第二十五幕:十常侍の乱と英雄たちの集結

漢の宮廷では、十常侍の専横が続き、大将軍何進との対立は激化していた。十常侍は権力を握り続け、何進はそれを排除しようと動く。外敵である鮮卑が中原を脅かしているという事実にも関わらず、宮廷内は内紛で崩壊寸前だった。


十常侍は何進の暗殺を計画し、彼の殺害が実行されると、宮廷内の混乱は一層深刻化した。洛陽では董卓が西方から進軍し、この混乱に乗じて権力を奪取しようと目論んでいた。


「この乱世、俺が支配するのだ。」董卓は冷笑しながら、都の実権を握るために動き出した。宮廷を支配することで中原の全土を制圧しようとする野心が、彼の胸に渦巻いていた。


一方、袁紹は中原の外敵、つまり鮮卑の脅威に対抗するため、反董卓連合の結成を目指していた。彼は同時に、河北を制圧して勢力を広げる檀石槐こと武田信玄の鮮卑軍に対抗するため、討伐軍を編成することも考えていた。


「このまま鮮卑の進撃を許せば、我々の命運は尽きる。今こそ団結し、敵を討つ時だ!」袁紹は中原の有力武将たちに呼びかけ、強大な連合軍を結成するための動きを開始した。


袁紹の呼びかけに応じたのが、劉備三兄弟であった。劉備、関羽、張飛は中原を守るため、再び戦場に立ち上がることを決意した。


その頃、常山郡の勇将として名を馳せていた趙雲は、かつて劉備三兄弟が公孫瓚のもとで鮮卑と戦っていた時に、彼らと出会っていた。劉備の人柄とその強い志に深く感銘を受けた趙雲は、常に劉備のことが頭を離れなかった。劉虞や公孫瓚が鮮卑に対抗するために指揮を執っていた際、趙雲は劉備の統率力、そして誠実さに心を動かされたのだ。


「劉備殿はただの武勇ではなく、民を救おうとする真の大義を持っている…。私もその大義のために命を懸けるべきだろう。」趙雲は心に決め、劉備のもとに馳せ参じることを決意していた。


ついに、袁紹の討伐軍に加わるため、趙雲は再び劉備の前に現れた。


「劉備殿、再びお会いできて光栄です。あなたと共に戦う覚悟ができました。」趙雲は毅然とした態度で劉備に向かって挨拶し、心からの忠誠を誓った。


劉備はその言葉に深く感動し、趙雲を快く迎え入れた。「趙雲殿、共にこの乱世を終わらせよう。あなたの力が加われば、我らの戦いはより強固なものとなる。」


関羽と張飛も、趙雲の武勇を知っていたため、すぐに彼を兄弟のように迎えた。「趙雲、お前も俺たちと肩を並べて戦うんだな!」張飛は豪快に笑い、趙雲の肩を力強く叩いた。


こうして、劉備、関羽、張飛、そして趙雲の四人が共に力を合わせ、鮮卑討伐軍の一員として戦うこととなった。


一方、洛陽では董卓が権力を握り、皇帝を傀儡として実質的な支配を開始していた。彼の圧政は瞬く間に中原全土へと広がり、各地に恐怖をもたらしていた。だが、董卓はその裏で信玄の動向にも注目していた。鮮卑軍が北から押し寄せてくるという脅威に対して、彼もまた次の手を考えていたのだ。


「董卓を討つだけではなく、鮮卑の進軍も止めねばならない。だが、まずは内部の敵を一掃するのだ!」袁紹は連合軍の結束を強固にしながら、董卓と鮮卑の両方を同時に対処する策を練っていた。


その時、反鮮卑・反董卓連合軍が結成され、劉備三兄弟や趙雲も討伐軍に加わり、いよいよ檀石槐率いる鮮卑軍との決戦に向けた準備が整えられた。


信玄はその動きを見逃してはいなかった。彼は董卓の圧政を利用し、さらに自らの勢力を広げるための計略を進めていた。


「奴らが団結しようとも、風林火山の旗の下で進撃を続ける。董卓の混乱は好機だ。だが、全てを掌握するまで手を抜くな。」信玄は冷静に戦局を見据え、次なる一手を計画していた。


劉備三兄弟、趙雲、そして袁紹の連合軍が鮮卑軍との決戦に備える中、中原は新たな英雄たちの戦いによって、さらに激動の時代へと突入していった。

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