ)〟にぽんと浮かせて、漆黒(くろ)い景色と温度を幻見(ゆめみ)る浮浪の文言(ことば)をその掌(て)に告げた。生憶(きおく)に活き尽(き)る不安の両眼(まなこ)は虚無の許容(うち)から真面を見出せ、一人(ひと)に好く似た宙(そら)の景色を自己(おのれ)に問うまま都会を見渡せ、広い天地を暗(やみ)に葬る無言の天使は〝一女(おんな)〟を訪ねて、旧い生憶(きおく)に充分誘(いざな)う不幸の小敗地(アジト)をその眼(め)に採った。幻覚(ゆめ)と生憶(きおく)の効果の大海(うみ)には白亜(しろ)い景色が散在して居て、女性(おんな)の肢体(からだ)に未知が蔓延る暗(やみ)の感覚(いしき)がそのまま活き出し、幻(ゆめ)と日頃の気心(こころ)の生果は不穏に始まる神秘を負った…。無謀に追い付く男性(おとこ)の暗(やみ)には幾つも宙(そら)から活気が軟(やわ)らぎ、死闘に直れる旧い歪みの「女性(おんな)の視(め)に立つ堂々巡り」は、過去を巡れる精神(こころ)の調度の白紙へ根差せる決め手と成った…。幻覚(ゆめ)の所在(ありか)を女性(おんな)に観たまま煩悩(なやみ)の裾には生気が活き立ち、蝙蝠傘から目下(ふもと)を遊泳(およ)げる「不毛の灯(あか)り」は斬新だけ観て、端麗(きれい)に纏まる女性(おんな)の化粧は「俺」を観るまま無残に散った…。「一幻(ゆめ)の砦」へ気楼が撓(たわ)める邪(よこしま)ばかりが不毛を追い駆け、男性(おとこ)と一女(おんな)の虚無を見果てぬ私牢(しろう)の無形(かたち)は〝虚無に脆(よわ)める精神(こころ)〟と成った…。旧い生憶(きおく)に雷(いかづち)など観る「許容の思乱(あらし)」は無刻を相(あい)して、愚昧を信じて哀れを問い生く旧い規律(おきて)は白身を削がれ、邪(よこしま)ばかりが応援され生く不倖の自主(あるじ)は御手に活き出し、脆弱(よわ)い化日(かじつ)が不倖を掌(て)にした不当の自主(あるじ)は困惑し果てる。白亜(しろ)い化色(けしき)に自己(おのれ)が成り立つ〝旧い佳日〟が王道に生き、愚昧を審じて児(こども)を謳える不老の好(よしみ)を無傷で温(あたた)め、漆黒(くろ)く輝く小宙(そら)の相図(あいず)は〝向日〟に降(お)り立つ離国(りこく)を観ながら、幻覚(ゆめ)を画(え)にした旧い魔の手を不彩に彩る同調(シンパ)を保(も)った…。故国の内から価格を見出す不財(ふざい)の理識(りしき)は延々佇み、脆弱(よわ)い佳日に無垢を吟味(あじ)わう〝未知の気憶(きおく)〟は昼夜に佇み、あの手この手で不倖を見出す世迷(よまい)の景色は身重を見出し、小宙(そら)の彼方に両親(おや)を愛する不老の児(こども)を象り始めた・・・。不遇の瘴気が孤独を見出す無己(むこ)の演戯は堕落を極め、分厚(あつ)い人壁(かべ)から分岐を想わす不相(ふそう)の自然(あるじ)は絶版されつつ、不遇を射止めた〝一女(おんな)〟の果(さ)きには「夜半(よわ)」を想わす正義が在った…。自体(おのれ)の不覚に正理(せいり)が佇む低い白雲(くも)から活気が拡がり、自己(おのれ)の引く手に精神(こころ)を閉ざせる白昼夢(ゆめ)の傘下は身悶えしながら、自己(おのれ)の背中を陰府(よみ)に対する旧い兆しにそのまま観るのは…、不相(ふそう)を感じた小踊(おどり)の最中(さなか)の「脆弱(よわ)い女」の結束でもある…。白亜(しろ)く途切れた景色の許容(うち)では気楼に剥き出す概(おお)くを買い取り、暗(やみ)の砦に僕(しもべ)を愛する無垢の果実の小躍(おどり)を共にし、〝行方知れずの蝙蝠傘…〟には私牢(しろう)を忘れる不倖が在った。分厚(あつ)い無垢から盆踊りを買う不倖の魔の手は虚飾を見た儘、通り相場の座針(ざしん)の許容(うち)から端正(きれい)に仕上げる肢体(からだ)は概(おお)きく、有形(かたち)が無いのを無形(かたち)だと言う、旧い生憶(きおく)は無純を買った。暗(やみ)の巡りが孤独を滾らす不倖の自主(あるじ)は肢体(からだ)を着せ替え、宙(そら)に概(おお)きくもどろを打つ儘〝幻覚(ゆめ)〟の進理(しんり)は咎めを失くし、日頃の人波(なみ)から気色を通せる〝不頼の信理(しんり)〟の暗(やみ)は大きく、無数の木霊に美識(びしき)が生くのは〝相乗効果〟の見せ掛けだった。不毛に絶やせる「自己(おのれ)の女神の正理(せいり)」は静かに、脆弱(よわ)い佳日を園(その)に置き去る不快の佳日は淡く静まり、柔い進理(しんり)をその掌(て)に見紛う〝紅(あか)い呼吸〟は懐古(レトロ)を打った…。白亜(しろ)く成り立つ不倖の砦は〝一人(ひと)の老い…〟から浮惑(ふわく)を見極め、白亜(しろ)く空転(ころ)がる無知の軟裸(やわら)をはにかみ乍らも既憶(きおく)に追い駆け、未知の肴(さかな)に生憶(きおく)が尖れる不応(ふおう)の所帯(じょたい)は生気に朗(あか)るく、生活には無い模糊の気色が愚相(ぐそう)に寄り付く大波など観た…。旧(ふる)びた気憶(きおく)の生理に始まる不装(ふそう)の空間(あいだ)は未解(みかい)に蔓延り、幻(ゆめ)と自己(おのれ)の懐古(レトロ)の様子は神秘の様子を根本(ねもと)から見て、安(やす)み休みに不義を奏でる大宙(そら)の動静(うごき)は閑散(しずか)にも在る…。女性(おんな)が息衝く愚昧の様子に〝過去が睨(ね)め行く不義の様子〟は、幻覚(ゆめ)に目覚める地位の在り処を不尊(ふそん)に侍らす不倖を買った…。幻(ゆめ)の未惑(みわく)を気楼に保(も)ち挙げ〝陰府(よみ)の寝言〟を襖に観たのは、暗(やみ)に列(なら)べる寝間の模様の〝人の意固地〟の拡散でもあり、無知に按じた幻(ゆめ)の煩悩(なやみ)は飛来して生く不解を保(も)った…。人密(みつ)に浮べた気憶(きおく)の許容(なか)から不倖を背負える気力が成り立ち、幻覚(ゆめ)と自己(おのれ)の正義の気(き)の実(み)は自体(からだ)を跳ばせる文句を従え、紺(あお)い景色に煩悩(なやみ)が焦がれた〝広い宙(そら)への快楽〟等には…、人見(ひとみ)ばかりが不感を画(え)にする不倖の塒が成立して居た。白亜(しろ)く尖れる自己(おのれ)の景色は〝四季(きせつ)〟に流行(なが)れる気心(こころ)を受け留(と)め、脆(よわ)く纏まる流動(うごき)の許容(うち)では非道を徹した浮世が成り立ち、不変に変れる無垢の夕べは人密(みつ)に極める宇宙を暗転(ころ)がせ、人間(ひと)に問われる不倖の空間(あいだ)は「価値」を見出す悪態だけ勝つ…。不義の要(かなめ)に脆(よわ)りを識(し)る頃、無財の規律(おきて)は許嫁を決め、俗世(このよ)を棄て生く〝放棄の浮世〟を世捨て人から延々聴いた。幻覚(ゆめ)を問うのは悪魔の手先(さき)で、人間(ひと)の生覇(せいは)は主権を握れず、旧い規律(おきて)に無知を並べる無己(おのれ)と正義の果てに見るのは、幻覚(ゆめ)の過去から未知を鈍(くも)らす旧い規律(おきて)の優美(ゆうび)を買った…。

      *

 …俺は房子そのものに、物凄く興奮して居た。秘部を隠す辺りのパンティの布地は細かった。いぇに、陰茎をパンティの上からそのまま満膣へ突っ込むと、パンティはもう殆ど、房子の膣内(ちつなか)へ埋まり込んで仕舞うのである。パンティの上からずっと突いて居たのは、俺の房子に対する遠慮がそれでも在ったからである。

      *

 無地の四季(きせつ)に精神(こころ)が降(お)り立ち不幸の宮(みやこ)が乱心(こころ)に鳴くのは、不安ばかりの空虚に伴う悲惨の両眼(まなこ)が調停されつつ、幻覚(ゆめ)に蔓延る人群(むれ)の四季(きせつ)は不毛を問わせる不思議を保(も)った。固陋に始める未活の自主(あるじ)は「今日(きょう)」を損なう浮浪を観ながら、過去の肴(さかな)に人密(みつ)を悩ます不安ばかりの怪訝を観た儘、私欲(よく)を忘れて乱心(こころ)に解(と)け込む無知の流行(ながれ)は心を着せ替え、不本に透れる乱心(こころ)の快無(オルガ)は無機の神秘を秘(ひっそ)り保(も)った。白亜(しろ)く倒れる人間(ひと)の四季(きせつ)は不安の夜毎を気色に見て取り、脆(よわ)い佳日を傀儡(どうぐ)に観て往く不毛の安堵を呼吸(いき)に見詰めて、幻覚(ゆめ)と常緑(みどり)の熱気の行方は晦日に燃え立つ自然(あるじ)を保(も)った…。旧い使途(しと)から氷が解(と)け出す不装(ふそう)の担ぎは夜毎を拵え、無知の集成(シグマ)に過去を与(あず)ける不毛の相図(あいず)を文言(ことば)に観ながら、自己(おのれ)の身欲(よく)から労苦を費やす「不利を見捨てた過保護」は異なり、幻(ゆめ)の未知から自体(おのれ)の未知まで、不倖に徹する快無(オルガ)を識(し)った…。幻想(ゆめ)の過去から生憶(きおく)が挙がれる佳境の摂理は宙(そら)へ浮く儘、〝二人旋律(ふたりしらべ)〟に気憶(きおく)が途切れる旧い孤独は未来(さき)から綻び、幻覚(ゆめ)に蔓延る未屈(みくつ)の怠惰は幻覚(ゆめ)の愛露(エロス)を仄(ぼ)かして行った…。既憶(きおく)に留(とど)めぬ脆(よわ)い界(かぎり)は、美声(こえ)の向くまま西を向き立ち、日々の分れに未完(みじゅく)を統(たば)ねる不浪の四季(きせつ)を人間(ひと)に観た儘、広い大地へ人間(ひと)を列(なら)べる無戒(むかい)の景色を上手(じょうず)に打った…。暗夜(よる)の寝間から男女(ひと)が連れ添い、朗(あか)るい方(ほう)へと大海(うみ)が成るのは、幻想(ゆめ)に静まる未屈(みくつ)の前者に活き血を欲した自覚(かくご)が成り立ち、一人(ひと)の世に立つ不倖の従者は一形(かたち)を外して未活を問うのは、不本意に見る夜半(よわ)の辺りの「向日に差し向く絶頂」だった…。一女(おんな)の自主(あるじ)を故国に返さず旧い途次から精神(こころ)に病むのは、世界の一重(ひとえ)に悪魔を飼い往く不相(ふそう)の個録(ころく)を世波(よは)に見る内、一人(ひと)と現行(いま)とを小敗地(アジト)に連れ添う幻(ゆめ)の末路にその眼(め)を追った…。一人(ひと)に嗜む精神(こころ)の行方は過去の概(おお)くを身柄に差し替え、白亜(しろ)い仄香(ほのか)に不審が飛び交う不自由さえ無い純心(こころ)を観た儘、身欲(よく)の人扉(とびら)を無口に懐ける不快の分業(ノルマ)は滑稽ばかりで、賢く活き得る未開の従者は「人間(ひと)の小躍(おどり)」を精神(こころ)に保(も)った。起死の行方を人密(みつ)に観ながら自己(おのれ)の過去には定形(かたち)が煩い、陰府(よみ)の理郷(くに)へと〝問わず語り…〟が延々延晒(のさば)る精神(こころ)が成った。一幻(ゆめ)の価値から精神(こころ)の目下(ふもと)は、自体(おのれ)の両刃(やいば)を孤高に向け据え、人間(ひと)の生憶(きおく)が無知に刻むは孤高の無暗(むやみ)に「奈落」を観る内、白亜(しろ)い四季(きせつ)に禍根が問うのは、不断の威力の未亡と成った。幻想(ゆめ)の奥義(おく)へとその瞳(め)を交せる不義の刹那は鎮魂から成り、自己(おのれ)を取り巻く不自由から見た我欲(よく)の八性(おろち)は画像だけ観て、暗(やみ)に高鳴る神秘(ふしぎ)の疾走(はしり)は幻(ゆめ)の身重を人壁(かべ)に観る儘…、一人(ひと)の秩序を乱心(こころ)に置くのは無根に畳める個録(ころく)と成った…。明日(あす)の神秘(ふしぎ)へ精神(こころ)が通れる不義の思乱(あらし)は身悶えして活き、一人(ひと)の空間(あいだ)を無心に尋ねる不老の景色と堂々巡りで、白亜(しろ)い夕べに囲いを執り成す卑屈の生果は情事(こと)を識(し)りつつ、不義を行い無口に寄り添う「不覚の迷路」をその掌(て)に挙げた…。精神(こころ)の奥義(おく)へと柔裸(やわら)を宿らす無知の刹那は未完(みじゅく)を離れて、幻想(ゆめ)に亘(わた)れる身憶(みおく)の両腕(かいな)を表情(かお)に留(と)め得る人影(かげ)を着せ替え、自己(おのれ)の旧巣(ふるす)を生果へ納めた無知の界(かぎり)は美声(こえ)にも鳴らず、素通りして生く不解の八性(おろち)は至純(しじゅん)を想わす不覚を得て居た。白亜(しろ)く統(たば)ねる未活の精華(はな)には幻覚(ゆめ)の欲意(よくい)が寝覚めを待ちつつ、神秘(ふしぎ)の過去から男・女(だんじょ)が活き抜く理在(リアル)の温味(ぬくみ)を散在させつつ、不通に誤る精神(こころ)の歪みに感覚(いしき)を透せる不利の所在(ありか)は、過酷を過ぎ行く浮浪の最期の千夜(とばり)を見渡す輪舞曲(ロンド)を描(か)いた…。生れた場所から乱心(こころ)が朗(あか)るい四季(きせつ)外れの無頼の幻(ゆめ)から、小雨(あめ)が降られる孤高の身寒(さむ)さの京都人(ひと)の退屈(ひま)なろ概(おお)きく編んで、一幻(ゆめ)の暗夜(やみよ)に呼吸を紐解く自己(おのれ)の無残に四季(きせつ)を問う程…、無暗矢鱈の思記(しき)の目前(まえ)では生命(いのち)を保(も)たない作家が居座る…。不条理に成る道理の悪事は、人密(みつ)に絶え得る私算(しさん)を講じて、身寒(さむ)さの優れぬ淡い気色に人密(みつ)を感じて鷹揚足る儘、「幻想(ゆめ)と自己(おのれ)の過去の日中(ひなか)」は自体(おのれ)の両腕(かいな)を充分保(も)つ内、低い白雲(くも)から「明日(あす)」を見定(さだ)める不覚の自主(あるじ)を正確に描く…。未知に活き着く不通の一定(さだめ)は一人(ひと)の生果を誠人に取り入れ、不義を介して身重を報せる不本の事実を最低(そこ)に見た儘、女芯(にょしん)に溢れる木霊の残骸(むくろ)は幻覚(ゆめ)の四季(きせつ)に界(かぎり)を見出し、〝一人(ひと)の生果〟に自己(おのれ)が活き尽(き)る「不穏の彩果(さいか)」を上々保(も)った。真実一路の怪訝の様子は「不倖」を掌(て)にして快無(オルガ)を従え、自体(おのれ)の無知から不幸を亘(わた)せる愚昧の進化を堂々観た後(のち)、「明日(あす)の孤独」を無知へ寄せ得る得る未亡の価格は夢限(むげん)を識(し)る内、自己(おのれ)の佳日を精神(こころ)に留(と)めるは無穏(むおん)の新化(しんか)を露わにして居た。無知の宮(みやこ)に蔓延る両眼(まなこ)は幻想(ゆめ)の生憶(きおく)に不頼を問う儘、初めて凍える背中の心気(しんき)に「自己(おのれ)」を交せる精神(こころ)を見定め、脆弱(よわ)い活気は未知に優(すぐ)れぬ過酷を観る儘、阪(さか)を下(くだ)れぬ囲いの内には虚構を報せぬ独理(ドグマ)が入(い)った…―――。分厚(あつ)い空壁(かべ)から曲魔(きょくま)が描ける不等の小敗地(アジト)は金輪際(かぎり)を観た後(のち)、幻覚(ゆめ)の堺を未亡に託せる〝不意の主観(あるじ)〟に痩躯を観た儘、初夏(なつ)の了(おわ)りの両腕(かいな)の目前(まえ)には不尊の自主(あるじ)の正方(せいほう)など観え、暗(やみ)の茂みに精神(こころ)が割かれる不倖の行方をその芽に追った。過去の〝活き血〟を無言に蹴散らす気心(こころ)が差し向き、「明日(あす)の陽光(ひかり)」が撤廃地(アジト)を見積もる不尊の「葉(は)」の字は〝派閥〟を絵にして、効果を語らず無垢に敷かれる幻路(ゆめじ)は乱心(こころ)を観た儘、欲の躰を画(え)に観て描(か)くのは「不倖」を掌(て)にした八性(おろち)であった。未知に息衝く肴の孤独は「不倖」を眼(め)にした一通(とおり)を語らい、激しい歪みに独語(かたり)を相(あい)せる不本の魔の手と躰を見定め、甘い残香(かおり)が苦痛を奏でた自己(おのれ)の正義を我が身に観るのは、過去を絵にした乱心(こころ)の歪みの表情(かお)を好く観る道理と成った。「一幻(ゆめ)と乱心(こころ)」の無頼の初歩(はじめ)は自己(おのれ)の賛美を精神(こころ)に留(と)めつつ、驕り高ぶる〝不毛の従者〟の樞(ひみつ)を絵にした体形(かたち)と成りつつ、不自由から成る未活の気色は自体(おのれのからだ)を久しく保(も)った…。不倖に成り立つ精神(こころ)の独理(ドグマ)が未亡を養う痴態を忍び、幻覚(げんかく)さえ無い夜半(よわ)の縁(ふち)から気心(こころ)を騒がす愛露(エロス)を保(も)ちつつ、不倖と生義(せいぎ)を未知へ揺るがす自己(おのれ)の悪魔は過去を省み、暗(やみ)の両眼(まなこ)に空虚が暗転(ころ)がる不装(ふそう)の事実をその場に棄(な)げた…。

      *

 …女特有の気紛れの情緒により、途端に嫌われ、房子が何処(どこ)かへ行ってしまわないように注意して居た為であった。俺は房子に気を遣って居た。俺が房子と性行為をして居た時、顔の広過ぎる女が、俺と房子の居る部屋の内で、俺から見える所に居たようだった。優(ゆう)からも、房子と俺の性行為は見えて居た気がする。

 俺は房子の純情・気品・誠実への興奮に耐えられなくなって、遂に、秘部を細く頼りなく隠していたパンティの布地を横へ遣り、房子の満膣を露わにして、陰茎をそのまま房子の膣内へとぶっ刺すように挿入した。房子の尻穴と満膣の周りには、余り陰毛が無かった。多少、四十歳女(しそじおんな)の、使い古された体(からだ)の感だけがあった。満膣を露わにしても、房子はぴくりとも抵抗せず、そのまま体を俺に預ける様(よう)にして、「好きにして」と言うような姿勢で居た。房子は、矢張り少し仰け反り、感じたようだった。しかし声は出さなかった。ただ四つ這いの恰好の儘で、そのまま突かれるのを待って居た様(よう)である。

