第16話 視聴者『【速報】生身でソニックブームを起こす』

 『お?新しい配信者か?』

 『こんにちはー初見』

 『潜るから配信了解』

 『潜るのはSSランクの東京中央ダンジョン!?自殺志願者か!?』

 『自殺志願者かね?』

 『アッただの戦闘狂の方でしたか』


 『戦闘狂とはいえ実力ないと自殺とかわらなくね?』

 『いや多分実力は相当ありそう』

 『どこ見てそう思ったの?』

 『背丈と髪の色だな』

 『なんでそこで判断した?』

 『こないだの鈴音ちゃんたちの配信で超大規模スタンピード殲滅した少女と背丈と髪色が同じなんだよ』


 『あー!確かに言われてみればそうだな!』

 『あとあのクリスタルの花が付いた大鎌持ってれば本人って確定するんだが...』

 『多分強敵と戦うときに出すんだと思うよ』

 『あと、大群と戦うとき』

 『あ、ダンジョンに入った』

 『うぉぉぉ...雰囲気すげぇ...』


 『雰囲気やばぁ』

 『あ、早速接敵した』

 『リッチ五体とエルダーリッチ五体か絶望だな』

 『全部Sランクと言えあそこまで集まるともうSSランク必須だよなあ』

 『あ、大鎌取り出した』

 『やっぱり死神では!?』


 『最上位魔法ぶっぱなした...』

 『さらっと使ってるけど最上位魔法ってこの国で五人くらいしか使えなかったはずなんですけど』

 『威力えっぐ』

 『リッチとエルダーリッチの混成部隊が一発で壊滅したんですけど』

 『最上位魔法ってこんなに威力高いんだな』

 『味方いたら巻き込みそう』


 『次いよいよ上層ボスか...』

 『ここの上層ボスってなに?』

 『確かミノタウロスキング』

 『しっかりSランク上位でしたか』

 『あ、扉に触れた』

 『!?』


 『⁉』

 『!?』

 『⁉』

 『この音声は始まりの声では!?』

 『なんで!?なんで!?』

 『誰かなんて言ってるか書き出してくれない?』


 『《システム認識。対象:白雪 真白。技能を認識。神級技能『死神』を確認。記憶を読み取り...エラー。再度読み取りを開始します。認識結果:記憶欠損。武器を認識。結果:幻想神器『紅月』『紅焰』を確認。魂を読み取り...消滅した神の鱗片を確認。特殊ボス部屋へ転移します。ボスは下位SSSランクモンスター『陸の王ベヒーモス』》だって』

