女学園の天使様は調教されたりエッチされてもメス堕ちなんか絶対にしないっ!
百合園女学園での“ご機嫌よう”は『処女!! 処女でしょう⁉ ねぇ、処女でしょう貴女! 処女膜置いていきなさい!! ねぇ!!!』を意味する
第1章 下冷泉霧香編
百合園女学園での“ご機嫌よう”は『処女!! 処女でしょう⁉ ねぇ、処女でしょう貴女! 処女膜置いていきなさい!! ねぇ!!!』を意味する
「歴史と伝統ある百合園女学園に入学おめでとう。これで今日から唯は僕の同級生かつガールフレンドだ」
姉が死んでから、1ヵ月。
私は姉の遺品の整理と身の回りの片付けにお世話になっていたマンションの部屋の引き渡しは無事に終わり、私はご主人様の邸にお世話になりつつ、女の子になるよう調教され続けていた。
そんな私は今、百合園女学園の理事長室にいて、アニメや漫画で見るような理事長室にあるような豪華絢爛な机に我が物顔で座っている金髪の少女と同じ空間にいた。
窓から入ってくる朝の光よりも眩しい笑顔でそう笑う彼女は百合園女学園が指定する制服に袖を通しており、身寄りのない私を助けてくれた恩人だという贔屓目なしでも、やはりとんでもないほどの美少女として目に映る、が――。
「……本当に。ご主人様の所為で散々な目に遭いました。余裕で訴訟が出来るぐらいの非人道的な目に遭わされましたよ……」
「話は変わるが理事長室には校内放送用のマイクがあってね。何ならこの場で君の性別を赤裸々に明かすことも――」
「やっ、止めてくださいよそんな事⁉」
「止めて欲しいのであれば……さて、何だったかな?」
「……っ……虐めないでください……ご主人様……」
「うんうん。調教通りに良く言えたな、偉いぞ唯」
ニマニマとした笑みを浮かべつつも、頬と耳が隠せないぐらいに赤くなっている偉そうな人であるが……彼女は偉そうではなく、実際にお給金という形で150万円という大金をポンと出してしまうぐらいに偉い。
彼女は身寄りも仕事も金もない私を専属メイドにしつつ、百合園女学園の女生徒と寮母としての職務を全うするようにと新しい学習環境と職場を紹介してくれただけでなく、私立学園特有の多大な学費はゼロで、決して安くはない入寮料を無料にするという暴君っぷりを遺憾なく発揮していた。
「それにしても……やはり何回見ても納得が出来ないな。本当に君は男なのか? 本当に制服が似合っているのだが」
「私は男ですっ! というか、何で私がこんな格好をする必要が⁉」
「何故って校則があるからな。ここは制服指定のお嬢様学園だ。決まりなら仕方ないだろう」
「そういう決まりがあるのに男の私が女学園に入る事の方がおかしいのではっ⁉」
「おかしいのは君の美少女っぷりの方だろう」
「ご主人様の頭がおかしいんですよっ!」
「初めて会った時から思っていたが、君の声は変声期前の子供みたいに高いし、身体もちょっとどころじゃないレベルで華奢だ。しかも、肩も女性が羨むであろう撫肩。尻はそれはもう色っぽく膨らんでいる。そして貧乳。これで男はちょっと無理があると思う。君はアレだ。アレだろう? 男性器が生えただけの女性だろう?」
「違いますっ! 私は正真正銘の男の子ですっ! 入学する為に必要な書類に私の個人情報がいっぱいありましたし、何度も私の裸を見ましたよねっ⁉ 一方的にっ! 変態みたいにっ! 犯罪者みたいにっ! 私の身体を弄びましたよねっ⁉」
「いや、これは君が男性だいう前提を知っている人間としての忌憚なき意見だ。主観抜きで本音を言えばこのまま街に出歩いても女装だと絶対に疑われない。やっぱり君は男じゃなくて女だろう? 素直に認めよう? な?」
「ご主人様や世間がどう思おうが私は男なんですっ! 精神的にもっ! 肉体的にもっ! 男の子なんですっ! 本当に何で入学を許可しやがったんですかこの女学院は⁉」
「編入試験の成績も優秀で文句なし。傍目から見ても女性にしか見えなくて問題なし。学園側としても偏差値も上がるしで文句も問題もないのだが」