      *

 脆い刹那へ日差しが通れる父孫(ふそん)の経過を小言に置く内、幻想(ゆめ)と乱心(こころ)の向きの方へは「白紙」へ還れる忙しさがある。自己(おのれ)の責(せき)から転々(ころころ)安転(ころ)がる不法の独理(ドグマ)を敗訴に編むのは、自己(おのれ)の白亜(しろ)さに堂々在る内、幻想(ゆめ)に合せる情事(こと)の鳴る音(ね)は不等に蔓延る悪魔を識(し)った。幻想(ゆめ)の宙(そら)から手心(こころ)が問ううち世迷の得手には不応が概(おお)きく、初夏(なつ)に見るのは少女の理性(はどめ)で、鬼畜の烏帽子を概算(がいさん)させ得た…。欲を片手に浮世を透して不快に落ち往く小言の連鎖は、幻想(ゆめ)の片手へ人間(ひと)を蹴落とす不敗の自主(あるじ)を文言(ことば)に見定め、良くも悪くも宙(そら)を仰げる〝幻想(ゆめ)の少女〟の連動(うごき)を見て居た…。人間(ひと)の頭上(うえ)から地上に降(お)り立つ不倖の景色は魅惑に替えられ、選り取り見取りの「明日(あす)の種(たね)」から生憶(きおく)に優雅な精神(こころ)を問うのは、一人(ひと)に始まる孤独の魔の手を不法に伴う乞食と成った…。人間(ひと)の主観(あるじ)を小言に問うのは好くも悪くも過去の賛美で、明日(あす)の如くを夜波(よわ)に眺めた疲労の産地を獲得して居る…。不通に透れる無暗(むやみ)の暗(やみ)から幻覚(ゆめ)の個録(ころく)は何時(いつ)まで老いても、安(やす)み無く往く不原理ばかりを紅(あか)い虚飾に贈って行って、幻想(ゆめ)の奥へと纏まる正理(せいり)は加減を識(し)らずに独創(こごと)を吐き付け、暗黙(やみ)の集成(シグマ)にその実(み)を運べる「不毛の輪舞曲(ロンド)」を疾走させ得た…。不遇に蔓延る無垢を愛して、悲報に相(あい)せる寓話の総ては、「一幻(ゆめ)に集まる孤独の連呼」と私財に集まる灯(あか)りを元(もと)にし、幻(ゆめ)に蔓延る景色の概(おお)くは気楼の魅惑にことこと鳴った…。幻覚(ゆめ)の末路が時計を切り裂く「孤踏(ことう)の多く…」を木霊に見るのは、厚い人壁(かべ)から小声(こえ)が透れる「幻(ゆめ)と活命(いのち)の幻滅」だけ観て、心の動揺(うごき)が旧巣(ふるす)へ還れる白亜(しろ)い悪夢は潔白だった…。幻想(ゆめ)と精神(こころ)の嘆きの上では、乱歩に退(しりぞ)く知性が狼狽え、幻覚(ゆめ)の嘆きと同じに成り生く不装(ふそう)の主観(あるじ)は躰を退き、不敗に通れる不覚の人宮(みやこ)は、人身だけ観て聡明とも成る。日々の迷いを道標(みちしるべ)に観て、生憶(きおく)の頭上(うえ)では人体(からだ)を愛せど、幻(ゆめ)の既憶(きおく)と無録(むろく)の静間(しずま)は俗世(このよ)の運びを無形(かたち)に準え、過去の仕種に概(おお)きく尋ねる悲報の形を静かに彩(と)った…。幻覚(ゆめ)に纏わる独創(こごと)の連呼は核(かく)を求める人間(ひと)を追い駆け、始動に連動(うご)ける〝一人(ひと)の世〟に往く不相(ふそう)の自主(あるじ)と困憊して居る…。白亜(しろ)く輝く快無(オルガ)の共鳴(なげき)は、幻想(ゆめ)と覚心(こころ)の血路を開(ひら)き、私欲(よく)の成る掌(て)を〝人の世〟に観る不解(ふかい)の温度と相乗させつつ、沈黙ばかりが俗世(このよ)を牛耳る不等の哀れを自分に採った。無垢に尋ねた日下(ひもと)の自主(あるじ)は、加減を識(し)り生く精神(こころ)を紐解き、「一幻(ゆめ)」の流行(ながれ)を未知に培う日頃の生果を不倖に貶め、幻覚(ゆめ)に追い付く乱心(こころ)の因果は過去に導く進化を象(と)った…。無想に落ち着く人形(ひとのかたち)は不遇に基づく過程を幻見(ゆめみ)て、生憶(きおく)に手向ける私闘の相図(あいず)と相乗効果の獲物が成り立ち、日々の行方に気楼を立たせて陰府(よみ)の理郷(くに)へと這入って往った。幻覚(ゆめ)の間延びと虚構の交響(ひびき)は活路を幻見(ゆめみ)て大手を振り貫(ぬ)き、一人(ひと)の最期を自滅(ほろび)に見て行く不当の流行(ながれ)を気憶(きおく)に識(し)った…。一人(ひと)に落ち着く孤独の主観(あるじ)は「幻想(ゆめ)の生果」へその芽を表し、人形(ひとのかたち)と最後を訪ねる「日々の猶予」を目元に顕せ、俗世(このよ)に培う日々の迷いは、高(たか)が片付く幻(ゆめ)を観て居た…。人間(ひと)の過憶(かおく)と精神(こころ)を問うのは理不尽なれども生憶(きおく)を見定め、淡い末路を日々に見送る虚無の私算(しざん)にその掌(て)を置き遣り、不毛の地に吐く正義の誠は私牢(しろう)に片付く本意を識(し)った…。一人(ひと)の威を借る不義の両眼(りょうめ)は、未知を配して暗夜(やみよ)を片付け、人間(ひと)の孤独を感覚(いしき)へ透せる不頼の世に立つ援者(えんじゃ)と成った…。俗世(このよ)見たさに気楼から漏れ、一人(ひと)の朝陽を真面に観たのは、自己(おのれ)の過去から不思議を買い生く不装(ふそう)の信者と共に火照って、白亜(しろ)く奏でる愚昧に操る「人の気配の悪魔」であった。自滅に辿れる不能の宮(みやこ)は狡猾にも成る孤独と主(あるじ)で、自己(おのれ)の幸(こう)から不幸にまで観る動静(うごき)の流れは静かであって、過去に息衝く精神(こころ)の上辺(うわべ)は生憶(きおく)の界(かぎり)で未惑(みわく)を蹴った…。一人(ひと)に始まる孤業(こぎょう)の世編(よあ)みは不老に嗜む無心に秀でて、分厚(あつ)く纏まる人壁(かべ)の宮(みやこ)は生憶(きおく)の裾から世界に表れ、自己(おのれ)の未知から〝人密(みつ)〟を生育(そだ)てる「幻(ゆめ)と精神(こころ)の八性(おろち)を問いつつ、白亜(しろ)く成り立つ不安の旋律(しらべ)は誇張を省ける地均しだけ見る…。白亜(はくあ)に掲げる一人(ひと)の未惑(みわく)は故郷へ還れる無産を追いつつ、不当に省ける独語(かたり)の総ては無言に責め生く理想郷(ノスタルジー)さえ…、一人(ひとり)に落ち込む懐古(かいこ)の記憶は何にも象(と)れずで個録(ころく)を射った…。一幻(ゆめ)に纏わる孤業(こぎょう)の同調(シンパ)は既憶(きおく)の要(かなめ)を無心に見定め、非情に概(おお)きな小宙(そら)を象(と)れ得る「未知の遊路(ゆうろ)」と杜撰を極めて、「一幻(ゆめ)と自体(おのれ)」の生憶(きおく)を見定(さだ)める宇宙の経過(ながれ)が危険を満ちた…。男女(ひと)に落ち込む俗世(このよ)の倣いは、人密(みつ)に覆われ虚飾を劈き、「幻(ゆめ)」に概(おお)くの不解(ふかい)を届ける奇想の連呼を聡明ともして、自己(おのれ)の無暗(むやみ)に自覚(かくご)を求める不意の同調(シンパ)に生育(そだ)って行った…。自己(おのれ)の芽を出す小宙(そら)の未憶(みおく)は生憶(きおく)の傍(そば)から厚味(あつみ)を取り除(よ)け、未来(さき)に着飾る自己(おのれ)の感覚(いしき)を吐息に投げ掛け明日(あす)を観て往き、無機の空気(しとね)に迷いを断ち切る不感の独気(オーラ)を想定して居る…。男女(ひと)の自主(あるじ)が宙(そら)を駆け抜け〝未来(さき)〟を蔑む理財の総ては、素っ気無く切る電話の通りで未知に佇む謳歌を象り、安い主観(あるじ)に背きながらも空虚を遮る都会を睨(ね)めては、人間(ひと)の生憶(きおく)を俗世(このよ)に棄て生く宙(そら)の得体の七不思議である。未惑(みわく)に基づく浮浪の進理(しんり)は過去の生憶(きおく)に総身を知らされ浮き足立つのは一人(ひと)の雅楽で情事(こと)を審じぬ芥(あくた)を代え出せ、小宙(そら)の目下(ふもと)で悪しきを飼うのは暗(やみ)の水面(みなも)の翁であった。人間(ひと)の流行(ながれ)の生憶(きおく)の概(おお)くは無神(むしん)の紐から天を仰ぎ見、見返りさえ無い児(こども)の造作を無垢に着せ出す淡味(あわみ)を保(も)ち出し、暗(やみ)の概(おお)くに不倖を照らせる暗愚の気色へ程好く散った…。自体(おのれ)の愚者から疲浪(ひろう)が飛び込む小宙(そら)の行方は気楼に落ち着き、一人(ひと)の総理を淡味(あわみ)に吐き出す乱心(こころ)の行方は俗世(このよ)を追い立て、未知と現行(いま)との決算ばかりが不倖を絵にして時計を廻し、暗(やみ)の彼方へ感覚(いしき)を幻見(ゆめみ)る「不毛の小敗地(アジト)」を精神(こころ)に打った…。生憶(きおく)の許容(うち)から無駄を省ける無憶(むおく)の行方は不感を画(え)にして、未来(さき)に尋ねる「人間(ひと)の気色」は自主(あるじ)を忘れて素通りして往き、幻想(ゆめ)の無録(むろく)と化粧の既録(きろく)は無知に倒れる過酷を識(し)って、安い記憶と翌朝(あさ)を訪ねる無枠(むわく)の教義を訓(おし)えに解(と)いた。

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 ずぶずぶ…ずぶずぶ…、何度も出し入れをした。房子は抵抗せず儘、ただ俺に、それほど興奮する姿を見せないようにと、耐えている様(よう)である。生嵌めだった。その生嵌めに房子は気付いて居ながらも(ゴムを付ける素振りも無く、事が早い事から)、黙認するように、そのまま生の陰茎に自分の膣奥を突かせて居た。そう、俺の陰茎は何か、普段より大きく太く、成っていた気がする。俺は房子とセックスしながら、いつも気にして居たように、陰茎が萎えないか、心配して居たのだ。やや萎えた一瞬も在った様(よう)だが、まぁ大丈夫だった。散々、突きまくって居た。しかし何度突いても、俺は満足出来なかった。ただ、房子への興奮だけが、残される様(よう)だった。

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 惨く始まる文言(ことば)の頭上(うえ)では未知の国から人見(ひとみ)が表れ、無垢の孤独に不法が成り立つ不本の手先が食い倒れに在り、人間(ひと)の初めに未来(さき)が跳ぶのは不快に降(お)り立つ奮起と成った。無知に始める孤高の主観(あるじ)は不彩(ふさい)に活き発(た)つ故意に集まり、時計に降り立つ旧(むかし)の生憶(きおく)は無心に活き発(た)つ無心(こころ)を識(し)った…。白亜(しろ)い景色に不敗が成り立ち無解(むかい)に成り込む審義(しんぎ)の弾みは、普遍に息衝く人山(やま)の空虚は不倖に活き発(た)つ無刻(むこく)に在った…。無機に見詰める不幸の主観(あるじ)に人密(みつ)に蔓延る無解(むかい)の〝囲い〟は、過去の旧巣(ふるす)は抜擢され得る不遇の景色に訪れを観た…。無知に意気込む不解の信義(しんぎ)は未知に蔓延る不彩(ふさい)と活き発(た)ち、無垢に活き尽(き)る不彩(ふさい)が成り立ち、無案(むあん)に成り立つ人塵(ごみ)の行方は無垢の〝初歩(はじめ)〟に見知って行った。不彩に色めく不解の初歩(いろは)は不彩に色立つ不具合から成り、幻覚(ゆめ)の細身(ほそみ)と現(うつつ)の成りには孤高の在り処を白身に喰わせた…。無痛に色付く故国の所以は不細工に在る個録(ころく)に活き発(た)ち、幻覚(ゆめ)の無暗(むやみ)に疲労が成り立つ不彩の色香(いろか)が転走(てんそう)して生く…。無心に色めく空気(くうき)の先には〝繕う感覚(いしき)〟に身重を剥くのは不装(ふそう)の自主(あるじ)の仰天とも成る…。無知の自主(あるじ)が不通に掻き出し、分厚(あつ)い懐(うち)から精神(こころ)を立たせて、不彩に彩る「不具合」だけでは、未想(みそう)の集合(シグマ)を改善させ得た…。未知と空城(くるわ)に世界が見詰める不彩の自主(あるじ)は無垢の人見(ひとみ)に無戒(むかい)を取り持ち、未知に活き貫(ぬ)く未彩(みさい)の〝行方〟を宙(そら)の目下(ふもと)へ透して行った…。不幸の自主(あるじ)が恰好(かたち)を送らせ、不具合から立つ人密(みつ)の許容(うち)にて、固陋の悪夢に脆弱(よわ)さを見出す無知の木霊に核裂(かくれつ)して居た…。男女(ひと)の人密(みつ)から無彩(むさい)が成り立つ「不倖の櫓」は個人(ひと)を拵え、自己(おのれ)の無体(からだ)が無活(むかつ)に男女(ひと)の芽を見て輝彩(きさい)を飼った…。無垢の色香(いろか)に未知が描(か)くのは一人(ひと)の温味(ぬくみ)と脆弱(よわ)さであって、幻覚(ゆめ)の縁(ふち)から陽(よう)が織り出す不彩(ふさい)に見付けた具体(からだ)を射った…。白亜(しろ)い具体(からだ)に四季(きせつ)が成り立つ〝無知〟の基本は自己(おのれ)の有形(かたち)に見応えだけ観て、紺(あお)い空間(すきま)に個形(かたち)を見守る〝不具合〟だけ見る固陋の行方は〝一幻(ゆめ)の目下(ふもと)〟と同じと成った…。男女(ひと)の生果に自主(あるじ)が象る無垢の色香(いろか)は表情(かお)に佇み、暗(やみ)の乱心(こころ)は未知に降り立つ〝不彩の自主(あるじ)〟を聡明(あかり)に置いた…。静かな有形(かたち)に微睡(まどろみ)など増え、不孝の孤独と男女(ひと)に観るのは〝幻覚(ゆめ)の脚色(いろ)〟など堂々解(と)いた…。男女(ひと)の有形(かたち)に訃報が成り立ち過去の行方に未解(みかい)が鳴るのは、自体(おのれのからだ)を無蔵(むぞう)に駆け得る未来(さき)の有形(かたち)に不具合だけ観る…。未彩(みさい)に活き発(た)つ不倖の自主(あるじ)は無垢の色香(いろか)が恰好(かたち)を失せさせ、幻覚(ゆめ)と白亜(しろ)さを不定に届ける人間(ひと)と思惑(こころ)に這入って行った…。女性(おんな)の初歩(いろは)が小宙(そら)を追い立て、不彩に色めく孤高の無口に葉末が高める無彩(むさい)が降りる…。孤高に湧き立つ乱心(こころ)の行方は不彩の人体(からだ)を幾多に仕分けて、自己(おのれ)の幻覚(ゆめ)から無形(かたち)が届ける不法の自主(あるじ)を舞台に活き立ち、無知の具像(かたち)に自由が昇(たか)める不在の際(きわ)まで不幸を射った…。無口に色付く文句(ことば)の〝初め…〟は不在に始める人間(ひと)の有形(かたち)で…、大宙(そら)の絵空に弾ける孤独は浮浪の功徳を無心に射った…。分厚味(あつみ)に匿う小宙(そら)の初めは浮浪に集まる有形(かたち)を見落とし、幻覚(ゆめ)に堕とせる過酷の様子は人体(かたち)に纏わる脚力(ちから)を描(か)かせて、紺(あお)い活き血を無知に屈(こご)める情事(こと)の有義(ゆうぎ)に家宅を識(し)った…―――。歌詞に活き発(た)つ放射の仔細は無彩に色付く〝不倖〟を見合せ、白亜(しろ)く見立てる無知の柔裸(やわら)は無遇(むぐう)に対する個録(ころく)を買った…。幻想(ゆめ)の空城(くるわ)に未曾有が成るのは過去の行方に固陋が成り行き、人間(ひと)の八性(おろち)と有形(かたち)を掘り出す無垢の四季(きせつ)を摘んで行った…。未知の旨から無形(かたち)を造り、分厚(あつ)い縁(ふち)から〝活き血〟が成るのは、幻覚(ゆめ)に膨れる白亜(しろ)い定形(かたち)は思牢(しろう)の行方を集めて行った…。精神(こころ)の檻から精神(こころ)が失(な)くなる夢想の〝初歩(はじめ)〟は涼風(かぜ)が吹くまま無能が吹く儘、無知の生果は白亜味(しろみ)に活き尽(き)る〝一幻(ゆめ)の有形(かたち)〟をぽんと落ち着け、不孝の定形(かたち)は広い宙(そら)から向日の景色を不純に色付け、最果(はて)を識(し)らない未知の空間(すきま)に「一人(ひと)の無形(かたち)」をぽつんと描(か)いた…。自体(おのれ)の無垢から清(きよ)みが色付き、無彩の有形(かたち)を〝日々〟に遣るのは、一人(ひと)に傾く〝不具合〟から見た気楼の進化を微妙に発(た)たせて、「気の散る暗(やみ)」から個録(ころく)を相(あい)する故国の空間(あいだ)を兆しに採った…。際限無く観る一人(ひと)の行方は幻(ゆめ)から成り立ち、自己(おのれ)の成果は過去に息衝く脆い有形(かたち)に思乱(あらし)を見送り、〝一幻(ゆめ)と暗夜(やみよ)〟を未活(みかつ)に遺棄する不毛の生地(せいち)を閑散(しずか)に遣った…。幻覚(ゆめ)と生果の虚脱の有形(かたち)が自己(おのれ)の成果を蔑ろにして、幻覚(ゆめ)に集まる景色の未覚(みかく)は貴い思乱(あらし)を不況に見て居り、幻覚(ゆめ)に集まる無陋(むろう)の高みに無知の〝兆し〟は精神(こころ)に冴えなく、純心(こころ)と感覚(いしき)が人見(ひとみ)を問うのは「人間(ひと)の初歩(はじめ)」の達観でもある。過労の有形(かたち)で暗夜(やみよ)を問うのは無垢の成果の空間(あいだ)であって、不純に色付く小声の所以(ありか)は過去に降り立つ不具合から成り、暗(やみ)の許容(うち)へと無欲が徹する孤高の〝活き血〟を無欲にするのは、一人(ひと)の始めに主観(あるじ)を見積もる「幻(ゆめ)の命」の絶対だった…。女性(おんな)の一界(かぎり)に無欲が安(やす)める〝不幸〟の生憶(きおく)は暗夜(やみよ)を欲しがり、無痛に与(くみ)する淡い故意には無知の価値などとことん貶め、不在に始まる紅(あか)い条理は、一人(ひと)の両腕(かいな)を欲して在った…。無知の文言(ことば)と生憶(きおく)の陰(かげ)には〝不能〟の感覚(いしき)が枯渇を羨み、暗(やみ)に愛する活命(いのち)の有形(かたち)に、「不毛に赴く算段」すら観え、無能に息衝く形の合図は呼吸を統(たば)ねる未知数でもある。病に幻見(ゆめみ)た固陋の相図(あいず)と暴挙の主宴(うたげ)は、暗(やみ)に高鳴る滴(しずく)の弱味(よわみ)と素人(ひと)の幻(ゆめ)から合図を受け取れ、私闘に阿る雰囲気(ムード)の空間(あいだ)を帰納に投げ得る未活(みかつ)を知った。私欲(よく)の自覚(かくご)と輪舞曲(ロンド)の脆味(よわみ)は代々(よよ)を見渡す無口を見合せ、〝一幻(ゆめ)と神秘(ふしぎ)〟に価格を刷り込む烏有の藻屑を進化に改め、不本に遺棄する不敗の審理は不倶に積まれる不倖に観た儘、幻覚(ゆめ)の生命(いのち)と精神(こころ)に研ぐのは不論の正理(せいり)と理論であった…。自己(おのれ)の幸(こう)から不倖が跳び生く〝無垢の細工〟は不活を目にして、自体(おのれ)の生果を未完に尋ねる無垢の究地(きゅうち)に乱心(こころ)を費やし、幻覚(ゆめ)の千夜(とばり)に形見が問うのは〝暗(やみ)〟の初めの虚空であった…。

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 …房子と生嵌めセックスを終えた後、俺と房子はベッド(布団)の上で寝転び互いを見詰め合いながら、喋って居た。結局、俺はまだイって居なかった。イカずに事を終え、房子が、又次の誰かとの、セックスに備えたかの様(よう)だった。陰茎からは、白い湯気が立って居たような気がした。

