いつか冷たい雨が、、、

海翔

第1話

 昨日の夜に降った雨が今日は嘘のように晴れていた。

夏也は大悟と真依の3人で稲村ヶ崎に遊びに出掛けることにした。

夏也はいつもは夏の終わりに稲村ヶ崎に出掛けていたが、大悟から真依に頼まれてこの時期の紫陽花が見たいと

言われ、本来は明月院に行けば見れるのだけれど、人が多いことから成就院の紫陽花を見ることにした。

 稲村ヶ崎駅から歩いて行き、成就院に入ったら綺麗な紫陽花が咲いていた。

昨日の雨が紫陽花の花びらに残っていたこともあり、花がイキイキとしていた。

真依も感動して「綺麗な花が咲いているね」と言って写真に納めた。

そして、大悟と一緒に先へと足を進めた。

 夏也が一人ゆっくりと道順に沿って歩いていたら、途中でうずくまっていた女性がいた。

夏也は「大丈夫ですか?」と聞いたら「昨日の雨で足を挫いてしまったようで、、、」歩くのが大変のようだった。

夏也は一先ず、休めるとこを見つけてそこに女性を連れて行った。

 しばらくして、大悟と真依が戻ってきたが、事情を話してここで別れた。

 女性のところに戻って「貴女の家まで送って行きます」そう言われ、女性は「どうもすみません。

私、園田理沙といいます。ここから15分ぐらいのとこに住んでいます」

「麻木夏也といいます。先ほどここにいた2人とは大学の同期なんです」

「先ほど園田さんを家に送ると言ったら2人は了解してくれたのでこれから送ることにします」

 成就院の外に出てタクシーを止めて園田さんの家に向かった。

 家の前に車を止めて夏也さんの肩を借りて、家の中に入ることができた。

理沙さんは「どうもありがとうございます」と言ってひとまず椅子に座った。

 家の中がひっそりしていたので聞いてみたら「ご主人の陽介さんは単身赴任で海外にいて家の中は私一人なんです」と話してくれた。

夏也は挫いた足の部分にシップ剤を貼って痛みを押さえた。

 夏也は「もしよければ、簡単な夕食を作ってあげますよ」

そう言われ理沙は体がまだ動かせないので「よろしくお願いします」と頼んだ。

 夏也は冷蔵庫を見て、カレーライスを作ることにした。

よく夏にキャンプで作っていたので作り方は良くわかっていたのでそれに決めた。

約1時間位かけて作り、理沙さんと食べた。

 その間にお互いのことを話して時間を過ごした。

理沙さんは夏也より11歳上の30歳だった。会った時は20代の真ん中ぐらいに感じていた。

夏也はふっとした行動に、理沙さんの色気を感じていた。

でも、何も出来なかった。

 食事も終わり一段落したので、夏也は帰ることにした。

理沙は「今日はどうもありがとう、足が治ったら今度は私が鎌倉を案内してあげますね」

そういって電話番号とアドレスを教えてくれた。

夏也は「今度会うときが楽しみです」と言って家を後にした。


 あれから2週間後に理沙さんから電話が来て「あの時はどうもありがとう足の方も大分良くなりました。

あの時のお礼を兼ねて鎌倉を案内したいんですがご都合どうですか?」

夏也は「今週末なら時間取れるのでお願いします」そういって約束をした。

 週末になり、極楽寺の駅の前で待っていると理沙さんが車を運転してやって来た

「夏也さん助手席に乗って下さい」そう言われ夏也は車に乗った。

 「まずは私とで会った成就院に行きましょう。もう、紫陽花は咲き終わってしまったけどいいでしょ」

「またそれなりにいいとこが見れるかも、、、」そういって2人で歩いた。

 極楽寺に行き寺を散策した。

そこから稲村ヶ崎に出てもうじき夏になると賑わう海を眺めていた。

理沙は「あの時はどうもありがとう、動けない状態だったので助かりました」

「今は大分良くなり、普段の生活ができるようになりました」

夏也は「よかったですね」と言った。

