第121話

アルは反対しそうな面々を国に帰したので早速行動を開始した。

「売人からの情報は集めっていますね?」

「はい。どうもこの街暗黒街をしきるギャングの1つから受け取っていたようです」

「なるほど。では、これから殴り込みをしましょう」

「いやいや。アルフレッド様が行かなくても」

「これでも僕は強いですよ?」

定期的な訓練はずっとしてきたが神様から加護をもらってからはその能力はさらに高くなっていた。

「こんなこともできますし」

そう言ってアルは各属性を球体に固めてお手玉をはじめる。

ちなみにであるが球体1つでアンソンが吹き飛ぶ程の威力がある。

「あわわ・・・。アルフレッド様、やめてください」

「これで実力はわかってもらえました?」

「はい・・・。でも、危険だと思ったら自分の身を優先してくださいね」

マンハッタンと雇われた傭兵を呼集して暗黒街を目指す。

武装した人間がこれだけ集まっているのだ街の人達は何事かとこちらを見ている。

しばらく歩くといかにも貧民街と思われる区画にはいった。

「おいおい。お前らここが誰の支配地かわかってんのか?」

明らかに柄の悪い男達が行く手を阻む。

「ちょうどよいですね」

アルはそう言うと男達を問答無用でぶん殴る。

「はっ?」

「えっ・・・?」

男達は何をされたのかわからないうちに地ベタに転がされていた。

「ネフタルの構成員ですね?僕らは貴方達のボスに用があるんですよ」

「誰がお前なんて・・・」

「ふぅん」

アルは無慈悲に口答えした男の腕の骨を折る。

「痛たたた・・・」

「案内してくれないともっと折りますよ?」

「ぐっ・・・。わかった。わかったから・・・」

「案内してくれるお礼に骨は治しておきますね」

アルはそう言って無詠唱で折った骨を治療する。

「なんて餓鬼だ・・・」

若干、味方である傭兵達も引いているようだがアルはにっこりと笑う。

この手の人間は痛みに弱いのだ。

こいつのように下っぱであれば特にその効果は高い。

「こっちだ」

男の案内で奥まった区画に入る。

先程まで居た場所にはぽつぽつと人がいたのにこの辺りにはまったく人がいない。

それだけネフタルという組織が恐れられているのだろう。

目的地にはそこだけ場違いなほど綺麗な建物が建っていた。

「ボスはここにいる。俺はもう行ってもいいか?」

「えぇ。といいたいところですがダメです」

「なんでだよ」

「ネフタルを一網打尽にするのが目的だからです。大人しくしていれば痛い目にあいませんよ?」

「くっ・・・。お前にはどう逆立ちしても勝てそうにねぇ」

男は諦めたように拘束を受け入れた。

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