      *

 無純に活き尽(き)る苦労の界(かぎり)は小さく纏まり、陰府(よみ)の経過(ながれ)は夢想に絡まり、不相(ふそう)に集まる未練の温味(ぬくみ)は不安の〝初め〟に類似して居る…。光沢(ひかり)に集まる無活(むかつ)の温味(ぬくみ)は、男女(ひと)の具体(からだ)を白紙に描き、無想の朗(あか)りに幻(ゆめ)が成り立つ不相(ふそう)の有形(かたち)は個録(ころく)を振った…。光沢(ひかり)に祟れる白紙の脆(よわ)さは不純に降り立ち、幻想(ゆめ)に成り立つ不安の共鳴(なげき)は調度を呼び込み、人間(ひと)の頭上(うえ)から都会に立たせる不快の餌食は混紡でも在り、幻覚(ゆめ)の理性(はどめ)を無根に堕とせる不敗の体裁(かたち)は杜撰を識(し)った…。幻想(ゆめ)の一女(おんな)は白身を追い駆け、素人目に観た小敗地(アジト)の無頼は低い空から腰を持ち上げ、無知へ繁みは不解の自主(あるじ)を混沌(カオス)へ置き去り、不定に定まる故国の並びは無根に尽きせぬ孤独に立った…。自己(おのれ)の肢体(からだ)は不倖に尽せる無謀の自然(あるじ)に武勲を見下(みおろ)し、自由に活き尽(き)る不治の懊悩(なやみ)は無遜(むそん)の初歩(あゆみ)に属性だけ観た…。幻覚(ゆめ)の生憶(きおく)と無知の口には、既憶(きおく)の吟味(あじ)など不倖に伴い、未知の不足を固陋に与(くみ)する不彩の真珠は確築(かくちく)され得た…。無穏(むおん)の繁みに偽善を発(ほっ)する不忠の懊悩(なやみ)は自覚(かくご)に襲われ、未知の生憶(きおく)に不解が成り立つ個録(ころく)の形成(かたち)が不変を置いた…。白亜(しろ)い生憶(きおく)に未知が降り立つ不幸の櫓は不完を撓(たわ)め、未知に息衝く無論の景色は白亜(しろ)い佳日に価格の構成だった。自己(おのれ)に始まる不倖の国会(やぐら)は不快に成り立つ個録(ころく)と同じで、幻覚(ゆめ)の撓みに意思を盛り込む〝境遇〟ばかりに注意が活き発(た)ち、無知に活き込む漆黒味(くろみ)の未覚は自己(おのれ)の肢体(からだ)を執着(しつこ)く追った。不解に色めく宙(そら)の生憶(きおく)は幻覚(ゆめ)の経過(ながれ)に生体(からだ)を与(あず)けて、人間(ひと)の論理を爆発させ往く深い吟味(あじ)など未亡を振った。明日(あす)の気色が未完(みじゅく)を保(も)ち出し、一重(ひとえ)に活き尽(き)る無重の分厚味(あつみ)は、孤高に活き発(た)つ不明を買った…。紺(あお)い景色に理解を観守る不安の小敗地(アジト)は乞食を引き出し、柔い景色に身重を導く孤高の信途(しんと)を〝泡善(あわよ)くば〟に観た…。人間(ひと)を象る不明の自主(あるじ)は、未屈(みくつ)の神秘に不倖を保(も)ち込み、低い宙(そら)から「小敗地(アジト)」を活き尽(き)る「幻(ゆめ)の個録(ころく)」の無謀を養い、宙(そら)に集まる夢中の自主(あるじ)は〝独り…〟に活き尽(き)る無陋(むろう)を買った…。白亜(しろ)く限れる不倖の生録(きろく)は無知に直れる不在を保(も)ち込み、淡く弾ける漆黒味(くろみ)に解(と)け込む夢中の価値など胴に保(も)ち寄り、無戒(むかい)に徹した個録(ころく)の湯浴みは思牢(しろう)に与(あず)ける一界(かぎり)を識(し)った…。幻覚(ゆめ)の未然に解(と)け込む八性(おろち)は幻(ゆめ)の炉に立つ不倖であって、慈しみに観た子飼いの八性(おろち)に奇妙に成り立つ暗(やみ)を見て居た…。低い白雲(くも)から寄せ絵(え)を突き出す不浪(ふろう)の絶(ぜつ)から人壁(かべ)を観た儘、白亜(しろ)く輝く無知の温度は旧い独語(かたり)に身重を剥き出し、暗(やみ)に拡がる呼吸と安堵を未屈(みくつ)に従う気憶(きおく)に際(さい)せた…。自由に蔓延る欺瞞の生命(いのち)は樞(ひみつ)に保(も)ち出す惨めを観る内、「一幻(ゆめ)の一重(ひとえ)」に安心して生く空城(くるわ)の外界(そと)から透って行った…。一幻(ゆめ)と未完(みじゅく)の有形(かたち)の層から無純が蹴散らす生準(きじゅん)は概(おお)きく、「一幻(ゆめ)の夜半(よわ)」から励ます論苦(ろんく)は矛盾に気付かず聡明でもある…。幻想(ゆめ)と乱心(こころ)の温度の差異には、一人(ひと)に燃え立つ異常が高まり、幻想(ゆめ)と空虚の未然が集める不能の前途を総理(すべて)に保(も)った…。児(こども)の幻(ゆめ)から欲を追い駆け、未純(みじゅん)に伴う進度(しんど)の人群(むれ)には、分厚(あつ)く成り立つ人間(ひと)の空壁(かべ)から無根に跳び立つ残香(かおり)が在った。既知の幻覚(ゆめ)から未来(さき)を見出す旧い宙(そら)への界(かぎり)は小さく、幻覚(ゆめ)の目眩(めくら)が人壁(かべ)を見詰めた無能の技術を偏に立たせて、陰府(よみ)の画(え)に立つ不幸の自主(あるじ)は残香(かおり)を忘れて「自由」を採った…。自体(おのれのからだ)を景色に束ねた「未来(さき)の両腕(かいな)」は烈しく畝(うね)り、白亜(しろ)い小宙(そら)から雅楽が殺める向日の夜空を紅(あか)く染め尽(き)り、脆弱(よわ)く集まる卑屈の信途(しんと)は無罪を失(け)し得る同盟だけ得た…。旧来(むかし)の生憶(きおく)が地団太踏みつつ、旧い夜宙(よぞら)は加減を識(し)らずに、「一幻(ゆめ)と自己(おのれ)の過去」の生憶(きおく)を夢中に懐ける吟味を追った―――。旧来挿話(むかしばなし)を密(みつ)に投げつつ不解と快無(オルガ)の連鎖を観たのは、「一幻(ゆめ)の常識(かたち)」に無知を束ねる無論の生絆(きずな)に概(おお)きく統(たば)ねて、幻覚(ゆめ)の孤憶(こおく)を景色に尋ねる常人(ひと)の自主(あるじ)を姑息に保(も)った―――。孤踏(ことう)に統(たば)ねた生憶(きおく)の耽美は無知に阿る未来(さき)を拵え、「幻想(ゆめ)と無口」の生憶(きおく)の概(おお)さに無陋(むろう)を気遣う不忠が飛び立ち、人間(ひと)に見え去る生憶(きおく)の総理(すべて)は無冠に沿い浮く美識(びしき)を買った…。素人(ひと)の気憶(きおく)に甲斐が立ち浮く未亡の主観(あるじ)と個録(ころく)が在れども、一人(ひと)に繁れる無憶(むおく)の規律(おきて)は無知に咲かせる生憶(きおく)を幻見(ゆめみ)て、真昼(ひる)を流離う既知の生命(いのち)は無言に成り立つ謳歌を買った…。論考して生く空虚の大海(うみ)には個録(ころく)が活き発(た)つ不安が現れ、未来(さき)に尖れる白亜(しろ)い靄には、幻想(ゆめ)と四季(きせつ)の連鎖が取り持つ「不相(ふそう)の淡味(あわみ)」が端麗(きれい)に在った…。自己(おのれ)の無知から孤高を見渡す不義の要(かなめ)を未来(さき)に欲しがり、低い白雲(くも)から自主(あるじ)が跳び出す無音の生気が静間(しずま)へ還ると、起死に寄り付く〝向日の景色〟が選り取り見取りに形成(かたち)を準え、自己(おのれ)の無心(こころ)に尖れる空虚は未信の許容(なか)へと失われて往く…。無駄を省ける奈落の底には翌朝(あさ)の自主(あるじ)が器用に空転(ころ)がり、「一幻(ゆめ)の堕ち度」に無解が蔓延る〝人体(からだ)の四季(きせつ)〟が私牢(しろう)を訴え、気楼の進度(しんど)を暗(やみ)へ届ける不解の自主(あるじ)に浸透して居る…。幻想(ゆめ)の初歩(はじめ)に小首を傾げて、記憶の許容(なか)へと主観(あるじ)と往くのを、「幻想(ゆめ)の簾(すだれ)」に手立てを持てない低い躰の未完(みじゅく)が見上げて、疲労に伴う無口の両刃(やいば)は表情(かお)を保(も)たない不倖を立ち上げ、幻想(ゆめ)の既憶(きおく)と暴れる素顔は未順(みじゅん)を報せぬ邪気鬼(オーガ)を保(も)った…。人間(ひと)の成れから空虚を煎じる未活(みかつ)の主観(あるじ)は来手毬(こてまり)など保(も)ち、幻覚(ゆめ)の狂句に再現して往く巨躯を堕とせる〝旧(ふる)びた明句(めいく)〟は、幻想(ゆめ)の元(もと)から個録(ころく)を保(も)たせる不老の小敗地(アジト)と決判(けっぱん)しながら、低い成りへの労苦の途(と)に就く「不倣(ふほう)に埋(うず)まる未屈(みくつ)」を飼った…。自己(おのれ)の掌(て)に立つ滑稽(おかし)な冥利の労苦を買うのは、不義を肴(さかな)に糸目を付けない〝不装(ふそう)の羽音(はおと)〟を審議に保(も)ち出せ、「幻覚(ゆめ)と未活(みかつ)」の独気(オーラ)の様子を人間(ひと)の温味(ぬくみ)に端正(きれい)に置くのは…、不在と哀れの呼吸に繕う〝無知の枯渇〟の恋慕と成った…。未亡に包(くる)まる「不義の要(かなめ)の滑稽(おかし)な形成(かたち)」は、低い白雲(くも)から無知を拡げる不倖の暗黙(やみ)など身蔵(みくら)に立たせて、幻覚(ゆめ)と〝女性(おんな)〟の両方から観た旧来(むかしから)得た生憶(きおく)の数には、陰府(よみ)の挿話へ未来(さき)を報せぬ不快の自主(あるじ)が荘厳だけ得た…―――。役に立たない日本の組織は日本人(ひと)の嫌味が根削(ねこそ)ぎ幼稚で、不毛に囀る目暗(めくら)の主観(あるじ)を主権(おかみ)に対して張(ば)ら撒き始めて、非道(ひど)い欲から翻弄され往く村の派閥が確築(かくちく)され活き…、酷く堕ち込む「ソドムとゴモラ」が一人(ひと)の理解を失わせて居る…。無謀の四隅(すみ)へと理解を問うのは暗黙(やみ)の集成

(シグマ)の仄(ぼ)んやりばかりで、人間(ひと)の気持ちが失くなる目前(まえ)には無暗矢鱈の人間象だけ観て、分厚(あつ)い景色の独理(ドグマ)の無形(かたち)は広い進度(しんど)の界(かぎり)に在った…。

      *

 …「あたし、今の生活に、見切り付けようかと思って居るの。なんだか、旦那もあたしも今、疎遠で、早く離婚する事を狙ってるのよね」

と房子が言い、俺はなお房子に近付きたくなり、房子の事が好きに成り、房子の悪い性癖のようなものに興奮をした。早くそう成れ、成って、俺の物(もの)にでも成ってくれ、等と思って居た。そう思いながらも俺は、聖書に記されて在る姦淫の罪を犯して居る自分に痛いほど気付いて居り、後悔と不安の念に苛まれて居た。

      *

 幻想(ゆめ)の許容(なか)へと混沌(カオス)が解(と)け込み、暗(やみ)の既憶(きおく)を無重に帰(き)す頃、無鈍(むどん)の生絆(きずな)を憂慮に手向ける不快の小敗地(アジト)は占領されつつ、不明に透れる精神(こころ)の身重は〝加減〟を知らずに無感を買った…。幻想(ゆめ)の形成(かたち)は伸び生く儘にて思闘(しとう)の演戯で夢中に成りつつ、不名誉から得た精神(こころ)の暗(やみ)には人間(ひと)のきらいが〝落ち度〟を見付けて、不名誉から得た乱心(こころ)の暗間(やみま)は痛快ならでは斬新だけ見て、人間(ひと)の生憶(きおく)を手玉に取り行く無効の撤廃地(アジト)に集約され得た…。未知に紐解く無限の灯(あか)りは苦業(くぎょう)に遺棄する夢中を捨て去り、明日(あす)の「鎧」に小手を付け得る魅惑の隙間を嗣業に阿り、安い魅惑を好(よしみ)へ預ける浮浪の景色に斬新(あらた)を見遣ると、幻想(ゆめ)に死太(しぶと)く躰を集めた思牢(しろう)の舵など傍観して居た…。魅力の一界(かぎり)に男・女(だんじょ)が落ち着き、一人(ひと)の生気が許容を見るのは…、無茶に呼吸(いき)する孤業(こぎょう)の宮(みやこ)と無図(むと)の集成(シグマ)に空間(あいだ)を睨(ね)め付け、明日(あす)の文言(ことば)と生憶(きおく)と今日(きょう)の流行(ながれ)と幻覚(ゆめ)に寄り添う見様(みよう)の無覚(むかく)は、明日(あす)に彷徨う「幻(ゆめ)の気色の思牢(しろう)が欲する悪夢」を識(し)った…。一幻(ゆめ)と感覚(いしき)の堂々巡りは一人(ひと)の果実に脚色(いろ)を付け活き、昼の最中(さなか)に悪態吐(づ)き生く浮浪の同調(シンパ)に呼吸(いき)を捨て去り、淡い気色が〝一女(おんな)〟を描(えが)ける魅了の空間(すきま)に暗(やみ)が透った…。一人(ひと)に見果てる景色の許容(うち)には無根が宿れる蟲(むし)が散ら張(ば)り、廻転(かいてん)して生く不動の合図は「幻(ゆめ)の御託」を奇想へ遣った…。自体(おのれ)の無地(むじ)から天(そら)が高鳴り、一人(ひと)を企む不思議の周りは「一幻(ゆめ)の最中(さなか)」を小手に縁取(ふちど)る思業(しぎょう)の相図(あいず)に貴く観た儘、房子の孤独を無傷で翻(かえ)せる「幻(ゆめ)の進度(しんど)」へ概(おお)きく買った…。幻想(ゆめ)の無学を世情へ与(あず)ける不義の要(かなめ)を魅惑に受け取り、未信に侍らす運動ばかりが稀有に見て取る不義の肴(さかな)で、人間(ひと)の当てへとその身を懐ける「自由の宮(みやこ)」は大手を振った…。幻覚(ゆめ)に賄う自動の一界(かぎり)は化身に好く似た乱心(こころ)を観た儘、白亜(しろ)い自主(あるじ)に無心を語れる不通に仰け反る乞食を哀れみ、培う記憶は両掌(りょうて)に弄(あそ)べる不安の両眼(まなこ)へ爽快だけ見た…。自己(おのれ)の小宮(みやこ)にしっかり羽ばたく〝幻(ゆめ)の宮(みやこ)〟は極(きょく)を幻見(ゆめみ)て、転々(ころころ)空転(ころ)がる不当の独歩(あゆみ)は既憶(きおく)に高鳴る狭筵(むしろ)を拡げ、無心に羽(は)ためく奇怪の魔の手は行く手を拡げる不解を観た儘、「幻(ゆめ)の生憶(きおく)」と両眼(まなこ)を拡げる無戒(むかい)の気色は荘厳だけ見た…。賢く語らう無知の独語(かたり)は〝幻(ゆめ)の日(ひ)の粉(こ)〟と胴体(からだ)を仕分けて、暗黙(やみ)に逆らう寂寥ばかりが呼吸を気取れる憤怒を導き、〝幻(ゆめ)〟と〝一女(おんな)〟の表裏の歌には「世間の独語(どくご)」が家宅を詠んだ…。「明日(あす)の個録(ころく)」に自由が栄える無知の独歩(あゆみ)は人間(ひと)を養い、不尊(ふそん)に落ち着く孤独の行方は金(かね)を掌(て)にして無解(むかい)を養い、旧い形成(かたち)の日(ひ)の粉(こ)は未(いま)でも〝身欲(よく)の迷い…〟を不従(ふじゅう)に保(も)った…。分厚(あつ)い精神(こころ)を無学に追い込み、流離う景色は不感に落ち込み、真白(しろ)く輝く一重(ひとえ)の葦(あし)には不尊(ふそん)に咲き生く「不快の自覚(かくご)」に程好く陥り、不義を通して精神(こころ)を儲ける個録(ころく)の摂理は波紋を呼んだ…。「幻(ゆめ)」と「御託」の無心に追い付き、加減を見知らぬ偉業の総理(すべて)は幻覚(ゆめ)の八性(おろち)に無産を牛耳る無己(むこ)の示唆へと波紋を呼び込み、乱心(こころ)の哀れを武士に置き去る無謀の両眼(まなこ)の選択にも在る…。無限に亘(わた)れる個録(ころく)の大器(うつわ)が見本に手向けた白紙を練り上げ、無己(おのれ)が交せる精神(こころ)の準備は思想に寄り添う順路を採った…。無機の夕なに馬酔木を打ち切り、人山(やま)の魅惑を糧に問うのは、幻想(ゆめ)の交響(ひびき)と我慢をして生く孤高の飛来と無心に置き去り、自己(おのれ)の肢体(からだ)を不本に見合わす女性(おんな)の自主(あるじ)と股間の温味(ぬくみ)は、気楼に落ち着く両刃(もろは)の様子を両腕(かいな)へ見渡す不規則へと遣る…。未知の目下(ふもと)を自由に象る呼吸の両刃(やいば)は樞(ひみつ)を打(ぶ)つけて、分厚(あつ)い人形(かたち)に身重を報せる不本の御力(ちから)を両刃(やいば)に焚き付け、暗(やみ)に任せる私宝(たから)の地図など宙(そら)に見上げた景色に彩(と)った…。自己(おのれ)の肢体(からだ)を自由に保(も)ち出す〝しどろもどろの天の懊悩(なやみ)〟は、「幻(ゆめ)と景色」の手厚い界(かぎり)の無穏(むおん)に見渡す不幸を感じ、慌てふためく精華(はな)の魅惑は佳日に悟らす言語を買った…。白亜(しろ)く爛れる個録(ころく)を尊(たっと)び、精神(こころ)に任せる暗黙(やみ)の宙(そら)には、自由に挙がれる呼吸(こきゅう)の流行(ながれ)を未知に託せる不安が蹴上(けあ)がり、身欲(よく)に任せて不解を問い往く自体(おのれのからだ)を聡明(あか)るく観て居た…。形が無いのを有形(かたち)と見て活き、夢想(ゆめ)と乱心(こころ)の滴の体(てい)では、自白(しろ)い無形(かたち)に自己(おのれ)を立たせる旧い個録(ころく)に文言(ことば)を尊(たっと)び、無心に気取らす無益の幸(こう)には、不安に導く肢体(からだ)を彩(と)った…。「一幻(ゆめ)」の無形(かたち)に残酷だけ在り、無知の肴(さかな)に既憶(きおく)が沸き立ち、自由が窄める未活(みかつ)の勇者は俗世(このよ)を棄て尽(き)る髑髏を観る内、…無界(むかい)に静まる逆飾提想(アンチテーゼ)は不尊の寝入りに逆賊だけ見て、使途(しと)の要(かなめ)に呼ばれる憂慮は「下らなさ」に観る不幸を取った…。無機の柔裸(やわら)に加言(かごん)が立つのは不義に息(いき)する胴の撓(たわ)みで、「幻(ゆめ)の生命(いのち)」に孤独が居座る不良の延命(いのち)は我楽多など観て…、自体(おのれのからだ)に不解を通せる「堕落の賄賂」が餌食と成った…。過去に息衝く不明の賄賂は無知に佇む〝人間(ひと)〟を好く観て、孤奏(こそう)に慌てる無言の相図(あいず)が聡明(あか)るい場所から孤独を振り撒き、無知の柔裸(やわら)に呼吸(いき)を吐き生く不足の演戯に同調(シンパ)を観て居る…。無限に哀しむ未惑(みわく)の景色が「過去の肴(さかな)」に当てを見るのは、暗黙(やみ)の四季(きせつ)に躰が足りない〝不毛の遊路(ゆうろ)〟の孤業(こぎょう)に息衝き、深い記憶を上手(じょうず)に亘(わた)れる「旧い定規」は「明日(あす)」から成った。「幻想(ゆめ)と現(うつつ)の呼吸の暗路(あんろ)」は陽(よう)の四季(きせつ)を縞に彩り、理想を失う陰府(よみ)の景色の「奇想」を伴う順路を採った…。幻(ゆめ)と自体(おのれ)の旧(ふる)さを保(も)たせて、自由に流行(なが)れる「孤独の佳日」は、嗣業に基づく呼吸(いき)する不本に位置取る奥義(おくぎ)を履いた…。器用に先取る呼吸と延命(いのち)は自活(かて)と生命(いのち)を拷問しながら、既憶(きおく)の隅へと〝無限〟を呈(しめ)せる不義の自覚(かくご)を天(あめ)に捨て去り、陰府(よみ)の許容(うち)へと端正(きれい)に片付く不老の小敗地(アジト)は人間(ひと)へと失(き)えて、明日(あす)の肴(さかな)の感覚(いしき)を保(も)つのは「端麗(きれい)な肴(さかな)の空虚」であった…。執拗(しつこ)い無形(かたち)で独理(ドグマ)を奏でる無極(むきょく)の空虚を躰に識(し)りつつ、〝自己(おのれ)の不出来〟を身重に隠せる〝産乱時期(さんらんじき)〟には、深い生憶(きおく)が個業(こぎょう)を尊(たっと)び、男性(おとこ)と一女(おんな)の一座に始まる無心の哀れは摂理を問う儘…、幻覚(ゆめ)の感覚(いしき)へ身蔵(みぐら)を乞うのは「一人(ひと)の八性(おろち)の発想」だった…。乱心(こころ)に基づく不義の要(かなめ)は身入(みい)りの少ない嗣業に感けて、弄(あそ)び相手が〝星(ほし)〟に成る等「固陋の景色」は義憤に慌て、無識(むしき)に汲み取る虚無の秩序に生命(いのち)を見送り、明日(あす)の為にと故郷を相(あい)する素業(すぎょう)の景色を相手に保(も)った…。無知に活き尽(き)る不惑の夕べは乱心(こころ)の佳日を躰に牛耳り、安く見積もる孤業(こぎょう)の安堵は甲斐に追い付く個録(ころく)と成った…。

