第14話 配信者の少女は見た!
私はあの白髪の死神のような少女に助けられてから毎日のように教会に通って、あの少女に会えないか交渉していた。
ようやくそれが実を結んだのか会えるように手筈してもらえることとなり、今日この後会えることになった。
その会ってもらえるという情報の後会議室に案内されしばらく待っててくれと頼まれた。
受付嬢さんいわく今は会長と会って話してるらしい。会長さんとはそんな簡単に話せないはずなんだけどさらっと話してるあの少女に尊敬の念が高まる。
それでしばらく待ってたら訓練所の方から歓声が聞こえてきた。何事かと思い訓練所が見える窓にパーティーのみんなと張り付くとそこには私たちを助けてくれた少女であろう少女と悪い意味で有名なBランク探索者が対峙していた。
「ねぇねぇ!あの少女って多分私たちを助けてくれた少女だよね!」
「ええ、多分そうだと思いますよ。背格好とか髪色的にあんな少女はなかなかいないでしょうし」
私のほぼ確信めいた言葉に真も同じ意見を言ってくれた。
それにしてもどうして戦うことになってるんだろう?
もしかしてあのBランク探索者があの少女に絡んだのかなぁ?
いや、そんな馬鹿なことしないよね?
そんなことを考えているとさらに歓声が上がった。
「戦い始めるみたいですわよ!考え事してないで見ましょう!」
輝夜がそういい、窓の方に注目してるようなので私も今考えてたことを頭の隅にやって窓に張り付いた。
私たちの対応をしてくれた受付嬢さんの「はじめっ!」という声とともにBランク探索者が戦斧を上に構えて突っ込んで振り下ろした。
一方、少女はそれを一瞥してふわっとした感じで手をかざしていた。
すると、少し離れたここまでガキンッ!という固いものにあったのかという金属音が聞こえてきた。
「え、今詠唱する時間なかったよね?」
「ええ、なかったですわね。ですのでおそらく無詠唱か詠唱短縮でしょうね」
「詠唱破棄じゃないの?」
「詠唱破棄はないと思いますわ。だってあれは結界の硬度があの戦斧すら防げないレベルまで落ちてしまいますもの」
無詠唱、詠唱短縮、詠唱破棄の違いは無詠唱がその名の通り詠唱なしで高レベルな魔法を放つ方法、詠唱短縮は何説もある詠唱をすこし威力が落ちるけど三節くらいまで詠唱を減らす方法、詠唱破棄は無詠唱で魔法を放てるけど超低レベルな魔法になるから輝夜はあの硬度なら詠唱破棄か無詠唱って予想付けたのかな。
そんなことを考えてると少女が武器を取り出したようだったがそれがとてもかっこよかった。
なんといえばいいのだろうかゲームのような、空間に少しずつ武器が現れてグッと握るみたいなモーションにそっくりな行動をしててかっこよかった!とってもかっこいい!ああいうのあこがれるよね!
「なんだあの武器の出し方...すげぇかっこいいな」
健人もそうぼそっとつぶやいていたからやっぱり私の意見は間違えてなかったんだなって。
そうこう思ってるうちに少女は次の行動に移しており、矢をつがう前に弦を引いていた。
「あそこからどうするんだ?矢をつがえてないが...」
「...もしかして!まさかあの技が見れるのですか!?」
うちのパーティーで唯一弓を使う真が何か興奮していた。
少女が弓を引き終わった瞬間に弓には光輝く矢がつがえられていた。
「やっぱそうです!魔法弓術です!」
「な、なあ興奮してるところ悪いんだがその魔法弓術ってなんだ?」
「魔法弓術ってのは矢を消費せずに魔法の矢を使って弓術を行う弓術の最上級レベルの技なんです!それができるのはSランクの弓術士の如月美里だけだと思ってたんだがあの少女もできたんですね!」
「そうなんだね。さすがあの少女といったところなのか...いや彼女が規格外なだけな気がしてきたぞ」
そんな説明を聞いているうちにBランク探索者は吹き飛ばされており少女の方を見ると弓を大鎌に変化させてるところだった。
「やっぱり私たちを助けてくれた少女だ!あの大鎌は絶対に見間違えない!」
私が興奮していると少女がいきなり消えてBランク探索者の懐に現れた。
「今の見えました?僕には全然見えなかったのですが...」
「うちの探索係の真が見えなかったら俺たちが見えるはずないだろう。お前が一番目がいいんだから」
その少女が懐に潜ったと思ったらすぐ後ろに飛びのいてどうしたのかと思ったらBランク探索者が倒れた。
「嘘だろ!?いつ攻撃したんだ!?」
「全く見えなかったですの...」
「さすがあのスタンピードを殲滅した少女というべきでしょうか...」
「はえぇぇぇ、やっぱりすごいなぁ」
そのあと会長らしき人が来て話してたりしてそのあと建物に向かって歩いてきた。
やった!やっと会えるんだあの人に!
会えたらまず助けてくれたお礼をしてお願いするんだ!
私たちとコラボして下さいって!
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