 『えええ!ボスベヒーモス!?世界でも討伐数ゼロの化けものじゃないか!』

 『死神もここで終わりか...』

 『あのときSランク以上が世界中から集まって30人以上で戦ったけど全滅したもんな...』

 『それよりも死神の技能って『死神』なんだな』

 『それよりも消滅した神の鱗片ってなんだ?技能名から予想すると死神の鱗片か?』


 『あ、戦うつもりみたい。エンチャントし始めた』

 『うぉっなんだ今の振り下ろし全く見えなかったんだが⁉鎌が上から下に移動してるから何とか振り下ろしかと思ったが振り下ろしだよな?』

 『今の見えたやついるか?』

 『全く』

 『Aランク探索者だけど全く見えなかった...』

 『なんだ今の咆哮からだがびっくぅってはねたんだが!』


 『うをぉぉぉ!やべぇぇぇぇ!』

 『うわぁぁぁぁ!こえぇぇぇぇ!何だあの巨体!寝てたときでもやばかったのに起き上がったら更にやべぇ!』

 『協会のデータベース見てきたけどマジでやべぇぇぇ!あの巨体に見合った防御力...というかそれ以上の防御力持ってるみたいだし!』

 『死神は落ち着いて大量のエンチャントかけてる』

 『落ち着きすぎではー?』


 『あの巨体に潜り込む勇気よ』

 『うぉぉぉ!傷つけたー!』

 『攻撃遅くね』

 『その分攻撃力が高いんじゃね?』

 『⁉』

 『⁉石畳を波立たせた!?』


 『どんな威力だよ!』

 『あ、とんだ岩が死神に当たった』

 『あんなのあたったらつぶれるよぉ...』

 『死神は...ぴんぴんしてるな』


 『あ、また突っ込んでいった』

 『なんであの巨体に突っ込もうなんて思うのか不思議でならない』

 『あ、ベヒーモスバランス崩した...』

 『まって、まってなにあれ!?』

 『なんか恐怖がががが』

 『あれこそ死神って風貌してるな』


 『首落とした!』

 『まさかソロで勝ったのか!?あのベヒーモスに!?』

 『やべぇぇぇぇぇ!』

 『思ったよりも強いで済むとかやばすぎて草』

 『そいつSランク以上の30人いた混合パーティーを殲滅してるんですよ...』

 『実力的にEXはありそうだなぁ』


 『おいっまた始まりの声だぞ!』

 『《ボス討伐を確認。これより特殊SSランクダンジョン名称:東京中央ダンジョン精霊層に転移します》だって』

 『精霊層 イズ なに』

 『あれじゃないか?探索者の間で噂されてた下層より下の層のこと』

 『あと特殊SSランクダンジョンなのか?東京中央ダンジョン。そもそも特殊ダンジョンってなに?』

 『さぁ?』


 『あ、転移した』

 『なんだここ。すっげぇきれいだな』

 『なんでダンジョンの中に星天と草原が広がってるんだよ』

 『探索に行くらしい』

 『え?探索者リング使えないって何?』

 『え?昔の危険な時代と同じってこと?』


 『死神は死にかけても何とかなる方法持ってるらしいぞ』

 『なにそれきになる!教えて死神せんせー!』

 『秘密だそうです』

 『けちー』

 『なになに長くていまいちわからなかったから誰かまとめて教えて』

 『八方角に強い八属性の気配と結界を感じる』


 『ありがとう!』

 『うおなんだあの木...すっげえ神秘的に感じるのは俺だけか...?』

 『いや俺も神秘的に感じる』

 『俺も』

 『最初に北、つまり火の気配がする方に行くらしい』

 『さてついたけど木の圧やばいな』


 『さすがに魔力の気配まではわからないけど木の威圧感がすごい』

 『木がでかいってのもあるけどそれ以上に謎の威圧感があるわ』

 『は?ベヒーモスよりも上?』

 『いやけどこれが下層より下と考えれば普通じゃない?』

 『ランク的には上位SSSくらいらしいよ』

 『討伐例一個もなくね?SSSランクって』


 『なんでわかったんだ?』

 『あれじゃない?ベヒーモスと比べてみたいな』

 『楽しい戦いができそう?』

 『えぇぇ...命の危険性考えないの...?』

 『楽しいが先に来るあたりやっぱり狂ってるんだなって』

 『さすがにちょっと引く...』


 『あ、火の精霊かな?』

 『そうみたい火の管理精霊ピュールだってさ』

 『管理精霊ってことはその名の通り火に関する事象を管理してるのかな?』

 『多分そうだろうな』

 『草。精霊にも普通じゃないって言われてる』

 『まあ、神の鱗片持ってるであろう人間が普通なわけないよな』


 『あの女性の声世界の声っていうらしいぞ』

 『じゃあ地球の性別は女ってコト?』

 『さすがにそこまではわからないな』

 『え、ダンジョンに潜ってて始まりの声を知らないのはちょっと...』

 『しろちゃんは授業中寝てるとかちょっと不真面目な生徒だったぽいね』

 『世界の声が聞こえるのは世界に変化がある時だけだって』


 『え、今回も何か変わったの?』

 『変わったみたいだね』

 『《今回変わったのは主に技能・ダンジョンに関する事なんだがまず技能が進化するようになった。それに加えて特定技能を持ってる状態だと特殊ダンジョンに挑むときに変化が現れるぞ。それにダンジョンも今まで人間たちが難易度を振り分けてたみたいだが世界の魂が特殊ダンジョンと呼ぶところはそれに当てはまらなくなった》だってさ』

 『簡単に言うと?』

 『技能が進化する。特定の技能を持ってると下層より下に連れてかれるかも。その連れてかれるダンジョンを特殊ダンジョンと呼ぶってこと』

 『技能が進化するようになるのか』


 『《特殊ダンジョンは通常のダンジョンと違って下層から下が存在する。普通のダンジョンは上層、中層、下層で終わりだが、特殊ダンジョンはそれに加えて精霊層、深淵層、星層、神層があるぞ。それぞれの到達できる人の違いは技能のレベルによって変わるな》』

 『基本的に下層が一番下だけど特殊ダンジョンだと四層追加があるのか』

 『《技能は下級、中級、上級、特殊級、精霊級、深淵級、星級、神級に分かれてて精霊級以上を持ってないと精霊層には入れないみたいな制限がある》』

 『しろちゃんは死神の名の通り神級なのね』

 『《技能にも変化ができたって言ったろ?それが今回の一番大きい変化で技能が進化するようになった。つまりやろうと思えば下級から神級まで技能レベルを上げられるってことだな》』