      *

 …俺も先生のそんな予期しなかった言葉に何やかや対応して居た。しながら俺は、自分の陰茎を又房子先生に見せた。先生に見せながら、自分でもまじまじ見て居た。見ると、何か、青虫の気門のような固い点の突起が、俺の陰茎の表皮に規則正しく無数に行列して居るのが判った。気門のような黒い点と点とが、ビニール糸のような見えない糸で結ばれ、ボンレスハムの網目のように、俺の陰茎の表皮に食い込んで居たようだった。房子もその点の突起をまじまじ見て居たようだ。手術で、俺の陰茎はでかく成って居た感があった。

「これか…房子をその気にさせて、狂わしてたんは…」

等と俺は仄(ぼ)んやり思いながら、自分の陰茎の見知らぬ間での成長に驚いて居た。所謂、愛露(えろ)い真珠の様(よう)だった。

      *

 幻想(ゆめ)と個録(ころく)の大器(うつわ)の果(さ)きにて、暗(やみ)の静寂(しじま)に落ち着く身元は、化粧を施す愚行の思乱(あらし)の価値を失くせる恩義を識(し)った…。白亜(しろ)い景色の微妙の精華(はな)には幻想(ゆめ)の個録(ころく)が疾走して活き、自己(おのれ)の正義を不問に置くのは無傷に示せる苦労を採った…。無知の絵具(えのぐ)を恋に列(なら)べて記憶の身辺(あたり)に邪気が繁(しげ)れど、安(やす)む間も無く既知の傀儡(どうぐ)は呼吸の無機から宙(そら)を見上げて、生憶(きおく)の調度を感覚(いしき)に立て得る不通の一夜(とばり)に〝奈落〟を観て居た…。樫の木の下(した)、幻想(ゆめ)の許容(うち)へと温(ぬく)める気色は〝見様見真似の脱走〟でもあり、分厚(あつ)く仕上がる人壁(かべ)の上では微妙に流離う消沈すら在る。ぐらぐら寄り付く無敵の夜宙(よぞら)が小言を幻見(ゆめみ)て過去を立たせて、幻想(ゆめ)の甲斐から既知を退(の)け得る未開の人渦(じんか)を発砲して居た…。自己(おのれ)の無知から生憶(きおく)を往くのは室(むろ)の内での許容と成り活き、未然に澄み尽(き)る八性(おろち)の様子は不意に浮べる既憶(きおく)を並べて、暗黙(やみ)の景色を感覚(いしき)に発(た)たせる浮浪の先祖に消沈して居る…。無機の生果に自体(おのれ)が立つのは不快の哀れが根気を失くせる、不名誉から立つ神秘(ふしぎ)の所以(ありか)の「向日に幻見(ゆめみ)た貪欲」から鳴り、私闘に与(くみ)する惨い四季(きせつ)は浮浪に這わせる朝日であった…。

 過去の生憶(きおく)は小宙(そら)に浮き立ち、惨い生果の安堵の果(さ)きでは、無心の一女(おんな)が紅を引く儘〝浮遊〟に尋ねる未言(みげん)の間(あいだ)に〝成らず者〟から感覚(いしき)が遠退く漆黒(くろ)い病魔が宙(そら)へ逃れる…。気楼に従う未信(みしん)の宮(みやこ)は自己(おのれ)の既知から仕事を絵に描(か)き、未知の行方と未然の日(ひ)の掌(て)を往くも返るも輝に見て、器用に流離う孤踏(ことう)の果(さ)きには「白亜(しろ)い禊」が糧から成った…。幻想(ゆめ)の畝(うねり)に未解(みかい)を紐解き上流から成る不解の両腕(かいな)は、生憶(きおく)に統(たば)ねる無解(むかい)の途(と)に立つ不能の恩義に執着して居る…。無痛に花咲く未知の空気は私労(しろう)の画(え)に立つ不惑(ふわく)に活き尽(き)り、旧(ふる)びた景色に未曾有を幻見(ゆめみ)る孤高の小敗地(アジト)の空虚を観て居た・幻覚(ゆめ)と孤独に過去を紐解く無沈(むちん)の優雅に既憶(きおく)を留(とど)めて、〝深い眠り〟に明日(あす)を届ける旧い律儀の苦しみなど棄て、女性(おんな)の湯浴みに過去を幻見(ゆめみ)る無能の戦禍は価値観から退(の)く…。幻想(ゆめ)と自己(おのれ)の個録(ころく)の行方は「幻(ゆめ)と既憶(きおく)の制覇」を幻見(ゆめみ)て、分厚(あつ)い廃絶部屋(モルグ)の過去への怨みは乱心(こころ)を貪る過欲(かよく)を安転(ころ)がし、白亜(しろ)い形成(かたち)の白体(からだ)の向きには「魅力に潰れる傀儡(どうぐ)」と成った…。過憶(かおく)の形成(かたち)に昇りが在る内「一幻(ゆめ)に透れる旧巣(ふるす)」は退(さ)がり、分厚(あつ)い人壁(かべ)など自由に二重(かさ)ねる不安の儀式は温身(ぬくみ)を盛(も)った…。自己(おのれ)の無知から自心(こころ)を費やす不能の儀式は夜風を振り抜き、魅惑の迷路を形(かたち)に成し生く…。幸(こう)に待ち浮く柔軟(やわら)の四季(きせつ)は不解を紐解く援者(えんじゃ)を識(し)った…。無風に軟(やわ)らぐ奇妙の流行(ながれ)は、四肢(からだ)に阿る個録(ころく)を紐解き、過去の憂いを個々に誤る「孤独の前途」に悪魔を引いた…。脆弱(よわ)り果て生く無録(むろく)の乞食は人密(みつ)の形成(かたち)を魔の掌(て)に忍ばせ、幻覚(ゆめ)の未屈(みくつ)に加護が織り成す不安の脆さを奇怪に識(し)った…。白亜(しろ)く成り立つ不安の私運(はこび)は無痛の覚悟を予算に綻び、分厚(あつ)く盛(さか)れる個録(ころく)の行方は無知に活き尽(き)る不倖を識(し)った…。名人から成る一人(ひと)の人生(みち)には、情事(こと)の無益が異なり始め、幻想(ゆめ)の無知から綻び始める不倖の「八性(おろち)」は、拡散しながら透って逝った…。暗(やみ)の無地には精神(こころ)が成り立ち孤独の身重に安(やす)みが来るのは、幻覚(ゆめ)と自己(おのれ)の把露泥(パロディ)から観て〝文言(ことば)の空虚〟を悶絶させ得た…。過去の大工を紫陽(しよう)に立たせる〝不能の塒…〟は遊気(ゆうき)を盛(も)り立て、安(やす)みに縋れる〝個録(ころく)の大器(うつわ)〟を堂々奏でる右腕(うわん)を識(し)った…。幻想(ゆめ)に捕まる八性(おろち)の定形(かたち)は一夜限(ひとよかぎ)りの右腕(うわん)に寄り添え、自己(おのれ)の無機から固陋を剥き出す〝幻(ゆめ)の安置所(モルグ)〟の絶対など在り、無知に損ねる機嫌の覚度(かくど)は〝不幸〟を掌(て)にした八性(おろち)を羨み、不倖と自体(おのれ)を唾棄に伏せ得る未覚の温度は叱咤を保(も)った…。幻覚(ゆめ)に捕まる「空虚の大海(うみ)」から〝人の世に立つ哀れ…〟が成り立ち、所々に紫陽(しよう)が成り立つ「不安要素」の加減の程度は、幻覚(ゆめ)に踏まれる個録(ころく)の無謀と暗(やみ)の霧間(きりま)の不満に成り立ち、不義を通して真理(しんり)を発(た)たせる「不安要素の定形(かたち)」だけ観る。加工が施す無言の主観(あるじ)は〝不倖〟を画(え)にした未想(みそう)に集まり、白亜(しろ)く輝く旧巣(ふるす)の純度は過去を掌(て)にした孤業(こぎょう)を羨み、未知に信じて堂々盛(さか)れる自己(おのれ)の脆さは暗闇(やみ)に転じて…、自体(おのれ)の孤独を共鳴(なげき)に渡せる不頼の還りは損なわずに居た…。不解と信途(しんと)に重々繁れる不遇の境地は無垢を高めて、病みの原価を無刻(とき)に馴らせ紫陽(しよう)の自主(あるじ)は情事(こと)の鳴く音(ね)にしっかり落ち着き、小宙(そら)の高嶺に幻覚(ゆめ)の自主(あるじ)は自己(おのれ)の最期をきちんと運び…、無像(むぞう)に亘(わた)れる旧巣(ふるす)の最期は蟋蟀(むし)の鳴く音(ね)に集まり尽(き)った…。自己(おのれ)の母体(からだ)に不満が牛耳る「幻覚(ゆめ)と個録(ころく)」の哀しみだけ観て、安く挙がれる姑息の神話は無機を生やせる私牢(しろう)を拵え、自己(おのれ)の進化を核(かく)に保(も)たせる「旧い空火(うわび)」は過録(かろく)を相(あい)し、一人(ひと)に寄り添う価値の行方は未曾有に尽きせぬ進路を幻見(ゆめみ)た…。真白(しろ)い景色に佳日を生やせる無牢(むろう)の空間(すきま)は宙(そら)に眩んで、白亜(しろ)く固まる不通の行方は過去に成り立つ旧(むかし)に落ち込み、幻覚(ゆめ)の寝言に悪夢を観るのは不安から成る呼吸の総てで、幻想(ゆめ)の空城(くるわ)が自由に立たせる不倖の若輩(やから)は〝確実〟から成る無暗に跳んだ…。幻想(ゆめ)の無知から「自己(おのれ)」が立つのは「旧い感覚(いしき)」の混沌ばかりで、表情(かお)を見知らぬ化粧の爪露布(ベール)は霧を想わす「自己(おのれ)の髑髏」は枯渇を見出せ、暗(やみ)の静寂(しじま)に未然を立たせる〝不安の絵の具〟は奇妙に散った…。旧来独語(むかしがたり)が髑髏を巻きつつ「不明」を絵にした心の行方は、情事(こと)の過録(かろく)と小声と同時に最果(はて)を知らない右翼に親しく、過去を掌(て)に保(も)つ自己(おのれ)の肢体(からだ)は呼吸を培え、不装(ふそう)に寄り添う未知の肴(さかな)は無欲に成り立つ孤宮(こきゅう)を保(も)った…。

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 …房子とベッドへ寝そべりながら見詰め合い、良いムードに成って居たが、この次は無い事を、俺は実感して居た。途中で止(や)めた事が原因だった。俺はセックス時(じ)、房子の腰や尻頬を何度も掴み直し、勢い良くピストン運動をして居たのだが、大事を採って、途中で止(や)めたのである。

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 文言(ことば)の空虚を陰府(よみ)に晦ませ、不法の八性(おろち)を芥(くず)に拝むは、幻覚(ゆめ)の遠方(とおく)を夢中に晦ます「旧い小敗地(アジト)」の見本を横目に、幻覚(ゆめ)に語れる乱心(こころ)の傀儡(どうぐ)は「不幸の手紙」を未知に訓(おし)えた…。幻覚(ゆめ)と電子に身軽を伴う脆(よわ)い葦(あし)から精神(こころ)を剥くのは、白亜(しろ)い途切りの夜半(よわ)の空間(すきま)の、〝不在に寝間(ねるま)〟を少し悼んだ…。白亜(しろ)の四季(きせつ)に〝幻(ゆめ)の傀儡(どうぐ)〟は丸く収まり、幻覚(ゆめ)に活き着く夢想の神話と無理強いして往く不装(ふそう)を剥ぎ取り、心が怯える自信の無さには女性(おんな)の気配と夜毎が立ち退(の)き、旧い景色に身悶えして生く気心(こころ)の生理は不純を照らせど、幻覚(ゆめ)と怠惰が自分を失くせる不相(ふそう)の心理を奔走させ得た。陰府(よみ)の定形(かたち)と幻覚(ゆめ)の空城(くるわ)で〝不幸〟を愛する吐息の合間は、一人(ひと)の界(かぎり)を無図(むと)へ変ずる不法の信理(しんり)へ身近を表し、陰府(よみ)の郷(くに)から自主(あるじ)を失くせる疑惑の悪夢は宙(ちゅう)を観る儘…、脆弱(よわ)い意志から無刻(むこく)を這わせる〝自己(おのれ)の記憶〟を創生(そうせい)して居た…。

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 一切を捨てろ。

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 幻覚(ゆめ)と乱心(こころ)の聖夜の流行(ながれ)は既憶(きおく)の許容(うち)から無意志を表し、生死の暗(やみ)から精神(こころ)を刻める不穏の奈落は孤踏(ことう)の自主(あるじ)を進歩に見定(さだ)めて、落ち着く先には無知が綻ぶ〝麗しき…〟を観て無謀を消し尽(き)り、〝幻覚(ゆめ)に集まる魅惑の聖夜〟は不安に安らぐ奇跡を観て居た…。精神(こころ)の魅惑と無心の主観(あるじ)は〝核(かく)〟を観るまま白紙を和らげ、旧い巨躯から無想を立たせる不落の〝感覚(いしき)〟が血路を開(ひら)き、幻(ゆめ)の残骸(むくろ)を生跡(きせき)に差すのは「不穏続き…」の幕開けだった…。幻想(ゆめ)と奇跡が乱心(こころ)に弄(あそ)べる孤高の熟路(じゅくろ)を根絶やしもして、気憶(きおく)の暗間(やみま)は表情(かお)を拡げた〝無機の肴〟の上手(じょうず)を採った…。自己(おのれ)の両刃(やいば)を乱心(こころ)に解(と)き付け、旧い景色は既憶(きおく)の片隅(すみ)にて脆弱(よわ)い定形(かたち)を翻(かえ)して行った…。幻想(ゆめ)に浮べる不老の小敗地(アジト)は加減を知らずに孤独を羨み、漆黒(くろ)い御託に人見(ひとみ)を並べる未想(みそう)の餌食を褥に遣った。紅(あか)い規則を小手に沈めて遊びの快無(オルガ)は人密(みつ)に馴らせど、興(きょう)を求める嗣業に落ち着け、「不毛」に慣れ生く独創(こごと)の模様は男女(ひと)に合さる不審に成った…。魅力を伴う吟味(あじ)の糧には終始が脈打ち、無謀の努力を延々続ける孤独の独気(オーラ)はどっさり活き立ち、「不毛に輝く二寸の両掌(りょうて)」で目下(ふもと)を賑わす男女(ひと)の群れには、幻想(ゆめ)と孤独の網羅が撓(たわ)める不尊の熱尾(ねつび)を上々させ得た。心を取り持つ神秘(ふしぎ)の辺りは、未信(みしん)に償う正義は幻見(ゆめみ)て、気軽(かる)く無知の柔裸(やわら)に不当の真理(しんり)をふとふと保(も)った…。自己(おのれ)の過去から無縁が成り立つ不義の要(かなめ)は不肖を沸かせて、反論して生く孤独の〝独気(オーラ)〟は無己(むこ)を澄ませて呼吸を企み、現在(いま)の様子を全て落せる「諦念から成る人生」さえ解(と)く。一幻(ゆめ)と形の無根の譲渡は、現行(いま)の流行(ながれ)を更に与(くみ)する不倖の生憶(きおく)にその芽を注ぎ、分厚(あつ)い人壁(かべ)から向日を立たせる不義の様子にそのまま載った…。孤独の主観(あるじ)と無根の既憶(きおく)は「不在」に成り立つ不義を叶えて、人生(みち)の半ばで脱線して行く〝不浪の同調(シンパ)〟を拾って在った…。旨(むね)の思乱(あらし)を混沌(カオス)に見立てて自由を愛する往路(おうじ)に見立てて、白亜(しろ)い黒地(くろじ)を悪夢に見立てた「私牢(しろう)」に対する個録(ころく)に見合せ、氾濫して往く不法の自主(あるじ)は過去の栄華に没頭して居る。漆黒(くろ)い自然(あるじ)に木の葉が散らばる無能の朝日が人頭(どくろ)を引き出し、〝不在〟に相(あい)する不夜の相図(あいず)は総出を織り成す精神(こころ)に透り、祭囃子を孤高に絶え貫(ぬ)く暗(やみ)の乱心(こころ)は生憶(きおく)に通り、幻覚(ゆめ)の自活(かて)へと生き抜く勇者は広い成果(かなた)に小躍(おど)って往った…。幻想(ゆめ)の無知から自己(おのれ)の無知まで、一夜(ひとよ)咲けずの過言(かごん)を無視して、暗(やみ)の成果(かなた)を浮世に相(あい)せる不忠の彼方を感覚(いしき)に観る時、寝る間(ま)を惜しんで詮索するのは〝幻想(ゆめ)の撓(たわ)み〟の真逆であった…。自己(おのれ)の無知から思牢(しろう)が途切れて、白亜(しろ)い孤独が無心を吐いても、分厚(あつ)く滾れる不動の小敗地(アジト)は界(かぎり)を採らない孤高を裏切り、自己(おのれ)の無理から過去を活き出す〝不安に留(とど)めた姑息の董(とう)〟には、不安と色めく本能(ちから)が付いた…。分厚(あつ)い人壁(かべ)から乱心(こころ)が想わす旧い待ち火(び)は「不安」を見出し、暗(やみ)と一人(ひと)との幸(こう)の温度を「無知」に活き尽(き)る不能を観た儘、過去の脆(ぼろ)さを未完(みじゅく)に育てる不安の最後に奔走して居た…。自体(おのれ)の過去から〝薪割(まきわ)り〟だけ観る不相(ふそう)の様子は雰囲気(オーラ)を脱ぎ捨て、白亜(しろ)い四季(きせつ)に活き活きして生く「幻(ゆめ)の豪華」は根耳に追い付き、覆い被(かぶ)さる小宙(そら)の合図は曇りを待たずに展開して行く…。不安と未来(さき)への不純の活命(いのち)は、無垢に責め寄る不解を見合せ、旧い佳日に〝一人(ひと)〟を絡める無戒(むかい)の輪舞曲(ロンド)と人間(ひと)を併せる旧い千夜(とばり)が…、靄の掛かった不快の人扉(とびら)を極めて朗(あか)るく開(ひら)いて往った…。自己(おのれ)の秩序と〝杜の主宴(うたげ)〟は夜通し開(ひら)けて孤踏(ことう)を産み往く既憶(きおく)の盲者(もうじゃ)を無理に生育(そだ)てて悪びれ始めた…。幻覚(ゆめ)に始まる無憶(むおく)を目前(まえ)に、無知の既憶(きおく)へ「自由」を書くのは、一幻(ゆめ)の始めへ〝無理〟を通せる不頼の小敗地(アジト)を自由に這い摺(ず)り、自己(おのれ)の口から「自由」を通せる不頼の撤廃地(アジト)に撤廃して居る…。服を脱がせた精神(こころ)の人密(みつ)には機様(きよう)に磨ける無理から立ち退(の)き、「不安」ばかりをその掌(て)に暈化(ぼやか)す不幸の魔の手に自由を売った…。自由(おのれ)の形(かたち)は無限に突く練る驚々(おどろおどろ)の無解(むかい)に拡がり、脆弱(よわ)り始めた無垢の相図(あいず)と個録(ころく)の幻(ゆめ)とが、「幻覚(ゆめ)の相図(あいず)」と姑息を想わす不貞の自覚(かくご)を充分売った…。自己(おのれ)の表情(かお)から不幸を見落とす旧い欠片(かけら)は人密(みつ)を脱ぎ去り、白亜(しろ)い四季(きせつ)に如実を昂(たか)める自己(おのれ)の葦(あし)など董を往く内、幻覚(ゆめ)に覚め得る未活(みかつ)の長(ちょう)など人間(ひと)の〝活き血〟を弄(あそ)び始めて、未亡と孤独を自体(からだ)に差すのは小宙(そら)に見上げる固陋であった。幻覚(ゆめ)と律儀の個録(ころく)の相(そう)から一人(ひと)の恨みは何処(どこ)でも切り捨て、小雨が降る夜、人間(ひと)を観るのは〝旧来独語(むかしがたり)〟の聡明でもあり、日々の労苦に感覚(いしき)を問うのは不安掛(ふあんが)かりの陣営でもある…。無難に活き発(た)つ遥かの旅路は、白亜(しろ)い景色を感覚(いしき)に問い掛け、不倣(ふほう)に息衝く孤独の盲者(もうじゃ)は不義を要(かなめ)に人煙(けむり)を上げつつ、不尊に始まる旧(ふる)びた白雲(くも)には無茶を追うまま天下(てんか)に鳴いた…。

