第50話

「〔おおっと、ここでリンタローパーティーが敗退だぁー!!試合終了!!〕」


 あれはどう考えても勝てる相手じゃない。


 俺達がここで敗退するのは必然の事だった。


「〔会場の皆さん、惜しくも敗れてしまったが、今大会で唯一護衛兵を2人退場させ、さらに護衛兵と5分にわたって戦うことができたリンタローパーティーに拍手をお願いします!!〕」


「…………ッうぅ…グスッ…」


「ジェナ、俺達はよく頑張った!!あのパーティーに5分耐えたんだぞ?凄いじゃないか!!全部お前のおかげだよ!!」


「で、でも…」


「泣きたいときは泣いていい。一番頑張ってたもんな…」


 どうしよう、ジェナを慰めてたらもらい泣きしそうになってきた…


「いやー、なんで負けちゃったのかしら…」


「なんでお前はスライムで立ち向かおうとしたんだよ…」


「そりゃだって、狂獣変化で変身できるモンスターは見たことがあるモンスターだけだもん。その中で唯一再生能力があったのがスライムだったのよ…」


「それ先に言えよぉ…今言っても仕方ないけど…」


 俺は泣くジェナに肩を貸し、蘇生結界から出た。


 その後行われた決勝戦では養成学校のケンザキのパーティーと生徒会長、そして護衛兵が三つ巴の戦いを見せたが、結局、2分もしないうちに護衛兵が制圧してしまった。


 順位としては


1位:大陸西端護衛兵

2位:生徒会長

3位:ケンザキパーティー

4位:リンタローパーティー


 俺達が4位になった理由としては準決勝にて一番護衛兵にダメージを与えることができたからだそうだ。


「リンタローパーティー!!お疲れ様!!」


「会長もお疲れ。」


「ジェナさんもお疲れ様です!!」


 会長は俺の横で泣いているジェナにねぎらいの言葉をかけた。


「………ありがとうございます。その、国王杯、頑張ってください。」


「うい、生徒会長として、生徒全員の思いを会場に持っていくよ。」


 今日は、星空が綺麗だ。


 俺達は、同じ馬車に乗って夜中の草原を走っていた。


 横ではジェナが泣き疲れて寝ている。


 俺の肩を枕にしながら…


 そして翌日、思いもよらない事件が俺達を襲う。

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