前のエピソード――第5話最初の手を握るための陰謀(2)

　映像の再生が終わると、Chabertは少し震えているようで、片手を自分の剣の柄に置いたまま、私たちに尋ねる。

　その様子を確認したLucielaは、いつでも対応できるよう準備し、彼から目を離さない。

「このような映像を私に見せて、あなたたちが私に最終的に望んでいることは何なのか、聞いてもよろしいでしょうか？」

　すると、私（Panoretia）は冷笑しながら、彼の質問に答える。

「お前、それを質問だと思って言ってるのか。そんなことすら正しく理解できないなんて、相当なバカじゃないか？」

　この状況の中で、Eriternaが私たちに耳打ちする。

　その内容を認識し確認した私（Panoskal）は、悪魔のような笑みを浮かべながら彼に言う。

「どうやらその映像の真偽判断さえ必要ないようだな。」

　そして、待機しているLucielaに目配せすると、LucielaはChabertのすねを強く蹴って無理やり膝をつかせると同時に、全体的に制圧する。

　直後、私（Panoskal）は満足そうな表情を見せながら、彼に取引を提案しようとする。

「お前に取引を提案したい。もちろん、その取引はお前の事情上断れない提案になるだろう。今のように日常を維持するか、それとも生きているのでも死んでいるのでもない状態にいるか選べ。」

　これに対し、Chabertが激しく反発し抵抗したり、自決を試みようとすると、Lucielaが重力と精神干渉を使って、どんな反発や自決もできないようにする。

　これを呆れながら見ていた私（Panoretia）は、あまりにも愚かな彼に言う。

「今のお前が私たちの前で自由でいられると思ってるの？私たちがお前に提示した選択というのはね、無価値な存在に最低限の価値を与えるためのものよ。私たちがお前に死を許さない限り、お前は自由に死ぬこともできないわ。ただ今この場で、お前自身が死んだ虫程度の扱いを受けるか、生きている虫程度の扱いを受けるかを決めるだけよ。」

　これに対し、私（Panoskal）は追加で言う。

「つまり、この取引は私たちがお前に与える最低限の慈悲なのだ。もちろん、お前がこの状況や事実を受け入れなくても、お前は強制的に私たちとの取引を承認することになるだろう。」

　すると、完全に諦めた状態にいるChabertは、私たちの提案を受け入れる。

「あなたたちの言う通りにします。」

　その後、彼（Chabert）は私たちの情報源であり二重スパイの役割を果たすことになり、それと同時に私たちは、側室を破滅に導く重要な手段を手に入れることになった。