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 …成せば成る…、人と男女(ひと)との自主(あるじ)の行方は、既憶(きおく)の蝙蝠傘(かさ)から生命(いのち)が差し込み、無暗矢鱈の涼風(かぜ)の生憶(きおく)の、土台(ベース)を織り交ぜ奮装(ふんそう)して居る…

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 夢想の絵具(えのぐ)に人密(みつ)が気取られ〝縁(ふち)〟を想わす愚鈍を観る時、余所の許容(うち)から疲労が問うのは無機に奏でる不安と一緒で、自体(おのれ)の生憶(きおく)に独理(ドグマ)を問うまま広い傘下で決死を観て居る。夜半(よわ)の月(つき)から運の尽き迄、疲労に問われぬ〝暗(やみ)の八頭(おろち)〟は、一人(ひと)の糧から〝自活(じかつ)〟を仰げる疲労の前途に生命(いのち)を保(も)った…。

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 …房子とベッドで寝て居るその部屋に、父親、顔の広い女、パーマネントのとっぽい初老(乗りの良い固い男も居たかも知れない)、E教会の誰か、何かが、俺達から目線を逸らす形で入って来て居た。俺達が居た部屋には、何か誰でも入れる、白い、壁の無い部屋の様(よう)だった。

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 幻想(ゆめ)に始まる孤独の小宙(そら)には「不毛」と呼ばれる樞(ひみつ)が捕われ、未聞(みぶん)の仕切りが過去を操る不義の初出(はじめ)を未知に紐解き、自己(おのれ)の不覚と自己(おのれ)の連想(ドラマ)を夢中に冷やかす独気(オーラ)を保(も)った。都会の四隅(すみ)から過去を紐解く不解の小敗地(アジト)は活き血を追い駆け、無暗矢鱈に小宙(そら)を眺める「人間(ひと)の強靭(つよ)さ…」を見物(みもの)にする程、幻覚(ゆめ)の遠さに〝隔離〟が拡がる不義の奥義(おくぎ)を悪夢に観るのは、幻(ゆめ)と主観(あるじ)の文言(ことば)の許容(うち)から興(きょう)を紐解く無実を掌(て)にして、分厚(あつ)い人壁(かべ)から郷里を燻る幻覚(ゆめ)の審理は日々から退(の)いた…。自己(おのれ)の形成(かたち)を集成(シグマ)に操る未毛(みもう)の四季(きせつ)は形成(かたち)を這わせて、女性(おんな)の堅気に興(きょう)を流離う不義の要(かなめ)を自由に遣るのも、幻想(ゆめ)に集まる「自由の孤独(かたち)」に悪魔を募れる旧い進度(しんど)の自主(あるじ)を成すのは…、マンネリして生く苦労の共鳴(さけび)と真向きに捉えた律儀であった…。過去の駆逐を無考(むこう)に携え、自体(おのれ)の暗(やみ)から混迷(カメオ)を見るのは、幻覚(ゆめ)の縁(ふち)へとお暇(いとま)して生く浮浪の生義(せいぎ)とごまんに抗い、苦悩して生く福(ふく)の神には未熟が伴う〝未然〟が現れ、幻覚(ゆめ)の過去から一通(とおり)を忘れた「旧い気色」を煩悩にも見た…。行方知れずの吐息の許容(なか)から〝呼吸の身軽〟に不覚が問うのは、人間(ひと)の自主(あるじ)が枠を知らない不義の要(かなめ)の身欲(みよく)の相図(あいず)で、自己(おのれ)の過去から自主(あるじ)を究(もと)める不純の祈りに未知を保(も)つのは、無機に損ねた未盲(みもう)の最期の〝不解に伴う最後〟と成った…。私闘に統(たば)ねる未聞(みぶん)の園(その)から〝栄華〟を求める呼吸は和らぎ、幻(ゆめ)と自体(おのれ)の過保護の弱みは鬼畜を問うほど主宴(うたげ)を催し、暗(やみ)の底へと未覚を画(え)にする不装(ふそう)の進化は一夜(とばり)を見直し、分厚(あつ)い空壁(かべ)から八性(おろち)を費やす不法の想起を傍らへと遣る…。無己(むこ)の気色と自己(おのれ)の気色は舞踏を観ながら究極(ひかえ)を掌(て)にして、分厚(あつ)い過去から〝自己(おのれ)〟を手にする不倖の夜宙(よぞら)へ灯(あか)りを見守る…。不忠に息(いき)する古聞(こぶん)の行方は生憶(きおく)の絵空(えそら)を無理に高らめ、緩い自主(あるじ)を夢中に紐解く不解の流行(ながれ)に四肢(てあし)を採った…。白亜(しろ)い形成(かたち)を快無(オルガ)に透せる旧(ふる)びた悲鳴は絵空を冗(じょう)じて、暗(やみ)の許容(なか)から郷里を幻見(ゆめみ)る自己(おのれ)の孤独は素(そ)にして漏らさず、明日(あす)と現行(いま)との安い孤独を孤高の独理(ドグマ)へ廻転(かいてん)させ得た…。不自由無く得る精神(こころ)の生気は余談を退(しりぞ)け、自己(おのれ)と現行(いま)との仄香(ほのか)の主宴(うたげ)は過去を絵に観て境界さえ引き、幻想(ゆめ)の独理(ドグマ)の未知の四肢(てあし)は不倖に好く似た自然(あるじ)を見付けて、深い吟味(あじ)から故郷を相(あい)する「不敗の信理(しんり)」をこよなく好いた…。涼風(かぜ)と記憶の自在を愛せる不機(ふき)を目にした過程の進理(しんり)は、幻覚(ゆめ)の内実(なかみ)を許容に与(あず)ける無心の日(ひ)の掌(て)に自己(おのれ)を撓(たわ)め、明日(あす)に好く似た無口の余韻(のこり)は仮思(かし)の元(もと)にて夜半(よわ)を注(つ)ぎ込み、柔い愚息を孤踏(ことう)に阿る〝不解の餌食〟を呼吸に返す…。不利を画(え)にする未覚の相場は不解を宿せる八性(おろち)を酔わせて自己(おのれ)の底から真価を問わせる「不能の空間(あいだ)」を律儀に設け、仮思(かし)の間(あいだ)の土偶に〝幻(ゆめ)と協議〟が文句(ことば)を詠むのは、幻(ゆめ)の白亜(しろ)さと減影(げんえい)だけ観る余程の八性(おろち)を減退させ得た…。現代から観た精神(こころ)の放棄は、無知を気にする無戒(むかい)を画(え)にして、幻想(ゆめ)と精華の気憶(きおく)の迷いを問わず語りで女性(おんな)に表せ、未憶(みおく)に尽(つ)きせぬ嗣業に概(おお)くの精神(こころ)の途切りは、思牢(しろう)に尽せる乱心(こころ)の在り処と無知を縁取る謳歌を買った…。無造(むぞう)に落ち着く文言(ことば)の暗(やみ)には〝幻(ゆめ)の生憶(きおく)〟が充満しながら、白亜(しろ)い暗間(やみま)にするする解(ほど)ける吐息の流行(ながれ)は鮮明とも成る。孤独と生体(からだ)に〝相手〟を探せる不安の界(かぎり)は度胸を逆手(さかて)に〝不運〟を知らせる業(ぎょう)の類(たぐい)は、不孝を絵にして呼吸を安(やす)める不悶(ふもん)の小敗地(アジト)に鮮烈だった。時計に傾く宿(やど)の既憶(きおく)は上々逆立(さかだ)つ優雅を掌(て)にして、不孝に落ち着く幻覚(ゆめ)の餌食を精神(こころ)の明度に久しく観た儘、流浪に彷徨う不覚の撤廃地(アジト)は金銀豊かな空間を観た…。分厚(あつ)い人壁(かべ)から未完(みじゅく)が齎す不装(ふそう)の迷路は加減を知りつつ、「不毛の欲芽(よくめ)」を乱心(こころ)に留(と)めるは幻(ゆめ)の八性(おろち)の流行(ながれ)と同じで、既憶(きおく)に名高い葦(あし)の辺りは未完(みじゅく)に赴く人煙(けむり)と同じで、幻覚(ゆめ)の夜半(よわ)から成熟だけ観る「人形(ひとのかたち)」を動作に彩(と)った…。家宅を絵にする不業(ふぎょう)の分業(ノルマ)に「精神(こころ)の小敗地(アジト)」は翳りを知りつつ、不解に息衝く不遇の記憶は〝夜半(よわ)の辺り…〟で残身(ざんしん)だけ観て、不幸と幸(こう)とが落ち向く先には「白亜(しろ)い日々…」など生憶(きおく)に昇れる。呼吸に映れる孤独の檻には見様見真似の生果が降(お)り立ち、「幻想(ゆめ)の純白(しろ)さ」を無機に返せる不能を画(え)にした乱心(こころ)を気にして、分厚(あつ)く辿れる景色の辿りは幻(ゆめ)を絵にする不覚を企み、人間(ひと)の世に立つ不安と幻度(げんど)は瞬く間にして孤独を採った…。〝一人(ひと)の世に立つ堕落の界(かぎり)〟は無知を気にして温味(ぬくみ)を嗜み、紅(あか)く拡がる旧(むかし)の幻度(げんど)を不幸に足(た)らしむ正義を投げ捨て、情事(こと)の無益に躰を通せる不頼の景色を感覚(いしき)に引いては、後(のち)の世に観る小柄の柄紋(えもん)の無造(むぞう)に引き摺(ず)る悪夢を描(か)いた…。分厚(あつ)い空壁(かべ)から無知を気にして旧い千夜(とばり)の勢いだけ観て、悪しき迷いに悪夢を彩る「自己(おのれ)の吐息」は自由を這わせど、幻覚(ゆめ)の効果を活き血に投げ込む空(そら)の成果(かなた)は価格を置き去り、旧い夜半(よわ)から美園(その)を荒らせる不法の小敗地(アジト)は納期を気にする…。無憶(むおく)の信者が孤独を弄(あそ)び、無知の理性(はどめ)の生命(いのち)を観るのは、過度の連想(ドラマ)を無億(むおく)に足らせる不法の温度に総身が漏れ出し、日々の根暗(ねくら)を乱心(こころ)に通せる不頼(ふらい)の悪魔に精神(こころ)が肥えた。不義に戻せる乱心(こころ)の日々には無憶(むおく)が象る無頼が朗(あか)るく、自己(おのれ)の孤独が陽(よう)に跳ぶのは不義の要(かなめ)の小敗地(アジト)に入(い)った…。幻想(ゆめ)と乱心(こころ)の不倖の暗(やみ)には不倣(ふほう)の八性(おろち)の旅路が朗(あか)るく、不義を掌(て)にした幻想(ゆめ)の点(あか)りが愚弄に焦がれて暗算した儘、不意に阿る不解の神話は無知の界(かぎり)を夢中に添えつつ、分厚(あつ)い無機から乱心(こころ)を養う不法の旅路を景色に保(も)った。不審に問われる精神(こころ)の脚色(いろ)いは過去の活路が無重を象り、安い生果の蜷局を巻くのは幻想(ゆめ)の界(かぎり)の拍子でもあり、捉えられない無知の生憶(きおく)は自由を培う平和と成った…。不機嫌から得た微量の華(あせ)には「夢の不慣れ」が自由に跳び交い日暮れ近くの不悶(ふもん)の経過を無垢に酔わせる不頼を観る儘、自由の夜空を架空に阿る「人間(ひと)の神話」を個録(ころく)と化(か)した…。過去の活き血を生地(せいち)に送れる旧い挿話に葦(あし)が架かって、自己(おのれ)の無地から絵具(えのぐ)が空転(ころ)がる〝自由〟を掌(て)にした孤独を拡げ、白亜(しろ)い佳日に無機を跳ばせる旧い労働力(ちから)の頼みの綱には、自己(おのれ)の自由が木霊を返せる小宙(そら)の歪みを生育(そだ)てて行った…。不在に統(たば)ねる精神(こころ)の精華(せいか)は「幻想(ゆめ)と乱心(こころ)の巣窟」成れども、明日(あす)の明日(あかり)を気にする事無く無様無真似(むようむまね)の起死に寄り付き、小宙(そら)の成果(はて)から自己(じこ)を操る不昧(ふまい)の進度(しんど)にその歯を買った。自己(おのれ)に相(あい)する不変の明日(あす)には不解に操る精神(こころ)が逆巻(さかま)き、無様(むよう)を象る労苦の柔裸(やわら)に女性(おんな)の気色を散々撮った…。深い思乱(あらし)を愚足(ぐそく)に並べて不意の主観(あるじ)に横目を遣る時、卑乏(ひも)じい気色の孤独を追うのは不敗に演じた無国(むこく)と成った。過去の栄華を労苦に得るうち見様見真似で不義を描(か)くのは、「幻覚(ゆめ)の千夜(とばり)」で熱を愛する〝白亜(しろ)い悪魔〟の孤独を識(し)り付け、幻想(ゆめ)の感覚(いしき)と遠方(とおく)に活き尽(き)る愚昧の演戯は形成(かたち)を失くし、暗(やみ)を相(あい)する不頼(ふらい)の安堵は不倣(ふほう)の気色を散乱させ得た。不渡りして生く夜半(よわ)の月(つき)には「不毛の餌食」が拘りだけ保(も)ち、日々の内から魅惑を保(も)ち生く孤高の人渦(うず)には「幻想(ゆめ)の轆轤」が喝采して居る。無録(むろく)の生憶(きおく)が微妙に仰け反り、暗黙(やみ)の許容(なか)では自由を掌(て)にして、日頃から成る旧い悪(あく)には不問の梯子が〝相図(あいず)〟を欲しがり、幻想(ゆめ)の既憶(きおく)に未然が働く精神(こころ)の憂慮は毅然として居る。向日に見送る前途の隙間を、日々の幻覚(ゆめ)から辿って行けば、明日(あす)に導く乱心(こころ)の主宴(うたげ)が生憶(きおく)の許容(なか)から空転(ころ)がり込んで、人間(ひと)に纏わる無為の肴(さかな)を見様見真似で分厚(あつ)く掲げた。生人(ひと)に束ねる未知の憂慮は白亜(しろ)い景色を佳日に置き去り、見様見真似で「日々」を募れる無暗(むあん)の景色を頬張り疲れた。低い白雲(くも)から自由が這い摺(す)り、日々の労苦が人間(ひと)を刈る頃、自己(おのれ)の無知から演戯を統(たば)ねる旧い途切りは必然にも在り、幻想(ゆめ)に始まる未然の自覚(かくご)は旧い人扉(とびら)を組織に保(も)った。幻覚(ゆめ)に集まる無様(むよう)の孤独は一人(ひと)の〝餌食〟に景色を見て取り、白亜(しろ)い電子の自在の匣には「人間(ひと)の悪魔」が淡々安転(ころ)がり、日々の許容(うち)から纏まる独理(ドグマ)は許容を画(え)にして遠方(とおく)を貪り、安(やす)み休みに世界を気取れる愚昧へ景色を堪能して居た…。日々の根色(ねいろ)の極めて短く、一人(ひと)と陽(よう)とが無頼を観るのは無己(おのれ)の掌(て)にした生命(いのち)を与(あず)かり、安い旧巣(ふるす)に自覚(かくご)を届ける不頼(ふらい)の小敗地(アジト)を辿って在った。人密(みつ)の気にする無刻(むこく)の両刃(やいば)は「不幸」を絵にして未解(みかい)を表せ、宙(そら)の鈍(にぶ)りを集めて燃やせる不相(ふそう)の態度の私欲(よく)に感けて、一幻(ゆめ)の実路(じつろ)で難無く絵に描(か)く不装(ふそう)の同調(シンパ)を翻(かえ)って保(も)った…―――。分厚(あつ)く成り立つ人壁(かべ)の行方は「幻想(ゆめ)の魅力」と不従(ふじゅう)に追い立ち、涼風(かぜ)の中身は旧く飾れる不倖の人形(かたち)に分身だけ見て遠慮を描(か)いた…。白亜(しろ)く成り立つ不安の前途が未知の空間(あいだ)を無残に逆立(さかだ)て、苦労の肴(さかな)は〝奇妙〟を欲する。雰囲気(オーラ)に従う不倣(ふほう)の小敗地(アジト)は「旧い人形(かたち)」は不変の経過を人途(じんと)に賭した。白亜(しろ)く蔓延る不倖の小敗地(アジト)は無垢の旋律(しらべ)を不感に追い立て、調べ尽せる孤高の思乱(あらし)は主観(あるじ)に乱心(こころ)を遣った。白亜(しろ)く積もれる不穏の勇気は不沈に活き尽(き)る譲渡を改め、旧い夜宙(よぞら)に均衡(バランス)だけ観る不完の自閉地(アジト)は聡明でもあり、〝不安〟に蔓延る無垢の柔裸(やわら)は無彩(むさい)に片付く精神(こころ)に死んだ。過去の不徳を感覚(いしき)に幻見(ゆめみ)る無想の孤独は懐古(レトロ)を欲しがり、脆弱(よわ)い過去から「不倖」を立たせる無戒(むかい)の自主(あるじ)に感覚(いしき)を解(と)いた…。問わず語りに人体(からだ)を酔わせる紺碧(あお)い形成(かたち)は小宙(そら)に蔓延り、夢中に兆して夢中を酔わせる不本の自味(じみ)には不解を保(も)った。価格を賑わす旧い定規は無根を匂わす不覚を横切り、小宙(そら)に羽ばたく無効の信途(しんと)は功徳を酔わせる神秘(ふしぎ)を識(し)った…。向日に活き尽(き)る白足袋ばかりが不倖に成り立つ不感を保(も)たせ、旧い夜気(よぎ)から無従(むじゅう)に併せる不能に見積もる精神(こころ)を買った。単純から成る不倖の小敗地(アジト)は不義を報せるmonkを貼り継ぎ、無戒(むかい)の教致(きょうち)に不感を匂わす〝髭の効果〟は無沈(むちん)を識(し)った。白亜(しろ)く成り立つ不倖の軟裸(やわら)に活き血が凍える無覚(むかく)が凍え、旧い人形(かたち)に人密(みつ)が積もれる不解(ふかい)の人物(もの)など孤独を哀れみ、無知に限れる不能の糧には「自活」に阿る生命(いのち)が在った。

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 顔の広い女はそこで初めて、学校が在る事を身振りで俺に教え、その為の準備をして居た様(よう)だった。

 父親は俺に、ライオンの抜けた毛を掃除するようにと、熊手を遣ってそれをやれ、と言って来た。始め、父親は熊手を指で指したが、何分(なにぶん)、俺と父親の位置からその熊手が離れて居り、父親が指す物が何か分らず、「何に使ったら良いのか」と俺は父親に何度か尋ねて居た。父親は変らず、仕事中に見られた、少々の怒(おこ)り調子に在った。そこへ天然パーマの大御所が現れ、掃除の仕方を父親を脇へ置いた儘、俺に颯爽と教えてくれて居た。「流石…」なんて俺は思ったりもした。掃除場所は、土の地面だった。何か、俺と房子が居た部屋の中の地面の様(よう)だった。