理沙は「今日は腕をかけて料理用意してあるので家に行きましょう」そういって車を家に向けた。

 家に着き、玄関を入ったところで理沙は夏也に口づけをした。

理沙の舌が夏也の舌にも連れていき、その余韻に慕われた。

夏也と理沙を抱きしめて求めた。

 一息着いて理沙は「お風呂に入りましょう」と言って、場所を案内した。

夏也は着ているものを脱いで浴室に入った。

 シャワーを浴びていると後ろから理沙さんが裸になって入ってきて、

「どうせなら一緒にと思い入ることにしました」それを聞いた夏也は突然の事だっただけに戸惑ってしまった。

 理沙さんは夏也の隣に来て一緒にシャワーを浴びた。そして、体にはボディーシャンプーを付けて体を洗い、

隣に居る夏也さんの体にもボディーシャンプーを付けて理沙は洗ってあげた。

 夏也は興奮しながらも理沙さんの好意をありがたく受けた。一通り洗い終えてシャワーで流したら、

体をバスタオルで拭いて寝室に向かった。

 部屋に入り、夏也がいきなり理沙を抱き締めて口づけをしたら理沙もそれを待っていたかのように口づけを

受けた。

ふっと、理沙は初めて会った時に感じた夏也の体の温かさを感じて体を夏也に預けた。

 二人はバスタオルを取って全裸になりベッドに横になった。

このベッドでご主人に抱かれている理沙さんを思ったら夏也は嫉妬を覚え、その分余計に燃えている自分を感じ、

理沙を激しく抱いていくとそれを感じるように理沙も悶えながら体で感じていった。

 二人が体を離れたとき、理沙は「夫以外の人と初めて抱いてもらいたかったの、あの時の夏也に抱かれたかったの、

温かい感触が今でも忘れることができなくて、、、、」そういって再び口づけをした。

 夏也も「俺は理沙が大好きだ」と言って強く抱き締めた。

二人は再度抱き合って、居間に移動した。

 居間で理沙が夏也に会う前に作っておいた料理とワインを出して食事をした。

そして、いろいろ語り合いながら時間を過ごした。

 理沙の夫は年に1、2度帰るぐらいでほとんどいない状態だった。たまに電話が来るぐらいで寂しい日が続いていた。

そこで夏也に出会えたことで新たな楽しみが増えたと話してくれた。

そして、腹も一杯満たして、夏也は自宅に帰った。

 それから半月後に夏也は理沙さんに「稲村ヶ崎に泳ぎにいかないか」と誘った。

 理沙から「喜んで家で待っていますから迎えに来てください」と連絡が来た。

夏也は準備して理沙さんの家に迎えに行った。

 理沙さんはビキニの水着を着て大きな帽子をかぶって待っていた。

夏也も理沙さんの家で着替え車で稲村ヶ崎に出かけた。

 浜には色とりどりの水着を着た若者がはしゃいでいた。

理沙さんも大胆な水着で周りの男性の注目を浴びていた。

海の中に入って行くと思いのほか先へと泳いでいくのにはビックリした。

理沙さんは海から出てパラソルに横になり、夏也はサンオイルを体に塗ってあげた。

 理沙は小さな声で「今日は家に泊まってください」と囁いた。

夏也は親指と人差し指で丸を作って了解した。

 二人は昼食を近くのレストランで取って、夕方まで海岸で泳いでいた。

 そして、理沙さんの家に行き、全裸になり二人で浴室に塩と汗をシャワーで流した。

二人は抱き合いながら口づけをした。バスタオルで水分を取って、そのままベッドで抱き合った。

 理沙は夏也に抱かれているときが今は一番幸せだった。今までに感じたことのない幸福感を味わった。

そして、理沙が作っておいた料理とワインで夕食を食べた。

 話の話題に乗って、理沙は「今度温泉にいきませんか?時期は2月先にして蔵王温泉に決めた」

話が乗るほどにワインが進み、その日はそのまま二人は抱き合ってベッドで寝た。


 翌朝、目を覚ますと隣にいた理沙さんが居なかった。耳を済ましていたら浴室からシャワーの音が聞こえ、

