第28話 射爆了
『射精1分前を検知、サブリミナル810プロトコル起動』
『プロトコル、正常に作動中──エラー、勃起収まらず。
プライマリー精巣バンクにコンタクト──シコリティネットワーク、未だ継続を確認。硬度を維持』
『更なる追い淫夢を開始──多重ウィンドウ起動、作品選択開始』
『極道脅迫!体育部員たちの逆襲、セット。
空手部・性の裏技、セット。
ストーカー(淫夢)、セット』
『──勃起不全を確認、サブリミナル810プロトコルを終了します』
「何なのだ、これは!?」
おじさんの絶叫は、ある意味で当然のことだった。何故なら、ネットのオモチャにされているゲイビデオたちが次々と空中ウィンドウで開かれて、そのド汚い性行為を余すことなく本編鑑賞させられてしまっているから。おじさんでなく、僕たちの頭までおかしくなりそうだった。
「汚い」
鈴の確信したような声が全てだ。本当にド汚い、許されては行けない本編垂れ流し映像すぎた。
「……おじさん、ホモだったんですか?」
「ちがぁうっ!!!」
光くんの震える声に、おじさんは世界の中心で叫ぶようにして否定した。あまりにも迫真すぎる声、ちょっと怨念がこもってる感じがして怖い。
「違わないパコ、ベーションはパコの嫁が男だった時から好きだったパコからね」
「えぇ……」
光くんの顔に、それはちょっとと引いた感じになっていた。でも、光くんも女の子になって、僕とレズエッチしようとしてたことを踏まえると、全然人のことは言えそうにない。絵面の汚さだけで判断するのは、結構悪いことだって後で教えてあげないと……。
「おのれパコリイヌっ。貴様、我をどれほど辱めれば気が済むのだっ!!」
「辱められているのは、堂々と放映されているこのホモビ男優達パコ」
「おのれぇ!!」
エロ犬の正論に粉砕されて、おじさんは怨嗟の声を上げていた。……というか、分からないことが多すぎる。
この淫夢本編は本当に一体何なの? このオチ◯チンタワーから発射されそうになってた、デカマラス砲はどうなったの? あと、エロ犬の奥さんとおじさんの関係って一体……。
「何故っ、あと一歩であったというに、このようなことにっ」
「それはそう、本当になんで?」
「ま、さか。あの、サブリミナル810システムは、生き物以外の射精に対しても作動するというのか!?」
「は?」
おじさんは突如として錯乱し、日本語によく似た言語を喋りはじめた。サブリミナル810システムって何? 全然サブリミナルじゃないし、思いっきり晒し者としてホモ行為が中継されちゃってるけど。
「つまりは、どういうことです?」
「射精管理ファッキングツール、それをサブリミナル810システムと言う。我らはこれを用い、射精暴発臨界点に到達する度に、強制的にマスを掻くオカズがホモビデオに置換される様にしていた」
「拷問かな?」
射精管理、噂に聞いててとても大変そうだって思ってたけど、やっぱりカスみたいな手段に頼らないと出来ない行為だったみたいだ。全員、暴発して爆散した挙げ句に去勢されればよかったのに。
「我々はそのシステムを用い、遂に勃起することに性交した」
「勃起じゃなくて決起って言って、光くんのためにも」
「だがっ、よもや我らをオナサポするためのシステムが、我らの射精を妨害するとは……っ」
「オナサポとか言うな!」
なんて教育的に不適切な会話なんだ、PTAに訴えたら100%勝てちゃうよこんなの。
もう手遅れだけど、おじさんを心配してる光くんの前で、そんな卑猥な言葉を吐き続けないで欲しかった。
「おじさん……」
「フッ、愚かな我を笑うか、小僧」
本当に笑ってやりたいけど、光くんの手前そんな事できない。そうして光くんは、おじさんへと近付いていった。トドメ、刺していいよ?
