第19話 奥多摩ダンジョンコラボ配信3
「...え⁉」
私の目の前で突然鈴音たちが消えた。
「ど、どこ行ったの⁉『魔力探知』!」
周囲の魔力を急いで探る。すると、空間魔法の残り魔力が感じ取れた。
「空間魔法?...転移罠...!どのダンジョンにもほぼないから失念してた!」
『転移罠?そんなのあるんだ。効果はその名の通り転移するものかな?』
『そう、けどこれ今の階よりも上じゃなくて下それも十階層以上下に飛ばされるから質が悪い』
「『創造『すべてを探知するもの』!』......いた!」
すべてを探知するもの。
それは選択した空間をすべて探知するもの。
本当ならすべての情報が入ってくるから使いづらいんだけどそこは創造の応用で検索機能を付けて鈴音たちの魔力だけを対象にした。
「待ってて今行くから...!『転移』」
そういって私は鈴音たちが飛ばされた深淵層第二階まで急いで跳んだ。
「鈴音!輝夜!健人!真!無事⁉」
「「「「しろちゃん!」」」」
「私たちは無事だよ!偶然飛ばされたここがセーフティーだったらしい。モンスターは近づいてこれなかったみたい」
「そ、そっか...よかったぁ...」
「ふふふ」
「?どうしたの?」
「いやしろちゃんがそんなに私たちのこと心配してくれるなんてねって思って」
「...いやだって、知り合った人が死んじゃったら悲しいもん...」
「そうだよね。私もここで死んでしろちゃんとお別れってなったら悲しいな。だから頑張って抜け出そうね!」
「うん!」
「ちなみにここどこなの?」
「予想になるけどいい?」
「もち!」
「ここは特殊Aランクダンジョン奥多摩ダンジョンの深淵層第二階らしいよ」
「特殊ダンジョンだったの⁉」
「私も知らなかったけどそうみたいだね」
「そっかぁ。ねえここから転移で逃げられたりしないかな?」
「無理。下層とかならできたけどここは無理。空間の壁が厚すぎる。普通に魔法とか空間ごと消し去る魔法は使えるけど外部に転移だけはできないようになってる」
「そっかぁじゃあこの階層を突破して上に戻っていくしかないのかぁ」
「そういうこと、準備運動がてら私ここのモンスター狩ってくるから準備だけしといて」
「それなら私たちも...「無理。やめといたほうがいい。ここのモンスター最低SSSランクはある」それは無理だね。うん。おとなしく準備してるね」
「じゃあ少し待ってて」
そう言い私はセーフティーゾーンからでてモンスターたちのいる方向へ歩いて行った。
モンスターのいる方へどんどん歩いていきモンスターの群れと遭遇する。
先ほど鈴音たちに言った通りそのモンスターの群れの最低ランクはSSSだった。
下位SSSランク、デスマンティコア。中位SSSランク、シャドウナイト。上位SSSランク、デスプラントの三十体ほどの群れだった。
肩慣らしにはちょうどいいでしょ。
亜空間から『紅月』をとりだし構える。
「大鎌術・断」
スキル『創造』に変わったことにより大鎌術のスキルは消失したが、なければ作ればいいという事で即興でオリジナル技を作る。
私は音なく踏み込みモンスターの中心に飛び出る。
「大鎌術・円断」
体を無理やり回転させ円状に切り裂く。
範囲内にいたモンスターは例外なく切り裂かれ、そのあと突っ込んできた魔物も円断の衝撃波によって後ろに大きく吹っ飛ばされる。
その一度の攻撃で十体の魔物は消滅し衝撃波によってさらに五体は持って行った。
「大鎌術・死ニ導ク波」
波状の遠距離攻撃で即死属性の乗った攻撃を瞬時に放つその波は残りの魔物にあたり、音すらなく魔石のみを残して消滅した。
ん~これくらいでいっか。鈴音たちのところに戻ろう。
「ただいま。準備終わった?」
「ん!大丈夫だよ!」
「それじゃあそこの階段使って上に上がっていくよ。多分ボスいるから私の前には出ないでね」
「うん!」
そう言って階段を上り始めた。
そうしてしばらく上り続けて扉が見えた。
本来こちらから下る側から開けれるようになってないはずのボスの扉がこちらからも開けられるように存在していた。
「じゃあ行くよ」
「「「「はい!」」」」
そういって扉に触れると私が精霊層に行った時のような世界に響き渡る音声が聞こえた。
《深層挑戦者を確認。スキル・技能を認識...ユニーク技能見習い剣聖術、見習い盾聖術、見習い弓聖術を確認。上位技能魔法剣魔法、植物魔法を確認。神級スキル創造を確認。クリア階層を確認。精霊層クリア者一名確認。深淵層ボス第一階層を開放。クリア条件、ボスモンスターEXランク不死鳥フェニックスの討伐。クリア報酬、職業の開放》
そう言っていつも通りゴゴゴゴゴゴゴッ!という音を響かせながら扉が開かれた。
そうして私たちがボス部屋に入るとそこには人型の何かが立っていた。
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