第17話 奥多摩ダンジョンコラボ配信1
一週間後、私は協会で鈴音たちと合流していた。
「おはよう」
「「「「おはようございます!」」」」
「こないだ伝え忘れてたんだけど、私に対してはため口でいいよ。私固い言葉苦手だからね」
「そうですか?わかりました!私はこれからはいつも通り話すね」
「私もいつも通り話しますわ!」
「俺もそうさせてもらうぜ!」
「僕は敬語とためが入り乱れると思いますがそれがデフォなので気にしないでください」
「うん、それでよろしくね。それじゃあ本題なんだけど今日のコラボは私が君たちを鍛えるでいいんだよね?」
「はい!もうそれで枠とってるし私たちも楽しみにしてるんで変えるとか言わないで?」
「言わないよ。一応確認しただけ。それで潜るダンジョンなんだけど上位Aの奥多摩ダンジョンでいい?」
「えっと、私たちBランクだからうまく戦えないかも...」
「最初はそれでいい。危なかったら私が助けるし、もともと私も自分よりも上位のダンジョンに潜って鍛えてきたからそっちの方が効果ある」
実際に自分の実力よりちょっと上のことをすると成長しやすかった。
確かに基礎も大事だけど、この子たちは基礎スキルだけでBランクダンジョンを潜ってきたみたいだからね。
基礎はほぼ確実にできてるはず。そうじゃなきゃ基礎スキルでBランクダンジョンは潜れない。
なら後足りないのは上位の存在との戦いの経験。
それも格上じゃなくて少し上くらいの敵。
それと戦えばかなり成長できるんじゃないかって私は思う。
「そう...なんだ...よし!じゃあ私もAランクダンジョンで頑張ってみようと思います!」
「強くなれるんだったら頑張りますわ!」
「強くなるには強いやつと戦わねぇとな!」
「確かにそうですね。僕も頑張ってみようと思います」
「うん、決意は定まったかな?」
「「「「はい!(おう!)」」」」
「じゃあ今から奥多摩ダンジョン前まで転移するから集まって」
そういうと私を囲むように集まってきた。
「いくよ。『転移』」
そう唱えると目の前の景色が一瞬で変わり、あたり一帯ビル群だった景色が緑多い山奥へと景色が変貌した。
「初めて経験したけど転移魔法すっご!」
「ん、確かに便利だけどなれないと壁の中に転移したり、方向感覚なくなるから割と危ないよ」
「ひぇ、便利なものにはやっぱりデメリットがついてるんだなぁ」
「当り前ですわ。ただただ便利なもなんてそうそう存在しませんの。すべての物には何かしらのデメリットがあり。私たちはそれを許容して使ってるだけでわ。それに一見デメリットがないように見えて実はこんなところでデメリットがあったなんてものもぜんぜんありますわ」
「うん、そうだね。僕も輝夜と同じ意見だよ」
「ん、私も同じ意見。それこそスキルとか技能なんかは便利そうに見えてまだ露呈してないだけでデメリットは確実にあると思うよ」
「恐ろしい!」
「ん、まあそんな話は置いといて早速配信始めようか」
「あ!それのことについてなんですけど配信中は何て呼べばいいですか?」
「んーしろでいいよ。私のチャンネル名もしろで登録してるし。逆に私はあなたたちを何て呼べばいい?」
「私たちは本名で登録してるので名前で呼んでもらっていいです!」
「ん、了解。じゃあお互いに配信始めて説明が終わったら合流しようか。私はあっちで始めるから説明終わったら教えて」
「はい!」
そう言って私は少し離れて配信機材をつけた。
「みんなこんにちは。今日はコラボだよ」
『こんにちはー!』
『こんにちは!』
『コラボなの⁉予告なしコラボだー!』
『コラボ相手は誰⁉』
「ん、秘密。後で合流するからそれまでみんな予想しててね」
そう言ってしばらく視聴者と戯れていると説明終わったって連絡が入った。
「向こうも準備終わったみたいだから合流するよ」
『たのしみ!』
『俺らの予想は鈴音ちゃんたちって結論着いたけど実際どうなんだ⁉』
「正解は...」
「しろちゃんの視聴者のみんなこんにちは!おじゃまします!」
「鈴音ちゃんたちだよ。視聴者のみんな正解だよおめでとう」
『うおぉぉぉ!鈴音ちゃんたちだぁぁぁ!』
「今日は改めてよろしくね鈴音ちゃんたち」
「こちらこそよろしくっ!さて今日の規格の説明を始めるよ!今日はこの方しろちゃんに私たちを鍛えてもらおうって企画だよ!もちろんしろちゃんは私たちが束になってかかってもかなわないよ!だってあの超大規模スタンピード一人で殲滅したし、SSSランク単独討伐者だからね!そんなすごいお方に今日は鍛えてもらうのだ!てことでよろしくお願いします!」
「うん、よろしくね今回は鈴音たちの個人の実力ががAランク相当になるまで鍛えてくよ」
「「それじゃあ行こうか」」
そんな言葉からコラボ配信が始まった。
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