第41話 二階堂とカップルチャンネル!?
二階堂とコメント欄が?を浮かべるので、俺は彼らの疑問に答えてやることにした。
「いやな、俺はこれからもダンジョンで人助けをすることで金儲けしようと思ってるんだが、その様子を配信して金を稼げば一石二鳥だろ? でも、あいにく俺はプロの探索者じゃないから配信を収益化できない。だから、お前と一緒に配信チャンネルをやろうと思ってな。あ、もちろん、収益は俺が全取りだぞ!」
「は、お前、何を言ってぇぇぁあががががががががががが!?!?!?」
と、二階堂が苦しみ始める。もちろん俺の魔法、いや、呪いだ。
「お前の心臓に呪いをかけたから、今後お前は俺に少しでも逆らったら死ぬ。言動には気をつけたほうがいいぞ」
「は、はぁ!? 何を勝手なこといだだだだだだだだだっ!!!」
”おいおいちょっと待てよ!”
”偽善者ニキには感謝しかないし、配信チャンネル始めて欲しいのは間違い無いんだけど、二階堂とはダメだろ!?!?”
”¥20000 お願いやめて”
”¥50000 断固反対”
”¥78800 絶対にダメだよ偽善者ニキ。一生炎上するって”
”¥78800 ひとまず二階堂は今後一生ダンジョン監獄で過ごすことになるやろ”
”¥200 断固反対! 二階堂と組むくらいなら僕と組んでください! 『マッシュルーム坊主』ってチャンネル名でダンジョン配信者やってます!”
”売名氏ね”
”240円ってwwwww”
”¥120 おい、240円をバカにするんじゃねぇぞ”
”そりゃ、120円しか払えないお前からしたらそう言うしか無いよなwww”
”てか心臓に呪いってなんだよ!? そんなことできるのか!?”
”怖すぎワロタwww”
「えぇ? なんか異様に荒れてんなぁ……」
配信ってのは、視聴者あってのものと聞いた。どうやったら二階堂を受け入れてくれるだろうか……そうだ!
俺は二階堂の胸に手を当てて、変形魔法をかけた。二階堂の胸はみるみるうちに膨らんでいき、すぐに大きくも張りのある巨乳になったのだった。
”え?”
”おえっ!?”
”はぁ!?”
”なんじゃこりゃ?!”
”二階堂が巨乳になった!?!?”
”うわ……”
”これは……”
”え、もしかしてこれ、変身魔法!?”
”変身魔法って、他人にかけられるのかよ……”
”¥78800 すみません、私女なんですが、同じことやってもらうことってできますか?”
”¥78800 私もお願いします!”
”¥78800 私も!”
”¥78800 ナナも!”
”おい和泉、お前何やってんだ”
”お前偽善者ニキの応援にも来ずに豊胸できると思うなよ”
「ああ、いや、悪いが、これは従属関係にあるからできることで、赤の他人には無理だ……ほら、おっぱいをデカくしてやったから、これで許してやってくれ。やっぱでっかいおっぱいが最高なんだろ?」
”は?”
”なんだとテメェ!?”
”ぶっ殺すぞ”
”偽善者ニキ、それは流石にまずい……”
”我々貧乳派を敵に回すとは……偽善者ニキ、終わったな”
”貧乳はステータスだって名言知らないの?”
「え、そう言うもんなのか? それじゃあ二階堂をどんなふうに変えたら受け入れる あ、希望を叶えるのはスパチャで送ってきたのだけだからな」
”¥78800 そりゃ猫耳メイドやろ”
”¥50000 妹属性も欲しいな”
”¥10000 幼馴染”
”¥78800 ごめんなさい。ついさっきブチ切れたものですが、やっぱり巨乳のままでお願いします”
”貧乳派即堕ち二コマしてて草www”
”¥3000 ショタで頼む。あ、もちろん粗チン包茎な”
”¥20000 は? ショタは巨根と相場が決まってるんだよ”
”¥500 どちらにせよ包茎はマスト”
”¥5000 それはそう”
”¥4000 デカ女”
”¥30000 語尾は”っす”で頼む
”¥20000 メガネっ
”¥10000 メガネなんて絶対あかん。レーシックせい”
「注文が多いなぁ……まぁいい。やってみよう」
俺は二階堂に再び変身魔法をかけた。
「よし、これで二階堂は、猫耳妹属性ショタメガネレーシック包茎デカ巨根粗チン幼馴染メイド女に生まれ変わったぞ!!」
「なんだ、これは……頭がクラクラするっす」
二階堂が起き上がる。その姿は、まさしく猫耳妹属性ショタメガネレーシック包茎デカ巨根粗チン幼馴染メイド女そのものだった。
「ああ、レーシックしたのにメガネをかけてるからだろうな」
ちなみにメガネは外れない仕様になっている。皆の希望から寸分でも違わないためだから、こればっかしは我慢してもらうしかないな!
「……お前は、武蔵野純一……っす?」
「ああ、そうだ、お前の高校の時の同級生の武蔵野純一だ。そして、お前の兄で幼馴染でもある。というか、俺以外の全ての人間もお前の兄で幼馴染だ。なぜなら、お前が全人類の幼馴染で妹だからな。あ、でも、メイドだから、最低限の礼節は忘れないように」
「………………????っす」
どうやら無茶な設定によって、二階堂はすっかり混乱してしまったようだ。
しかし、今はこいつのことなんてどうだっていい、コメ欄、さぞかし大絶賛……。
”………………”
”……ん?”
”えぇ?”
”なんですか、これ?”
”怖”
”極めてなにか生命に対する侮辱を感じます”
”宮○駿が助走をつけて殴るレベル
”それは別段珍しくなさそうで草”
”一時期の巨人軍みたいに、四番バッターばっかり並べてるから上手く行ってないのかも”
”なるほど、わかりやすい”
”岡崎、川相、松井、落合の流れな”
「あれ?」
されていない。まいったな、かく言う俺もなんか気持ち悪いんだよな。どうしようこれ。
「……二階堂晴人!!! その場を少しでも動いたら撃つ!!!」
と、そんな声が聞こえたので、上を見る。
二階堂が開けた穴から、縄梯子がパラパラと降りてくる。日本の軍隊の制服に包んだ連中がその梯子に伝ってくると、俺たちをぐるぐると取り囲み、銃口を向けたのだった。
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