      *

 無知に活き尽(き)る浮浪の孤独は宙(そら)に見積もる不倫を弄(あそ)び、孤高に求める不倖の小敗地(アジト)は無知の景色に混迷して生く。旧い佳日の旧(むかし)に集まる不死の行方は人間(ひと)を丸めて、無垢の悲惨は地中に堕ちつつ、旧い自覚(かくご)は不断に見積もる。白亜(しろ)く集まる無類の気色は不装(ふそう)に媚び行く旧(むかし)に息継ぎ、不敗の肉体(からだ)を元(もと)に片付く不快の小敗地(アジト)は無知を愛した。旧(ふる)びた景色の向日に基づく不俱の幻見(ゆめみ)は不倖を相(あい)して、白亜(しろ)い佳日は人間(ひと)を象る精神(こころ)の自覚(かくご)は空地(あきち)に透れる。無謀に片付く一人(ひと)の形象(かたち)は浮浪に弾ける女性(おんな)の気色を、不解に落ち着く無戒(むかい)の生絆(きずな)は分厚(あつ)い自覚(かくご)に透って行った。自己(おのれ)の孤独を不毛に幻見(ゆめみ)る無知の成果(かなた)は悪しき秩序を喧嘩に敷いた。向日に集まる不法の自覚(かくご)は孤独を散らせる〝不解〟を幻見(ゆめみ)て、幻覚(ゆめ)と四季(きせつ)の哀れの流行(ながれ)は犬に噛まれて大変でもある。無痛に蔓延る不遇の温度は無知に見積もる不審を買った。硝子匣(がらすけーす)は不敗に息衝き大宙(そら)に集まり、女人(ひと)に象る無知の孤独は人間(ひと)の肉体(からだ)に放(ほう)って行った。無垢の空間(あいだ)に未知が息衝く「不倖の人間(ひと)」から個録(ころく)に纏わる無謀が息衝き、白亜(しろ)く輝く不幸の輪舞曲(ロンド)は大海(うみ)の藻屑に逆行(もど)って在った。人間(ひと)の肉体(からだ)が大海(うみ)に近付き、不解に集まる孤独を描き、幻想(ゆめ)の無知から一形(かたち)に落ち着く不毛の温度は冷め続けて行く。過去に落ち着く孤高の小敗地(アジト)は不敗の無垢から個録(ころく)が保(も)ち出し、白亜(しろ)く成り立つ孤独の暗(やみ)には女性(おんな)の肢体(からだ)が逆行(もど)って行った。翌朝(あさ)に息衝く旧(ふる)びた気色は不遇に象る灯(あか)りを点(とも)し、人間(ひと)の主観(あるじ)に無知の孤活(こかつ)は低い白雲(くも)から挙がって行った…。幻覚(ゆめ)の流行(ながれ)が個録(ころく)に保(も)ち出す大宙(そら)の形象(かたち)が旧(むかし)を苛み、分厚(あつ)く成り立つ乱心(こころ)の流行(ながれ)は不倖の一定(さだめ)と万(よろず)に入(い)った。無垢に蔓延る不断の中身を人間(ひと)の孤独にどんどん立たせて、不敗に基づく音(おと)の「奈落」に幸(こう)か不幸か音色(ねいろ)が響き、幻覚(ゆめ)の孤独に無毛と成り立つ「旧い形象(かたち)」を見定め始めた。夜の朝陽に不幸が成り立ち、不問に交響(ひび)ける無知の破門が並んで行った。不通に基づく日々の目下(ふもと)は無垢に概(おお)きく人形(かたち)を伴い、分厚(あつ)く成り立つ個録(ころく)の行方は無心に片付く不具合から見て、白亜(しろ)い四季(きせつ)に女性(おんな)を象る無知の行方を見定めて往く。幻覚(ゆめ)の始めに不幸が色付く幻(ゆめ)と秩序を不安に侍らせ、不様に色付く孤高の人形(かたち)は自体(おのれのからだ)を充分掌(て)にした。白亜(しろ)く成り立つ不敗の小敗地(アジト)は大宙(そら)の行方に過去を立たせて、不問と幻見(ゆめみ)る孤高の宙(そら)では、不倖に色付く孤独を識(し)った。過去の肉体(からだ)を無痛に凍える不俱の主観(あるじ)は無覚(むかく)を描き、過去に基づく個々の安(やす)みは不敗に色付く無刻を描(か)いた…。幻想(ゆめ)と精神(こころ)の濃い切り口から成る、不本の日(ひ)の掌(て)を横手(よこて)に据え立て、日々に纏わる労苦の空間(すきま)は幻見日和(ゆめみびより)に柔手(やわで)を気遣い、旧い朝日に興(きょう)を断る孤独の日(ひ)の掌(て)は無穏(むおん)を識(し)った。幻覚(ゆめ)の奥義(おく)へと段々蔓延る不倣(ふほう)の賛美は形成(かたち)を潜めて、選り取り見取りに孤憶(こおく)を振舞う陰府(よみ)の両眼(まなこ)は凍える程度に成らずを見て取り、暗(やみ)の向こうに静寂(しじま)を相(あい)した旧い佳日は身重を寄せ付け、一人(ひと)の不覚を夜霧に失くせる「不倖の真話(しんわ)」は家宅を売った。過去に奮える災いから観て文言(ことば)の既憶(きおく)は「独り」を現し、人身御供に夜宙(よぞら)を愛せる故国の空間(すきま)は自由に賄う正義を買った。既憶(きおく)に相(あい)する孤独の日切(ひぎ)りは過去の根耳を女性(おんな)に観た儘、旧(ふる)びた景色に身重を保(も)ち出す〝水と霊(れい)との…〟過日に養い、明日(あす)の日下(ふもと)に小さく畳める〝小人(こびと)の狭筵(むしろ)〟は孤業(こぎょう)を愛して…、日に日に届ける概(おお)くの日下(ひもと)を陰府(よみ)に観ながら八性(おろち)を描(か)いた…。自己(おのれ)の表情(かお)を好く観る「幻想(ゆめ)の従順(すなお)」は肢体(からだ)を保(も)ち出し、漆黒(くろ)く焦がれる未知の残骸(むくろ)は柔い日(ひ)の掌(て)を軟(や)んわり包み、分厚(あつ)い人壁(かべ)から児(こども)を描ける不浪の思乱(あらし)に規律(おきて)を観る内、旧い進途(しんと)に自由を侍らす孤刻(ここく)の勇者は肢体(からだ)を抜け出す…。無知に掲げる無論の従者は未然に振舞う気違いばかりで、過去を織り成す無穏(むおん)の遣るのは不死の怜悧と孤独を掌(て)にして、脆弱(よわ)り始める孤憶(こおく)の自主(あるじ)は無効に失くせる個録(ころく)の暗(やみ)から脚力(ちから)を足らしめ、分厚(あつ)い奇跡にこの実(み)を賄う私闘の分業(ノルマ)をその掌(て)に観て居た。自己(おのれ)の過去から礼賛だけ漏れ、日々の暮らしが私欲(よく)を問うのは、「幻(ゆめ)の自主(あるじ)」を自然(あるじ)と観て生く無産の自覚(かくご)に横行して居る…。旧い人扉(とびら)が人間(ひと)に表れ、「日々の目下(ふもと)」に個録(ころく)を問うのは、暗(やみ)の成果(かなた)へ自体(おのれ)を掴める漆黒(くろ)い正義の逡巡から成る。日々の目下(ふもと)に身元が映えない未活(みかつ)の小敗地(アジト)は個録(ころく)を澄まされ、幻想(ゆめ)と細身(ほそみ)の夜半(よわ)の陰(かげ)から生則(きそく)を観るまま旧(むかし)を相(あい)し、暗(やみ)の肴(さかな)へ気球を買うのは「自己(おのれ)の生果の行く末」だった…。旧(ふる)びた絵具(えのぐ)を舵に幻見(ゆめみ)て、〝日々と乱心(こころ)〟の旧(むかし)は概(おお)きく、一目(ひとめ)だけ買う邪(よこしま)から観た男・女(だんじょ)の〝描(えが)き…〟は通せんぼをして、分厚(あつ)い精神(こころ)の無垢の脆味(よわみ)は浮浪に操る呼吸を識(し)った…。白亜(しろ)く積もれる孤刻(ここく)の〝旧巣(ふるす)〟が男女(ひと)の視(め)を観て誤りだけ立て、孤高に忍べる〝個録(ころく)の前者〟は無憶(むおく)に通じる重味(おもみ)を保(も)った。表情(かお)の無い絵を皮肉にぶら下げ、〝幻(ゆめ)と枯渇の最期の姿勢(すがた)〟を欲望任せに縫い続けて活き、人見(ひとみ)さえ無い〝旧(むかし)の主観(あるじ)〟を無想に大きく描き続けて、人の世を見た自然(あるじ)の姿勢(すがた)は表情(かお)を隠せる快無(オルガ)を観た儘、幻覚(ゆめ)の無憶(むおく)と乱心(こころ)が飛び立つ不本(ふほん)の陽気を悪魔に売った…。小宙(そら)の目下(ふもと)に気憶(きおく)が掛かり、不彩(ふさい)に片付く心を敷いては、「幻(ゆめ)の過録(かろく)」と精神(こころ)が阿る余地の信理(しんり)を手玉に取り出し、淡い佳日に身元を知らせる故郷の形成(かたち)は白さに仰立(あおた)ち安い魅力に刹那を付け得る悲壮の淡身(あわみ)はしんみりして往く…。発声(こえ)に片付く無戒(むかい)の主観(あるじ)は、呼吸の総てを大宙(おおぞら)から観て、白亜(しろ)い四季(きせつ)に仄(ぼ)んやり灯れる不装(ふそう)の夜空を精神(こころ)に描(か)く儘、昼間と夜毎の八性(おろち)の姿勢(すがた)を小島(ことう)に幻見(ゆめみ)て熱を相(あい)せる「不義の静間(しずま)」へその実(み)を飼った…。一幻(ゆめ)の奥義(おく)へとその日を阿る無知の肴(さかな)は上々気高く、深い形成(かたち)に〝日々〟を練るのは夢想に気遣う八性(おろち)を識(し)った…。

      *

 …白(しろ)ベエが出て来て居た。白ベエを俺は探しながら、一本の木の陰に入(い)った。すると白ベエが居り、矢張り、生前の通りに、大きくて、真っ白くて奇麗で、その白の中に黒い斑点模様を伸ばして居て、それが可愛らしく、大きく奇麗な目をしてじっと俺の方を見詰める表情は、只ならぬ感情を湧かせるものがあった。俺は大猫(おおねこ)の白ベエを、前脚を持って抱き上げ、うりうりをしながら可愛がり、顔を白ベエの頬や羽毛のような胸に埋(うず)めて癒されようとして居た。その時、俺の背後に誰か見知らぬ者が居り、俺と一緒に白ベエの可愛らしさを見て居た。その「見知らぬ者」とは又、他愛無い友人の様(よう)だった。

      *

 無穏(むおん)の景色に躰を縛られ、未知に活き出す手法を観るのは、過去に活き出す乱心(こころ)の情緒と孤独の杜撰が大きく乗り出し、白亜(しろ)く輝く旧い住処を自由に相(あい)する孤独であった。杜撰の価値より〝七つ〟が生き出し、暗黙(やみ)の内より許容と成るのは、過去に浮き出す乱心(こころ)の懐(うち)より気鋭に澄ませる律儀を企み、選り取り見取りの形成(かたち)を護れる旧い景色の白粉(どうらん)だけ見た…。斯くして自己(おのれ)の覇気を忘れた個録(ころく)の暗(やみ)には、白亜(しろ)く輝く不覚の遊路(ゆうろ)を白亜(しろ)の暗(やみ)から窺うだけにて、暗黙(やみ)の過去から自己(おのれ)の過去まで、表情(かお)を見せない夢想を観て居た。自体(おのれのからだ)を明日(あす)に問い掛け、旧(ふる)びた〝初め〟を暗(やみ)に問う時、幻覚(ゆめ)の律儀に道徳だけ買う〝しどろもどろの変化〟を投げ捨て、陰府(よみ)に降(くだ)れる自己(おのれ)の主観(あるじ)を〝水と霊との…〟矮小から観た。〝幻想(ゆめ)〟に始まる無想の私宝(たから)を陰府(よみ)へ棄て得る未知の実力(ちから)は、気楼に名高い自己(おのれ)の相図(あいず)の〝通り縋りに落ち着く実(み)〟に成り、分厚(あつ)い人扉(とびら)に夢中を拾える不倖の景色を量産して居る。暗(やみ)の景色と神秘(ふしぎ)の気色は、未来(さき)を求める自然を描き、分厚(あつ)く成り立つ不動の暗(やみ)から活路を拡げる個影(こえい)を視(め)にして、幻想(ゆめ)の末路と景色の許容(なか)には未然の宙(そら)など不快を識(し)る儘、自体(おのれのからだ)と悪魔の姿勢(すがた)を向日に置き遣る世界を買った…。過去の画(え)を観て「自由の目下(ふもと)」は弄(あそ)びを忘れ、幻想(ゆめ)と恥から恐怖を識(し)り往く加労(かろう)の刹那を準じて保(も)ちつつ、旧い佳日の幻想(ゆめ)と独歩(あゆみ)は自己(おのれ)の視(め)に保(も)つ企みだけ見て、安い景色に薄く仕上がる〝個労(ころう)の悪魔…〟は感情だけ観た…。白亜(しろ)く集まる大宙(そら)の合図が個装(こそう)に連れ立つ畏れを乞うて、暗(やみ)と現行(いま)との命の薄さは暗(やみ)の景色と人壁(かべ)を観た儘、幻想(ゆめ)の苦力(くりょく)と自己(おのれ)の苦力(くりょく)を固より制した人義(じんぎ)を保(も)つのは、暗(やみ)と進理(しんり)の自ずの宮(みやこ)と固陋の合図(かさ)から漏れ出す芽である…。間隔(いしき)の向こうに神が降(お)り立ち、一人(ひと)の苦悩は生命(いのち)を脱ぎ去り、俗世(このよ)を忘れた個録(ころく)の粒から「信仰」だけ見る淡さを識(し)った。向日の淡さは私有地(パラダイム)と成り、気楼の概(おお)くを個体(こたい)に観た後(のち)、白雲(くも)と両手の雷(いかづち)から鳴る不相(ふそう)の信理(しんり)は淡さを連れ出し、暗(やみ)の許容(うち)より昨日を好く観る「不義の要(かなめ)」を順々幻見(ゆめみ)た…。人間(ひと)に宿れる怪憶(けおく)の許容(なか)から核(かく)を幻見(ゆめみ)て滅ぶ柔裸(やわら)は、分厚(あつ)く滾れる孤独の栄華と矮小(ちい)さく灯れる木漏れ日だけ買い、私闘に基づく「幻想(ゆめ)の快無(オルガ)」は過去を澄ませる相乗(そうじょう)だけ観た。幻覚(ゆめ)の寝音(ねおと)と綻びから成る自由の住処は悠々自適で、孤高の栄華と孤独に成り立つ〝旧い住処〟は夢能(むのう)を相(あい)し、自己(おのれ)の住処を俗世(このよ)に置き遣る自体(おのれ)の欲には身悶えだけ観て、過去の亘(わた)りを個録(ころく)に準ずる不法の小敗地(アジト)は沈溺(ちんでき)して生く。過去の走馬(そうま)と自己(おのれ)の景色は〝自由〟を画(え)にして見積もりだけ見て、白亜(しろ)い佳日と自己(おのれ)を擡げる旧い形成(かたち)の両腕(かいな)は窄まり、早い空から時間が流行(なが)れる姑息の虚無など身悶えして生く…。幻想(ゆめ)の一女(おんな)と虚無の両眼(まなこ)を器用に遠ざけ自己(おのれ)を得るのは、宙(そら)の目下(ふもと)で見積もり始める孤高の息吹と虚無に倣える人密(みつ)を頬張り、幻覚(ゆめ)の主観(あるじ)へ頬張る裾には巨躯の絵に立つ浮浪に乏しく、幻想(ゆめ)と自己(おのれ)の界隈(かぎり)を観た後(のち)〝不浪(ふろう)の彩華(さいか)〟は極端とも成る…。自己(おのれ)の無理から過去を掌(て)にして幻想(ゆめ)に逸(はぐ)れる魔の手を保(も)つのは、悲壮に静まる孤独の寝屋との規矩を掌(て)に見た司教の形成(かたち)で、幻覚(ゆめ)に逸(はぐ)れて快無(オルガ)を見付ける不良の吐息は過録(かろく)を誤り、自己(おのれ)の最期を過去に棄て得る「気楼の進度(しんど)」は不惑(ふわく)を識(し)った…。自己(おのれ)の過去から無頓が拡がる幻覚(ゆめ)の空慮(くうりょ)と孤踏(ことう)の交響(ひびき)に、一重(ひとえ)しか無い宙(そら)の重みの過去の幻(ゆめ)から個録(ころく)が載り出し、人間(ひと)と小宙(そら)から希望が休まる身活(みかつ)の前途と淡さを奉じて、幻(ゆめ)と虚無との乱心(こころ)の定理(ルール)は過言を描ける余信(よしん)を識(し)った…。幻想(ゆめ)と精神(こころ)が無頓の日蓋(ひぶた)を死出(しで)の旅路へ供とする時、暗(やみ)の残骸(むくろ)に久しく留(と)まれる旧い家屋は未然を気にして、自己(おのれ)の人密(みつ)から乱心(こころ)を手向ける旧い過憶(かおく)は如何(どう)でも好く成り、人間(ひと)の〝日蓋(ひぶた)〟に朝日が薫れる無頓の空間(あいだ)は暖かだった。無知の分厚(あつ)みを人壁(かべ)に並べて呼吸が慌てる無機を言伝(ことづ)て、不死に息衝く孤踏(ことう)の列(ならび)は孤独に奏でる無知に仰いだ。白亜(しろ)く成り立つ個録(ころく)の表情(かお)には自己(おのれ)の無様が身欲(よく)を空転(ころ)がせ、幻(ゆめ)の暗(やみ)から落し子(ご)まで立つ不当の文殊は大落(だいらく)だった。精神(こころ)に宿れぬ電子の柔味(やわみ)に、無知が気遣う文殊が往くのは、日中(ひなか)に呈(しめ)せる無言の程度の〝幻覚(ゆめ)に概(おお)きな躰〟を保(も)ち出し、人身御供に淡身(あわみ)を気遣う茶知(ちゃち)な仕種を真似して在った…。幻覚(ゆめ)と私宝(たから)に身重を連れ出し、弄(あそ)び道具に精神(こころ)を気遣う浮浪の最期は如何(どう)でも好く成り、「幻(ゆめ)」と「電子」の身重の人陰(かげ)には、私欲(よく)に満ち生く元気を採った。淡い姿勢(すがた)で俗世(このよ)を観るのは無冠に静まる孤業(こぎょう)の量にて、白亜(しろ)い佳日に耐える景色は見るも無残に精華(はな)を貶め、文言(ことば)に吹き出る人物(もの)の数には、自己(おのれ)の無茶など読破に在った…。緩い幻覚(ゆめ)から演戯が成り立つ不安ばかりの枯渇を汲むのは、脆弱(よわ)いに足音(おと)から乱心(こころ)が成り立つ不穏の気色が藪睨みをして、分厚(あつ)く成り立つ不倖の小敗地(アジト)は見栄を買うまま細心(こころ)に堕ちた…。一人(ひと)の仕種に表情(かお)が据え立ち、低い夜宙(よぞら)に人間(ひと)を見るのは、表情(かお)の無い気が細心(こころ)を賑わす向日の心にその瞳(め)観てから、〝一幻(ゆめ)〟と乱心(こころ)に無頼が片付く「旧い悪しき」が片目を射った…。幻想(ゆめ)の許容(うち)へと気色が固まる「一人(ひと)の目前(まえ)」では不沈を企み、幻想(ゆめ)の日中(ひなか)を日々の遊路(ゆうろ)を孤独に観たまま悶絶して活き、人間(ひと)の前途は不倖を失くした無知の柔裸(やわら)を未完(みかん)に保(も)ち出し…、不仲(ふなか)に在りつつ不忠を崇める夜の素顔は精神(こころ)を敷いた。低い白雲(くも)から未屈(みくつ)を畳める人間(ひと)の男児(をのこ)は結束した儘、「幻想(ゆめ)」に集まる見様(みよう)の男児(だんじ)は個録(ころく)を掌(て)にしてぴたりと止んで、最果(はて)の見えない不遇の土地では並(なみ)を操る孤独を根回し、人密(みつ)を問うまま無口を貫く不本の信途(しんと)は暗(やみ)を握った。過去の根耳を無理やり気取らせ不穏に名高い過失の街には、一人(ひと)の活き血と逆行(もどり)が早まる不幸の御託は化粧を堕とされ、不穏と言えども個録(ころく)を射抜ける加減知らずの行儀を識(し)った…。