夏也は裸になって浴室に入っていった。

 シャワーを浴びていた理沙さんが「おはよう」といってくれたので「おはよう」と言い返し、

そのまま頭からシャワーを浴びて眠気を冷まし、体をバスタオルで拭いて理沙さんを抱き締めた。

理沙さんも体を夏也に預けて口づけをした。

 その時ふっと、理沙さんのヌードをカメラに納めたくなり、理沙さんにポーズを頼んだら「恥ずかしい」と

良いながらも全裸でポーズを取ってくれ携帯電話で数回写真を撮った。

 再び夏也は理沙さんを抱き締めてベッドで戯れた。

そして、朝食を取り、そのまま大学の授業に出かけた。

いつもの部屋に大悟と真依が居たのでそこに合流した。大悟は「最近会わないけど元気で居るんですか?」

そう言われ、夏也は「うんなんとかやっているよ。最近はバイトに追われているから時間がとれないよ」

大悟は「今度酒でも飲みませんか?」

そう言われ夏也は「今週末にでも飲みましょうか?」

それを聞いた真衣は「私も行きたい」と言って大悟も賛成した。

 週末になり、いつもの居酒屋に大悟、真依、真依の友だちの裕子さんが来ていた。

夏也もここに加わって飲み会を始めた。

 夏也は「いつも大悟と真依さんに当てられています」と言ったら真依さんが「そんなー」

と言ってとぼけてしまった。

 裕子さんは「本当に仲のいい二人なんですね」

夏也が「そうなんです」と言ったらみんな笑ってしまった。

 そんな和気あいあいの話をしながら酒をのみ交わした。こんなときは時間が過ぎるのが早くもう11時近かった。

 真依さんは大悟の家に泊まるため二人で仲良く家に帰っていった。

裕子さんはまだ、飲み足りなそうな顔をして居たので「もしよかったら、うちに来ませんか?」と言ったら、

素直について来たので夏也の家に迎えた。

 それほど大きくない部屋に座り裕子さんとお酒をのみ直した。

夏也は「今日はあの二人に当てられぱなしでしたね」

「そうですね、仲の良い二人ですからしょうがないですよ」そういってお酒を飲み明かした。

 12時を過ぎた頃に裕子さんが「今日はここに泊めてください」そう言われ、

夏也は「ここでよければどうぞ」と答えた。

 そして「シャワー浴びるようでしたらこのバスタオルとスエットを使ってください」ということで裕子さんは

バスタオルとスエットを持って浴室に行った。

 しばらくしたら、シャワーの音がしてその後に倒れたような音がしたので、

浴室に行ったら裕子さんが倒れていた。

 どうも飲みすぎて足元を滑らしたようで、立てる状態ではないので、夏也は裸の裕子さんを抱き寄せて、

バスタオルで拭いてベッドで寝かせた。思ったよりもスリムな体型でスムーズにことが運べた。

 翌日、タオルケットに裸で寝ていたことで裕子さんはビックリして、

隣に寝ていた夏也さんを起こしてことの説明をしてもらい、裕子さんは夏也さんに迷惑かけたことを謝罪した。

 夏也さんは「裕子さんが裸で寝ていたことから心配されると困るんですが、酔った人を抱いたりはしませんから、これだけははっきりいっておきます」

 裕子さんは「こんな生真面目な夏也さんに私、夏也さんに抱かれてもよかったんです。

何となく安心できる人だったので、そういって、せっかく起きたんですから、シャワーでも浴びてスッキリしませんか?」

夏也も裸になって二人でシャワーを浴びに浴室に行った。

 シャワーのコックを開けた瞬間に冷たい水が体にあたり裕子さんは「キャー冷たい」と叫んだ。

 その瞬間に夏也は裕子さんの体を抱き締めて口づけをした。

そして、なにも言わず体を夏也さんにあずけた。二人は抱き合って流れ行くシャワーの水に時を流した。

夏也は気持ちが高ぶるに連れシャワーを止めて、バスタオルで体を拭いてベッドへと移動した。

そして、二人は激しく抱き合ってお互いの気持ちを確認し合った。

