第26話 選択肢

性能テストも兼ねた、戦闘を終えて、さらに戦いは続いていく。相変わらず、赤と緑の連携は良い。かつ、レベルアップ目的の経験値稼ぎであることをわかった上での立ち回りができていた。少し敵の数が多いと見るや、かたほうがスキルで広範囲攻撃し、弱ったところを各個撃破だ。

シーサーが雷撃を放てば、アークエンジェルは、トドメを刺しに行くし、逆にアークエンジェルがヒートウェイブを繰り出せば、シーサーが息の根を止めにいく。あまり、危険な場面はないが、芹澤も打ちもらした敵をマサムネブレードやMP5で掃討していく。リャナンシーもアタッカーに疲れが見えた時、ドルミナーや回復魔法を飛ばし、支えている。彼女のパーティーのライフ管理は抜群だ。それは、芹澤よりも上手なのだが彼女からしてみれば、自身の前にマスターがいて、守ってくれるという安心感があるため出来ることなので、実によくできたパーティーバランスだ。


芹澤は、選択肢は2つあると、アドバイスされたが、あらためて思った。いずれ、前衛の強化は必須になるだろうが、今はまだその時ではない。


テンポよく経験値を稼ぎ、上へと登りながら、敵をなぎ倒していく。少し疲れが見えたところで、小休止したタイミングで芹澤の思いをパーティーに伝えることにした。絆の繋がりがあるため、声に出さなくても伝わるが、あえてしっかりと言葉にする。


「俺は、このパーティーならまだ上のレベルの相手でも、通用すると思う。が、戦力アップは必須だ。遠距離のアタッカーをスカウトする。」


「ガウッ」

「承知」

「イエス、マイマスター」


こちらも各々が、声を出して応答した。










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