 無知に基づく浮浪の旅人(たびと)は児(こども)を絵にして呼吸を晦ませ、人の絵に観た精神(こころ)の総ては無知に蔓延る憎悪を飼った。恋に見切れる夢中の自然(あるじ)は枯渇の総てが論議と同じで、幻(ゆめ)の究極(きわみ)に無知を想わす「旧い人形(かたち)」の暗夜(やみよ)は今でも、「勝ち」を拾えぬ旧(むかし)の快無(オルガ)の〝恋〟を絵にした造花に遭った…。白亜(しろ)く煙れる孤独の小敗地(アジト)は無垢を絵にした空言(そらごと)から成り、分厚(あつ)い浮世に活路を拡げる無法の暗黙(やみ)には旧来(むかし)を企み、無限を掌(て)にして細心(こころ)を砕ける「旧い人形(かたち)」は未(いま)でも貴く、幻想(ゆめ)に始まり感覚(いしき)を失くせる孤高の空間(すきま)は脱落して生く…。過去の肴(さかな)を久しく画(え)にした生憶(きおく)の伝手には生気が活き発(た)ち、脆弱(よわ)く窄める文言(ことば)の流行(ながれ)は気分を絵にして形見を忘れ、白亜(しろ)い佳日の晩秋から得た乱心(こころ)の果実は無暗(むやみ)を切り出し、分厚(あつ)い人形(かたち)の温度の総ては自由を掌(て)にした謳歌を識(し)った。幻想(ゆめ)の堅さと精神(こころ)の柔みを白亜(しろ)い魔の手につくづく差す内、幻想(ゆめ)と自体(おのれ)の精気の震えは核(かく)を保(も)ち込み自然(あるじ)を失くし、分厚(あつ)く切り断(た)つ不装(ふそう)の小敗地(アジト)は小声(こえ)に観る儘〝泣き言〟だけ詠み、幻想(ゆめ)に焦がれる淡い身内は悉くを買う朝陽を割いた…。無知に棚引く巨躯の向きから「幻覚(ゆめ)」に劈く思乱(あらし)は照り映え、一人(ひと)の夜宙(よぞら)と微声(こえ)に付くのは、無類に概(おお)きな共鳴(さけび)とも成る。過去の行方に精神(こころ)が生くのは「小さき者」との語らいばかりで、暗(やみ)に映え得る気色の眺めは「未知」に生くまま童貞だけ識(し)る…。過去の孤独を「絵」にして浮き立ち、「幻(ゆめ)の身重」と尊く掲げる木霊の景色は界(かぎり)を知らずに、不法に問い往く無理の中身は他力に寄り添う信理(しんり)と連れ添い、「幻想(ゆめ)の中身」に宜しく誘(いざな)う不法の主観(あるじ)を久しく描(か)いた。自己(おのれ)の無味へと躰を誘(いざな)う〝悪しき絵〟を観る心の文化は、過去と自体(おのれ)を久しく分け生く旧い人形(かたち)の奥義と同じで、欲の過去へと不相(ふそう)を誘(いざな)う「幻(ゆめ)の八性(おろち)」と毎度を採った…。幻覚(ゆめ)に冴え往く孤高の人形(かたち)が白亜(しろ)い四季(きせつ)を小声(こえ)に来らせ、旧い小敗地(アジト)へ分身だけ観る「無理を通した佳日」と成らねど、暗(やみ)の合間を反りに忘れる文言(ことば)の類(たぐい)は気色を諦め、人密(みつ)に好く似た気色の最中(さなか)は〝夢中に萎え往く王子〟を描(か)いた…。幻想(ゆめ)の未完(みじゅく)と気粧(けしょう)を企み、柔い自主(あるじ)は児(こども)を片付け、自己(おのれ)の不倖を自主(あるじ)に求める精神(こころ)の暗(やみ)から〝人壁(かべ)〟は消え生き、旧(ふる)びた絵具(えのぐ)が「過去」に描(か)くのは「世亘(よわた)りさえ無い不幸の芽…」である。自己(おのれ)の極みに人密(みつ)が解(と)け往く固陋の進度(しんど)は佳日を練り活き、無理の四季(きせつ)を漫々(そろそろ)描(か)いた。人光(みつ)の内実(なか)から乱心(こころ)を倒せる不頼(ふらい)続きの私欲の初歩(いろは)は、幻想(ゆめ)の色派(いろは)と精神(こころ)を捜せど「夢中」に紐解く演戯は同じく、一人(ひと)に与える呼吸の難儀は〝無垢〟に仕上げて奔走して居る…。端正(きれい)な人頭(どくろ)が過去を追い駆け、無進(むしん)を愛する固陋の成果(はて)には、脆弱(よわ)い正義が生義(せいぎ)を相(あい)する不利の要(かなめ)を与信(よしん)に置いた。不倖に片付く「作画」の温度は〝無茶〟を絵にする蝙蝠傘(かさ)に等しく、自己(おのれ)の活路を視線に透せる人物(もの)の在り処は夢中に根強く…、幻(ゆめ)の傘下で奇妙を擦(す)るには欲情ばかりの暗算だけ立つ。無知を絵にした一人(ひと)の労苦は、幻(ゆめ)に見定(さだ)めた生気に等しく、過去に咲かまい八性(おろち)の空間(あいだ)と孤独に住め得る私動(しどう)の労苦と、不安ばかりが相図(あいず)を手向けた未完の安堵を相乗して居た…。分厚(あつ)く語れる無類の安堵は涼風(かぜ)を散らせる不機嫌ばかりで、女性(おんな)の腿(もも)から小声(こえ)を気取れる〝旧い労苦〟の歪みを識(し)った…―――。

―――…学際の準備が着々と進む中、俺は再び房子の居る部屋へ戻った。まだ床(地面)の掃除が続けられて居た。房子はベッドで、俺と居た時と同じ様(よう)に堕(だ)れた感じに横たわって居たが、周りで働く人達を見ながら自分の体裁が悪いと感じたのか、気を遣ったのか、むく、と上肢を起こし、ベッドから離れる様(よう)だった。この時、きっともう先生とのセックスは無い、あっても当分先の事になるだろうな、と改めて予感させられた。

美声(こえ)に操(と)られる空気(もぬけ)の繁みに「器用」を見付ける小声の乱歩は、しどろもどろに遠方(とおく)を見詰める扶養の初歩(いろは)を軒並み並べて、幻想(ゆめ)の景色と佳日を彩る「無垢の姿勢(すがた)」を画(え)にして描(か)いた。過去に息衝く旧い孤独が翌朝(あさ)に見取られ発狂する頃、しどろもどろの律儀を掌(て)に取る普遍の初歩(いろは)をその視(め)にして歩き、古豪の残骸(むくろ)を四季(きせつ)へ列(なら)べる苦業(くぎょう)の道理を画(え)にして描(か)いた。幻想(ゆめ)と狂想(おもい)を乱心(こころ)に観た儘「時計回り」の利損(りそん)を気にして、不動に撓(たわ)める明日(あす)の読破は「暗(やみ)」に明るく四季(きせつ)を問うた。根底から観た幻想(ゆめ)の主観(あるじ)は「今日(きょう)」を肴(さかな)に安(やす)みを蹴散らせ、小宙(そら)の空間(あいだ)を人物(もの)と渡れる「苦労の図」に観る景色を解(と)いた…。初めから無い男・女(だんじょ)の撓(たわ)みに私欲(よく)の両眼(まなこ)は四季(きせつ)を忘れて、明日(あす)に近付く固陋の主宴(うたげ)は〝問わず語りの坊(ぼう)〟を創った…。過去の許容(うち)から極力(ちから)が漲り、明日(あす)の寝床を気性(きしょう)に立たせ、分厚(あつ)い自覚(かくご)を根耳に解(と)かせる「浮遊の意固地」を相乗(そうじょう)する内、幻想(ゆめ)の過去から自己(おのれ)を飼うのは「時計回りの残酷」でもあり、過失に醒めない〝手中の宮(みやこ)〟は自己(おのれ)の郷(くに)から禍根を挙げた…。幻覚(ゆめ)と電子の身元の朗(あか)りは〝嗣業〟の景色に良印(ブランド)だけ観て、幻想(ゆめ)と自体(おのれ)の文言(ことば)を問い往く不相(ふそう)の真理(しんり)と孤独を数え、「幻(ゆめ)の未知」から景色を忘れる孤踏(ことう)の温度をすんなり保(も)った…。自己(おのれ)の表情(かお)から独理(ドグマ)が活き出し「暗(やみ)の主(あるじ)」は肴を見積もる…、幻想(ゆめ)の許容(うち)へと感覚(いしき)を急(せ)いては精神(こころ)に保(も)ち込む自然(あるじ)と偽り、幻想(ゆめ)と初出(はどめ)に〝人間(ひと)〟を描(えが)ける「良印(ブランド)仕立ての両腕(かいな)」の許容(うち)では、一人(うち)の清閑(しずか)へ邁進して往く〝浮浪の長寿〟を悶絶させ得る…。

      *

…春日井…

…低い夜宙(よぞら)を精神(こころ)に宿せる孤高と人影(かげ)には目暗(めくら)が活き出せ、一人(ひと)と両腕(かいな)が泡(あわ)を観て生く浮浪の四季(きせつ)は御託を牛耳り、安(やす)み休みで〝四季(きせつ)〟を数える不義の不義の空間(あいだ)の香路(こうろ)は寄せられ、空を仰げる帽子の襟には「幻(ゆめ)の豪華」が甲斐を飛ばした。白亜(しろ)く積もれる文言(ことば)の軌跡(あと)には〝不産(ふさん)〟の小敗地(アジト)が孤独に襲われ、不義の要(かなめ)に「往路」を採り生く不解の小敗地(アジト)を根耳に欹て、幻(ゆめ)に始まる呼吸と意識の「不快に基づく初歩(いろは)」の糧には…、言及され浮く四季(きせつ)の撓(たわ)みが真っ向から来る美識に届く…。過去に堕ち往く労苦の畝(うねり)は、呼吸に償う不従(ふじゅう)に関して、「一人(ひと)の寝屋」から無憶(むおく)に関する虚空の宮(みやこ)へ感覚(いしき)を高め、不器用から観た乱心(こころ)の衝動(うごき)は「過去の過失」を罪に見て取り、人間(ひと)の〝自我(エゴ)〟など見守り続ける不浪に好く似た極意を識(し)った…。〝一幻(ゆめ)の果実〟に身悶えして往く〝成長過程〟の懐から観て、低い自主(あるじ)に過去を装う良印(ブランド)仕立ての学(がく)は退(しりぞ)き、現代人(ひと)に対する褥の憎悪は無知に堅(かた)まり至難を射った…。白亜(しろ)い孤独に文言(ことば)を受け取り、未知の肴(さかな)を奇妙に舐めても、「幻想(ゆめ)の行方」は都会を知らない〝不義の要〟を概(おお)きくして居た…。

…学際の準備でゼミ生の彼等は何か、小さなクレープにチョコの入ったような、或いは塗(まぶ)したような、洋菓子を作る計画をして居たようだった。あと、小さな扇子も作って居たかも知れない。とにかく、賑わって居た。

無知に掲げる孤独の両刃(やいば)は不能の宙(そら)から無頓を織り成し、白亜(しろ)い四季(きせつ)に過去が降(お)り立つ無空(むくう)の精神(こころ)は「不倖」を悦ぶ気持ちを味わい、低い小宙(そら)から暗(やみ)に基づく人間(ひと)の微温味(ぬるみ)は不活(ふかつ)を買った…。犬の気配に母性が吟味(あじ)わう無己(おのれ)の活路は乱心(こころ)を費やし「幻想(ゆめ)と乱心(こころ)」を瓦に投げ往く夢想に活き着く男・女(だんじょ)を飼った。無地(むじ)に色付く「幻想(ゆめ)の初歩(いろは)」は男女(ひと)の活命(いのち)の活路に跳び出せ、小宙(そら)に羽ばたく無心の翳りは〝幻(ゆめ)の男・女(だんじょ)〟の弄(あそ)びを見詰める。向日に気遣う朝日の初出(はじめ)が「活き」を観るまま仮面に基づき、「精神(こころ)に保(も)ち出す幻覚(ゆめ)の夜目(よめ)」には分厚(あつ)い人壁(かべ)など暫く建てた。白亜(しろ)く限れる無知の小敗地(アジト)は固陋に片付く「不倖」の吟味(あじ)には、無痛の自覚を弄(ぽん)と浮き立て、人間(ひと)の自覚(かくご)を不感に生育(そだ)てる浮浪の朝陽に生育(そだ)てた「奈落」は、孤独と自覚(かくご)は一人(ひと)に残れる不遇の盲者(もうじゃ)に聴かれた…。無垢の始めに浮浪の孤独は大宙(そら)の行方を大事と個録(ころく)を装い、無知に息衝く不貞の年輩(やから)は〝比較〟を手繰れる無心に寄り添う。無知の人形(かたち)に無形の温度と不覚を寄り添え、白亜(しろ)く留(とど)める不彩の端(はし)には〝一人(ひと)〟の体形(かたち)に個録(ころく)を射止めて、無知に片付く女性(おんな)の表情(かお)から浮浪の生命(いのち)が点(とも)って在った…。無知の柔裸(やわら)は不倖を片付け、「幻想(ゆめ)の温度」は不覚を保(も)ち込め、無空(むくう)に色付く価格の棘には涼風(かぜ)が呼び込む乱心(こころ)が在った。勝利を呼び込む不倫の活路は〝行方知れずの人体(からだ)〟を保(も)ち出せ、小宙(そら)に彷徨う「無知の翳り」は不通に彩る物の怪すら見る。幻想(ゆめ)の流行(なが)れに乱心(こころ)が尖れる「飯の価格」は乱心(こころ)を見詰めて、白亜(しろ)く催す無彩(むさい)の活路は人形(かたち)を浮き彫る悲行(ひこう)を織り成し、白亜(しろ)い季節の〝行方〟を採るのは無痛の初歩(いろは)の仕来りだった。老人(ひと)を宥める無空(むくう)の有形(かたち)は小宙(そら)の行方に過去を追い駆け、無為の有形(かたち)に個録(ころく)を呑み込む不彩(ふさい)の佳日が有効だった。一人(ひと)の活命(いのち)が無謀を象り、白亜(しろ)く漂う「明日(あす)」など留(とど)め、「明日(あす)」の乱心(こころ)を行方に与(あず)ける夜目(よめ)の最後を通底させ得た。幻想(ゆめ)の日々から無為を保(も)ち出し、暗(やみ)の真中(まなか)に個録(ころく)を採り出し、封印して生く乱心(こころ)の美声(こえ)には夜目(よめ)の不得手を耄碌させ得た。旧く成り立つ「向日の相図(あいず)」に孤高の純度を〝奈落〟に放り、怠温(たいおん)から成る無知の孤独は四天(してん)の剣(つるぎ)を想定して居た。無定(むてい)に彩る孤刻(ここく)の行方は使途(しと)の陰府(よみ)から個録(ころく)を描(か)き尽(き)る歩合の演戯を貴く観て居る。白亜(しろ)い佳日を無知に彩る過去の行方は先人(ひと)を保(も)ち込み、人間(ひと)と合さる「不倖の個録(ころく)」は不吉を装う果実を買った…。無知に近付く小者(こもの)の自主(あるじ)は「幻(ゆめ)の電子」に進群(しんぐん)して活き、悲壮の表情(かお)から無憶(むおく)の余熱は「一幻(ゆめ)の残像(かたち)」を充分取り継(つ)ぎ、孤高の無知から残骸(むくろ)を追い生く夢想の主観(あるじ)は還元して居た。一人(ひと)の乱心(こころ)に残骸(むくろ)が降(お)り立つ「白亜(しろ)い佳日」を不相(ふそう)に遮り、不解に固まる自然(しぜん)と自主(あるじ)は不安に色付く文言(ことば)を保(も)ち込み、脚色(いろ)に飛び込む無心(こころ)に象る〝不安〟の活命(いのち)が不審に返り、無憶(むおく)に始まる孤高の自覚(かくご)は不信の果てへと自己(おのれ)を売った。無心(こころ)の行方は無痛に色付く不法と信途(しんと)は無為に片付く不倖を訓(おし)え、不信に片付く無為の静寂(しじま)は無知を侍らせ、指針に片付く不安と朝陽の年齢(とし)には不感の逆行(もどり)が独走して居た…。

      *

 …モエリ、目ぎょろの女のような、俄かに出て来た脇の彼女等が、きゃっきゃっ言いながら部屋の扉を開(ひら)け、入って来てテーブルに着いて居た。そこで、そのクレープの生地か扇子をちょこちょこ作る気らしかった(顔はむちむちにパンパンであって、照明に照輝てかったりもして居て、モエリとも目ぎょろの女とも違って居たが)。房子もそのゼミ生の輪の内へ、解(と)けて行った様(よう)だった。俺が房子と性交し、彼女を会得した(伴侶を獲得した)からか、顔の長い女含める彼女等は、俺に気を許す形で近付いて来る様(よう)だった。

      *

 無知の孤独と陰府(よみ)とを観るうち不穏の空気は四方山(よもやま)だけ観て、果てを忘れぬ病の最後は無垢の温旨(おんし)をその掌(て)に抱いた…。自体(おのれ)の過去から苦労を問うのは無援の暗(やみ)への滑走なれども、無垢を相(あい)して無刻(むこく)を煩う渡航の空気をその実(み)へ宿らせ、白雲(くも)の両眼(まなこ)で接吻(キス)を煩う憤悶(ふんもん)ばかりの効果を保(も)った…。白亜(しろ)い景色を佳日に観る時「無用の寝屋」には徒労が埋(うず)まり、暗(やみ)の縁(ふち)から乱心(こころ)を掲げる広い背中は無刻(とき)を見下(みおろ)せ、暗(やみ)の効果を幻想(ゆめ)に預ける無類の安堵は向日を来らせ、旧い〝呼び名〟が感覚(いしき)を語るは「無垢の日(ひ)」に立つ端正(たんせい)でもある…。過去に振り向く自己(おのれ)の景色は、孤独に任せる不良を苛み、暗黙(やみ)の情緒を無言に相(あい)する〝不毛の楽(らく)〟から児(こども)を捜し、低い気楼の夜半(よわ)の界(かぎり)は活命(いのち)の身元を一灯(あかり)に観て採り、不安に赴く微かの美声(こえ)には「世渡り上手」が首を傾げた。白亜(しろ)く成り生く不安の情緒は満たされないまま悶絶して活き、幻想(ゆめ)と精神(こころ)の無垢の空間(すきま)を浮浪に操る化粧を見る儘、「幻覚(ゆめ)の夜半(よわ)から無刻(とき)を保(たも)てる不安の夜空」は厳寒だけ観て、分厚(あつ)い暗黙(やみ)から精神(こころ)を生育(そだ)てる不穏の空気は進展して生く…。全てが虚無で、総てが暗黙(やみ)だ…。過去に息衝く不穏の準備は孤独を見知らぬ不感を装い、無知と哀れを固陋に抱(いだ)ける不幸の柔裸(やわら)は一糸を纏い、不穏に絡まる小宙(そら)の行方は未来(さき)を認(みと)めぬ淡さを観た儘、過去に概(おお)くの文言(ことば)を残して〝暗(やみ)の彼方〟へ総身を化(か)せた…。白亜(しろ)い個録(ころく)を幻覚(ゆめ)に引き摺(ず)り淡い一界(かぎり)は人密(みつ)に伴い、人間(ひと)に集まる〝旧来(むかし)の既憶(きおく)〟は涼風(かぜ)に養う無倣(むほう)に潺(せせら)ぎ、表情(かお)を失う無刻(とき)の生果は規矩に養う旧来(むかし)だけ観て、合せ鏡に人密(みつ)を募らす不悶(ふもん)の景色へ小敗地(アジト)を保(も)った…。茶色い眼(め)をした情事(こと)に煩う気色を観た時、「幻(ゆめ)と文言(ことば)」が孤独を忘れる不法の小敗地(アジト)は孤独を失い、暗黙(やみ)の身元に孤独を囀る〝不感の夜宙(よぞら)〟は瞬く間に燃え、緊(きつ)い定律(さだめ)に扶養を見出す〝不尊の進途(しんと)〟は味気を描(か)いた…。気楼に仰け反る文言(ことば)の四隅(すみ)には無垢に漂う化色(けしき)を詠む儘、自己(おのれ)の果実を脚色して生く不法の安堵を掌(て)にする内にて、歌謡の景色に充満して生く不幸の自主(あるじ)を黙認して居る。固陋に蔓延る不穏の佳日は情事(こと)に瞬く呼吸を画(え)に観て、淡い温度を過去へ寄せ得る〝幻(ゆめ)の四季(きせつ)〟を傍観しながら、旧い軒端に貌(かお)を描(か)くのは「旧来独語(むかしがたり)」の音叉であった…。過去に好く似た乱心(こころ)の友へは未来を紐解き、〝幻(ゆめ)の界(かぎり)〟に最果(さき)を見て取る「不安続き」の孤独は二重(たぶ)り、幻(ゆめ)を重ねて努力を縁取(ふちど)る気楼の進秘(しんぴ)に盛(さか)って在った。暗夜(よる)の隅へと化色(けしき)を見て取り、淡い化実(かじつ)をその身へ置く頃、夜半(よわ)の空間(あいだ)は文言(ことば)を失くせる浮浪の態度は前途を保(も)ちつつ、不倖に対して不穏を保(たも)てる孤高の奈落は凋落して居た…。一人(ひと)の温度は孤国(ここく)を失くして幻想(ゆめ)の身重と同時期も在り、分厚(あつ)く奏でる不倖の淡さは「過去に追い付く幸福」だけ観た。

      *

 俺と顔の長い女は学園祭敷地を廻りながら自分達のクラスが使う敷地の地均しをする為にと、地面に落ちて居る石ころなんかを除(よ)ける作業に就いて居た。そこに、未知先生も居た。未知先生は始め、何処(どこ)か知らないが、どでかい寺の境内の入口前で俺に現れた。寺は、夜と言う事もあって、人工照(あかり)にライトアップされて居り、黄金色に光って奇麗だった。その寺の中に、土足で上がって居た父親始め、他の何人かが居て、俺もその中に一瞬入りたがって居た為か、未知先生に、「土足で入って良いものか、どうか」尋ねて居たようだ。すると未知先生は「入って良いのよ。土足で上がれるように出来て居るんだから」といつもの決め付け顔で宣うて居た。

