第46話

ヒンメルン王国の近衛騎士団に守られたアル達は問題なく、ヒンメルン王国の王都に到着した。

そのまま一行は王城に案内される。

しばらく応接室でまたされたがアルとマーカスは謁見の間ではなくヒンメルン王国の王族のプライベートスペースに案内された。

「ようこそ。ヒンメルン王国へ。国王をしているジェイク・ド・ヒンメルンだ」

「マルコシアス王国国王のマーカス・ド・マルコシアスだ」

「国王自ら我が国に足を運んでくれるとは思っていなかった」

「急な来訪で申し訳ない。だが、我が国はそれだけ貴国を信頼し重要視しているということだ」

「そこまで言っていただけるとありがたい。それに、正直な話をすれば助かった」

「というと?」

「貴国との軍事同盟を反対する貴族がいてな。サーキス王国と敵対してまで手を組む必要があるのかとな。だが、こうして貴殿が足を運んでくれたことで説得しやすくなった」

「こうして足を運んだことで関係が少しでも磐石になるのなら意味があったというものだ」

「そういっていただけるとありがたい。今、客室を用意させているので旅の疲れを癒してほしい」

「心遣いに感謝する」

アルとマーカスはそれぞれ客室に案内された。

アルがしばらく休んでいるとドレスに着替えたフランが訪ねてきた。

「アルフレッド様。よろしければお茶などいかがですか?」

「ありがとうございます」

アルは喜んでその誘いに乗った。

フランに案内されたのはよく手入れのされた庭園だった。

「綺麗なところですね」

「はい。私のお気に入りなんですよ」

フランは自ら紅茶の準備をして淹れてくれた。

「お口に合うといいのですけど・・・」

アルはまずは香りを楽しみカップに口をつける。

フランの淹れてくれた紅茶はほんのりフルーティーだった。

「とっても美味しいです」

「そう言ってもらえると嬉しいです」

フランは笑顔を浮かべつつ自分も紅茶に口をつける。

「アルフレッド様はどこか行きたい場所はありますか?」

「そうですね・・・。土地が変われば民の生活も変わるものです。街を色々回って取り入れられることは取り入れていきたいです」

「わかりました。手配しておきます」

「ありがとうございます」

マルコシアス王国は島国であったため他国の間者などが入りにくかったがヒンメルン王国は防ごうとしてもどうしてもどこかから悪意を持った者が入ってくる。

護衛をしっかりとつける必要があった。

手間をかけさせるがアルに何かあってはヒンメルン王国との関係にヒビが入る。

自由に動き回れないのは不便だが受け入れるしかないだろう。

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