第131話
ジェイクが騎士団を率いて攻めると降伏する事態が頻発した。
前回、必死に防衛したのにろくな抵抗もできなかったのだ。
こうなるのも仕方ないだろう。
実際に投降した兵士を見れば満足な食事を取れていなかったのだろう。
やつれた兵士が多かった。
それに対して捕らえられた貴族は元気があり余っているのか噛みついてくる者が多かった。
上だけがまともな生活を送っていればやる気のでないのも納得だ。
マーカス率いるマルコシアス王国艦隊は植民地から引き上げてきたサーキス王国の艦隊相手に一方的な蹂躙を繰り広げていた。
アームストロング砲で遠距離から砲撃を加え次々にサーキス王国の船を沈めていく。
マーカスが率いる艦隊は王直轄の艦隊でありその練度は高い。
巧みに帆を動かし風魔法も併用しながら敵船との距離を常に一定に保つ。
サーキス王国の艦隊は数を頼りになんとか距離を詰めようとしてくるがそれが叶うことはなかった。
マルコシアス王国艦隊は障害を排除してサーキス王国の王都にたどり着いた。
サーキス王国艦隊の生き残りは一定の距離を保ちつつ隙をうかがっているが仕掛けてくる様子はない。
ジェイク率いるヒンメルン王国の騎士団はまだ到達していないようだ。
マーカスは海上封鎖をしつつマーカス達を待つことにした。
ジェイク率いるヒンメルン王国の騎士団が王都に着いたときマルコシアス王国艦隊は海上封鎖を行っていた。
「どうやら待たせてしまったようだな」
「それは仕方ないのでは?」
ジェイク達が遅れた理由は占領した地域の統治に手間取ったからである。
サーキス王国の貴族が使い物にならなかったためゲリラと協議して最低限の民の生活を保証する必要があったからだ。
本国に連絡してアルが確保した食料を運ぶように指示を出したりと色々忙しかったのである。
アルはジェイクの要請により再び各国をまわって食料の買い付けに向かっていた。
サーキス王国の状況は思っていた以上に酷いようだ。
唯一の救いは今回も各国の商会が協力的なことだろうか。
おかげでさほど時間をかけることなく輸送艦の船倉を埋めることができた。
サーキス王国全体で食料が足りていないことを考えると何度かピストン輸送をする必要があるだろう。
協力してくれる商会に食料を集めておいてくれるように頼み港を後にする。
スーウェンで食料を降ろす。
アルは休む暇もなくそのまま艦隊を引き連れて食料を用意してくれているであろう港にとんぼ返りした。
船員達を休ませてあげられないのは申し訳ないがそのおかげで十分な食料を用意することができたのである。
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