 ことが終わり、裕子は夏也の腕枕で「私、失恋してまいっていたときに、真依さんから飲み会に誘われて来たんです。

そこで少し無茶振りをしてしまいました。

でも、夏也さんに会えてよかったです」昼頃まで何となく話して、裕子さんは「また会えたらいいですね」と言って自宅に帰った。

 夕方近くに理沙さんから電話があり「夕食どうですか?」と誘いが来て、夏也は理沙さんの家に出かけた。

 まだ、夏の残りがあるためか昼間はまだ暑い日が続いていた。

理沙さんの家についたときも夏也は汗をかきながら家についた。理沙さんは涼しい顔で迎えてくれた。

夏也はすぐに理沙さんに抱きついて口づけをした。理沙は体がふわっと浮いた気分で夏也に抱かれた。

そして、リビングに向かった。そこには理沙が手を入れた料理とワインが置かれていた。

 さっそく、ワインの封を切ってグラスにそそいだ。料理が肉だったこともあり赤ワインを飲んだ。

理沙さんと飲むワインは芳醇な香りと飲みやすさでいつも飲みすぎてしまう。

そして、メインディッシュはステーキだった。柔らかい肉を食べ話も弾んだ。

 理沙さんから「今日も泊まって言ってください」と言われ、夏也は「わかりました」と話した。

 食事が終わり、シャワーを浴びに浴室に入って裸になり、シャワーのコックを捻ってしばらくしたら、

裸の理沙さんが入ってきた。裸のまま二人で抱き合いそして、口づけをした。夏也はひとまずボディーシャンプーで体を洗ってシャワーを浴びた。

横で理沙さんも同じように体を洗ってシャワーを浴びて居るのを見ていたら、

水滴が乳房にあたり乳首の先へと流れて落ちていく姿がとても色気を感じた。

 バスタオルで体を拭いて、二人で寝室に向かった。お互い裸でベッドに横になり、お互いを求め合った。

理沙にとっても夏也にとっても掛けがえのない存在だった。理沙はふっと、

このまま二人だけど異国で過ごせたらどんなにか良いかと思った。

 静かな時が過ぎて、理沙は夏也の腕枕で眠りについた。

そんな生活が2、3ヶ月続き、半年前に理沙からの提案で予約していた温泉旅行が近付いて来た。

 理沙の予約しておいたホテルは部屋に温泉があり、贅沢な部屋だった。

 そして、その当日、待ち合わせの場所で待って居ると理沙が車でその場所に来てくれた。

夏也は助手席に乗って一路、蔵王に向かって車を走らせた。その間に1度パーキングエリアで休んで3時前に目的のホテルに着いた。

 手続きが終わり部屋へと案内された。ホテルの人に「仲の良い姉弟ですね」そう言われ、理沙さんは「そうですね」と答えた。

 夏也は部屋に入り「俺、理沙さんの弟になったんですね」と言って笑って話した。

理沙さんは「うんそうよ」と言って笑っていた。

 まだ、夕食までには時間があったので二人は浴衣に着替えて、部屋の中にある温泉に二人で入った。

体の芯まで温泉で暖まり部屋でゆっくりしていると、部屋で夕食の準備が行われた。

いろんな料理が持ち込まれ、これでもかと言う具合に台の上狭しと料理が置かれた。

 その一つ一つを味わいながら、お酒を酌み交わした。1時間後には二人は料理を食べていい気分になっていた。

その30分後に仲居の人が来て料理を片付けた。寝床は隣の部屋に布団が引いてあったので、

仲居の人が出ていったら夏也は理沙さんと丹前を着てホテル内の散策をした。

庭に出てみたらライトアップされ美しい風景が見られた。1時間も散策して部屋に戻った。

 部屋に戻り空を見たら丸い月が何かに語りかけているようだった。

夏也は理沙さんに「二人だけの写真を撮りたいのですがいいですか?」と聞いたら「構いませんよ」と言った。

 理沙さんが「どんな写真撮りたいの」と聞いたら、夏也は「理沙さんのすべてを撮りたい」と言った。

「そしたらヌードもですか?」

