第7話チート準備中
湯築に戻ると道宣は政務が向いているのか俺より仕事が早いようで時間が空いたので盛国に会い行くと相変わらず農民にしか見えんその姿を見て笑ってしまうが彼のお陰で石高が上がるのだから足を向けて寝られんなと思いつつ近づいて声をかける。
「変わりないようだな」
「はい。殿は宇都宮を見事、破っておめでとうございます。ちなみに宇都宮は何故、河野家に刃を向けたのでしょうか?」
「そういえば話して居らなんだな。たいした事ではない友直の書いた紙に八幡浜で金に似た鉱石が取れるのを金と勘違いしてそれを取られまいとそして取り方を聞くつもりであったのだ確か名は「じりゅうてっこう?」だったかな」
「磁硫鉄鉱ですか確かに金のようにも見えなくはないですがあれは粉上にして農地の肥料として使うものですからね。金には程遠いでしょうな。はっはっはっ!!」
「・・・?待てお主?その鉱石の使い道を知っておるのか?」
「磁硫鉄鉱のことですか?ほかにも使い道はありましょうが私達の時代では肥料が良いとこでしょうな。」
「抜かったか!石高に影響する情報を渡してしまったのか。」
と頭をかかえる通晴
「肥料の為に鉱山を掘っていては採算が合いませんよ。」
「確かにな。気にし過ぎたようだすまぬ。」
「いえ。それに掘るならドロマイト鉱石の方が良いかと。」
「西園寺領で採れるという鉱石だな?それほどの物なのか覚えておく。それと清月には十分な働きが出来ておると判断したのでこれからも励むようにと伝えておいてくれ。」
「はい。しかと伝えておきます。」
その時少し離れたところから何かを持って走ってくる若い女性「国盛さまー!」
と言うので用事は国盛にあるようだ。
盛国「あっ。カナさん出来上がったんですか?」
カナ「はい!これなのですが見て頂けますか?」
晴通「それは・・・絣か?」
盛国「はい!伊予絣の試作品です。殿も確認なさってください。」
カナ「殿様!?あっ!ご無礼をお許しください。」
挨拶かな?
「よい。それより確認させてもらう。」
「殿、なかなかに上出来だと思います、どうぞ。」
確かに特注で作らせた織機だったが手間をかけた甲斐があったというもの。
この伊予絣は吸水性も良く着心地のいい物なうえ藍染なので防虫効果もあり使いやすい織物になっている。
その再現はほぼ完璧と言っていいだろう。
晴通「いい出来だ。他国に贈り物としても使えるだろう。これからも励んでくれ。」
カナ「ありがとうございます。盛国様!褒めてもらえました!!」
っと嬉しそうに報告する姿を見てピンときた。
盛国「ええ、良かったです。殿?清月にはまだ廻さなくてもよろしいので?」
晴通「スグに流通させては勿体ないからな。それにある程度量産できるようになってからの方が良いだろう。では、そろそろ戻らんと、道宣に怒られそうなのでな邪魔したな。」
2人の邪魔もしたくないしな。
帰りに湯築を一度通り過ぎ石手寺の近くの焼き餅を手土産に買って帰ろう。
と思い焼き餅屋に入るともめていた。
「お客さん、この貨幣は温泉群では使えないよ?」
「だが越智郡より来て急ぎだったのでこれしか持ち合わせがないのだ店主よ頼む。」
と頭を下げていた。
見るにあれは越智郡の貨幣だそれで貨幣が違うから使えないようだ・・・?
使えない?貨幣なのに?
未来では同じ貨幣で長さや重さも統一されていたこれはかなり大事な事なのではないか?
真っ先にやるべき事だったはずだが気づけたのは幸い。
「店主よ?それは間違いなく越智郡の貨幣だから彼に売ってやってはくれまいか?」
「仕方ねぇ、お兄さんその分、買って行ってくださいよ?あんたも今回だけでだよ?」
「分かったちゃんと買ってやろう。」
と買い込み急ぎ湯築城へと戻り道宣に貨幣や長さ重さの統一の話をしようと思い道宣に駆け寄ると凄い剣幕でやってきた。
「兄上!やっと見つかったと思えば、どこに行っておいででした?」
「垣生氏のところに視察に行っておったのだ、これは成果の一つで伊予の絣になるお前もよく見ておいてくれ。あとかへ「遊んでなかったのでしたら何よりです。しかし行先は告げてくださいフラッといなくなると私が迷惑ですので。」
「悪い悪い。焼餅買ってきたから許してくれ。」
「悪いと思うなら2度とやらないでください。兄上は当主の自覚を持ってください。」
「う・うむ。」
「あと平岡が来て曽根氏にはハゼの木があるそうですが今度は何をするおつもりですか?」
「おお!ハゼの木があるなら木蝋が作れるな!道宣これで今の蝋燭より良い品が出来るぞ!スグに曽根を呼び作り方をまとめて渡してやらないとな。」
「兄上は本当に次から次へとよく出てきますな。」
「俺の知恵でなく貰い物だがな。」
「ちなみに兄上は河野をどうしたいとお考えで?」
「伊予の守護として伊予の統一だな」
最低限はここまでもっていかないと生き残れないだろう。
「伊予統一・・・ですか。」
その後も大きな戦もなく平和な時が流れた。
友直もシイタケの栽培で悪戦苦闘していたそうだ。
友直「シイタケの原木は手に入れたが後は木の適切な乾燥具合だな」
コレさえ上手く行けば資金源として頼りになること間違いない。
そうして傷をいれたクヌギや原木を挿し木にしたり試していたのに翌朝にはイノシシに荒らされたシイタケ置き場があって唖然としたり。
