第22話 精霊の試練2

「ピュールさんこんにちはー」


『お?真白か!また俺のところに来てどうしたんだ?』


「技能が変化したのでそれに慣れるのと、そのついでにもう一回試練受けようかなって」


『おお、そうなのか!それはぜひともやりたいな!』


「じゃあ、やりましょう!なかなか強い敵に会えなくてうずうずしてたんです!」


 『そうかそうか!じゃあさっそくやろうか!』


 私たちはそう言って同時に後ろに飛びのきバフをかけた。


「起きて『紅月』『エンチャント・絶海』『マジックエンチャント・水』『エンハンス』『ハイエンハンス』『エンハンスフィールド』『マルチマジック『フロストゾーン』』『アクセラレート』『ハイアクセラレート』『オーバーリミット』『レゾナンス』『ハイレゾナンス』!」


『『形態変化『獄炎化』』『フレイムレゾナンス』『エンハンス』『ハイエンハンス』!』


 今回は私も、ピュールさんも最初から全力全開。

 私は思いっきり踏み込んで力を一切逃さず、すべての力を加速に使い、ピュールさんに向かって飛び込む。

 今回紅月は小回りの利く籠手に形態変化させている。

 ピュールさんも最初は肉弾戦をするつもりらしく私に向かって飛び込んでくる。

 一瞬もしないうちに激突し、あたり一帯を吹き飛ばす爆発が起こる。


『やるじゃねえか!以前よりも力が増してるな!俺のフルバフ状態についてくるとは思ってもみなかったぜ!』


「ピュールさんこそやるね!やっぱりあなたたち精霊って上位EXランクはあるでしょ!」


『さてな!俺の本気はそのくらいあるだろうけどほかの精霊たちは中位EXくらいだぜ!というかその俺の本気についてくるお前も同じだろ!』


「たしかにね!」


 そんな会話を交わしてはいたがその裏では殴って蹴って蹴とばしての繰り返しだった。

 大きな変化はなく私たちがぶつかるたびに爆発が起こり、あたり一帯クレーターがたくさんできていた。

 私はその戦況に変化をいれてみようと遠距離攻撃を放った。


「『チャリオット』!」


 一直線に纏っている属性のビームを放つ技である。

 ちなみに半径1メートルの極太である。


『ちょっ!太い太い!そんな太いビーム放つ技じゃないだろ!『烈火砲』!』


 というピュールさんも同じくらいのビームを放ってきて激突し、ドッッッゴーーーンッ!という音を鳴らしながら超大爆発を起こした。


「えっぐー!けど超楽しい!もっといくよ!『飛水』百連発!」


 拳を超高速で百回振ることで水球を百個投げつけた。もちろん爆速で。


『いいぞ!もっともっとだ!『ボルカニックバレット』!』


 私が放ったすべての水球を消し飛ばしいくつかの球はそのまますり抜けてこちらに向かってきた。


「あははは!『水泡連武』!」


 私はそれに対抗するように水魔法の弾幕を張りすべて同時に打ち出す。


『『地獄ノ業火』『ブルーフレイムフラワー』!』


 ピュールが領域魔法であたり一帯を蒼白い炎で包み込んだ。


「えっぐいね!人間相手にそこまでするの⁉けど楽しいからそれでいい!『絶対零度領域』『大津波』!」


 私も領域魔法で対抗し打ち消す。


「あはははははははは!追撃だよ!『闇ト氷ノ閉ザサレタ牢獄』『全テヲ食ラウ氷ノ獣』『時ノ牢獄ノ管理者』!」


 対象を氷と闇属性の牢獄に閉じ込め、氷の獣と時空の管理者に攻撃させる。


『それは効かねぇぜ!『超新星爆発』!』


私は前回唯一負傷した魔法に向かって突っ込む。もちろん超硬度の結界を張って。


「ふははははは!それはもう私には効かないよ!『超硬度結界』『ブースト』!」


『まじかよ!突っ込んでくんのかよ!けどそれでこそ張り合いがあるんだよなぁ!『烈火拳』!』


「いい攻撃だよ!だけど私にはまだ届かないね!『水神の激流』!」


 ピュールさんの拳を受け流し、そのついでと言わんばかりに連撃を叩き込む。


『うぐっ!いってえ!やるじゃねえか!『火の神神楽』!』


 ピュールさんはさらに体にまとっている炎の勢いを増し、もう炎そのもののようになっている。


『次の最後で終いだ!姉貴たちのとこにも行くんだろ!時間かけすぎるのはまずいから次の攻撃で決めようじゃないか!』


「いいよ!今回も勝ってあげる!」


『『獄炎紅蓮ノ地獄花』!』


「『泡沫水神ノ水撃破』!」


 領域魔法と攻撃魔法、結界魔法を併せ持つ獄炎紅蓮ノ地獄花。

 それに対する私はすべてを攻撃性能に振り切った泡沫水ノ水撃破でそれを撃ち破りに行く。


 お互いの魔法がぶつかりドッッッゴーーーーーーーンッ!!!という音が響き階層全体を揺らす。天井からはパラパラと石の欠片が落ちて来る。


 数分して視界が晴れるとそこには二人とも無傷で立っていた。


「えー引き分けかー」


『そうみたいだな。まあいいじゃねえか楽しめたんだしな』


「たしかにそうだね!楽しかったからいいや!それじゃあ次はマイヤさんのところに行ってくるね」


『おう!がんばってこいよ!』


 私は見送られながら水の精霊マイヤさんのところに次の試練を受けに行った。

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