「笑ったりなんか、出来ません。おじさんが一生懸命だったこと、僕は知ってます」
「ならば……どうする?」
「こうします」
おじさんの問い掛けに、光くんは……おじさんの手を取っていた。
僕だったら間違いなくトドメを刺すけど、光くんはエッチだけど優しすぎる子だから。きっとやり直せるって、そう思っているんだ。だから、励ますために手を取ったんだ。
まだ間に合うって、やり直すのに遅いなんてことはないんだって。
「……我は、小僧に性交して欲しかった。己が恋を成就せしめ、そこなTS魔法少女を
「はい」
はいじゃないが?
「されど、貴様は破れ、敗北という白濁液を感受した」
「はい」
はいじゃないよ、光くん。違うがってツッコんで!
「だから我が、自身と貴様の身を救おうとしたのだが……」
「……僕は、自分でちゃんと告白して、ちゃんと振られちゃったんです。すごく悲しかったですし、本当は今でもお姉さんが好きですけど……それでも、精一杯やった結果なんです。だから、お姉さんとあの人のことを受け入れられてるんです」
「後悔は、ないか?」
「いっぱいあります。
──でも、後悔できて良かったです」
「……そう、か」
その言葉を前にして、おじさんは力なく笑った。ポッキリと、おじさんを支え続けていた何かが中折れしちゃったのだ。
空気が弛緩して、敵意が解けていく。このバカみたいな戦い、その決戦が遂に終わるを迎えた。
──そう、世界はあのド汚いホモビによって救われたのだった。
「ベーション、おにんにん確定申告(年貢の納め時の意)の時間パコ。大人しく亀甲縛りを受け入れ、みんなの前で謝罪の絶頂をするパコ」
「貴様ぁ!?」
そうして、決着がついたはずなのにエロ犬とおじさんの視線が空中で交差して、火花が散っていた。争うなら異世界で争って、永遠に視界から消えてくれて構わないのに。
「おじさん」
「パコリイヌ」
けど、優しい二人が、それぞれの喧嘩を止めに入っていた。
「チッ」
「パコ〜」
おじさんと、エロ犬をロープでグルグル巻きにする。このまま警察に突き出したいけど、おじさんは国籍を持ってない不法入国者だから、悲しいことに本来の罪であるNTR推進罪は適応されない。だから、エロ犬に持ち帰ってもらうしかない。こんなの、国に押し付けても困るだろうし。
「それにしてもベーション。まさかNTR推進法を画策してたのは、嫁をパコからNTRしようってことだったパコか?」
「っ、黙れ!」
「いいや、黙らないパコ! 月刊純愛ドスケベコミックスを毎月買ってシコっていたお前を何が追い詰めたのか、知る義務がパコにはあるのパコ!」
けど、警察に突き出すまでもなく、エロ犬による尋問が始まってしまった。大体エロ犬のせいだって雰囲気は、何となく察してしまっていた。今までの話を聞いてたら、それとなく想像つくし。
「……我とあいつは、幼馴染だった」
そうして始まった独白に、僕と鈴は思わずビクッとした。その関係性は、僕たちと一緒だったから。思わず、お互いの顔を見合わせてしまった。
思わず、何気なしに手を繋ぐ。
鈴の手は温かくて、安心できた。
「我は誰と比較しても優秀で、強大な陰茎を有していた。選ばれし一物として、様々な特権を享受できた。……だが、それ故に我の周りには、我の一物を求めるものしか集魔羅なかった。そんな中で、唯一あやつだけが、我の陰茎ではなく顔を見て話してくれたのだ」
……逆に顔じゃなくて陰茎を見て話すって、異世界人は本当になんなんだよ。
「家が近所だった、そんな理由が我と奴の絆だった。それだけの繋がりだが、物心つく前……つまりは勃起できる前からの付き合いだ。自然と話し、遊び、学び合う関係になっていった」
そういえば、こいつらって勃起出来るのが5歳からだっけ。じゃあ、おじさんとエロ犬のお嫁さんって本当に幼馴染なんだ……。
