第13話 vsBランク探索者
協会に付属している訓練所。
魔道具によってどんなけがを負っても絶対に死ぬことはない超魔法技術のスペース。
そこで私は自称Bランクの酒臭いおじさんと対峙していた。
「おじさんより私ランク高いから先手は譲ってあげる」
「ああ、嘘ついてる上になめてんじゃねーぞ!お前がこの俺様よりランクが高いわけねぇだろ!」
「はぁ...もうめんどくさい」
「うるせぇぇぇ!」
「それでは試合を開始します。はじめっ!」
「おらぁぁぁ!しねぇぇぇ!」
受付嬢の合図とともにおじさんが大きな斧...戦斧っていうんだっけ?それを走りながら勢いよく振り下ろしてきた。
私それ見つめながらスッと手をかざした。
その瞬間ガキンッ!という音があたりに響いた。
「はぁ!?詠唱してる時間なんてなかっただろ!お前ずるしやがったな!」
「...何言ってるの私は無詠唱で魔法を放てるんだよ?」
そう、私は『創造』を使い、手をかざした瞬間に目の前に超硬度を誇る結界を瞬時に展開していた。
「私のスキルの実験にはよさそうだからすぐダウンしないでね」
私はそう言ってまたも手をかざして空間から武器『紅月』を取り出した。
紅月は弓の形をしており
弓形態の紅月の
最大限まで引き切ったとき、本来矢がつがえられる場所には魔法を込めた光輝く矢をつがえられた。
その矢を放った瞬間に矢は加速し始めズドンッ!という音とともにおじさんの方へ突っ込んでいった。
その矢は捉えることすらできない速度でおじさんにぶつかりドゴンッ!という激しい音を鳴らして後方にぶっ飛ばした。
「ん~弓もいいけどやっぱ戦うなら大鎌が一番楽しいなぁ。もともと死神の技能を持ってたから創造に変化した後でもこんな感じの意識が根付いてるのかなぁ」
そう呟き弓の形から大鎌の形に戻し素振りを数回した。
「うん、やっぱりこっちの方がしっくりくるね!」
そう呟き大鎌を構えて体勢を低くして音すらなく踏み込んみ刹那のうちにおじさんの懐へもぐりこんだ。その瞬間目でとらえられない閃光のような斬撃で何回も切り裂いた。
訓練所の魔法によって上下に泣き別れることはなかったが。死なない程度の切り傷がいくつも付いた。
そうして後ろに飛びのいて少し離れるとおじさんはもう起き上がってこなかった。
どうしてのかと思って首をかしげていると受付嬢が近づいていき確認していた。
「Bランク探索者
「...?あっけな...さすがに弱すぎるでしょ...これでBランクとか...」
「おう、確かにその通りだな。最近の探索者は強さが落ちてきているからな」
渋い声が後ろから近付いてきた。
「あ、やっぱりそうなの会長?」
「ああ、自分の実力以上のところに挑戦するやつが少なくなってきてるからな。実力がなかなか上がらないやつが多いんだ」
「ふーん。なるほどね。それであいつはどうなるの?」
私は気絶したおじさんを指しながら聞いた。
「あいつは探索者ライセンスはく奪の上今後ライセンス取得は不可にした。もうはく奪してあるから一般人だぞ」
「そうなんだね。あ、そういや受付さんとの約束があるんだった」
「しっかり覚えていてくれたんですね」
「まあいつもお世話になってるし、約束したのも今さっきだからさすがに覚えてた」
「それでは紹介するので会議室まで来てもらえますか?」
「場所分かんないから案内して~」
「あ、そういえば初めてですか?会議室に入るの」
「はじめてだよ~それがどうかしたの~?」
「Sランク以上の会議が一定期間ごとに開催されるのでその場所が会議室なんですよ。なので場所は覚えて下さいね」
「おっけー」
Sランク以上の会議とかあるんだね。強い人多そうだから模擬戦とかしてみたいなぁ。
私はそんなことを考えながらすでに絡んできたおじさんには背を向けていて気付かなかった。
いや、おじさんの方をを向いていても気づけたかは怪しい、だってそっちに向いている会長ですら気づけてないのだから。
その気絶したはずのおじさんの顔がこちらに向いていてにらんできていたことに。おじさんの体にほぼ透明な黒い靄が吸い込まれていたことに、そしてその目が黒く変色していたことに。
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