第122話

「さて。それでは行きましょうか」

アルは歩いてネフタルの本拠地に近づいていく。

建物の前には見張りと思われる男達がいる。

「なんだお前達は?」

「ちょっと聞きたいことがありましてね」

「ほう。見たところいいところのお坊っちゃんのよだうが?」

「まぁ。間違ってはいないですね」

「ここには坊っちゃんの気に入るようなもんなんてねぇぞ」

「それを決めるのは僕達ですよ」

「なんだと?」

「入らせてくれないなら実力で入りますね」

アルがそう言った瞬間、見張りの男達は地面に寝転がっていた。

先程の巻き戻しのようである。

「てめぇ・・・」

男が何かいっているがアルはスルーして扉に手を伸ばす。

しかし、扉は施錠されていて開かなかった。

「めんどうですね」

アルは扉は蹴り飛ばす。

ドカンという音がして扉が吹き飛ばされた。

扉の先では扉が吹き飛ばされたのに巻き込まれたのだろう。

男達が倒れていた。

アルは死んではいないので放置して先に進む。

扉が吹き飛んだ音で飛び出してきた男達もいたが全員を床に沈めてドンドン突き進む。

豪華な扉があったので開けてみると昼間から女を侍らせグラスを片手に葉巻を吸っている男がいた。

「なんだお前達は?」

「貴方がネフタルのボスですね」

「誰だって聞いてるんだよ」

「はぁ・・・。頭のわる・・・。いえなんでもないです」

「お前、今なにを言いかけた?」

「これに見覚えは?」

アルは懐から押収した薬を取り出す。

「んっ?それはうちの商品じゃねえか」

「黒ですか。まぁ、わかっていたことですが」

「何をごちゃごちゃいってやがる・・・」

「入手先を教えてくれれば手荒な真似はしませんよ」

「はん。どういうつもりかは知らねえが教えるわけねぇだろうが」

「そうですか・・・」

アルは無詠唱でウィンドカッターを唱えると葉巻とグラスを両断する。

「てめぇ。何をしやがった?」

男はここにきてようやっと危機感を覚えたのか警戒してくる。

「あんまり拷問とか好きじゃないんですが喋ってくれないと体を刻むことになりますよ?」

「できるもんなら・・・」

アルはその瞬間、女性達を巻き込まないように制御されたウィンドカッターを男に放つ。

「いっ・・・。てめぇ・・・」

流石はギャングのボスと言うべきかこれぐらいでは口を割ってくれないようだ。

「仕方ないですね・・・」

アルは容赦なくウィンドカッターを次々に放っていく。

男は血だらけになり肩で息をしている。

「なんなんだよ・・・。お前・・・」

「言うきになりましたか?」

「あぁ・・・。俺達に薬を降ろしてるのは・・・」

男から語られた黒幕は予想通りの組織だった。

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