「性別っ! 私の性別は男ですっ! 大問題ですよっ⁉」
「こうして見る限りでは問題にならなそうだがな。ロングスカートの裾からチラリと見える黒タイツに覆われた脚も大変健康的で実に良い。うん、これなら君の突起物が学園生活中に勃起しても注目されなければバレそうにないな」
「ぼっ……⁉ し、し、し、しませんよそんな事⁉」
「頼むから男だとバレるような勃起だけはしないでくれよ? 君が勃起したら退学処分を下さねばならないし、僕も社会的にも死ぬ」
「ひゃん!? た、た、た、タイツ越しから私の足を触るの、あんっ……! やっ、やめっ……! 優しく撫でるの、やだっ……!」
「この制服は男性特有のボディラインが浮き彫りにさせないか少し心配だったが杞憂だったな。腰が細すぎるし、くびれがエロいな君。これで実は男性だなんて生命の神秘さえ感じるな」
「ぅ……! うぅ……! 優しく触られたら、私、おかしくなるっ……!」」
「安心しろ。僕は君の所為で頭がおかしくなっているからこれでお相子だ。全く、人の性癖を壊すだなんて、君は本当に酷い女の子だな? ふふっ、大好きだ」
「だ、だからっ……! 私は本当に男の子なんですってばぁ……!」
「鏡越しで自分の姿を見てみるといい。どこからどう見ても和奏にそっくりな美少女だぞ君」
そう口にした彼女はどこかのお偉い様が印籠を差しかざすように手鏡を持つと、それの鏡面を僕の方に向けて、今の自分の姿をまざまざと見せつけてきたのであった。
――そこに写っていたのは死んだ姉によく似た自分の姿。
「…………」
ずっと、ずっとずっと、生きていてほしかった彼女の姿がそこにある。
だけど、どうしようもない別人で偽物だって言う事が私自身が分かっている。
だって、和奏姉さんは死んでしまった。
彼女の遺体が灰になる瞬間を、私は見届けてしまった。
だから……生きているだなんて、あってはならないのだ。
それでも一瞬だけ自分の事を姉と勘違いしてしまったのは、姉がよく着用していた百合園女学園が指定する紺色の、修道女を思わせるようなロングスカートの制服に身を包んでいたからだろうか。
遠目から見れば慎み深い修道女を思わせるようなデザインは都内でも人気だし、その道の者にはかなり評判が良かったりするけれども、それでも私は制服姿の姉は好きだった。
「今の君の背格好は在りし日の和奏を彷彿とさせる。髪の色も和奏と同じ銀色だから、こうして見ると本当の姉妹のように思えてならないよ」
「
「とはいえ、紺色の制服の色に映える髪色だ。うん、僕は好きだな銀髪紅眼。金髪碧眼の僕と対を為すという絵面も良い。まさに理想の主従関係じゃないか」
「……こんな髪の良さなんて、食事を作った時に自分の髪が料理の中に落ちているかいないかが分かりやすい程度ぐらいで全く使い物になりませんよ」
私には海外の血が半分流れている。
母方の祖先が北欧に住んでいたらしくて、遺影に写っている母親の髪色は銀髪だったし、姉も銀髪だった。
幼い時に両親を無くし、姉弟2人揃って奇抜な髪色をしていたものだから、周囲から珍獣を見たかのような視線を向けられるのも、もう慣れてしまった。
姉弟揃って孤児を保護する為の施設に入れられた時は髪の色で差別を受けないかどうかで心配した事もあったけれど、色々と複雑な家族問題を抱えている孤児たちは私たちの特徴を『そういう人』で捉えてくれたので、案外充実した生活を営む事が出来たが……もうあの日には、姉がいたあの日には絶対に戻れない。
「周囲の髪の色が違うと色々と面倒なのは同意するよ。とはいえ、だ。銀髪紅目の美少女とか、君はどこのアニメやゲームの住人だ。ここ百合園女学園はそういうのが大好物な淑女共が蠢く魔境だというのに……今にも君を慕うであろう女子生徒を想像すると胃が痛くなる」
「私なんかを慕う人なんて、いる訳……」
「断言してやるが、絶対にいる。ここは小中高一貫どころか、保育園に幼稚園も利用できる筋金入りのお嬢様学校でね。そういう意味では世間一般の常識から保護されてきた
