第14話三者会議

晴通は大内との戦の後に大三島に立ち寄ってから湯築城に戻った。


戻る際に先に伝令を友直と盛国へ湯築城で待つように向かわせておく。




湯築城


晴通は3人で話をする時ように部屋を新たに作った。さして広くない部屋で別名もんじゅの部屋として文殊菩薩様を祭っている。あとは晴通の好物である焼餅を食べながら3人で話をするようになった。


「待たせたな」


そう言いながら晴通は部屋へと入ると友直と盛国が頭を下げて待っっていた。


「滅相も無いです」


友直がそう返事をすれば晴通も自分の席へと座る。


「2人とも楽にしてくれ。それで話なのだが、今までのことで領地も家臣団も落ち着くだろう。なので今後についての話をしたい。先に俺の考えとしては宇都宮・西園寺を攻めて河野家の傘下としたいと考えているが2人はどう思う」


と晴通は問いかけると先に答えたのは盛国であった。


「私は条件付きで賛成です。まず内政面の話をいたしますと石高は確実に上がっており推定ですが28万石に届くのではないかと思います。ですが現状では、ここで頭打ちとなりますので、検地を行ってください。そして6公4民から7公3民へと移行して税収を確保します。」


そこまで話したところで友直が慌てて話に入ってきた。


「まてまて、それでは折角、豊かになった民から不満がたまり一揆でも起こったらどうするのだ?」


「友直様の言う事ももっともです。ですが今の石高なら以前より悪い生活になることはありませんし来年から7公3民で今年は6公4民として蓄える機会をあたえます。」


「だが以前と同じ生活では民は納得せまい?」


晴通も友直と同じで納得できていない。


「はい。ですので各世帯から1人3石で3000人を雇い入れます。そして治水工事のための増税として民を説得します。そうすれば自分たちの為ならと5年は我慢もしてくれます。あとは一両具足や足軽用の鎧武器の職人の誘致や足軽を清月を使って他国から雇い入れます。職人はお抱えとして100名を雇い入れます。足軽は1000名まで増員可能です。鉄砲は50丁購入しても予備費で1万石は残せる計算になっております。いかがでしょうか?」


「だが5年後には戻してしまっては破綻しないのか?」


友直は当然の疑問を投げかけた。


「そこは心配無用です。治水工事や新田の開拓で石高は、まだまだ上がりますし5年後には開拓に従事していた者も元の生活に戻りますので十分に余裕はあるかと思います。」


「そうか、盛国の意見分かった。友直は何かあるか?」


晴通は友直に意見を求める。


「はっ。まず宇都宮を攻めるにしても背後にいる一条家への対応を考えないといけないかと思います。一条家は大友殿とも友好的とのことで戦を仕掛けても仲裁させる可能性が高いかと思います」


「確かにな。一条家が不利になればその可能性は高いな。逆もしかりだがな」


と晴通は笑っていった。


「はい。ですので攻勢に出るなら速攻で素早く城を落とさなくてはならぬと思いますので兵の練度が重要になってくるかと思います。盛国の言う通り足軽が1000名まで増員できれば農兵合わせて3000名は出せるでしょう。ですので一両具足で2000名を雇い入れ定期的に訓練にも参加させ1年もあればものになりましょう。あと農兵にひとり10石を払う代わりに乱暴狼藉は禁止とし破ったものは死罪と厳しいものがいいかと思います。そうすることで宇都宮領の民の反感を買わなくてすみます。」


「確かにな民には与えるのが先でなくては一揆の原因になりかねんからな」


晴通は2人の意見に納得しつつ考えをまとめる。


「足軽の徴兵を2年で1000名農兵の一両具足として10石で雇い2000名とする。足軽は友直が指揮をとれ。農兵は各500づつに割り重見・忽那・戒能・平岡の指揮とする。訓練期間は1年。また治水工事に関して各世帯から1名を3000名までとして3石で雇い入れる。内2000を治水工事にあて指揮は盛国がとれ。残りの1000は和田道勝に開墾させる。大友殿には定期的に鯛や砥部焼なんならシイタケも出して構わん二神に届けさせよう。」


「税は如何いたしましょう?」


盛国がそう確認を取る。


「もちろん来年より7公3民とする旨をしらせよ。検地は盛周にさせる。」


「はっ。」


2人は頭を下げて返事をした。


「評定を開き改めて指示を出すことになるが頭には入れておいてくれ。宇都宮へは3年後を目途に攻め入るので対策を考えておいてくれ。頼んだぞ。」


後書き

伊予国支配地の初期石高を総石高20万石とした場合


戦国時代の1反あたりのコメの収穫量を平均100キロとすると治水が手つかずなのと新田の猶予もあることから農業チートにより1反あたり平均140キロ江戸初期と同様とします。


すると現状での石高は総石高28万石となります。その中で税収を6公4民とした場合税収は16.8万石と4.8万石の税収アップになります。


7公3民とした場合の税収は19.6万石となります。


今までと同じように税収を消費しても7公3民なら7.6万石残り余分に使えるという事になる


・当初の予備費を2万石と仮定して3万石に上げる。


・領民を1石1名と仮定した場合20万人の人口になる。この場合7人の核家族だと約2万8千世帯となる。


・1世帯1人の男性を3石で3000人雇い治水工事に当てて9千石消費


・更に足軽一人当たり20石として1000人で2万石


・武装:代々甲冑師である明珍家に注文書がいくつか残されているみたいです。


平均的な侍大将レベルの物で約50両、大名レベルや凝った作りになれば約100両と書いてあるみたいです。


1両が約4~6万円とした場合


侍大将の鎧一式を200万円と仮定すると1石5万円でも40石となる。


鎧・武器を足軽用で20石とした場合同じく100人の職人に依頼した場合2000石の消費になる。


製作は半年とした場合職人の総数を400人で内鎧武器職人を100人と仮定しても年間200個の生産で年間4000石の消費になる


・江戸時代の領地100石で80人が農民・武士と僧が13人・商人と職人が7人これを適用すると1万4千人が商人か職人となる。商人4・職人3と仮定しても職人は6000人いる計算になるその中で専属契約を100人として鎧兜などを作らせて…。


ここまで考えて最終計算が面倒になったけど予算内だと信じて進めます。

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