      *

 幻想(ゆめ)にふらつく孤独の行方は無心に色付く宙(そら)に始まり、不孝と一重(ひとえ)に小宙(そら)を纏める不審の揺らぎは男女(ひと)を抱(いだ)いた…。無心に象る「不倖」の謂れは不問の感覚(いしき)にふらふら羽ばたき、不応(ふおう)に際する無垢の行方は体裁(かたち)を知らずに孤独を呑んだ…。幻想(ゆめ)の無知から波間(なみま)を揺さ振る〝不倖の柔裸(やわら)〟はふらふら返り、翻りの無い孤独の土台(ベース)は闇に仰け反る孤踏(ことう)を失(け)した…。自己(おのれ)の気色に美貌が照り映え「陰府(よみ)の感覚(いしき)」に自覚(かくご)が問う時、不問に片付く暗(やみ)の宙(そら)には不従に寄り添う思乱(あらし)を呼んだ…。孤独の自覚(かくご)と分業(ノルマ)の体裁(かたち)へ未覚(みかく)を問うのは、男女(ひと)の活き血を無垢に着せ生く浮浪の朝陽に進度(しんど)を保(も)った。過去に彷徨う無心の日(ひ)の掌(て)は孤独の精華(はな)への感覚(いしき)を目立たせ、暗(やみ)の最後に向日を懐ける不彩(ふさい)の小敗地(アジト)に連呼して生く…。幻想(ゆめ)の未活(みかつ)と美声(こえ)の美活(びかつ)は、不相(ふそう)を越え生く「不倖」に照り映え、自己(おのれ)の肢体(からだ)と浮遊を好く識(し)る無機の肴(さかな)に転じて乗った…。幻想(ゆめ)の美声(こえ)漆黒(くろ)さが引き立つ淡い体裁(かたち)の夕べは優しく、無限に落ち着く文言(ことば)の波には〝白亜(しろ)い気色〟が分割され得た…。電子の水面(みなも)にふらふら追い付く情事(こと)の両腕(かいな)を大宙(そら)へ広げて、一人(ひと)の佳日を愚問に任せる不幸の手品は「無知」を肴に腐心に徹した。表情(かお)が集まる暗(やみ)の空間(すきま)に不安と上気は段々蹴上がり、幻覚(ゆめ)と乱心(こころ)の旧(むかし)の刹那は人間(ひと)の広さを打診に結(ゆ)った。旧来挿話(むかしばなし)に躁鬱から得る「無視の肴」は孤独を吟味(あじ)わい、深い情緒に充満して生く不安と安堵は日々を語らい、自己(おのれ)の無機から孤独を発(た)たせる〝無垢の夕べ…〟は輪舞曲(ロンド)を紐解き…、旧(むかし)の両刃(やいば)を不覚に乞うのは男女(ひと)の主観(あるじ)と一灯(あかり)であった…。無知に息衝く不感の王者は無録(むろく)に遮る精神(こころ)を問う度、不義に彩る不安の情緒は白亜(しろ)い体裁(かたち)に総身を当てた。自己(おのれ)の仕種を合鏡(かがみ)に問う度〝旧い気色〟は化日(かじつ)に貴(たっと)び、不倖を絵にした孤刻(ここく)の主宴(うたげ)は旧(むかし)の生憶(きおく)に相槌だけ打つ…。幻覚(ゆめ)と神秘(ふしぎ)が形成(かたち)を追ううち孤独の空間(すきま)は充分繋がり、男女(ひと)の空想(おもい)に暗(やみ)が連なる陰府(よみ)の人形(かたち)は神秘(ふしぎ)に宜しく、精神(こころ)に飼われる無活の進度(しんど)は四季(きせつ)を忘れて不安を描(か)いた。白亜(しろ)い佳日に無倣(むほう)が去る時「雑句張乱(ざっくばらん)」の無実は阿り、幻覚(ゆめ)と電子が三重(かさ)なる無刻(むこく)は不応に際する神秘(ふしぎ)に好く成り、無機の身元にひっそり片付く孤独の分業(ノルマ)と淡路の活路は、旧い千夜(とばり)に尚も毛嫌う夢想の自主(あるじ)を進展させ得た。幻想(ゆめ)が集まる未想(みそう)の漆黒(くろ)さと不幸に味わう無垢の叫びは、共鳴して生く〝風呂敷包(づつ)みの不感に遮る律儀〟を好く見て、翌朝(あさ)に徹した固陋の遊歩は〝無憶(むおく)に奏でる理針(りしん)〟に貴(たっと)び、神秘(ふしぎ)と幻(ゆめ)とが狂気を謳える未活(みかつ)の連想(ドラマ)は躰を編んだ…。

      *

 …それから俺はやっぱり入らずに、土足で上がれる事だけを知って満足したようで、顔の長い女との地均しに行ったのだ。その地均しに、そのまま未知先生も付いて来たと言う次第である。地均しの途中で、何か大きく長い、坂道に出合(でくわ)した。坂道の地面はアスレチックに在るような、緑色した、網目の有る護謨で覆われたような、人工の物だった。俺、顔の長い女、未知先生は、その長い坂道をせっせと上(のぼ)って行った。このとき未知先生は、俺と顔の長い女を引率して行く、二人の先生の様(よう)だった。その途中、毒虫の様(よう)な小虫(こむし)が、その坂道の上に居たのを俺達は確認して居る。その坂道は何か、あの黄金色にライトアップされて輝いて居た寺沿いに敷かれた物の様(よう)に感じて居た。坂道と寺の在る位置は、その二つの中央に敷かれた砂利に立って、互いに真逆(まぎゃく)の方向に在った筈なのに。

 その辺りで目が覚めた。

      *

 無難に集まる乞食の群れには〝一幻(ゆめ)〟の空案所(モルグ)がどんどん擦(す)り寄り、白亜(しろ)い悪魔に淀む末路は堂々巡りの文言(ことば)に見送り、糧を掌(て)に取る不義の要(かなめ)は電子の姿を女性(おんな)に見て取り、明るい自活(かて)には乱心(こころ)が象る不安の前途が圧倒され得た。白亜(しろ)い佳日に無垢が彩る向日の景色をそのまま見通し、不法の小敗地(アジト)を乱心(こころ)に汲み取る無法の残骸(むくろ)は形成(かたち)を置いた…。無心に運べる労苦の歪(ゆが)みに情事(こと)が集える空案所(モルグ)の形成(かたち)は、幻想(ゆめ)と乱心(こころ)の不尊に与(あず)かる無機の絵に立つ八性(おろち)と同じで、一人(ひと)の途(と)に立つ不穏の両眼(まなこ)は空宙(そら)を観るうち乱心(こころ)を抱(だ)いた…。無垢の四季(きせつ)に脚色(いろ)を保(も)ちつつ、不在の主観(あるじ)は無根を囁き、蟋蟀から発(た)つ蟲の息吹は一人(ひと)を絵にして未活(みかつ)を装い、不俱を気にして未亡を問うのは不穏を画(え)にした吐息を解(と)いた…。不彩に彩る精神(こころ)の暗(やみ)には〝一幻(ゆめ)の未活(みかつ)〟に無法を問いつつ、白亜(しろ)い景色に夕べを問い往く精神(こころ)の進化をその眼(め)に抱(だ)いた。女性(おんな)の精神(こころ)に突いても、発想ばかりが不在に寄り付く自体(おのれのからだ)を画(え)にして描(か)いて、不倖と自己(おのれ)を未一(みいつ)に統(たば)ねる「幻見(ゆめ)の賛美」は有頂を究(きわ)める…。意味を好く識(し)り無心に置くのは「幻想(ゆめ)の自覚(かくご)」を画(え)に観たからにて、孤高と景色の小宙(そら)の喰い手(て)は夜毎の文句を彩る儘にて、白亜(しろ)い景色に展望(ビジョン)を固める無垢の温度は毛嫌いされた。朗(あか)るい景色に身悶えして生く不倖の分業(ノルマ)をその瞳(め)に冠して、白亜(しろ)い佳日に意味を保(も)たせる精神(こころ)の独理(ドグマ)は煌々明るく、「無知の世(よ)」に出て佳日を養う〝男性(おとこ)の背に立つ悪魔〟は死んだ…。孤高に宣う〝正義の使者〟には幻想(ゆめ)と乱心(こころ)の成果を追い駆け、陰府(よみ)の芽に発(た)つ不法の主観(あるじ)は存分紛いに首だけ呑んだ。自己(おのれ)の形成(かたち)に孤独を気取らせ旧い世に立つ無戒(むかい)の境地は、孤独と独理(ドグマ)に不法を添え往く旧い儀式と雲母を得ながら、自己(おのれ)の精華(はな)から表情(かお)を流離う〝安い旧巣(ふるす)〟を幾つか編んだ…。自己(おのれ)の無知から無心(こころ)を紐解く幻覚(ゆめ)の空案所(モルグ)は不尊を執り成し、不為(ふい)に懐ける無色の共鳴(なげき)を人密(みつ)に与(あず)ける素振りをしながら、呼吸の分厚(あつ)さを人砦(とりで)に仕舞える不従の思乱(あらし)を精神(こころ)に問うのは、無垢の味気を悲壮に語らう夜毎の連呼の狡猾でもある。幻覚(ゆめ)に集まる無色の瞳(ひとみ)は不在に際して乱心(こころ)を紐解き、自己(おのれ)の自主(あるじ)と木霊を蹴散らす不幸を調べる動機に就いては、幻想(ゆめ)と乱心(こころ)の自主(あるじ)に懐ける孤独の紋(もん)への思潮が異なる。不義を画(え)にして未覚(みかく)が居座り、自己(おのれ)の天使を乱心(こころ)に問うのは、不装(ふそう)に成り立つ神秘(ふしぎ)の初めと、無限に近しい空間とも成る。低い夜宙(よぞら)を男・女(だんじょ)に扱い、白雲(くも)の両眼(まなこ)に蟲を観るのは、「幻想(ゆめ)と自己(おのれ)の過去と途切れ」と精神(こころ)の生(お)いから確信だけ得る…。

      *

 …このストーリーへ入る前、俺は天然の天使軍と、ホワイトボードに自分の知る英単語を解釈して文章を作り、どっちに英語能力が在るか競い合うと言う、幼稚な行為を続けて居た。天然男は、矢張り火病のように、やたら躍起に成って居れに負けじと挑戦して居た。この天使軍の姿勢が俺には疎(うざ)かった。そんな事をして居る俺と天然男の周りに、他の年老いた女性教会員も何人か居た。

      *

 無理強いして生く精神(こころ)の叫喚(なげき)は幻想(ゆめ)の空案所(モルグ)に堂々巡りで、〝四方山話〟に口を滑らす虚空の生気を未一(みいつ)に可笑しみ、御供に突き出る精神(こころ)の線には「不穏と悪魔」が同居して居た…。舗装に片付く退屈(ひま)の主観(あるじ)は機微に好く観た景色を並べ、自己(おのれ)の無知から勇気を語らう不本の文言(ことば)を重々改め、身欲(よく)に徹した無考(むこう)の小敗地(アジト)は不義を肴(さかな)に身軽を徹した…。小宙(そら)に基づく不穏の陽気は未知に包(くる)まる気色を純化し、白亜(しろ)い生地(きじ)から精神(こころ)を問うまま矢陰(やいん)の路地から歯車(くるま)を排した…。「幻想(ゆめ)と未活(みかつ)」の乱心(こころ)の列(ならび)は美声(こえ)に好く訊く大宙(そら)から廻転(ころ)がり、白亜(しろ)く束ねた未一(みいつ)の企図には〝私欲(よく)の肴〟が小声を発した…。無線を施す不法の柔手(やわで)は人密(みつ)に活き尽(き)る炎下(えんか)を掌(て)にして、白亜(しろ)く輝く文句(ことば)の人陰(かげ)でも余程の気色が無色を奏でて、暗(やみ)に彩る不敗の懊悩(なやみ)は鬼畜の脚色(いろ)から天下(てんか)を目論見、起死に寄り付く不安の懊悩(なやみ)は身影(みかげ)に追い付く不義を燃やした…。軸に埋れた文句(ことば)の陰には精神(こころ)の病が空虚を高らめ、寄り付く人影(かげ)から無頼に阿る〝一人(ひと)の空虚〟は未然に付き添い過去の根を保(も)つ独理(ドグマ)の影には〝不覚に弄(あそ)べる佳日〟が尊(たっと)び、器用に付き添う乱心(こころ)の境地は乱心(らんしん)ばかりを幻見(ゆめ)から追った…。自己(おのれ)の無知から気心(こころ)を費やす〝不穏と律儀〟の隠れ蓑を採り、幻覚(ゆめ)の排他を夜毎に隠すは〝旧い景色〟の安堵を阿り、一人(ひと)の小敗地(アジト)に屈曲するのは〝幻想(ゆめ)と精神(こころ)〟の従順(すなお)であった…。白亜(しろ)く輝く無知の若輩(やから)は逆襲して生く夜毎を奏でて、自体(おのれ)の無知から片手を挙げ往く旧い化色(けしき)の夜毎を捉え、〝旧い佳日の定律(おきて)〟の横には無心の成果を生(もと)から識(し)った…。白亜(しろ)く固まる擬音の総ては「幻(ゆめ)と自己(おのれ)の生果」を見納め、究極から観て士農(しのう)の行方は生礎(きそ)を固めた輪舞曲(ワルツ)を振った。「過去の孤独」をその根(ね)に観たまま不穏の果(さ)きから精神(こころ)を買うのは、安く見積もる不安ばかりの人陰(かげ)の組織を総身に観て生く…。旧い組織に人間(ひと)を追い駆け、理知の空間(すきま)を機能に追うのは、自己(おのれ)の活路を矛盾に紐解く暗(やみ)の文言(ことば)と大手(おおて)の界(かぎり)で、幻想(ゆめ)の無知から乱心(こころ)を飼うのは〝屈曲して生く不誠(ふせい)〟であった…。幻想(ゆめ)の空案所(モルグ)は気力に気付き、幻想(ゆめ)と独歩(ある)ける乱心(こころ)の周りは不便(ふびん)を想わす小手先だけ観る…。白亜(しろ)く流行(なが)れる無知の襤褸には身屈(みくつ)を彩る空虚に採られて、文言(ことば)の連想(ドラマ)を核(かく)に載せるは〝無知に忍べる誤解〟を保(も)った…。白亜(しろ)く焦がれる無知の年輩(やから)は尻尾を巻きつつ不老を悦び、男女(ひと)に独歩(ある)ける人見(ひとみ)の奥には不本(ふほん)の四季(きせつ)が段々流行(なが)れ、漆黒(くろ)い形成(かたち)が保全を呈(あらわ)す〝不為(ふい)の感覚(いしき)〟の魅力を識(し)った。無知に息衝く孤独の年輩(やから)は未完(みじゅく)の孤独が男女(ひと)を相(あい)して、無理の許容(うち)から未活(みかつ)を匂わす〝不毛の文言(ことば)〟を好く好く観て居る。無心に脚色付(いろづ)く枯渇の軌跡(あと)には「幻想(ゆめ)を彷徨う主観(あるじ)」が跳び出し、暗(やみ)の許容(うち)へと御心(こころ)を追い貫(ぬ)く旧い撤廃地(アジト)は「その日」を観て居る。無言の朝日が過去を追うのに〝これ見よがし〟な最期を求めて、「昨日(きのう)」から観る蟋蟀の内に精神(こころ)の人煙(けむり)がすんなり発(た)った…。自体(おのれ)の未完(みじゅく)が蹴上がる無垢の軟裸(やわら)に〝無垢の四季(きせつ)〟が堂々成るのは、〝幻想(ゆめ)の具(つぶさ)〟を情事(こと)に与(あず)ける不動の夜宙(よぞら)の虐待にも寄る…。不為(ふい)に駆られた文言(ことば)の檻には蟲の息吹が彼処に流行(なが)れて、無知に落ち込む不安を操(と)るのは不明に準ずる悪態だった…。孤国(ここく)を彷徨う刻(とき)の旋律(しらべ)は無造(むぞう)の活き血に類(るい)を呼ぶ儘、低い白雲(くも)から精神(こころ)を戦(そよ)がす旧い景色を覗いて在った。過去の厚手(あつで)に無空(むくう)を問ううち描き尽(き)るのは〝一人(ひと)の貌(かお)〟にて、低い景色の孤独の暗(やみ)には基調が活き尽(き)る無頓を配して、安い笑顔の同調仕立ては「一女(おんな)の表情(かお)」から律儀を編んだ…。自己(おのれ)の無知から気色を呼ぶまま過去を取り巻く精神(こころ)を相(あい)して、白亜(しろ)い佳日を正義に宿せる不安と夜宙(よぞら)の孤独は成らずに、明日(あす)に解(と)け込む予感の人渦(うず)には未知の目下(ふもと)が何処(どこ)かで失(き)えた…。過去に概(おお)きく活き着く生命(いのち)は自己(おのれ)の姿勢(すがた)を具体(からだ)に忍ばせ、旧い覚悟を自己(おのれ)に表す不悶(ふもん)の気配を通底させ得る…。未知に赴く乱心(こころ)の自活(かて)には、幻想(ゆめ)と自己(おのれ)の目標(あて)が外れて、幻想(ゆめ)の白亜(しろ)さに乱心(こころ)を通せる〝不安の泉〟を概(おお)きく迷わせ、人間(ひと)に配せる不能の感覚(いしき)は過去に静まる思乱(あらし)を負い捨て、暗(やみ)に凍える自己(おのれ)の悪魔は陰府(よみ)の仕種を堂々焚いた…。分厚(あつ)い人壁(かべ)から無価値を拡げる「一人(ひと)の好(よしみ)」は疲労を相(あい)して、幻覚(ゆめ)の八性(おろち)に過去を懐ける微温(ぬる)い化色(けしき)の褥は未だに、美声(こえ)を仕留めず無垢を絵にした精神(こころ)の脚色(かざり)を四迷(しめい)に置いた。生録(きろく)の類(たぐい)は未来(さき)を見逃す不尊に活き着き、私欲(よく)に結べる孤独の両刃(いろは)は子孫を象る形成(かたち)を識(し)った。四面(しめん)に息衝く文言(ことば)の主観(あるじ)は無理に始めた未来(さき)を保(も)たせた―――。白亜(しろ)く塗られた蟋蟀(むし)の吐息に未知を固める不尊を繰(く)るのは、始めから無い無知の両刃(やいば)を歩合に引き立つ自主(あるじ)を見忘れ、無感の譲渡の具形(かたち)に欲する不安と夜宙(よぞら)の脱走など採る…。不倶の景色が「人間(ひと)」を象り、自己(おのれ)の両刃(やいば)を生気に採るのは、〝幻想(ゆめ)と形成(かたち)〟に大きく拡がる無心の場所から気心(こころ)を苛め、悪しき形成(かたち)を永久(とわ)に語れる〝不安と夜宙(よぞら)〟の孤独に描(か)いた…。

      *

 蟋蟀の巣…

      *

 りんりん・りんりん、呼び鈴(りん)みたいな発音(おと)が木霊し、漆黒(くろ)い形成(かたち)の空案所(モルグ)は、一人(ひと)の美声(こえ)から頑なだけ観る無想と安堵の両立だけ得た。白亜(しろ)くて大きな人間(ひと)の壁には六(むつ)の生録(きろく)が女性(おんな)を侍らせ、紙に描(か)き尽(き)る不自由だけ観る私情(しじょう)の千夜(とばり)を無案(むあん)に欲した…。自己(おのれ)の過去から生憶(きおく)を統(たば)ねる未知の腕力(ちから)は蟲を愛して、小宙(そら)を飛べない自体(おのれのすがた)を私欲(よく)に任せて概(おお)きく死んだ…。不尊に絡まる幾つの長(ちょう)には精神(こころ)を養い蟋蟀だけ観て、女性(おんな)の姿勢(すがた)を無刻(むこく)に吟味(あじ)わう不通の間延びをその掌(て)に突いた…。

      *

 ろん、ろん、ろん、ろん…、未知の夕べが蟋蟀(むし)を配して、女性(おんな)の姿勢(すがた)を極力愛した…。

 過去の形成(かたち)は、魅力を合せる不尊の画(え)を見て画廊に這い尽(き)る…。

 自己(おのれ)の生憶(きおく)は盛(さか)りに任せて、夜半(よわ)の空気を淀んで待った…。

 分厚(あつ)く揺さ振る故郷の当地は、柔い不思議に神秘を識(し)った…。

 幻(ゆめ)の神秘(ふしぎ)に過憶(かおく)を買うころ無知の絵具(えのぐ)は老解(ろうかい)して居た…。

 人間(ひと)の両刃(やいば)と白巣(はくす)の美声(こえ)とは、無知に追い付く蟋蟀(むし)の巣である。

無難…無難…無難…。


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~蟋蟀(こおろぎ)の巣(す)~(『夢時代』より) 天川裕司 @tenkawayuji

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