 『下級から神級まで上げれるのか!期待が膨らむな!』


 『あげるのは相当難しいと思うよ?』

 『《神の鱗片っていうのは神々が与えた加護みたいなものでな。その神の力の一部を制限有で使うことができるんだ》』

 『しろちゃん神の力が使える!』

 『制限かかってないみたいだよ』

 『もしかして神そのもの!?』

 『《それが今さっき言った消滅した神の鱗片に関係してくるんだが、まずは神は基本的に消滅しないんだが、特例があってな、それはその神自身が消滅を願った時なんだ。そしてその神が消滅すると神の鱗片を適性がある奴に与えられるんだ。その適正ってのがその神になる適正なわけでお前の場合生死を司る死神になる資格があるわけで、その資格を満たすか試練をするために特殊ダンジョンが存在するんだ。あとしゅ...いやこれはまだ不確定だから言わなくていいか》』


 『なるほど、ここで消滅した神が関係してくるのか』

 『それよりも最後何言おうとしたの!』

 『気になるでしょ!』

 『そんな私たちのことは気にせず戦い始めるそうです』

 『後ろに飛びのいて精霊の先手!最上位魔法無詠唱!』

 『なんでそんなことができるの!』


 『できるのは火魔法関連だけじゃないか?』

 『それが正解みたいだね』

 『あ、しろちゃんも最上位魔法放った』

 『うをぉぉぉぉ!おとがやべぇぇぇ!』

 『うわっえげつない弾幕量!』

 『戦いの速度が速すぎてついていけねぇ!』


 『うわしろちゃんはっやスーパースロー再生でも残像すら見えないってどんな速さしてるんだよ』

 『笑ってやがる...こんな極限の戦いしてるのに』

 『やっぱり狂人なんだなって』

 『あのスタンピードの時に見た状態と同じだな。今回の方が強敵だけど』

 『【速報】しろちゃん生身でソニックブームを起こす』

 『もう人間じゃねぇ!』


 『幻影全部範囲攻撃で切り捨てた』

 『スーパーノヴァ!?』

 『さすがにこれは死んだだろ...』

 『うそ...だろ。生きてる!』

 『どうやって生き残ったんだ!?』

 『やっぱりしろちゃん人間じゃないのでは?』


 『ダークリカバリーが効くのは人間じゃないだろ』

 『ま、まあしろちゃんいわく死神の技能か鱗片のせいらしいから...』

 『なにそれ!?』

 『『闇ト氷ノ閉ザサレタ牢獄』?オリジナル魔法かな?』

 『魔法wikiにも載ってないからオリジナルでしょうねぇ...』

 『あっ精霊の火力が上がったなこれは』


 『炎はオレンジより青の方が温度高いからねぇ』

 『これは火力上がったね』

 『しろちゃんはまたオリジナル魔法かな?』

 『『氷魔ノ獣ノ晩餐』これも登録されてないね』

 『お、次の一撃で決めるらしいよ』

 『どっちが勝つんだ...!しろちゃん勝ってくれ...!』


 『炎の中突っ込んだ!?』

 『...』

 『...』

 『...勝ったのか?』

 『勝ったんだ!』

 『やったー!しろちゃん生還!』


 『おめでとー!』

 『精霊もしろちゃんもやばすぎ!』

 『おめでとー!!』

 『鳥肌立った!!』

 『火の精霊はまあ復活すると』

 『誰?』


 『ここの試練一番難しかったんだ...』

 『まあ、そりゃ精霊と一対一でガチ対決とか難しいのは確定してるだろうし』

 『うわたくさん来た』

 『それぞれ、マイヤ、ノーム、シルフィ、エイス、トニトルス、フォンセ、ルーチェらしいよ』

 『報酬と情報だってさ!』

 『へぇぇピュールの戦闘力って精霊の中でもずば抜けてるのか』


 『よかった...安心できないはずなのになんか安心』

 『全員から能力もらえるらしいぞ!』

 『うらやましーいろいろもらってる!』

 『欲しければクリアしてきてね☆』

 『ごめんなさいむりです』

 『!?ワールドアナウンス!?』


 『技能強化を世界で初めて確認。これより技能進化の道が開けます。さらに技能進化の可能性を世界で初めて確認。これより種族進化への道が開けます。だって』

 『もしかしてピュールが最初言おうとしてたのこれか』

 『そうみたいだね』

 『これから最強種族とかの議論が勃発する未来が見える』

 『あ、さすがに一回帰るみたいだね』

 『おつかれさま。ゆっくり休んでね』

 『おつかれさま』











 

 『ほう、次の目的地はここか』

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