「確かに理事長代理がコレですもんね……」
「僕は変態ではない。何はともあれ僕以外の女子生徒は全員変態だと思え。それが百合園女学園だ。ふふ……どうして私こんな学園の理事長代理してるんだろ……お腹痛い……普通の学校で普通の女子生徒したかったなぁ……」
本当にお腹が痛そうな声音でそう言ってのけた彼女は理事長の机の棚から胃腸薬と書かれたラベルの薬瓶を取り出しては、数粒の錠剤を取り出して水を飲まずに口の中に流し込んでいた。
「まぁ、何だ? 説明するまでもないとは思うが、唯は本当に一般女子生徒相手でも気を引き締めて演技をするように。とはいえ今までの君の堂々たる女装っぷりを見る限り、調教は全て上手く行っているようだから心配はしないが」
「し、心配してくださいよ」
「ふふ、歩き方も化粧も動作も何を取っても立派な女の子だな? 本当に君は僕好みに美少女になってくれた。源氏物語で幼女を自分好みに調教する光源氏の趣味が理解できたよ」
「ち、調教されたとしても、私の心と身体はまだ男の子ですからっ……!」
女々しいと言われるのは百も承知ではあるけれども、流石に主張をしないとやってられなくて思わず声を荒げてしまう……が、やはり自分の耳に入ってくるのは女の子としか思えない聞き慣れた自分の声。
しかし、それでも私は目の前に座っている彼女に自分は本当に男なのだと再度宣言しようとして――背後の扉からノックされる音が聞こえてきた。
「おっと、客人か。唯、すまないがそこの扉を開けてくれ」
一応、今の私は女装をした変質者だというのに百合園茉奈は全くそう言った心配をしていないようであり、私は漏れ出るため息を零さないようにしながら理事長室の扉を開ける。
「――フ。御機嫌よう、百合園茉奈さん」
そこにいたのは、黒髪の美少女だった。
濡れた
陶磁器すらも霞んでしまうような芸術品めいた肌は透き通るように白く美しく、遠目から見ても分かるぐらいの大きな
モデルのように細身ですらりと伸びた細い手足に、細く整って一切の無駄が無い鼻梁と顔の輪郭線に、汚れも知らないような上品さと初々しさを連想させる桜色の薄い唇。
色白なことも相まって、いかにもな深窓の令嬢といった雰囲気を併せ持ち、どんな嘘すらも見透かされそうになってしまいそうなほどに深く、夜をそのまま閉じ込めたかのように流麗な瞳。
外を歩いていれば誰もが思わず二度見してしまうぐらいの美少女が、私と同じ制服を着用した状態で理事長室に入ってきて、私はそんな彼女に思わず一目惚れしてしまいそうになった。
「――――――――」
対する黒髪の彼女は、まるで信じられないモノでも視たかのように、黒曜石を思わせるような綺麗で静かな瞳で私をまじまじと見つめてくる。
「あ、あの……? ど、どうかしましたか……?」
もしかして……女装がバレた?
そんな起こって欲しくない可能性の1つに現在進行形で遭遇してしまうと思った以上に神経が擦り減ってしまいそうになってしまう。
やっぱり、男が女装して女学園に入学するだなんて無理がある話だったんだ……!
「――――。貴女。そう、貴女。貴女のお名前は?」
「な、名前⁉ え、えっと……天使唯と申します!」
「結婚しましょう。私に犯されて妊娠してくれませんか、唯お姉様」
「……は?」
「一目惚れした。大好き。見た目がすっごく性癖にストライク。特に顔と身体が
「…………は?」
「は行から始まる返事の言葉の『はい』ね。両思いね、嬉しいわね、当然ね。それでは早速
「………………はぁ⁉」
「まさか服を脱がないつもり⁉ レベルが随分と高いわねこの変態! 好き! 私よりも変態な唯お姉様が大好き! そんな唯お姉様の銀髪紅眼を見るだけで私の女性器がそれはもうグチュグチュのグチュ! 大変にエッチね貴女! いいわ、すっごく
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