小説家以前にクリエーターとして

 いきなりいうが『創作に携わる中でも、小説家は安く見られがちである』という事実を識ってもらわなければならない。


 その上で、『クリエーター』は常に妊婦さん状態か、男性にしか分からない下のネタだが、常に賢者モードの時に限って、その行為を「やって、やって」と求められてしまう立場であることを忘れてはならない。(女性でも出産後に似たような状態になるので体験はできる)


 なんでこんな話をしたか?別に消費者に理解して欲しいわけではないが、日本の市場(マーケット)の強みとして作品代謝が早い事を伝える前座として、言い方があれだが『早漏』が求められる制作環境であることを把握して欲しかった。


 なお、海外の代表としてアメリカ市場を例に挙げるが、へこへこ時間が長くやれる作品を好んで作る傾向があり、それは日本市場と違い、バカみたいにお金と確実に売れる商品を長く利用したいという目論見からそうなっている。その分、代謝が遅く、活動はき違えたポリコレダメージが食らいやすい事情も抱えているが、そこは別に掘り下げる場所じゃない。


 ひとえに『クリエーター』と言っても『小説家』の他にも『絵師』とか『映像』『陶芸家』『商品開発』『脚本』『監督』『編集』etcと多岐にわたる。その中でも『小説家は源泉の立場でありながら、身分が低い』という一面を持っている。


 言いたいことは分かる。だが、ほとんどの場合『兼業をしないと生活していけないくらいの扱い』を受けていることは紛れもない事実。実費で出すなら、利益率はバカ高いがそれができるのは、そもそも売れっ子であり、確実に『絵師』が付いている。


 昔、自分も動画にチャレンジをして『絵師を雇った経験があるが』数枚絵に何十万も使ったことがある。結局、動画に才能がなくて無駄になりましたが、この経験は『絵師を雇うって、相手のことも思うと安くは雇えない存在ですし、ある程度の注文力がないと、一枚描いてもらうの数週間、悪い品が届いたら絵師の体調を気遣って、休んだ上で、もう一度描いてくださいと、画面前で土下座して頼まないといけない状況もある』わけです。


 まとめると、『源泉であるがゆえに、最も頭を下げるのは営業ではなく、『自分』である』という、『プライドがある人は粉砕され、優しい人ほど疲弊する』ことをまず、認知どころか認識してください。


 これはまだ一関節だからマシですが、それが連なって『良い作品を作ろうと気持ちが同じでも、立場立場でその意味合いは変化』します。


 つまりは、源泉の頭が悪いと『出汁に使われて終わる』人もいれば、上にいる『歴戦のクリエーターの力量に負けて奴隷状態』となり、あの悲惨な原作者が命を捨て去る《セクシー田中さんの事件》の二の舞の状態にもなりかねません。


 あと、報酬関係の話で大体原作者は貰う方法が大きく二パターンあって、『原稿料式』か『売上の何パーセントもらう方式』があります。(もちろん他にもあるが、入門では取り扱わない。


 『原稿料式』は、原稿用紙一枚いくら?みたいな内容がいくら良くとも文字量でお金が貰える方法。


 メリット。仕事をやれば安定すること。等

 デメリット。売りあげても、ボーナスはあるかもだが期待できない。等


『売上何パー式』は、何にも言わないと大半は(本体価格)5%程度の報酬(絵師は)2%くらいだそうで、自分の子なのに安く買い叩かれます。


 メリット。売れたときにバカほど入って来る。等

 デメリット。売れないと金にならない。税金の管理が面倒。等


 ここら辺はよく聞くものだから想像はしやすいとは思いますが、そうなんだと諦めるには早計というもの『聖人性を捨てて、図々しく交渉をすれば、説得して報酬をあげることが可能』だ。


 そのためには、ある程度の予備知識が必要となる。


 例えば、本屋さんに並ぶ書籍を買うと『いくら本屋の懐に入るか知っているだろうか?』。当然の話として、人件費や仕入れ値のことも考えて想像して欲しい。


 さっそく答えだが『大体、(本体か価格)20%前後』であることが多い。これはパレードの法則においても適正価格だ。その法則については調べてもろて、原作者もそのくらい貰っても影響がないってことだ。(電子書籍に関する店舗書籍の立場で血みどろがあるが、そこは入門レベルじゃないから割愛)


 他にも、『ある一定額を稼いだら望む額にする』という交渉や重版クラスの実力があるなら『次出させてやるには、このくらい報酬出せ』と後からタコ殴りにされそうな交渉方法がある。


 『苦労』『報酬』と続いてここでは最後にするが、『人気』についての話だ。


 はっきりというが、『人気というのは、更新×認知度×運』であることを忘れてはならない。才能が問題ではない。生憎『クリエーターになれるのはすべて運だ』能力でも何でもない――――いや、一部かもしれないな。


 小説家として贅沢しないなら、とりあえずはファンではなく生活費を出してくれる顧客を得ることが大切だ。額にもよるが、30万と仮定して、一万くらい出してくれるを想定したら、30人で済む。(極端だが……。


(もし、ビジネスについて学びたいなら、中田敦彦の授業でも訊きに行ってください。態度は気に入らないかもっしれませんが、頭には入ります)


 とまあ、現実叩きつけましたが、まだこれは仮想レベルの話だ。現実味が湧かない話だ。けれども、予備知識としては重要な話だ。それを識っていいるからこそ、辛口な態度をこちらも取らざる得ない。


 だって、甘く評価してその世界に入ったとき、『こんなことになるとは……』と絶望したり、「それでも行くぜ」と『覚悟を持って』欲しいという発破をかけた願いでもあるからだ。


 次は、現実に下げた領域の話になる。日常でも使えるレベルなので、是非心構えと手ほどきとして、学んでもらえると幸いだ。

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