「それが我にとっての当たり前で、普通であった。だが──他の輩は違った。皆が我の陰茎を尊し、奉った。まだ、10にも満たない我をだ。チン童などと持て囃しながらな。……そんな輩どもを、信用できると思うか?」
「……確かに」
明らかに終わっている幼少期。そんな環境に身を置かれていたら、頭がおかしくなる理由も分かってしまう。……流石に、ちょっと可哀想だ。
「だが、我には奴さえいれば良かった。それだけで、世界に陰茎だけでなく人間もいると、そう思えたからな」
そこまで語って、おじさんはエロ犬へと視線を向けた。目は鋭く、歪み──憎しみがこもっていた。
「だから、驚いた。信じられなかった。──我を、唯一陰茎でなく人間として扱ってくれた者が、思いもよらぬ方法で奪い去られたのだからな」
「……パコォ」
「フン、言葉もないか」
エロ犬は、どこか遠くを見ていた。まるで、ゲームしたならその倍の時間は遠くの緑を眺めなさいと強要してくる、自然派ママに言い含められたかの様な遠い目だった。
「我が幼馴染は唐突に、男からTSの魔法少女へと姿を変え、そして理由も分からぬ内に一通のビデオレターを送ってきた」
「え?」
おじさんの口から出た、ビデオレターという単語。この人たちの倫理観で物を考えると……どう考えても嫌な予感しかしない。
「鈴……」
「こころ、大丈夫。私はこころの彼女さん」
妙にざわめく胸を、鈴が言葉と態度で落ち着かせてくれる。
……うん、ありがと。おじさんが幼馴染の話をしてるから、少し我が事みたいに感じちゃった。でも、お陰で落ち着いて話を聞ける。
「そのビデオレターの中身は──幼馴染にディルドで突かれ、喘ぎ散らかしているパコリイヌの姿であった」
「なんで!?」
違った、何か思ってたのと違った。
なんというか……その、逆じゃないかな? いや、こっちの方がマシなのは分かるんだけど、想像してたのと違う意味で頭がおかしくなりそうだ。ていうか、そもそもだけど……。
「何でそんなのを?」
「嫁がパコね、大切な幼馴染に伝えたいって言ってたんだパコ。私は女の子になっちゃったけど、元気マンマン娘だから安心して欲しいって」
「じゃあ、なんでお前が犯されてるの?」
「パコが最初に犯したから、百億倍返しで尻穴を開発されてしまったんだパコ。パコは、そのビデオレターを撮影している瞬間に、嫁の尻穴奴隷になってしまったんだパコ。……ベーション、お前は自分こそが尻穴奴隷にふさわしかったと、そう言いたいのパコね?」
「イカれてるの?」
「イカされたパコ」
もう黙れ、そう言いたい中でおじさんは、苦悶の表情を浮かべて……。
「──貴様がそうなるのならば、我が貫かれた方が余程マシだった」
酷く苦しそうにしながら、そんな告白をしたのだった。おじさんは真面目で、今この時だけは誠実に真実を告げていただろうから……反応に、困る。
「……あのビデオレターを送ったのは、嫁がベーションのことを考えた末のことパコ。一番の友達だったお前に、どう告げようかと悩み抜いた末でのパコパコビデオレターだったんだパコ」
「──ならばどうして、我より先に貴様などを頼ったのだっ!」
終わってるビデオレターの概要を聞いて、おじさんは慟哭した。今まで生きて来た中で、一番情念が起こされる叫び。……気持ちが想像できちゃうから、何も言えなくなる。だって、一目見ただけでも痛ましいから。
そんなおじさんに、エロ犬は……。
「あ、それは無理パコ」
クソカス過ぎる回答を返していたのだった。
「貴様ぁ!!!」
「マスコットさんっ!」
「パコリイヌ、メッ」
「エロ犬さぁ……」
今この場で議決を取ったら、賛成多数でエロ犬を柱に吊るすことが可決されそうな勢いだった。それくらい、無神経極まりない返事だったから。
「待つパコ、パコを同人誌のように辱めないで欲しいんだパコ! 断言したのには、マ◯コより深く、チ◯ポよりも高い理由があるんだパコ!!」
