第25話 訓練

 ディータとフラッチェを連れて、討伐の練習だ。


「二人とも氷の棺は会得したな」

「ええ」

「はい」


「フラッチェは鷹目があるから。魔力拳銃を改良しろよ。弾を魔力だけじゃなくて邪気も混ぜろ。貫通するはずだ」

「魔力拳銃って威力がいまいちだったのよね。たしかに邪気を混ぜたら威力アップするかも」



 フラッチェが現れるモンスターを魔力拳銃の餌食にした。

 邪気で溶かすと、場所によっては商品価値が下がる。

 だけど鷹目を持っているフラッチェなら綺麗に殺せる。


 銃火器は強い。

 魔力拳銃って魔力を飛ばすから、誘導弾なんだよな。

 目が良い奴が使うと百人力だ。


 ディータのパワーアップは何にしよう。

 本人に聞いてみよう。


「ディータはどう戦いたい。性魔法以外にということなんだけど」

「分かりません」

「何かないか」

「ご主人様の幸せが私の幸せです」


「前に楽しいは良い事だと言ってたよな」

「はい」

「戦いを楽しむのも何なんだが、その路線で考えるとなんだ」

「気絶するほど感じたいです」


 性魔法の延長か。

 いまディータは、魔力しか取り込んでいない。

 生命力を吸い取られるとたぶん普通の人なら死ぬ。

 だが、俺はたぶん平気。

 筋力と防御力はレベル1だが、生命力はたぶんレベル426845。


 やってみるか。


「ディータ、俺の指から生命力を吸い取れ」


 ディータの口の中に指を突っ込んだ。

 指を舐め回すディータ。


 ディータがアーと絶叫。

 俺は指から快感が伝わってきた。


 ディータが駆け出す。

 現れたオークを一撃で粉砕。

 そしてどこかに行ってしまった。


 しばらくして血まみれのディータが帰ってきた。


「オーガとかと殴り合いしてきました。楽しかったです」


 生命力が溢れるとバーサクするのか?

 でも俺達には向かってこなかったよな。


「パワーアップしているときに理性はあるの?」

「ありますけど、煮えたぎった鉄を体の中に抱えているような感じです。放っておくと爆発してしまいそうです」


 バーサクよりましか。

 無敵だと思っておけば良いか。


「おかしいところはないか」

「はい、股間が冷たいです」

「見てないから着替えろ」

「はい」


 性魔法の応用は何かないかな。

 真空は二酸化炭素と変わりないし。

 レールガンみたいなのが良いな。

 磁力か。


 性魔法でも操れるかもな。

 磁力のレクチャーを二人にした。


「【性魔法】磁力。ナイフがくっついた」

「【性魔法】磁力。ブラのワイヤーが動いてます」


 レールガンの説明をした。


「【鷹目】【性魔法】磁力、レールガン。投げナイフが岩に当たって、岩が砕けたわ。ぴゅー」


 フラッチェがレールガンを試して口笛を吹いた。


「【性魔法】磁力、レールガン。木が砕けました。爽快ですね。楽しいです」


 ディータも気に入ったようだ。

 ドラゴンでも出て来たらレールガンで落とそう。


 ちょっとオーバーキルかな。

 ネジル神殿に寄った。


「教祖様。儲かっているか?」

「それはもうもちろん。言いつけ通り、我々で治せない病気は、ポーション等で治してます。払えない者にはツケで治療してます」

「いくら踏み倒されても構うな」

「ですが、ほとんどの人は僅かですが代金を払ってます。10年ぐらいで完済するペースですが」

「それでいい」


「助祭と司祭をもっと増やせませんか。供与による豊胸と怪我の治療はひっぱりだこですから」

「倍ぐらいなら良いか」


――――――――――――――――――――――――

名前:ブタキム・ファットピッグ

レベル:1(426845)

魔力:199330006094/199330322094-316000

スキル:

 供与

――――――――――――――――――――――――


 こうなった。

 まだぜんぜん余裕。

 更に倍でも良い。

 でも、乱発するのも良くない。

 とりあえずは倍にして様子を見よう。


 司祭が20人、助祭76人。

 でもそんな数が働いているようには見えない。


「何か?」

「司祭と助祭の数が少ないなと」

「布教の旅に出てますがいけなかったでしようか」

「いや」


「お喜び下さい。地方ではネジル神殿の建設が始まっています」


 なんか勝手にものごとが進んで行くな。

 悪行でなければ勝手にやれとは言ってあるが。


 毒浄化の魔道具を付けるのがネジル教徒の流行らしい。

 丸二つに十字ね。

 アンクのパチモンみたいだがな。


 二つの丸はやはりおっぱいと、たまたまを表すらしい。

 十字は性器。

 やっぱりな。


 まあいいけど。

 セックス教団らしい。

 男性が着けている、シンボルは、十字が逆さ十字だ。

 女性のは十字が*になってたりする。

 うわ、本当にエロい。


 だが、何も口は出すまい。

 邪神から文句が来たら別だが。


 視察中に男性が運ばれて来た。

 司祭が治療するが良くならない。


 男から邪気に似た力を感じる。


「俺にやらせてみてくれ」

「はい教祖様」


 男の中にある邪気みたいな力を敵対するのではなくて包み込む。

 司祭はウィルスだと思って邪気で攻撃してたが、返って男の邪気は強くなった。

 なので包み込んで同化。

 吸い取った。

 男から邪気みたいな力が消える。

 いや核が残っててそれがどこかに飛んでいったのが分かる。


「見たか」

「はい」

「追え」


 しばらくして核を追っていった司祭が帰ってきた。

 男がいて死んでいました。


 ここまでくると何が起こったのか分かるような気がする。

 恐らく呪いだな。


 俺は呪いを吸い取ったらしい。

 体はべつに異常はない。

 邪気が若干強くなったような気がする。


「さっきのは呪いだ。黒気に似た力がある場合は包み込んで、同化して吸い取れ」

「はい」


 呪いを吸い取るとパワーアップするのか。

 邪神の力と言えばそんな感じか。

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