友直「俺のシイタケをぉー!!津々喜谷、イノシシ狩りじゃぁーー!!」
津々喜谷「落ち着いてください。あまり大げさにすると周りの者が驚きます。落ち着いて、いつもより念入りにしましょう。騒いではイノシシも逃げます。」
などと遊んでおったそうだ。
「みんま」も「正月」も無事にすごせたのは良かった。
正月の時に友直と盛国と話していた時
晴通「たしか早風にはやばい鉱石があると言っていたな?」
友直「立川で採掘できます。トロゴム石というのだそうで呪いのように持っているだけで死に至るそうです。」
盛国「長宗我部か毛利に送りましょう!!」
晴通「国盛がそのような事を言うとは珍しいな。だがトロゴイ石と言うと放射線は極少量で肌身離さず持っていてはくれまい。」
暗殺計画は頓挫した。
1545年1月
あれから農法が多少は盛国のやり方に思ったより早く変わったのでこれで石高は確実に上がった。石高は20万石から22万石へと上がり関所の数と税を多少減らしたりした。
結果いい米が安く手に入るとなり商人が来て商売が回るようになった。
結果、讃岐の商人とも取引が出来るようになった。
今岡伯耆守いまおか ほうきのかみを呼び話をしている。
「今岡、瓦職人に新しい製法で魔除けの鬼瓦を頼みたい。」
「新しい・・・ですか?」
「そうだ。今のままが悪いわけではないが外に出すなら今より立派にして欲しいのと讃岐の商人に売りつけてばかりでも行かんのでな清月に頼まれて讃岐の瓦で使う土を買い付けたのだこの土と菊間の土で良い物を作ってみもらえまいか?そうすればさらに伊予は発展するだろうし菊間瓦を日本一を目指そうぞ」
「はっ!!畏まりました。」
まあ菊間瓦はこれで良いかな。配合は職人の塩梅に任すのが一番だろうしそこまで指定したら職人にヘソを曲げられかねんしな。
また新造の舟は竜骨を入れるようにして耐久性を上げたが世代交代の都合こちらは、まだまだ先の話になるだろう。
あと、伊予川下流での新田もいくつかできたがこちらは川の氾濫の危険性から、あまり当てにならない。
盛国からは早く河川の改修に着手しようと言われるが正直、まだまだだ、俺達は、これからやっと始動なのだから。
3人での会議
友直「一両具足を実施したい国盛のおかげで米の余力はある鎧兜や槍を一式を清月に揃えてもらえまいか?」
盛国「分かりました。何人分でしょうか?」
晴通「500もあればいいんじゃないか?」
友直「いえ、今なら900は行けるでしょう。勿論すぐにと言うわけでなく何回かに分けてと言う事になりますが。最低で殿が言われる500でしょうな。」
盛国「こっちは売ってばかりになりそうで困っていたので買うのは大丈夫です。」
友直「ただ買い付けるとなると戦支度だと気づかれますが下手には動けないでしょうし時間がかかっても良い。兵も訓練して集団行動が出来るようになる必要もあるしな。」
晴通「盛国よ硫黄は買いまくっておるな?」
盛国「はい。そこは抜かりなく。ただ清月よりに運びが大変で何か知恵が有ると助かるとの事ですが何か良い知恵はありますか?」
友直「ん~、大八車と言うのがあるのであとで図面に起こしてみよう。ただこれは平地のみのほうが有効みたいだから当てにされるなよ?」
晴通「なら未来では馬に荷を運ばせておったようじゃがどうだ?この辺りの馬を捕まえて荷運び用に飼うのだ。野間馬と言われておったようだから今岡にやらせよう、どうせ馬が懐くのにも時間がいるだろうしな。」
盛国「ありがとうございます。大八車は清月に作らせましょう。」
晴通「話は変わるが友直よシイタケは順調か?」
友直「人よりイノシシの方が大変かもしれませんが上手く行けば来年にはでき始めるかと思いますのでお待ちください。」
晴通「うむ。楽しみにしておく。盛国は何やら新しい農具を開発中らしいがどうじゃ?」
盛国「はい。内燃機関がないのでトラクターとは行きませんが千歯扱ぎの発展形で脱穀機を邦三郎さんと開発中です。」
晴通「トラクターなんぞ作られても扱いにこっちが困るわ」
と笑っていたら伝令が来た。
後書き
ハゼの実を使った木蝋
木蝋はハゼの実から採取される油であるが、採取したままのものを生蝋、純度を高めて漂白したものを晒蝋という。
愛媛県下の木蝋生産の全盛期は意外に早く、明治20年代から30年代であって、明治28年には、生蝋の製造戸数384、生産数量600t、価額105万円、晒蝋の製造戸数80戸、生産数量588t、価額133万円に達し、この記録は2度と破られることがない。これ以後は、戸数・産量・産額ともに減少の一途をたどり、第一次大戦勃発時の大正3年には、生蝋の生産量101t、価額27万円、晒蝋の生産量56t、価額20万円と、全盛時に比べて生蝋で6分の1、晒蝋で10分の1の産量に縮小している。その後も減少しつづける、晒蝋の産量は、大正3年の56tから第一次大戦中の70と台へ盛りかえしたものの、昭和10年(1935年)には30tという水準にまで落ち込んだ。木蝋(生蝋と晒蝋の合計)の製造戸数も大正3年の201戸から昭和10年の1回戸へ激減した。
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