「……何?」
嫌々ながら、一応尋ねておいた。万が一くらいには、こいつにも理があるかもしれないから。
「それはパコね……嫁が、ホモじゃなかったからパコ」
「どういう意味だっ!」
おじさんの怒声に、エロ犬は神妙な顔をして。
「──嫁は、お前が自分のことを好きだって、気が付いていたんだパコ」
残酷な真実を、そっとおじさんに告げた。
知っていた、つまりはおじさんが自分を絶対助けてくれるって知った上で、選ばなかった。それってつまり……。
「我よりも、貴様を選んだと、そう言いたいのかっ!?」
吐き出す様な言葉に、エロ犬は一つ頷いて。
「その気がないのに、気を持たせるようなことは出来ないって言ってたパコ」
その言葉を聞いて、おじさんは膝から崩れ落ちた。
十数年越しの失恋、それを味わって、自分にもチャンスがあればという幻想が打ち砕かれた瞬間だった。
「終わった、の?」
「終わったパコよ。こころ、今までありがとうパコ」
「……どういたしまして」
思うところを飲み込んで、素直にエロ犬の言葉に頷いた。
ここまで、僕たちは頑張った。エロ犬も、まぁ……頑張ってたと思うから。
「じゃあ、名残惜しいパコが、パコ達は異世界に──」
エロ犬の別離の言葉の最中──唐突に、オチ◯チンタワーが揺れ始めた。まるで、勃起角度が変わるみたいに。
「何事パコ!?」
エロ犬の動揺に応答したのは、死んだ目で虚空を見ているおじさんだった。
「珍宝殿が、自爆しようとしているのだ。射精出来なかった無念と怒りから、な」
「最後の最後までバカなの!?」
むしろ、バカでなかったことの方が少ないか。相変わらず、一から十までふざけ散らかしていた。死ねば良いのに。
「は、早く逃げないと!」
「ダメパコ、ここで逃げたら塔の爆発に街が巻き込まれるパコ!」
「巻き込まれるって何!!」
「珍宝殿の爆発により、周囲一帯が淫界と化す。さすれば、性的ホロドモールが起き、皆が皆飢えたドスケベの様に淫行に走るだろう」
「ふざけるなよ!!!」
エロ犬とカスおじさんの証言により、逃げられないことがわかってしまった。最悪すぎる、こんなどんでん返しなんていらないのにっ!
「どうすれば良い、パコリイヌ」
「珍宝殿を除去出来れば良いパコが……」
このバカデカい塔を、どこか別の場所へ? ……無理に決まってるだろ!?
「それより自爆を止める方法、何かないの!!」
「ない。誰とて、射精寸前で行為を封じられれば、激怒して然るべきであろう」
「そうだけどっ、これは塔だよ!!」
「それ以前に、陰茎であったということだ」
頼む死んでくれ。その祈りが、段々と心の中で大きく育ってくる。頭がおかしくなりそうだし、頭がおかしくなった妄想の世界にいるってことの方が、現実的には救われそうな気さえする。
「お、お姉さん……僕たち、どうなっちゃうんです?」
「光くん……」
不安そうな光くんを前にして、僕は大丈夫だよって抱きしめてあげることしかできない。……だって、できることも、思いつくこともないから。
ここまで、頑張って来たのにっ。
「──諦めるのは、早い」
そんな諦観の念に包まれそうな中で、一人だけ目の輝きを失っていない女の子が一人だけいた。
「鈴?」
「こころ、これを見て」
鈴だ、鈴だけが諦めてなんかいない。
……あるの、方法が?
鈴はどうにかできる方法、思いついたの!?
「鈴、どうすれば良いの!!」
「こころ、まずはこれを見て」
そうして、鈴はスマホを手渡して来た。慌てて、その画面を覗き込む。すると、そこには……。
「魔法少女リリカルなのは、20周年おめでとう……?」
「うん、おめでた」
「だからなんなの!?」
この状況で、鈴は一体何を言っているのか。もう諦めて余生を楽しもうってことなの!?
……確かにめでたいけどさっ。
なのは20周年おめでとう!!
