第23話 精霊の試練3
私はそのまま水の精霊マイヤさんのところにやってきた。
「試練受けに来ましたー」
『ええ、いらっしゃい。まずはここの試練の説明をするわね。ここは魔法の精度がどれだけ高いか測る試練よ。私が的を浮かべるからそれを何個当てられるのか見るわ。けどあなたかなりというかピュールの本気に渡り合えるからかなり魔法の操作も得意よね。だから本来は複数発放っていいところをあなたは極小の的に一つの小さな魔法を操作して当ててもらうわ』
「おっけー」
『それじゃあ、始めるわね。よーい...スタート!』
マイヤさんがそういうと二十個くらいの小さな的が浮かび上がって上下左右縦横無尽に動き回っていた。
「マナバレット」
私は最初期の魔法マナバレットを手のひらに出し一つ目の的めがけて投げつけた。
的に命中して一枚目は終わり、そのまま魔力操作して急カーブで三枚同時に射貫く。
次は左右にくねくね動かしながら連続で五枚射貫く。そしたら真下にある的めがけて急降下でまた一枚抜く。
そのまま急上昇させ六枚重なったところめがけてぶつけて六枚の的を破壊する。
ラスト四枚は私の背後にあったのでそのまま後ろに持っていき射貫いておしまい。
『さすがね。はやいわ。私の試練はこれで終わりよ』
「え?もう終わりなんですか?」
『ええ、私の試練はそもそも魔力操作が上手にできるなら簡単に突破できる試練だもの。次の試練に行ってあげなさいなみんな待ってたわよ』
「はーい」
私は次の試練、土の試練に向かうのだった。
◇◇◇
土の精霊ノームさんのところに来た。
『いらっしゃい!僕の試練に!』
「お待たせ」
『ううん、そんなに待ってないから気にしないで!それじゃあ僕の試練について説明するね!僕の試練は無数に降り注ぐ星を三十個破壊するか防ぐことでクリアだよ!』
「ふんふん、何か私はしばりつけた方がいいよね?」
『そうだね!真白ちゃんは百マナ以上込めたマナバレット以外の使用禁止でどうかな?』
「了解。それなら私も楽しめそうだね」
『じゃあいくよ?よーーぅい...スタート!』
そういうと上空から無数の隕石が降ってきたので、それに対応できる数の魔法陣を出し、九十九マナを込めたマナバレットを装填して、魔法陣には複製と追跡、発射の魔法で無限の弾幕を張った。
マナバレットと隕石は上空100メートルほどの位置で激突しマナバレットがどんどん隕石にぶつかり損傷を与えていく。なんならちょとずつ押し上げていく。
それから三十分ほどしたころ一個目の隕石が破壊されそこからどんどん隕石が壊れていった。
そしてそれからさらに十分後三十個目の隕石の破壊が終わった。
『合格だよ!さすがだね!普通の人なら一瞬で圧死してると思うよ!もし耐えてたとしても魔力切れでどっちみち死んでたと思うな!』
「確かにそうかもね。思ったよりも楽しかった。じゃあ次の試練逝ってくるね」
『うん!がんばってね!』
◇◇◇
風の精霊シルフィさんのところに次はやってきた。
『いらっしゃい!私の試練へ!私の試練は風魔法で空を飛ぶことなんだけどもうできるよね?』
「うん。できるね」
『だったら合格!やることないのもさみしいからこの夜空に花を咲かせてみて!』
夜の花...?ああ、もしかして花火かな?
「分かった『マシンガンファイヤーワーク』」
私は連射速度を少し落として魔法陣を十個用意し、そこから花火が出るように設定してどの順番で花火を撃つのかを決めたので起動した。
ヒュ―――という音が鳴り始め夜空にドーン!と色とりどりの花が咲く。
『わー!きれいだね!見たことなかったから見たかったんだ!ありがとう真白ちゃん!』
「どういたしまして、この魔法はあと三十分くらい持つし放置していくね?発射し終わったら勝手に魔法陣も消えるから置いといて」
『うん!わかった!次の試練も頑張ってね!』
◇◇◇
氷の精霊エイスさんのところに来たら受けなくてもいいという言葉が発せられた。
『...私の試練は合格よ』
「え?なんで?」
『...あなたが創造をもっているから試練をしても仕方ないところがあるのよ。私の試練は二つ、一つは私の創った領域魔法を破壊する事、二つ目は氷でなにか作品を作ること。この二つなんだけど、創造を持つあなたには簡単すぎるしやる意味がないのよ。だから次の試練に行きなさいな』
「あーたしかに創造で両方とも簡単にできるわ...じゃあお言葉に甘えて次の試練に行ってくる」
そうして雷の精霊トニトルスさんのところに行くと闇の精霊フォンセさんと光の精霊ルーチェさんもいた。
『ようこそ!俺たちの試練へ!俺たちの試練も創造で簡単にクリアされてしまうからいっそのこと同時にやろうってことで集まってみた!でもできることは徒競走くらいなんだ!もともと俺らの試練は魔法の展開の速さとか身体能力を測る試練だからな!光速を超えるお前に俺たちが勝てるわけないから、いっそのこと楽しもうって開き直ったわけだ!てことで徒競走で遊ぶぞ!』
「あ、うん了解」
『じゃあそこまで走って最初に到着した奴の勝ちだ!』
「おっけー」
『よーい...スタート!』
その瞬間ルーチェさんとトニトルスさんが消えて、フォンセさんは私の影に潜ったぽかった。
やばいなあバフかけれてないから音速程度しか出せないしとりあえず走ろう。
そう言って私もその場から姿を消した。
しばらく走っているとゴール地点にすでに全員の姿があった。
私ビリかぁ。
『バフなしだから音速くらいしか出ないのか...いやそれでも人間にしては異常だしすごいな!』
「フォンセさんはいつの間に私を抜かしたの...」
『僕かい?僕は君の影に潜った後いろんな影に移動しながらここまで来たよ』
「あ―なるほど...てっきりずっと私の影に入ってたのかと思ってた」
『それだと僕が君の後にゴールするのが確定しちゃうからね。そこはしっかり考えたよ』
「あはーやられた」
『まあこれで俺たちの試練は終わりだ!』
「じゃあ全部終わったかな」
『お、そうなのか!ならこれから深淵層と星層、神層に挑戦するのか!』
「うん、そのつもりだけど深淵層と星層はもう飛ばしちゃおうかなって」
『それはどうしてですか?』
「正直言って私が楽しめる相手がいないからね。ピュールさんくらい強くないと私と対等にやりあえないの」
『なら神層の八階までは飛ばしてもいいかもしれませんわ。あそこは上位EXとは言ってますけど正直ピュール以下の強さですもの』
「あ、そうなんだね。じゃあ神層九階まで爆速で向かっちゃおう。てことで行ってくるね!」
『いってらっしゃい!』
『がんばってね?』
『いってらっしゃいませですわ!』
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