第4話 呼び出し



教室にて・・・

授業と授業の合間のちょっとした休み時間中、一樺とメイは何やら話し合っていた。



「ここのカフェ、雰囲気チョー良くな!?」


「見た目凄くいい感じだね」


「この間見つけたの。ちょっと外れた所にあるんだけど、なんか大人のカフェって感じで、外にはちょっとしたカフェテラスがあって、調べてみたら、

ここのパンケーキトーストけっこう美味しいらしいよ!今度行ってみようよ!」


「へぇ~、そうだね、行ってみようか」



メイが持ってきた雑誌を見ながら二人の話が盛り上ってきたところに呼び出しチャイムが鳴る。



ピーンポーンパーンポーン



「呼び出しをする。2年3組の桐島一樺、至急情報室に来なさい」



ピンポンパンポン



「今のオニ先?呼ばれたよね…?なんで一樺呼び出されてるの?」


「なんでだろう…?」


「自分でもわからないのかぃ!まぁいいや、次の授業、オニ先だったよね~」


「授業…オニ先…おにせ…、んん!!やっば!ちょ、行ってくる!」





一樺は杜門に言われた『お手伝い』のことをすっかり忘れていた。

教室を出て大慌てで情報室へと走り出す。



「(まずったぁ!)」





コンコン バタンッ!と大きな音を立てて情報室の中に入る。



「ゼェゼェー…あの、放送で…ゼェー…呼ぶのっ、や、やめてもらえません…?」


「もっと静かに入らんか」


「はぁ、はっ…お、遅くなりました…」



一樺は呼吸を落ち着かせながらパソコンの前に座っている杜門に近付く。



「来るのが遅かったな、どうせ忘れてお喋りでもしていたのだろう」


「(ギクッ)い、いえ、そのようなことは~…」



課題運びのことをすっかり忘れていたことに図星をつかれ苦笑してしまう。



「まぁいい、授業が始まる、さっさとこれを持って行くぞ」



杜門は席を立ち上がり情報室を出る。

一樺は急いで採点済みの課題とこれから出す課題の紙束を抱えて杜門の後をついて行く。



「(またこんなに課題を出されるのかぁ…うげぇ。

先生の持ち物ペンケースと教科書だけじゃん、ずるい)」



目を細めて杜門を凝視していると、ふと視線が合ってしまい慌てて視線を逸らす。



「なんだ?」


「い、いえ!」



予鈴が鳴る前に教室に着いた杜門と一樺は教室の扉の前で立ち止まる。



「先に入っていろ」


「え、入らないんですか?」


「まだ授業の鐘は鳴っていないからな、それまでは休み時間だ」


「そ、そうですかぁ…」



先に一樺が入り持ってきた課題を教卓の上に置き席に着くとメイが話しかけてきた。



「なんで一樺がオニ先がいつも持ってくる宿題運びしてるの?」


「それがね―――…」



予鈴が鳴ると同時にガラガラと扉を開けて杜門が入ってくる。



「あとで説明するわ」




∞∞∞∞∞




授業が終わりさっそくメイは一樺に先程の話の続きを促した。



「で、さっきの話の続きは?」


「あぁ、あれね、つい先日呼び出しされた時にさぁ―――…」



杜門に呼び出された時に話をされた内容を説明をする。



「うわっ、なにそれ酷くない?

でもそれってウチのせいもあるよね、ほんとごめんね。一樺かわいそう…」


「同情するなら代わってくれ」


「それは絶対にイヤ」


「ですよねー…」


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