「分からない?」
「何がわかるの!!」
「詳しくは、リリカルなのはA'sの12話くらい」
「は、意味が……。待って、まさかそういうことなの?」
「うん」
鈴の言いたいことを理解して、頭が混乱する。だってそんなの、どう足掻いても無理だって思うから。
「お姉さん、どうすれば良いんですか!」
光くんの問いかけに、僕は頭を抱えながら答えた。だって、そんなのできっこないから。
「鈴は、この塔を宇宙まで運んで爆発させちゃえって言ってる」
「無理ですよ!?」
うん、そんな方法、どこにもない。だから、光くんの言うことは正しい……筈なのに。
「ううん、できる」
鈴は言い切っていた。
まるで、何かを確信してるみたいに。
「どうやって!!」
叫びながらの問い掛けに、鈴はおじさんはと問いを投げた。堂々と、落ち着きを保ちながら。
「この塔が生えて来た時、パコリイヌは塔が勃起したって言ってた。あなたも、塔であること以前に陰茎だったって言った。──だったら、更に勢いよく勃起させたら、その跳ね上がりできっと宇宙まで飛んでいける」
「鈴、正気に戻って! どうせ終わっちゃうなら、最後までマトモな鈴と一緒にいたいよ!!」
「こころ、諦めちゃダメ。逃げちゃダメだってこと」
頭がおかしいロジックを振り翳しながら、正論で諭してくる。頭がおかしくなりそう、何が正しいが分からなくなりそう、だったけれど……。
「その手があったパコか!?」
「オチ◯チンスパイラルホッピングを敢行しようというのか……フッ、未開拓人め、よくも考える」
「なんで専門の用語があるの!?」
出来るわけないと思ってたのに、なんか出来そうな空気が漂い始めた。何なんだよ、本当にっ!!
「だが、オゾン層までは届いたとしても、宙にまでは届かん。結果として、オゾン層がガバマ◯コ層になるが……構わんか?」
「構うに決まってるだろっ、バカ!!」
この街を取るか、世界を取るか、そんな究極の二者択一を突き付けられる。なんでこんなところで、トロッコ問題なんかさせられてるんだ。絶対におかしいよ……。
「──なら、アクメしたら?」
「……なに?」
「塔が逆噴射アクメしたら、宇宙まで届かない?」
鈴が、更に意味不明なことを呟いていた。逆噴射アクメってなんだよ、物理法則に逆噴射振り掛けてるだろ。
「塔の前立腺に魔法を叩き込んで、ジェットアクメで勢いを増加させるつもりパコね!?」
「そう」
そうじゃないが?
「……それならば、あるいは」
「本当に?」
「あぁ、史上初の試みではあるが、計算上は届くであろう」
何を計算したのか、カチンコチンコ大学とかいうところでは、そんな計算ばかりさせられてたのか。全てが全て馬鹿すぎる。
……でも、ちょっとだけやる気は出て来た。だって、意味は分からないけど救いはありそうだから。
「それじゃあみんな、世界を救いに行こ?」
そう言って、鈴は僕の手を握って走り始めた。この塔を勃起させて、潮吹きで宇宙まで運ぶためにっ。
「二人とも、準備は良い?」
「なんとか!」
「大丈夫です!」
そうして、塔から脱出した僕たちは……詠唱した。
三人揃って、一緒の呪文を唱える。これこそが、一番この塔を勃起させた上でアクメさせるのに有効だから。……鈴のこの魔法は、僕がたくさん潮吹きしちゃってる想像をして、行使する魔法になっちゃってるし。
「「「ハイレグレオタードを見ていると性癖がドスケベ魔法少女になっちまうッ!」」」
思えば色々とあったけど、そのお陰で鈴と一緒になれたし、光くんと出会えた。それだけは、僕にとって良いことだったから。
多くのふざけるなと、ほんの僅かな感謝を込めて。
「「「──クソ、もう我慢できねぇ、膣内に出すぞ!!」」」
これが最後の魔法になるって、確信した詠唱。
──塔は、潮吹きしながら浮上を始めた。
そうして、宙へと潮吹きをしながら発射された塔を見送って。遠い遠い宙の向こうで、エッチな爆発を確認してから──ようやく、このバカカスな事件は幕を閉じたのだった。
さようなら、ふざけ散らかした異世界人達の狂乱。
もう二度と、こんなカスいことが起こりませんように。
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