第28話 ヒーハ

「なあ、ちょっといいか?」


ヒーハ「なんだよ、ちょっとどいてくれよ、オヤジに頼まれた、限定のパンプキンパイを買いに行かなきゃなんねえのに」


「そうか、それは、なんかスマン」


ヒーハ「分かればいいんだよ、どいてくれ」


芹澤は、からだを半身にし、道をあける意思を示した。


ヒーハ「………」

ヒーハ「なんだよ、言えよ、用があんだろ」

ヒーハ「さっさとしろよ、俺は、気が短いんだよ」


ヒーハは、その場で少しオラつきはじめた。

その時、

「黙れ!!こわっぱ!!」

「あんた、なめんじゃないよ!」


芹澤の横と後ろから、赤い殺気と、黒い殺気がヒーハに向かってとんできた。


ヒーハ「はうわっ。」


殺気にあてられたヒーハは、その場でへたりこんでしまった。


「やめろ、俺が声をかけたからなんだぞ」


「すまん。ついな」

「ごめんなさい、マスター」


「悪かったな、だいじょうぶか?」


ヒーハは、へたりこんだ。

目の前には片膝をついて手を差しのべてくれる仏がいた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る