選抜戦準決勝:RTA走者
第48話
なんかすごいあっという間だった気がする。
「〔さあ、ついにこの大会も準決勝まで来ました!!〕」
待機場所の外からそんな放送が聞こえる。
「えーと、次の相手は…」
“大陸西端護衛兵”
大陸西端護衛兵って…
確か昔、聖剣ビクトリーカリバーを守ってた組織じゃ…
彼らの今日の戦績を見てみよう。
第1試合:勝利(試合時間:1分35秒)
第2試合:勝利(試合時間:47秒)
RTA走者かよ…
「おい、ジェナ、ビルト、ヴァン…これ見ろよ…」
次の瞬間、メンバー一同顔面真っ青になる…
「こんなの、どうやって勝てと?」
「さすが大陸西端護衛兵、これまで王家直属の兵士団を退けてきただけありますね…」
「大丈夫よ!!私だってこの人たちと同じ聖剣の用心棒の娘よ?私なら…」
「それが3人もいるんだぞ?」
「はい、調子乗りました。」
「俺の情報だと、護衛兵は全員上級魔法使い(アドバンスウィザード)で、現象系魔法を使うそうだ。」
「現象系魔法なら私と同じですね…」
「ただ、その熟練度が違うんだ。ジェナはついさっき使えるようになったけど、この人たちは20年近く護衛兵やってる人たちだ。もちろん技術力も半端ないだろう…」
どうしよう、勝てる気がしないんだけど…
「さらに、ここまでのタイムを出している相手だ。試合開始とともに魔法を撃つか飛び掛かるかしているはず。じゃあそれに対抗してこっちもやってやろうってことで、ヴァン、今回はお前に勝利のカギを預ける。試合が始まったと同時に狂獣変化で何か再生能力のあるバケモノに変身して真っ先に倒しにかかれ。」
「合点承知之助!!」
「誰だよ承知之助。」
「では私は何をすれば…」
「ジェナはヴァンの援護をしろ。くれぐれもヴァンを巻き込まないように、俺とビルトは敵の隙をついて狙撃する。」
「分かりました。」
「なあ、今度の敵はこっちに近づいて来たりしないよな?」
「無い事は無い。だから身を隠しながら戦うんだ。」
「〔試合、始め!!〕」
再生能力のあるモンスターって言ったけど、まさかスライムみたいなモンスターになったりしないよな?そこまで馬鹿じゃないよな?
「【
終わった。
しかもこいつ、全身をスライム化させやがった。
腕をドラゴンから人間に戻すとき、腕が一度落ちて生え変わるって言ってたけど、これの場合はどうなるんだろう。
あー、相手の魔法使いさん、びっくりして魔法構えちゃってる…
「火炎魔法〈フレイム・ブレス〉!!」
ノーマルスライムは水以外の魔法に弱い。
ヴァン、退場。
「おい、これどうするよ!!(小声)」
「ジェナ、ジェナ行け!!」
「そのつもりです!!」
ジェナが斧を構えて突っ込んでいった。
しかし、護衛兵はジェナには見向きもせず、俺に向かって走ってくる。
「え!?なんで!?そっちにもっと強いのが…」
「氷結魔法〈ブリザード・プリズン〉!!」
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