「ええ、、お願いします」と夏也は言った。

理沙は何も言わずに着ているものをすべて脱いでポーズを取った。

 夏也はこの姿を目に焼き付けながらカメラに納めた。

 そして、二人で裸になり温泉に入った。体を温めて温泉を出たら二人はお互いを求め愛ながら夜を過ごした。


 翌日は遅く起きて起きて朝風呂に入って朝食にした。朝から腹一杯食べて、ホテルを後にしてお土産を買いながら帰宅した。

 夜、遅くに理沙さんの家についたのでその日は理沙さんの家で過ごした。遅い夕食を理沙さんと食べて、

お酒を飲みながら時間を過ごしてそのまま寝た。

 翌朝、夏也は大学があるので朝食を理沙さんのところで済ませて、一度家に帰り大学に出かけた。

 いつもの部屋に行ったら、大悟と真依さんそして、裕子さんが授業を受けに来ていた。

夏也は「みんな元気でしたか?」そういいながらバイトで忙しい日々を話していた。

大悟が「相変わらず忙しいんですね」と言ったら

夏也は「貧乏金無しですから仕方ないですよ」

「それにしても真依さんと仲いいですね」と言った。

 裕子さんは大悟と真依が話に夢中になってるときに小さな紙にここに電話くださいとメモを書いて渡してくれた。

夏也は授業が終わってから裕子さんに電話をして見たら裕子さんが「私の家で会えませんか?」と言われ、

6時頃に駅で待ち合わせることにした。

 駅に居ると裕子さんが手をあげて合図をしてくれて夏也はそこに向かって歩いた。

裕子さんに会って部屋に案内してもらい部屋に入った。

部屋のなかはきれいに片付き、質素な部屋だった。

 裕子さんは途中で食材を買ってきて簡単に夕食を作り二人でそれを食べた。

その後に夏也の持ってきたお酒で二人はそれを飲んだ。この前以来だったこともあり、

酒の力を借りて少しずつ雰囲気が良くなってきた。11時を過ぎた頃にお開きにしたら裕子さんは「今日はここに泊めてください」と言った。

 夏也は帰るのが億劫になりここに泊まることにした。

裕子さんはお風呂の準備をしてそちらに案内をした。

夏也が裸になって浴室に入っていたら、後から裕子さんが入ってきて一緒にシャワーを浴びた。

スリムな体型にシャワーを浴び、水滴が弾くほどの肌で夏也はビックリした。そして、口づけをして抱き寄せた。

裕子もその反応に身を任せた。頭から濡れるシャワーで体を流してバスタオルで拭いて、

そのままベッドに横になった。裕子は半年前に抱かれたことを思い出して身を焦がし、

夏也は欲望の限りを裕子に求めた。

 あれから1週間が経ち夏也は理沙さんのところに電話を入れたが反応がなく、気になって理沙さんの家に向かったら、

家の玄関に夏也宛の封筒が置かれていた。

夏也はその封筒を開けて中の文章を読んだ。

 夏也さま

 この手紙を読んだ頃には私はもう、日本にはいないでしょう

短い間でしたが、夏也さんに出会い楽しい時間を過ごせましたが、

この5日前に夫より赴任先に来てもらいたいと言われ、

色々考えまし たが未来のある夏也さんにこれ以上迷惑をかけるわけにもいかず、

私のわがままかもしれませんが、これ以上夏也さんと付き合うことが出来ませんでした。

その事から、夫の元にいくことにしました。短い間、ありがとうございました。

                                  理沙

                              

 夏也は手紙を読んで、うっすら目頭を熱くした。

こんな形でこの恋が終わるとは思えず何も言えなかった。

一人、稲村ヶ崎の海岸に出掛け浜を見ていたら、冷たい雨が降ってきて夏也の肩を濡らしていった。


 理沙さんとの恋が終わった事を実感した。

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